オリオン村(跡地)

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2010年通信簿 27 古谷拓哉

2010-12-14 00:58:06 | 千葉ロッテ

27 古谷拓哉 投手 29歳 年俸810万円

【2010年成績】 58試合 3勝0敗0S 防御率2.91 55回2/3 48被安打 4被本塁打 30与四球 2与死球 52奪三振 被打率.227

古谷が生き残るためにはフォームを戻すぐらいしかないと書いた昨年でしたが、そう簡単なことだとは思っていませんでした。
しかし予想を覆すような大活躍は驚きの一語ですし、フォームを戻しただけでこれだけの結果を残せるのであれば一昨年までは何だったのだという気にもなります。
巡り合わせが悪かったのか、はたまた長い低迷で悟るものでもあったのか、何にせよこのチャンスをしっかりと掴み取って勝利の方程式に組み込まれて欲しい古谷です。

腕を上に戻してもストレートのスピードは3キロも増えたわけではなく、強いて挙げれば角度がついたことが数字以上の威力に繋がっているのでしょう。
コントロールも悪い部類に入る古谷が2点台の防御率にまとめることができたのは、積極果敢に内角を攻める胆力に負うところが大きいと見ています。
そのピッチングを支えるのが球威であることは言うまでもなく、そのこととフォーム改造が上手くマッチをしたのだと思います。
奪三振と被打率を見ればルーキーのときに1軍を競い合った成瀬に近いものがありますし、大きく伸びてくれたことで中継ぎ陣の救世主となってくれました。

しかし例によって先発陣は厚遇、中継ぎ陣は酷使の流れから逃れられなかったのが古谷の不幸であり、あれだけのピッチングをしても負け試合で投げさせられるなど、ベンチの定見の無さにより数字が伸び悩んだ感がないわけではありません。
もちろん今季の成績でも充分に胸を張っていい立派なものですが、立ち位置を明確にすればもっと数字が出せたという気がします。
大事なシーズン終盤に1軍から離脱をしたのは疲労と無関係ではないでしょうし、下手をすればそのまま消えていくリスクすらありました。
永野、干場など1年の活躍で消えていった投手も多いですし、古谷にとっても実質2年目となる来季が勝負のシーズンとなります。

その来季に古谷が好投を続けるためには、今のピッチングを維持することが大切だと考えます。
新しい球種を覚えたりストレートを速くするなどの向上心も必要ですが、それよりも今の足場を固めることが優先でしょう。
駄目なときは駄目なのが分かりやすいタイプですが勝利の方程式に入るためには許されることではありませんし、悪いときでも悪いなりに投げられることは大きな財産です。
そのためには攻めの気持ちを忘れずに、かつ細かなことを考えずにミットめがけて投げ込むスタイルを守り続けること、これが古谷にとっての使命だと思いながら見守っていきます。

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【オリオン村査定】 810万円 → 1800万円 (△122%)

 

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18 コメント

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よかったねぇ~ (真砂マリン)
2010-12-14 02:08:22
ただ無心に腕を振る!
それに徹したことが…突破口になったのでしょうねぇ~
ファーム観戦の度にマウンドが古谷で思い入れがあった投手なだけに…よかったよかった(笑)
ただ…ブルペンには根本もいたのに…左の中継ぎ一枚で酷使され…終盤故障したのには…さすがに頭にきました(怒)
来季の左中継ぎ陣は…ハムから来た山本と植松と三人でうまくローテしてほしいですね。
松本と服部にも…曲者左腕を究めて…復活してほしいものです…
あと…木村と坪井も…だなぁ(ため息)
西本コーチ!頼みますよ!
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古谷 (ゆずき)
2010-12-14 07:09:32
今年は見事でしたね。

来年は古谷、山本一だけでなく吉見もリリーフに回る可能性もありますので、うまく使い分けをしてほしいです
リリーバー出身の成本コーチが一軍担当になるので多少期待はしてるのですが、西村監督にも今年の改善をしてもらいたいと考えてます。
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Unknown (ととり)
2010-12-14 10:04:05
正直言って何故通用するのかよく分からない選手でした。
ストレートとスライダーのコンビネーションで打ち取る典型的な左投手であり、特異な球種や速球、コントロールがあるわけでもない。
ただ奪三振率8.41の数字を誇っており、やはり素人目には分からないキレやノビがあったのでしょうね。
とにかく来季に真価が問われる選手だと思います。
個人的に言わせてもらうと、あと一球種落ちる球が欲しいですね。スクリューのような…、あと左リリーフとして重要な要素である対左被打率を下げられるように努力して欲しいです。
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来季が勝負 (ちゃ)
2010-12-14 10:36:07
 一つ一つの局面を見ていると、ハラハラしどうしだった印象があり、これだけの成績を残していたイメージがなかったというか、シーズン後半からいつの間にかこちらの要求水準が上がっていたのか、っていう感じを残している今の彼への評価です。。
 左腕でありながら対左打者を攻めきれないと言うことが、リアルタイムでの満足度が上がらない原因だと思います。左腕だからと言ってタイプによっては右打者に対する方が思いっきり投げられる投手もいる気がしますが、それにもかかわらず監督の左右病の最も悪い面が古谷に被さってしまった感じがあります。
 私はオリオンさんと異なり、どんな場面でもいけるピッチャーは必要で、古谷にはそうした役割を担ってもらうこともアリだと思います。勝ちにつなげるセットアッパーと言うより、中盤の不利な局面で味方の反撃を誘い出すためにゲームを締め直す、相手ピッチャーが良くてそれができない場合は事実上の敗戦処理もこなせる。そういうピッチャーがいませんよね(以前なら高木・小宮山あたりの役回りでしょうか)。フルカウントが多い古谷にそれが任せられるかは疑問なのは確かですが、今年の経験を生かしてそういう方向性を目指すのも悪くないんではないでしょうか。
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珍しい (もちまる)
2010-12-14 10:53:24
下積みから開眼したロッテでは最近に無い珍しい投手です。
回の頭から投げると好投しますが、シビアな状況では苦戦しているイメージです。
また左の強打者へのワンポイントでも登板することもありました。
主に松中に投げていたイメージが強いですね。

