今年のドラフト会議が終わりました。
ロッテの指名は育成枠選手を含めて9人ですから、予想よりは多かった感じです。
そのうち投手が6人と野手はどうするのだと叫びたい気分ですが、ここは角や吉田、生山の支配下選手登録に期待をしたいところです。
もっとも現時点での支配下選手登録の枠は70人で全てが埋まってしまい、育成枠選手を抱えるためには第2次戦力外通告が必須となってしまいました。
その一方で服部や林などの戦力外通告が必至と見ていた選手の契約更改が進んでいますので、コーリーとムニスのリリースでお茶を濁すつもりかもしれません。
そうなると竹原の金銭での放出を勘定に入れたくもなりますが、あるいは西岡のポスティングや小林宏のメジャー移籍を視野に入れているのかもしれず、日本シリーズ後に面白くはないニュースが飛び込んでくるような気がします。
何にせよ翔太に加えて翔大、翔大、翔太と何を考えているのかと思いたくもなりますが、トリプルYUがクワトロYUとならなかった代わりにトリプルSYOH、クワトロSYOHとして売り出せるよう頑張ってもらいたいものです。
1巡目の入札は昨年の菊池回避の再現とはならず、ハンカチ王子こと斎藤(早大)に特攻となりました。
重複は4球団でヤクルトはともかくソフトバンクと日本ハムは意外で、噂はされていたものの実力よりも人気を考えなければならないプロ野球界の現状を見た気分です。
もっとも予想以上に大石(早大)への入札が多かったことを考えれば賢明ではありますし、沢村(中大)への遠慮を見れば来年の菅野(東海大)は既に巨人で決まりなんだなと、何とも不愉快な他球団の動きではあります。
そして当たりくじは日本ハムが引き、空くじを引くしかなかった西村監督にはお気の毒としか言いようがありません。
個人的には評価をしていなかった斎藤ですが大石とともにパシフィックが獲得をしたことは喜ばしく、パ高セ低に拍車がかかりそうな1巡目入札のお祭りでした。
斎藤を外してハズレ1巡目として入札をしたのは、昨年の荻野貴に続いて予想外の伊志嶺(東海大)でした。
首都大学野球の秋のリーグ戦でMVPを獲得し、通算で243打数79安打2本塁打40打点の.325で野手№1の評価を受けている選手です。
俊足好守と荻野貴に似たタイプであり、ホームランは少ないながらもパンチ力もそこそこあります。
右の好打者は各チームとも欲していることから人気は高く、オリックスとの抽選で残り物に福があったことはラッキーでした。
補強ポイントとしての優先度は荻野貴や清田の存在を考えれば高くはないのですが、その荻野貴は未だに腫れが引かない状態であり、また2度の手術をした早坂も復帰の目処が立っていないことを考えれば悪い選択ではありません。
福井(早大)にいったとしても広島と重複をしたわけですし、西村監督の確固たるチーム作りの方針が見えたことを喜びたいと思います。
2巡目は南(立正大)で、県和歌山商から立正大に進学をしたことから「西口二世」と呼ばれていますが、MAX151キロとタイプは違うようです。
昨年は東都大学野球の秋のリーグ戦で優勝、神宮大会でも優勝をするなど大活躍でしたが、今年は肩の故障もあり結果を残せていません。
やや変則なフォームですから故障もそれが理由かもしれず、またストレートで押して三振を奪うタイプでもなさそうですので微妙と言えば微妙だったりもします。
ただカーブを武器にしていますからロッテのトレンドには合っているようにも思え、そのあたりも指名のポイントだったのかもしれません。
いずれにせよ投手としては最上位の指名ですから、しっかりと故障を治してシーズン中に1軍で投げられるよう頑張ってもらいましょう。
3巡目は社会人投手の指名となり、今年の投壊から投手偏重ドラフトとも言われていたとおりの展開です。
小林(七十七銀行)は東海大相模から東海大と巨人が触手を伸ばしそうな経歴の持ち主ですが、その東海大ではさしたる成績を残せてはいません。
社会人になってから力を出してきたという感じでもなく、ストレートに変化球、コントロールのバランスがいいロッテな指名とも言えます。
どうにも小林の系譜を絶やさないための指名ではないかとすら思えるのですが、先発と中継ぎのどちらの適性を評価してのものかが気になります。
それでも今年は全体的に指名順位が低かった社会人の中でもトップクラスの投手ですから、即戦力として期待をします。
4巡目はようやくの捕手で、山下(習志野)をソフトバンクに持って行かれたので小池(青学大)を獲れたことは大きいです。
ただその小池はリーグ戦で死球を受けて右手指を骨折し、手術をするとの話がありましたから来季の開幕には間に合わないかもしれません。
それでも1年からレギュラーを任された大学№1捕手ですし、年齢的にもロッテの捕手陣の空白を埋める貴重な存在になってくれることでしょう。
先輩の清水将と似たようなタイプだとは勝手な思い込みですが、キャッチングは安定をしているものの清水将ほどの強肩でもなく、また打撃は似たようなものですから正捕手を目指せるような感じは正直なところありません。
