閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

カーネーション

2014-05-11 15:17:36 | 日々

ガラスポットに、カーネーションとジャスミンの工芸茶。
ふわぁい、よい香りだ~。
ありがとね、呼夜。

 

以下、連休のおでかけのメモ。


朝、最寄駅で切符を買おうとしたら、駅員さんが
「あれに乗りますか?」と言う。
見ると、ちょうどホームに電車が入ってくるところではないか。
のんびり切符を買っても間に合うと思っていたのに、
うちの時計が遅れてたのかしらん、と、わけがわからないまま、
「乗ります!」と、乗車証明書(降車駅で精算する紙片)をうけとり、
階段をダッシュで駆け上がった。
両手に荷物だし、最後の10段くらいで発車ベル鳴ってるし、
こりゃだめかなあと思ったら、ちょうど一番近くのドアから
高校生たちがだらだらと乗っていたので、間に合ってしまった。
座ってから、よくよく考えたら、乗るつもりだったのは次の電車だった。

本数の少ないローカル線なので、1本遅れると、乗り継ぎに間に合わず、
予定の時刻に目的地に到着できない。それで余裕をみて
早めに家を出たら、早すぎてしまったのでした。
(結果的に、このほうが途中の乗り換えが少なくて楽でしたが)


新幹線を終点で降りると、ホームは満員電車の中のような混雑。
次の下りに並んでいる人がぎっしりで、歩くところが全然ない。
こういうときは、もの慣れた丈夫そうな(なるべく大きい)人をみつけて
後ろをついていくといいのだけれど、「うわー」と見回しているうちに
ひとり取り残されてしまったので、脱出に時間がかかる。

乗り換えの改札口では、たくさん並んだ自動改札機の1台ずつに
ひとりずつ駅員さんが立って、
「切符をおとりください!」と声をからして叫んでいた。
(ここを出てもまだ駅の「中」なので、出てくる乗車券を取り忘れると
あとで困ることになる。わたしも先月、他の駅でやっちゃいましたが!)
それだけ駅員がいるんだったら、改札機はなくてもいいのでは、と思うけれど、
この人たちは全員、改札機の補助だけに徹しているらしい。
たぶん機械のほうがはるかに能力が高いのだろう。
でも、そこに立っていると、道をたずねられる確率がけっこう高いので、
かえって流れを悪くしているような気もする。
ワタシの仕事はそれではない!と思っても、たずねられれば
答えなきゃならないでしょう。ヒトだから。
そのうち「自動改札機」と「切符おとりくださいロボット」が
コンビで働くようになるのかもしれない。

昔の「切符にはさみを入れる改札」をなつかしく思い出す。
タンタンタタタンと調子よくはさみを鳴らし、合間に
くるくるっと回したりする、西部劇ショーの拳銃使いみたいな
妙技を見せてくれる人がいたものですが。
自動改札機に、子どもがあこがれる要素を見出すのは難しい。
こっちから入れた切符がピッといってむこうから出るなんて、
いかにすごい技術だろうと、通る側は当然のこととしか思わないし、
たまに何かするといったら「通せんぼ」くらいだもの。

SFの古典、アシモフの「ファウンデーション」シリーズの冒頭、
首都の惑星に降り立った主人公がエアタクシーの切符を買う。
すると床に一本の光のすじがあらわれ、手にした切符も同じ色に光る。
光をたどっていけば、間違わず自分の乗り場にたどりつける仕掛け。
これは、できたらいいな、と当時思ったもののひとつだが、
たぶんアシモフ氏は、日本のゴールデンウィークの混雑を
体験したことはないのだろう。見えないですよね、足元。

(閑猫の「できたらいいな」は、基本的に、ドラエモンじゃなく
アシモフからギブスンまで。ギブスンの本のどれかに出てくる
「カード式の使い捨て折りたたみ傘」とか、いいと思いません?)

 ○
公園のカフェにて。
雀が人のすぐ近くまで来るのに驚く。
(わが家は山の中なので、雀を見るのは珍しいのです)
日本の雀って、前からこんなに人なつこかったっけ?
ここには大きな木はたくさんあるが、下には草がほとんどない。
花壇はよく管理され、雑草は1本もみあたらない。
雀は基本的に草の種や穀物を食べる鳥だから、
木と花がいくらあっても、それだけでは生きていけないので、
カフェをうろついてパンやケーキをめぐんでもらう方向に
特殊な進化をしつつある。
小麦粉は穀物だが、精製されているため雀には栄養不足だ。
タンパク質と脂質は逆に多すぎるかもしれない。
それはまあ、雀に限った話ではないので(笑)
いまさらどうこう言ってもはじまらないけれど。

そういえば、この話はもう書いたっけ?
昨秋だったか、東京駅の駅舎前で、小雨が降る中、
数メートル四方の小さな芝生に大量の雀がたかって
(「むらがって」というよりもっと数が多い感じだった)
一心不乱に何かついばんでいるのを見かけたことがある。
かなり近づいてもこちらを見ようともせず、飛び立とうともしない。
一瞬、本物の鳥ではなく「展示物」なのでは、と疑ったくらいだ。
あんまり変なので、しばらく立ち止まってじーっと見ていたが、
その立ち止まっている変なヒトにすら、誰も注意を払う様子はなく、
スマホやら何やら見たまま通り過ぎてゆくのであった。

わたしは20代まで、都会の恩恵をたっぷり受けて育ったので、
田舎は良いとか都会は良くないとか、そういうことは言いたくない。
地球上どこでも、ヒトの住むところに「自然」はない、ともいえるし、
ヒトも動物の一種と考えれば、ゾウが住んでいるところが「自然」なら、
ヒトが住んでいるところだって「自然」じゃないか、ともいえる。
都会の雀の行動が不審にみえるのも、わたしが見慣れないだけのことで、
きっともうこれがふつうになっているんだろうな、と思う。


泊まったホテルはちょっと怪談のあるホテルだった。
わたしは事前に知っていたけれど、Mは知らないようなので、黙っていた。
ひょっとして何か出るかなと思ったけれど何も出なかった。
というか、熟睡して気がつかなかっただけかもしれない。
以前は、枕が変わると寝付かれず、とくに都会に出て人に会ったりすると、
気持ちが高ぶってまったく眠れない、ということがよくあった。
このごろは、はじめてのホテルでも、平気でぐっすり眠ってしまう。
エアコンがうるさいとか気にするのはMのほうだ。
薬もおまもりのように持っているだけで、使わないことがふえた。
丈夫になったのよ、ね。

 

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