青果売り場に青梅が並ぶ時期になると、今年はどうしよ?と考える。
梅酒は、前回(昨年ではない)のも前々回のも残っているから、それらがすべて消費されるまで絶対作らないことにする。
梅シロップも、前回(2年前? 5年前??)のが冷蔵庫にまだ少しある。
家で作ればそりゃ美味しいんだけど、どうしてもないと困るというものでもないしね…
と思っていたら、今年はうちの庭の梅が大豊作なのです。
もともと花を見るために植えた白梅だから、ぽつぽつ実がついても、昨年までは本気で利用を考えるほどではなかった。
ところが今年はいきなり5kgも採れてしまった。
ほんとは1kgもあればじゅうぶんなんだけど、鈴なりの果実を「少しだけ」採るというのはなかなか難しい。
あ、これ大きい。あ、あれもキレイ。と次々に手を出したら、あっというまに5kg。
田舎ではたいていの家が梅の木の1本や2本は持っているから、この時期は梅ラッシュで、採れすぎたからっておすそわけする先もないわけで…。
とりあえず、5kgの中から、特にふっくら丸顔の可愛い子をよりすぐり、どぼんと塩水に漬ける。
(というのが上の写真)
一晩おいてから、二つ割りにして種をとり、白砂糖をまぶして冷蔵庫に入れる。
これは大好きな夏のおやつ「カリカリ青梅」になります。
赤紫蘇は入れず、ほんの香りづけにブランデーを落とすのが閑猫流。
あとの4kgあまりは、Mが梅シロップを作るというので、よ~し、まかせた。
(と言っておきながら、まず瓶を洗って! よっく乾かして! 氷砂糖買ってこなきゃ! 水は一滴も入れちゃだめだからね! などなど、うるさく口は出すのであった…)
そして、梅が出れば、らっきょうも出る。
これもたぶん5年前に漬けたのが、さすがに残り少なくなったので、今年はそろそろ…と思ったら、なあんと、らっきょう売ってない!
店にあるのは、きれいに洗って塩水に漬けた半製品ばかりで、それだとシャリシャリに仕上がらないからだめなのだ。
4軒まわって見つからず、隣町まで行ってようやくゲット。
だいぶ前から高齢化率が40%を超えている隣町では、やっぱり昔ながらの泥付きらっきょうのほうが人気があるのだなあ。
と思ったけれど、もしかしたら、高齢化しすぎて誰もらっきょうなど漬けなくなり、売れ残っていた、ということかもしれない。
そんなこんなの合間に、苺ジャムを煮たり、マーマレードを煮たり、桑の実を摘んだり、大量の草を抜いたり、穴を掘ったり、掘った穴に実生で育てていた苗(カラタネオガタマ、ムクロジ、桜など)を植えたり、夜は夜で鹿を追っかけたり、しております。
年末年始の点滴生活で3kgあまり減った体重を、しばらくそのまま維持していたのだが、最近じわじわと1kg増えてしまった。
でも、体脂肪率がちょっとだけ下がり、そのぶん筋肉量がちょっとだけ増えたらしい。
前は「少ない」だったのが、ぎりぎり「標準」の範囲内になった。
(タニタ君の言うことが本当なら、ね)
べつに運動も何もしてないけど、このところ戸外で過ごす時間が多く、広範囲の草を根こそぎ引っこ抜いたり、重い石を掘り起こしたり、高い枝の桑の実を無理やり背伸びして摘んだりで、なぁんとなくちょっとずつ筋トレになっているのかも。
桑の実を摘みに行き、ふと足元を見たら、見慣れない真っ赤な実が目について、びっくり。
一見、グミかと思う色と形。
だけど、枝の途中に数個ぎゅっとかたまってついているのが怪しい。
グミなら長い柄があって、ぶらさがっているはず。
↑
こんなふうにね。(トウグミ)
この30年間で、実がなったのを見たのは初めて、というのも不思議だけれど、この植物自体はわりとよく見かける。
ジンチョウゲ科オニシバリ。
丈はせいぜい1メートル、幹の太さも1センチくらい、という草のような木のようなひょろっとした低木。
春には薄黄色の小さい花が咲き、ジンチョウゲの花に似てちょっと香りもある。
あの目立たない花がこうなる、というのが、かなり意外。
ぷっくりと水気を含んでいて、いかにも食べられそうな気がするけれど、有毒とのこと。
(そもそも、このあたりにオニシバリがたくさん生えているのはなぜかというと、鹿が食わないからです)
白雪姫の毒りんごじゃないけれど、ヒトの本能は「赤い実」を見ると「甘い・美味い」と反応する基本設定になっている。
にもかかわらず、ドクウツギだのヒョウタンボクだの、赤くて美味しそうで毒のある実は自然界にけっこう存在する。
つまり、ヒトという生物は、本能の部分だけでは自分を守れないのだろう。
集団で暮らし、言語を持ち、文字を持ち、記憶し、記録し、語り伝え、「これは毒だよ」と教え、「これは毒なんだ」と学び、それでやっと危険を回避できるようになる。
だから、学ぶということは大切。
よく知らない果実を口にしてはいけません。
「これ焼酎に漬けるとウマイんだよな!」なんて冗談で言うのも駄目。
全体の姿はこんな感じ。
名前の由来は、樹皮が丈夫で、鬼でも縛れそうだから…と図鑑には書いてある。
枝はクズのつるのように柔軟で、先のほうをくるっと一結びしてもぽきんと折れることはない。
どれくらい丈夫かは試していないが、それ以前に、短すぎると思う。
(ということを前にも書いた気がしますが…)
鬼の正確なサイズは知らないけど、1メートルでは片腕も縛れないでしょ?
もともとは毒性から「鬼しびれ」とか言ってたのが間違って伝わったんじゃないかなあ。
というのは、例によってまったく根拠のない閑猫説。
<追記>
枝そのまま使うんじゃなくて、樹皮を剥いでつなぎ合わせて長い縄にするのかもしれない。
でも、山の中で鬼に出くわしたとき、そんな悠長なことしてるヒマはないですよね。
本日の紫陽花
わさわさと茂りすぎたので、すこし切ってきたところ。
この品種、外光で見るより室内で見るほうが綺麗です。
でも水揚げが難しくて、よく失敗する。
そして本日のにゃんこ
…のブローチ。
アカネちゃんありがとう!
本日の「いいね!」
アートコスプレ・フェスin徳島
なるほど、こういうイベントは夏にやるんですね。
(冬服の上から着られないもんね)