という通り左のリリーフがやる仕事は一手に引き受けていました。
服部や松本は期待薄ですが、植松とか坪井とか木村とか台頭して、古谷の仕事を出来る人間が増えるのが来期の課題です。

それにしても古谷の球は、見ている感じとしては服部や松本のそれと大きく違わない印象を受けているのが正直なところです。
この差の理由は私には分かりかねますが、その差が三者を分けています。
出てこい!若手左腕!
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不思議な投手 (パンテーラ)
2010-12-14 13:02:03
阪神に行った川にも同じ感想を持ったのですが、
なぜ抑えられるのかがわからない投手の一人です。
ストレートは遅い、コントロールはない、気が弱くてバタバタしてしまう・・・。

ただ、川と共通しているのはスライダーが普通にキレがあります。

今年で戦力外になると予想していました。
古谷に関しては私が完全に見誤ったことをお詫びします。
「あなたを見くびってしまい、申し訳ございませんでした。」

ただし、来年はあなたをつぶす寸前まで悩ませたサイドスローへの転向を指示した迷コーチ、成本コーチが1軍に来ました。
自分を通せる自信が持てたかが鍵だと思います。

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Unknown (モーベ)
2010-12-14 16:50:34
>パンテーラ さん

日々自分のために努力なさっている選手に対してあまりに一方的な発言であり、とてもなげやりな言葉だと思いました。丁寧な言葉で飾られてはいますが、その実は上から下へ向けた、理不尽な暴力に似たものを感じます。

自分を詰ることでの皮肉なのでしょうか、それにしても、一個人、一選手に対して失礼ではありませんか。
頑張っている人間の努力を認めた上での発言とは思えません。

どうも失礼いたしました。
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来年も期待します。 (鶺鴒)
2010-12-14 19:14:24
まさかあの古谷がここまでやってくれるとは思いませんでした…
オリオンさんも書かれた通り2軍では凄かったですけどなかなか一軍では結果をだせませんでしたのに…驚きです。
テレビで見た事があるのですが…
“スピードガンで表示されるスピード”じゃないなと感じました。(まだヒヨッコな自分の見解ですが…)成瀬のような球速以上の球速だと思います。
投げ方を変えて球威がでましたね!
スライダーも余り変化はしませんが…
やはり球威が良いから打てないだと感じます。

来年はホークスのような見てて安心するような勝ちパターンの中継ぎ投手として期待したいです!

今年はありがとう!来年も頑張れ!古谷!
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Unknown (はれたろう)
2010-12-14 19:41:43
シーズン始まる前に、球団から結果が出なければ今季限りといわれてたという記事を目にしました。
その危機感がいいほうに作用したんでしょうね。

いつも、うんざりするGAORAの中継ですが君が悪いくらい古谷のことを褒めていたのが印象に残ってます。
腕の振りがいい、ボールの出処がバッターから見づらいと。
これは、彼が北海道出身だからではないと思いたいです。

来期の課題は無駄な四球を与えないようにしてほしいですね。
そうすれば、もっと勝ちパターンでの起用が増えてくると思います。
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とにかく無事に… (江戸川マリン)
2010-12-14 21:12:19
日本一を決めた際、古谷が喜びを爆発させている姿をTVで見て涙が溢れたのを思い出します。
2日連続2イニングをはじめとして無茶苦茶な使われ方をした投手の筆頭だと思います。よく壊れずに1シーズンもってくれたものだと本当に感謝です。
大谷が初勝利をあげた5月のハム戦しかり、日本シリーズ5戦しかり、何気に大事なポイントで試合を落ち着かせる働きをしてくれました。
見ている方がちょっと油断すると0-3ピッチングに陥ったりと安定感はまだまだですが、内角強気に攻められれば来年もある程度計算できるのではないでしょうか。とにかく無事に来期の開幕を迎えて欲しいですね!
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