こりもせず、ふわふわと、くらげは遠足に行くのでありました。
(あまりふだんとかわりばえのしない写真ですが…
ここは家のそばの山ではないのよ。木もはるかに大きい)
キビタキが頭のすぐ上で、あたりに響き渡る声で鳴いている。
「うわー、どこどこ?」と、わたしは上ばかり見ているけれど、
通る人は誰ひとり足を止めず、気に留める様子もまったくない。
このへんではみんな聞き飽きているのかなあ。
鳥が鳴いてもそっちを見ない。良いマナーだ(笑)
これは紅葉ではなく、若葉が赤い種類のカエデ(たぶん)。
しかし、くらげは山登りに来たのではなくて、
木の下には、むやみに巨大な石灯籠とか、
こわ可愛いアルパカの旦那とか、
(にかっと笑うと歯がすごいので、みんなたじろぎます)
顔も上げず一心不乱に芝を刈っているポニーさんとか、
うさぎっぽいカピバラっぽい何か(お名前忘れました)とか。
ええ、要するに、幼稚園の遠足で来るような場所なんですが、
せっかく(珍しく!)カメラ持ってきたのに、
こういうものしか撮ってこない閑猫。
庭園のはずれに、万葉植物を集めた一角がある。
しかし、葛と笹と竹を植えてしまったら、 あとの世話がものすごく大変、
ということを、あまり考えずに植えたのだろうか。
いつもの癖で、からんだつるを片っ端からほどいてやりたくなり、
手を出しかけたが、思いとどまる。
そうだ、きょうはお客さんなのだった。
拾った羽。長さ約30ミリ。
見た鳥はイソヒヨドリ♀。
聴いた鳥は、キビタキ、キジバト、シジュウカラ、あと数種は不明。
この羽は何でしょう。
軸の短いふわふわ感がハトっぽいかな。
この界隈の鳥は、高級アルパカをふんだんに巣材に使える。
いいなあ。
(と、やってることも考えることも、ふだんと同じじゃないか。
せっかく電車に乗って来たのに…笑)
これはまた別の場所の池。
町のあちこちにきれいな水が流れている。
そろそろ日が暮れてきた。いい風が吹いてきた。
夕方、駅前の木陰のベンチにすわっていたら、
隣で女子中学生3人が、おやつを食べながらしゃべっている。
部活帰りだろうか。とても仲が良さそうだ。
会話は軽くはずみ、のびのびとして屈託がない。
ひとりが口にほおばったまま「バター醤油」と言ったのが、
「馬鹿あ醤油」に聞こえた、といって、ひとしきり笑い転げ、そのあと
「馬鹿な醤油とかしこい醤油はどうやって見分けるか」の話になる。
聞いていると面白くてしょうがないんだけど、うっかり笑ったりすると、
変なおばさんだと警戒されそうなので、聞いてないふりをしている。
ふいに、ひとりの子が、「あー、温泉行きたいなっ!」と叫ぶように言った。
「あたしも行きたい」「温泉、いいよねー」と、あとのふたりも同調する。
温泉なんてのは、お年寄りが行くようなところで、女の子だったら
ディズニーランドとか原宿とか…いや、最近はそうじゃないのだろうか。
「温泉、どこがいい?」「やっぱ熱海だなー」
子どもっぽい顔と声で、渋い会話が続いている。
その約1時間後。
2つ目の乗換駅で、なかなか動き出さない電車の窓から、
反対側に停まっている上り電車をぼーっと見ていたら、
山帰りらしい大きなリュックをしょった8人ほどのグループ、
どうみても60代後半と思われる紳士淑女の一行が、
「早く早く!」「あれに乗るよ、あれに!」と大声をあげながら、
ホームを駆け抜けていく。
重そうな荷物、重そうな靴で、よく走れる。
よほど日ごろから心身を鍛えているのでしょう。
走るくらいなら乗り遅れたほうがましと思っているくらげは、
ただ感嘆して眺めておりました。
本日の「いいね!」
長い長いレゴ・トレイン
線路はつづく、まだつづく。