今日は里崎の引退試合でした。
フライングで13時ごろに球場に着いたときには100人程度だったのですが、16時過ぎに出直してみればDゲートの入場の列が1階のカモメの窓口まで連なっているという状況で、普段はあまり感じたことがなかったのですがBゲートの利用ができることの有り難みをヒシヒシと、そんな混雑ぶりです。
マリーンズストアも引退記念グッズを目指してかファンが殺到して入場制限をしていましたし、さすがの里崎人気です。

故障をしている膝の具合からして出場は無理ではないかと思っていたのですが、一番DHでのスタメンでした。
コールをされたときのスタンドの盛り上がりはもの凄く、伊東監督の粋な起用に感謝です。
二打席での交代となりましたが予定だったのか、あるいは優勝争いをしているオリックスに対する配慮があったのかもしれません。
試合前の練習には参加をした里崎は、吉田と話をしながら軽やかな動きを見せていました。
DHでの出場ですのであるいは不要な練習ではありましたが、捕手里崎としての最後を飾りたいとの思いがあったのかもしれません。
笑顔ながらも時折に見せる、どこか寂しそうな表情が印象的でした。
里崎のラストゲームは、二打席連続三振で終わりました。
一打席目は見送りで、二打席目は空振りで、三振をしても堂々と胸を張ってベンチに戻る姿が代名詞の一つでもあった里崎らしい終わり方とも言えます。
引退試合ともなれば「お疲れ様ストレート」がお約束ですが、優勝争いをしているオリックスですからそういうわけにもいかず、しかし真剣勝負での有終の美に拍手です。
球場内には里崎のポスターなどが所狭しと飾り付けられていましたし、リボンビジョンにもメッセージが流れるなど里崎一色でした。
スコアボードの球速表示の横の広告も3球に1球の割合で里崎バージョンとなるなど、かなりな徹底です。
残念だったのは高らかに宣言をした花火での22の文字が崩れまくっていたことで、これにはスタンドから大きな溜息が漏れていました。

この記念すべき試合を勝利で飾れたこと、これがとにかく嬉しかったです。
選手たちを勝利のタッチで迎える里崎の表情は穏やかで、またその最後を楽しんでいるかのようでした。
選手たちも里崎を白星で送れることを、喜んでいたのではないかと思います。
そして引退セレモニーです。
花束贈呈はエースと正捕手として長年にバッテリーを組んできた成瀬、同世代で戦ってきたサブロー、そして福浦でした。
成瀬にはかなりの時間をかけて言葉を交わしていましたし、泣きそうな表情だったサブロー、そして福浦との抱擁は目頭が熱くなるシーンです。
ここに渡辺俊や橋本将が登場、あるいはビデオメッセージがあれば涙腺が決壊をしたかもしれず、しかし大人の事情もあるのでしょう。
ファンへの挨拶は捕手、を意識したのでしょう、マウンドではなくホームベースからフィールドに向かってのものでした。
バックネット裏からは背中越しになってしまったのが残念ではありましたが、なかなか考えられた設定に唸らされた思いです。
そのメッセージは自らのことよりもチームに対してのものが多かったぐらいで、後半からはベンチに向かって「成瀬、お前がチームを、そして捕手を引っ張れ」「こんな成績になるようなチームではない」「来年は日本一になる5の年だ」との叱咤激励は里崎らしく、これで成瀬の終生ロッテは決まったかもしれません。
最後は場内を一周で、ライトスタンドからはもの凄い紙吹雪が里崎を迎えました。
またロッテファンはもちろんのこと、オリックスファンもそのほとんどが残ってくれていたことに感謝です。
そして名残惜しそうにホームベースの前で蹲踞をする里崎の背中を見て、本当に引退をするんだなと、そんな実感が押し寄せてきました。
引退後は球団には残らないとのことで、おそらくはTwellVあたりの解説者になるのではないかと思われますが、いつかは指導者として戻ってきてくれればと願います。
ビックリマンの終身名誉PR大使に就任をしたとのことですし、里崎はいつまでもロッテの里崎です。
16年間、お疲れ様でした、そしてありがとう!

里崎のうちわ、そしてマリーンズマガジンの特集号を来場者全員に配ってくれた球団にも感謝です。
山積みとなったこれらを配る係の人も笑顔で、受け取るファンも笑顔でした。
引退は寂しいのですが、多くのファン、そして関係者に見送られての新しい門出に立ち会えたことを嬉しく思います。
また会う日まで、できれば来春の石垣島で会えれば最高です。