ただこういった存在の選手が意外にレギュラーを獲ってしまうケースが無いわけではありませんから、まずは焦らずに怪我の完治を最優先に考えてもらいましょう。
5巡目は小池とは違って強肩が売りの江村(大阪桐蔭)で、西岡の後輩となります。
もともとが山下と小池のW獲りを望んでいただけに、捕手を2人も獲ったことが今ドラフトの最大のポイントです。
育成枠を除けば唯一の高校生ですからドラフトフリークとしてはどうしても肩入れをしたくなりますし、いい味を出しそうな顔つきにも期待をしています。
イースタンでは意外に早く出番をもらえるかもしれず、しかし無理をして青柳のようにはならないよう慎重に願いたいものです。
6巡目は逆輸入として話題となった藤谷(南カリフォルニア大)で、2年前にメジャーのドラフトで18巡目の指名を蹴ったことがある異色の存在です。
MAX154キロとスピードで勝負をするタイプなのは米国球界らしく、コントロールがアバウトなのが懸念材料でしょう。
しかしそれでも力で押すタイプが少ないチーム事情を考えれば期待をしたくなりますし、話題性も充分です。
一見すると清水かと思えるような顔つきは正面からの写真を見ると別人で、本人には申し訳ないながらもクレバーな印象はありません。
高校時代から米国で野球をやっているとのことですから日本の細かいプレーについてこれるかどうか、190センチながらも77キロという細身でプロの世界でやっていけるのかどうかなど、いろいろと課題はありそうですが型破りな活躍を夢見たいと思います。
育成枠の1巡目は黒沢(城西国際大)で、こちらはK-1の武蔵かと思ってしまいました。
ややレベルの低い千葉県大学野球でも目立った存在ではなく、今年は入団テストを行ったとの話も聞きませんので獲得のルートが今ひとつ分かりません。
体力、技術ともまだまだなのは育成枠なのですから当然ですが、その面構えに期待をすることにします。
育成枠の2巡目は久しぶりの左腕である山口(立花学園)で、写真を見る限りでは荻野貴に似ていないこともありません。
どうにも中途半端で1軍に定着が出来ない大学、社会人出身の左腕が多い現状を考えれば、植松とともに若い力で活性化の一助となってくれればと思います。
2年生からエースとなりながらも甲子園には手が届かず、その悔しさをプロで晴らしてもらいましょう。
育成枠の3巡目は石田(NOMOベースボールクラブ)で、26歳で育成枠とは驚きです。
当然のことながら1年で結果を出せなければ戦力外は免れず、入団の決意をするかどうかすら危うい気がします。
愛工大名電から日大と名門を歩んでおり、日大では那須野の後輩、長野の同期ですから入団をすれば期するものがあることでしょう。
その日大では投手で入学をしながらも1年の秋から内野手、そして2年から外野手に転向をしながらも2打数1安打の成績で4年に再び投手を志して主将を任されたものの、秋のリーグ戦ではベンチにすら入れず長野にその主将の座を奪われるという辛酸をなめてきています。
こういった選手が活躍をすれば話題にはなるのですが、まずは鈴江との生存競争に勝ち抜くことが第一であることは言うまでもありません。
そして気になるのは指名により恒例の胴上げがあったかどうかで、もしあったとすれば柳田の心情はいかばかりかと胸が苦しくなります。
ドラフトでの指名巡目はアマチュアでの実績、評価に基づいたもので、それがプロでの成績に直結をするわけではありません。
またスタート地点に立っただけですから、選手たちには気を引き締めて春季キャンプまでに体を鍛え、技を磨き、心を強くして欲しいと思います。
入札をした選手を外したのですから100点満点のドラフトであったとは言えませんが、1年後、3年後、そして5年後に「2010年世代」と言われるぐらいの輝きを見せてくれる活躍に期待をしたいですし、きっとやってくれると信じて来季を待ちたいと思います。
そして球団にはせこいことを言わず、全選手を日本シリーズに招待をするぐらいの度量を見せてくれれば言うことはありません。
1巡目 伊志嶺翔大 外野手 右 22歳 東海大 179cm・78kg 予想背番号5

2巡目 南昌輝 投手 右 21歳 立正大 182cm・88kg 予想背番号24

3巡目 小林敦 投手 右 24歳 七十七銀行 178cm・85kg 予想背番号36

4巡目 小池翔大 捕手 右 22歳 青学大 183cm・86kg 予想背番号23

5巡目 江村直也 捕手 右 18歳 大阪桐蔭 176cm・83kg 予想背番号53

6巡目 藤谷周平 投手 右 23歳 南カリフォルニア大 190cm・77kg 予想背番号00

育成枠1巡目 黒沢翔太 投手 右 22歳 城西国際大 181cm・84kg 予想背番号121
育成枠2巡目 山口祥吾 投手 左 18歳 立花学園 176cm・70kg 予想背番号123
育成枠3巡目 石田淳也 投手 右 26歳 NOMOベースボールクラブ 179cm・82kg 予想背番号124