閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

単位の起源について(覚え書き)

2014-08-19 22:31:15 | 日々

ここに書いておくのが一番「なくさない」方法らしい。
あとから検索でみつけることもできて便利。

 


1インチは親指の爪の付け根の幅。
1ヤードは胸の中央から、横にのばした手の中指の先まで。
1フィートは足のかかとからつま先まで。
1マイルは2000歩の距離。
(起源は他にも諸説あるらしい)

日本の尺貫法はどうか。
1寸は約3センチ、10寸が1尺、10尺が1丈。
曲尺、鯨尺など、業種によって使うものさしが違ったり、
時代によっても変化しているのでわかりにくい。
起源は中国で、元は「親指から中指の先まで」を1尺としたらしい。
間(けん)・町(ちょう)・里(り)となると、
尺を基準にしたものと、歩数を基準にしたものが、
あっちとこっちから来てぶつかったり譲り合ったりしながら
だんだん統一されていったのではないか、と想像する。
水深を測る尋(ひろ)は両腕を広げた長さ。
綱の長さを測っておき、綱におもりをつけて沈めて水深を測る。

まとめていえば、短いものは手で測り、長いものは腕で測り、
もっと長いものは足ではかる、ということだ。
移動といえば「てくてく歩く」しかなかった時代には、
短い距離は歩数で、長距離は日数であらわしていたのだろう。

魏志倭人伝には、邪馬台国までの道のりが
「水行十日陸行一月」のように書かれている。
これを「船なら10日、陸路ならひと月」と読むのか、
「船で10日行ったあと、陸をひと月歩く」と読むかで、
邪馬台国の位置は全然違うことになる。
そもそもこの時代に書かれた「千里」や「七千里」なんて、
「かなり遠い」「すごく遠い」という程度の表現なのかもしれないし。

計測に身体を使う場合は、たぶん成人男性が基準になるのだろう。
昔からうんと大きい人もいれば小柄な人もいたはずだから、
非常にアバウトといえばアバウトな話。
しかし、考えようによっては、これが一番間違いがない。
多少大きくても小さくても、ヒトはヒトだからだ。
30センチを1単位とする人と、2メートルを1単位とする人がいて、
話が食い違うと大変なことになるが、
「俺の腕ッくれぇの魚だ」「おめぇの背よりちいっとばかし高え木だ」
などと言っている限り、まあたいして不都合はない。
家を建てる、橋を架けるなど、きっちり測らねばならないときも、
誰かひとりだけ「ものさし」の役をつとめれば、狂いは生じない。
小柄な人が自分用に建てた家は、全体に小さめで使い勝手が良いだろう。
統一規格に人のほうが無理に合わせることなんかないのだ。

「手測り」は現代でも使える。
わたしの場合は、てのひらをいっぱいにひろげて、
親指から人差し指の先まで13センチ、中指まで15センチ、
小指まで18センチ。親指の長さが約5センチ。
親指の幅は、拇印を押すように押しつけて測ると約2センチ。
ひじから手首の骨まで約25センチ。
太ったり痩せたりしても、骨はのびちぢみしないから、
自分のサイズを覚えておくと、たまに役に立つ。
そしてレオナルド・ダ・ヴィンチの人体図にあるように、
両手を広げた幅と、自分の身長はだいたい同じ。

1ポンド(パウンド)は、古代メソポタミアで、ひとりぶんの
1日のパンに相当する粉の目方。つまりこれが日給。
大麦およそ7000粒にあたる。
パンに関しては、日本でも明治初期には
1ポンド=約454グラムの粉で焼くのを1斤と称したそうだ。
ただし現在のホームベーカリーの1斤は250グラム。
バターも昔はポンド売りだったが、いつのまにか
一箱きっちり200グラムに変わったようだ。
実質的値上げだろうか、これは。

1貫は1000匁(もんめ)。1匁は一文銭1枚の目方。
すなわち穴のあいた一文銭を100枚ずつひもに通し、
それを10個分の重さが1貫目=3.75キログラム。
一文銭ならずっしりだろうが、猫なら小柄なほうだ。

メートルやグラムやリットルなど、
現在実際に使われているメートル法の単位は、
もっと近代になってつくられたものなので、
ヒトの体のようにあいまいな個人差の大きいものは
当然使用されていない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする