閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

青嵐

2021-05-03 23:06:55 | 日々



手元の歳時記をめくると「青嵐」は6月のところに出ているけれど、新緑の中を吹き抜ける風に、これほどふさわしい言葉はない。
大風が2日間吹き荒れ、西のほうでは竜巻被害も出るほどだった。
ベランダから、大揺れに揺れている木にカメラを向ける。そうか、風って、写真にうつらないんだな、と思う。


これくらいの若い枝が、ひきちぎられてあちこちに落ちている。山の藤の花も、庭先まで飛んできている。
コナラの木のてっぺんの枯れ枝がいまにも折れそうに見え、気にしていたが、折れなかった。
枯れ枝のあるコナラは、虫が入り、内部の空洞化が進行しているらしい。先月、やはり風の日に、3メートルくらいある枝がぽっきり折れて庭の南端に落下した。それは枯れた枝ではなく、葉のついたものだった。葉がたくさんあるほうが風の力を受けやすいのだろうか。木の全体から見ればほんの小さな枝だけれど、それでも太いところは直径10数センチあり、いくつかに切り分けなければ運べないくらい重かった。

ようやく風がやんだので、長靴をはいてフキを摘みに行く。
地元の売店には、切りそろえて束ねたのを売っているけれど、川岸を探して歩くのが楽しいので、買ってこようとは思わない。すんなり伸びた緑のきれいなのを選んで、800グラムほどの収穫があった。
皮はむかずに切り、お湯を替えて3度ゆでたあと、醤油でじっくり煮る。果物のジャムなどは、時間をかけると香りが飛んでしまうから、強めの火で手早く仕上げるが、フキはじわじわと長く煮ることで風味が引き出される…ような気がする。
途中休み休み煮返し、あとから砂糖を入れ、最後にみりんを入れ、一晩おいてから煮詰めると、黒いきゃらぶき風のつくだ煮ができる。手間ひまも、ごちそうのうち。


本日のクレボーイ。

 

 

 

昨夜9時過ぎ。めずらしく外で猫がけんかしている声がする。一方はクレらしいが、相手は誰だかわからない。
部屋にいたコマ吉が、「ううう」と小さくうなって出窓に飛びのり、外をジッと見ている。外は真っ暗だけど、猫の目には何か見えているのだろうか。
しばらくたって、クレがこそっと帰ってきた。見ると、胸や手足の白いところが血だらけで、ぎょっ!とする。全身ケバ立って、ふだんのクレ坊と顔つきが違うので、真鈴とコマも「ぎょぎょっ!」という顔で後退し、並んで正座して固まっている。
「クレちゃん、おかえり」と声をかけて背中をなでると、怒らず触らせてくれたので、お湯で濡らしたタオルでそーっと少しずつ拭いていった。派手に血はついているものの、傷はあごの一か所で、大きくも深くもないことがわかり、ほっとする。
血が出る傷のほうが治りが早い。傷口が見えない深い咬み傷は内部で化膿しやすいから厄介だと、獣医さんが言っていた。どこも咬まれてないといいけど。
そういえば、今は亡き親方さんちゃんも、よくけんかでひっかき傷をこしらえて帰ってきたが、黒猫だから血の色が目立たず、こちらもあまり心配せずにすんだのだ。
さんちゃんは武闘派で、体格も良く、実際強かった。クレ坊は小ぢんまりした学者タイプで、本来けんかには向いていない。それでも責任感が強いから、テリトリーをひとりで守ってがんばっている。
いつも春先にやってくる複数のよそ猫たちが、このところ姿を見せなくなっていたので、猫の往来も自粛かね…と冗談で言っていたけれど、そうとも限らないか。


しばらくうちでおとなしくしていなさいよ。

本日の「いいね!」

Street artist making us smile during the pandemic

アメリカ出身のチョークアーティスト David Zinn の作品。
「サイエンスは問題を解決するための方法で、アートは問題に対処するための方法だ。解決には時間がかかることもある。それまでの間、みんなでなんとかやっていかなきゃならない。何かできないかと僕はいつも探している」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする