閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ひなげし水玉

2013-05-19 10:32:37 | 日々


20年か、もう少し前、「ワイルドフラワーミックス」という花の種を
ひとふくろ買って庭にまいた。
その中で、いまだに生き残っているのが、南欧原産のナガミヒナゲシ。
どうやらこれ、日本各地で野生化して「困ったちゃん」になりつつあるらしい。

 


薄いオレンジ色のポピーで、見た目は決して悪くない。
たしかに繁殖力は強い。
わが家の場合は、もっと強力な連中が周囲にいっぱいいるため、
抑え込まれる形で、これ以上勢力を広げることができないようだ。
それに、ゴボウのような根のポピーは、抜いてしまえばすむので、
その気になれば駆除はたやすい。
根が残るアザミやヤマノイモ、地下ルートで増えるスギナ、ドクダミ、笹、
トゲ武装したニガイチゴ、地表を縫って広がるチドメグサの類、
ストームトルーパーみたいにきりなく出てくるススキやシダ・・
などに比べれば、まだまだ可愛いほうじゃないですか。

クローバーもムラサキカタバミも、明治時代に入ってきた外来植物。
いかにも日本的な梅の木だって、一説によれば中国から伝来したとか。
そもそも、植物に国境という概念はない。
海を越えてのテリトリー拡大に成功すればバンザイでしょう。
人為的な移入は自然の摂理に反すると言われるかもしれないが、
これも、じつは植物のしたたかな戦術のひとつなのである。

ナガミーの花粉は、微量ながらケシ科特有のアルカロイドの一種を含む。
これがヒトの脳に作用して、ヒトを「運び屋」に仕立て上げるのだ。
ヒトを巧妙にあやつり、そそのかし、種を遠くに運ばせ、
庭にまいて育てさせ、保護させ、賞賛させる。
こんな紙みたいな嘘っぽい花を「きれいだわぁ」とうっとり眺め、
「抜くなんてかわいそう・・可愛いのに!」などと言い出したら、
すでに思考コントロールされているとみていい。
症状が進むと、突発的に過激な保護活動に走ることがあり、
駆除派との間でトラブルが生じやすいので注意が必要。

なぁんてね。
あ、誰も信じてないですか。

 

左がつぼみ、右が若い実。

 

このふたを開けると、中にはそれこそ「ケシ粒のような」
こまかい種がぎっしり詰まっている。

 

 

葉と茎には毛がたくさんはえており、水玉保持率が非常に高い。
(これはほんとの話)
そのおかげで、わが家では、アップルミント、カレンジュラと共に、
隅っこのほうで存在を黙認されている。

それでは、ナガミー水玉特集いきまーす。

 

 

 

 

 

 

 


 

これは早春の頃に撮ったもの。
この草は秋に芽を出し、地面にはりつくようにして冬を過ごし、
暖かくなるといち早く伸びて空間を確保する。
これは、開店前夜から寝袋持参で並んでいるようなもの、
あるいは朝からシートを敷いてお花見の場所取りするようなもので、
スタートダッシュの早さは植物界でも非常に重要ですね。


 

 

 

マジシャンもいい仕事しております。

 

 

本日のにゃんこ。



W先生のおみやげの、はちみつキャンディ。



岩合光昭さんのフォトカードのおまけ入り♪

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« おがたま | トップ | 白い花たち »