雨が多かったせいか、今年のあじさいは例年より長く咲いていた。
てまり咲きの大きな西洋あじさいは、盛りを過ぎたが、もうしばらくは楽しめる。でも、このあとタイミングを逃さないように刈り込む作業が待っている。
このところ、興味はすっかり山あじさい系に移ってしまった。
山あじさいは枯れても枯れたなりに風情があるし、全体に小ぶりなので切る必要がない。
梅雨が明ける前に挿し木が成功するといいけれど、だめでもまた来年がある。
好きなものを選んで、ゆっくりつきあっていこうと思う。
山あじさいは、真ん中の青いところが散って、装飾花はうっすらピンクに変わる。
日のあたらないところでは白いまま。
藍姫さん、いい感じになってきた。
紅ちゃんも。
甘茶は花期が長い。ひと月以上、次々に咲いている。
ミモザ(フサアカシア)の枝に、薄黄色の小さな蝶が、はたはた、はたはたと、まつわりつくように飛んでいる。
いまごろ、花もないのに、何をしているのかなと、ぼんやり見ていた。
遠目にわかるほど羽が傷んで、飛び方も弱々しい。
雨はやんだが、空模様はすっきりしない。そうか、あじさいの花って蜜がないんだな、と思う。
今年のように大雨がつづくと、金魚や亀はともかく、鳥や虫たちはどうしているかと気になる。
虫の中でも蝶は苦手だ。ひらひら薄くて壊れやすくて。激しい雨風から身を守れるのだろうか。幼虫からさなぎになって、ようやく飛べるようになったのに、毎日毎日雨ばかりで、楽しいことなんか何もないのではないか。
そんなこと、わざわざ考えなくてもいいのだけれど、苦手だからよけいに気になってしょうがない。
夕方、庭に出たとき、ふとミモザを見たら、枝先の柔らかい葉の上に、きらりと光るものがあった。
1ミリにも満たない小さな小さな白い卵。
あっちにも、こっちにも…ほとんどすべての枝先に、ひと粒ずつ、しっかりとくっついている。
調べたら、マメ科のミモザは、黄蝶の幼虫の食草のリストにあがっていた。
はたはたしていた蝶は、お母さんだったのね。
子どもが生まれたらすぐ食べられるように、おなかいっぱい食べて大きくなれるようにと、この木を選んで産んでいった。
選ぶことがすべて。だって、あとはもう何も世話をしてやることができないのだから。
また雨が降ってくる。
雨に打たれても、卵は大丈夫なんだろうかと、あらたな気がかりができてしまった。
ミモザはこの春に買って植えたばかりだ。まだ小さな木だけれど、勢いよく新芽がのびているから、多少食べられても枯れることはないだろう。自然には本来それくらいの受容力があるはずだ。
アナタの選択は正しかったよ、と言ってあげたい。すべてのお母さんに。
本日の(招かれざる)ゲスト
裏の空き地にナニカいるなと思ったら、
ナベゾーです。
いち早くカメラに気づいて逃げていくところ。
ここしばらく、うちの子とのトラブルは起こっていないようだけど、油断はできないな。
本日の「いいね!」
あのアイテムをデジタル化せよ! 「ちりめん本」編
最新技術もすごいのですが、いいなー、この本。