閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

2009-10-31 08:51:41 | 日々
久しぶりに、ほんとうに久しぶりに、
ギターケースを開けて、どきっとする。
弦が切れていた。

最後に弾いたのはいつだろう。
切れたのは4弦だが、5弦、6弦も錆びてしまっている。
ケースの中を見たら、スペアがひとそろいあったので、
とりあえずスチール弦3本だけ張り替えることにした。
切れてから替えるなんて、初めてだ。
やり方も忘れたかなあと思ったら、
なんとなく手が覚えていた。

高校の部活で弾いていたギターは、
やや硬質な、華やかな音で鳴った。
卒業のときに、もう弾かないと思って後輩に譲ってしまった。
でも、結婚して田舎に引っ越してから、やっぱりまた欲しくなり、
上京したとき御茶ノ水の楽器店に行った。
素人向きの柔らかい音のを、と言って店の人に選んでもらった。
茶位工房のギターだ。

その後まもなく、子どもが生まれるということになり、
大きなおなかがつっかえて弾けなくなくなった。
生まれたら、こんどは膝の上に抱えるものができたので、
それこそギターどころではなくなった。

以来、たまに思い出して開けてみては、
ちょっと鳴らして、ちょっと拭いて、またしまいこむ。
エチュードも忘れたし、指も動かない。

楽譜をみて、つっかえながら、ぽっつりぽっつり、
「グリーン・スリーヴス」と「舟唄」を弾いた。
これから、ときどき、弾くことにしようと思う。
十三夜の月が雲間にあかるい。
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