閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

亀の消滅

2021-03-18 17:18:44 | 日々

梅が散って、モクレンとプラムが咲き、桜もちらほら。畑には菜の花。
例年なら、庭の池で冬眠していた亀も目覚めるころ…なのだが、今年は様子が違う。
亀がいないのです。忽然と姿を消してしまいました。

冬眠中の亀は世話がいらない。池が干上がらないよう、定期的に見回って、水が減れば入れるだけ。でも、近年は暖冬の影響なのか、晩秋から春までずっと眠りっぱなしではなく、それが逆に心配でもあった。餌を食べずに動いているとバッテリー切れになるのではないかと思って。
今シーズンは眠りにつく時期も遅かった気がするし、年明けて1月、2月に妙に暖かい日があり、水面にボーッと顔を出しているのを何度か目にしていた。
3月に入って、ふと気がついたら、池が妙にしーんとしている。気配がない。眠っているのと、そこにいないのとは、明らかに違うのだ。池の水が、入れたときのまま濁っていない。亀がいれば(どんなに熟睡していても)こんなことはない。
あわてて池の底までさらってみたが、影も形もなかった。囲いの木枠が古くなってゆがみ、角に隙間ができていた。亀はけっこう力が強いから、身体を斜めにしてぐいっとやれば、わりとたやすく出られたかもしれない。本気で出る気になれば。
カメキチ君、出て行っちゃったのか。

息子が小学校に上がるより前に買ってきたゼニガメ(=クサガメの幼体)である。最初は2匹いたのだが、ちょっと目を離したすきに1匹逃げられ、それ以来ずっとひとり暮らしだったカメキチ。もう25歳を超えているはずで、わが家のどの猫よりも長生きだった。
さてさて、どこへ行ったのでしょう。カメの本能として、水から遠く離れることはないはず。数メートル南には大きめの金魚池があるが、そこにはいない。東と西にはそれぞれ川がある。せっせと歩けば亀の足でも1時間もかからずたどり着くだろう。
川づたいに移動すれば、上流だろうと下流だろうと、どこまでだって行けてしまう。ただでさえ石ころと見分けのつきにくい亀のこと、足音を聞けば警戒してもぐってしまうだろうし、高性能な亀探知機でもない限り、探し出すのはほぼ不可能だ。

旅に出たカメキチ君が、どこかに安住の地をみつけ、できればお嫁さんもみつけて、幸せになってくれることを祈ります。
いちおう、亀池は囲いを開けたままにしてあるので、戻りたくなったらいつでも戻ってきていいからね。

これは昨年夏のカメキチ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« モクレンなど | トップ | 庭のうちそと »