閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ゴジラ

2016-01-24 16:43:09 | 日々

暖冬だなんて言ったの、誰? ってぼやきたくなるくらい寒い。
晴れていても室温は10℃そこそこ。
焚き付けの小枝を拾いに行って、なぜかずーっと
ゴジラのことを考えていた。

昔の映画だけど、どこかの都市にあらわれたゴジラが、
ずんずんと歩いてきて、高層ビルに頭から突っ込み、
そのままずんずんと歩きつづけてビルを破壊するシーン。
ゴジラの圧倒的な強さと凶暴さを表現したい、という意図はわかる。
だけど、いくら怪獣でも、ああいうことはしないんじゃないか。

と、それを見たときの違和感が、その後いつまでも消えずに残り、
ふとしたはずみで頭に浮かんでくるのである。 

壊さなきゃ前進できない状況ではなく、右も左もあいてるんだから、
邪魔ならちょいとよけて通ればいいじゃないですか。

壊さなくてもいいものをわざわざ壊して自分の力を誇示する。
カラテの人が、割る必要のない瓦を重ねて割ってみせたりするのと
同じ発想だ。そんなことを思いつくのは人間しかいない。
映画のゴジラが、ゴジラという生命体ではなく、着ぐるみをかぶった
人間だということがそこでバレてしまっている。

いや、せっかくだから、もう少し考えてみよう。
カラテの瓦割りは、要するにパフォーマンスである。
他の人間に見せて、威張りたい、称賛されたいのだ。
もしかしたら、ゴジラも、他のゴジラに見てほしいのではないか。
オレ、こんなに強いんだぜ、どうだって。
ちっこい人間なんか、もともと眼中にない。
人間だって、ねずみや蟻相手にパフォーマンスしないでしょう。
ゴジラは、生命体としての本能に従って、ゴジラ流の
縄張り宣言だか求愛ディスプレイだかをやっているにすぎない。
しかし、いつまでたっても、相手はやってこない。
1匹いればじゅうぶんだという人間の勝手な思い込みのせいで、
ゴジラは地球上でひとりぼっちだ。
目的を見失い、無意味な破壊をつづけるしかない。
じつに気の毒である。 

と、まあ、怪獣にリアリティを期待してもしょうがないんですが、
(2匹いてもね、けんかばっかりしてたら、よけい迷惑だし!)
とりあえず、このへんにいるのが猪と鹿でよかった。
というのが本日のテーマです。
2メートルの柵をめぐらせておけば平和が保たれる。
ゴジラでは、そうはいかない。
写真はすべて柵の中のブロッコリーの葉。 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日の「いいね!」

 

ダースベイダーとレイア姫とヨーダがピアノを弾いたら

これは楽しそうですね。しかし、


ストームトルーパーはやっぱり弾きにくそうだよ(笑)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三五郎

2016-01-24 11:39:23 | サンゴロウ&テール

 

ずっしり重い箱が届いたので、何かしらと思ったら、
こんど出る中国版『黑猫三五郎』シリーズの校正刷りが5巻ぶん。
もう3年くらい前にオファーが来ていたものです。

この「三五郎」という表記は、どうなのかなあと思っていました。
原作では登場人物名は(猫もヒトも)すべてカタカナにしています。
1巻の最初のほうで「時代劇みたい」とケンに言わせており、
「三五郎」っぽく思わせておいて、終盤でそうじゃないことがわかる。
これは日本語だからできる一種の叙述トリック。
中国語では、最初からすべて漢字だし、発音も違うので、
そのままやってもうまくいかない。

主人公だし、名前そのものが重要な鍵なので、その点が気になり、
(わたしが翻訳者だったら大いに悩むところだなと思って!)
原文にこだわらず中国名に変えてもらってもいいですよー、
ということを先方に伝えてもらっていました。

校正刷りを見たら、1巻の11章に脚注が入っていて、
三五郎の「三五」は日本語では「珊瑚」とおなじ発音です、
という説明があり、(読めないけどたぶんそんな感じ!)
意味はいちおう通じるようになっていました。

本文は読んでもわからないので、登場人物紹介だけ見ていくと、
イカマル、カジキ船長、ナギヒコ、クルミ、などの名前には、
中国語のイカ、カジキ、凪、胡桃に相当する字が当ててあり、
基本的に「音」でなく「意味」で訳されているのがわかります。
(これも、「うみねこ族は海系の名前をつける」という設定さえ
クリアできれば、中国語で響きのよい言葉に変えてもらっても
かまわなかったのですが、きちっと訳してくださったみたい)
ケンは健で、これは中国の男子にもありそうな名前かな。
ミリ、サラ、看護婦のナミちゃんは音訳してありました。

面白かったのは、3巻の最初にちょっとだけ出てくる
「みけねこのアサリばあさん」で、これが「花猫花蛤婆婆」。
偶然ですが、花がふたつ重なって、とっても可愛らしくなりました。

フルヤ・サンゴロウのフルヤは「古屋」じゃないんだけどな、とか、
『霧の灯台』のカイは「貝」じゃないんだけどな、とか、
まあいろいろありますが、そのへんはあちらの事情もあるのでしょう。 

国が違い、文化が違うと、言語感覚は大きく違ったものになる。
元はおなじ漢字を使いながらも、中国の書籍は欧米並みの
「横組み」にすっかり移行してしまい、一方、日本は縦組み文化が
いまだ根強く残っているという違いも、また興味深いです。 

で、ふと著者紹介のところを見ていたら、
『ドルフィン・エクスプレス』が『海豚特快号』になっておる。
う~ん、海豚;
イルカ、直訳すれば、そうだけど。
中国の人からみて、どうですか、これ。
かっこよくて速そうな名前?

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする