今年のドラフト会議での指名は7人と予想よりも多く、そのうち4人が野手ですので満足をしています。
有原で始まり横山、岡本とマスコミが流したロッテの入札は蓋を開けてみれば中村で、まさに煙幕ロッテな指名となりました。
直前まで岡本と天秤にかけていた、投手が欲しかったが抽選で外れる可能性が高い、とやや消極的と言いますか評価をしている、欲しい選手をシンプルに指名をするといったものとは違ったような、そんな伊東監督のコメントも伝え聞こえてきますし、投手中心とも言われていた戦略とはかけ離れたものとなりましたが、これも迷走ではなく煙幕と思いたいです。
正直なところいの一番の補強ポイントが内野手とはとても思えないのですが、しかし荻野貴と清田がいるところでの伊志嶺、さらには加藤とそのときにはそこかよ、と思っていた指名が結果的には意味があるものとなりましたので、中村にはスカウト陣の評価どおりに10年はレギュラーでいられるよう頑張ってもらいましょう。
注目の有原は4球団、安樂に2球団と他球団も一本釣りに走ったのが、今年の特徴とも言えます。
その有原は日本ハム、安樂は楽天が当たりくじを引いて、また高橋、松本、小野、浅間、高濱など世間的に知名度の高い選手がパシフィックに集中したような感があります。
ドラフトフリークで評価が高いのはおそらくは松本、栗原、古沢と島袋のソフトバンク、宗、佐野、鈴木のオリックス、有原、清水、浅間、高濱の日本ハム、安楽、小野の楽天とこちらもパシフィックが中心になると思われますが、しかし前評判は前評判、勝負は入団をしてプロの戦場に立ってからですので気にすることはありません。
中村、田中、岩下、寺嶋、香月、宮崎、脇本の各選手が鴎の一員としてQVCマリンで躍動する、そんな活躍を期待しています。
1巡目の中村は走攻守の三拍子が揃った内野手で、一発の魅力を秘めたバッティングに足で勝負ができるほどではないものの俊足で、使い勝手のよいタイプです。
キャプテンとしてチームをまとめる力も評価をされており、今月に入ってから担当の諸積スカウトが1巡目もあるとコメントをしていたとおりの指名となりました。
気になるとすれば今秋のリーグ戦でここまで.258と低迷をしていることで、春も.239と勝負の最終学年での不調が引っ掛かります。
外野も守れますがセカンドとしての獲得でしょうし、そうなれば鈴木はショートのままなのか、三木がいて高濱がいて、クルーズとの交渉で代理人が無茶を言えば切ることになるかもしれず、大嶺翔も外野へのコンバートを真剣に考えるきっかけとなるのか、そんないろいろなところに波紋をもたらすことになるであろう中村の獲得です。
2巡目の田中は京大としての初のプロ野球選手と話題性は充分、あるいは裏一面に持ってくるところもあるかもしれません。
140キロ台のストレートに変化球を織り交ぜてのピッチングで、気持ちが前に出るピッチングは好感が持てます。
リーグ通算8勝31敗と大きく負け越しているのは京大ですので仕方がなく、しかし防御率は2.25ですので水準以上の力はあるのでしょう。
ただ上位指名ながらも京大ですので体力的な不安は拭えず、即戦力とは考えずに3年のスパンで見ていくことになるのではないかと思います。
とりあえずは加藤、三木と間違えないよう、しっかりと顔を覚えることが第一です。
3巡目の岩下は小野スカウトの初仕事、是非とも大成をして欲しいです。
唐川以来の高校生投手の上位指名ですから、期待をするなと言う方が無理でしょう。
癖のないきれいなフォームで130キロ台後半から140キロにかかるかかからないかのストレートは、プロで鍛えれば5キロぐらいのアップは充分に可能です。
それがロッテで、はやや不安ですが、コントロールがまとまっていますので早い段階で一軍で投げることができるかもしれません。
4巡目の寺嶋はこちらもキャプテン、強肩強打と評されています。
吉田、江村、田村がいるだけに捕手は高校生でよいのではと思っていたのですが、伊東監督はまだまだ現状に満足ができないのでしょう。
足もそこそこありますのであるいは外野手への転向といった話も出てくるかもしれませんが、もちろんまずは捕手としての勝負です。
いい面構えをしていますし、ロッテはあんなに好捕手を抱えてどうするつもりなのか、と言われるような存在になってくれればと思います。
5巡目の香月はポスト今江への期待が持たれます。
甲子園でも活躍をしましたし、そういった大舞台で結果を残せる選手は貴重です。
引っ張るだけではなく逆方向へ流す技術もありますので、浦和では即レギュラーになれるかもしれません。
写真によってはかなりなおっさんに見えますが、正真正銘の18歳です。
6巡目の宮崎は写真が見つからず、小学生のときのもので勘弁です。
171センチと小柄ながらも140キロ台のストレートが持ち味で、左の中継ぎとしての獲得なのでしょう。
肘、手首の使い方に特徴があり、打者から見ればボールの出所が分かりづらいのではないかと思います。
コントロールに難があるのがロッテでは相当な不安材料になりますが、チャンスがある環境ですので頑張ってもらいたいです。
7巡目の脇本は上州のゴジラ、はどこかで聞いたようなフレーズですが、そのパンチ力が魅力です。
前評判の高さからしてここまで指名をされなかったのはプロの目から見れば弱点があるのでしょうが、逆に言えばこの巡目であれば長所を前向きに見たいです。
足でも勝負ができる、といった評もあるようですし、化ければ儲けもの、と考えれば最高の指名でしょう。
福浦、角中に続く左打者のドラフト7位ですので、大きく育って欲しいです。
1巡目 中村奨吾 内野手 右 22歳 早大 180cm・79kg 予想背番号23

2巡目 田中英祐 投手 右 22歳 京大 180cm・75kg 予想背番号35

3巡目 岩下大輝 投手 右 18歳 星稜 181cm・80kg 予想背番号46

4巡目 寺嶋寛大 捕手 右 22歳 創価大 184cm・84kg 予想背番号38

5巡目 香月一也 内野手 左 18歳 大阪桐蔭 176cm・83kg 予想背番号58

6巡目 宮崎敦次 投手 左 22歳 広島国際学院大 171cm・72kg 予想背番号48

7巡目 脇本直人 外野手 左 18歳 健大高崎 180cm・80kg 予想背番号55
