秋は山からやってくる。
風が涼しくなったなあと思いながら町へ行ったら、
そこはまだまだ残暑の中。
車でたった20分なのにこんなに違う。
でも果物売り場にいちじくが並んでいて、
やっぱり秋は来ていました。
いちじくは生で食べてもいいけれど、
あっさりした味でちょっと物足りない。
わたしが好きなのは甘いシロップで煮るコンポート。
いちじくを丸ごとたのしめるデザートです。
皮をむかず、柄だけちょんと切り落とし、
たっぷりの水に入れて、強火にかけて、
沸騰したところで一度お湯を捨てます。
これはあく抜き。
いちじく5個につきレモン半個ほどを絞り、
ワインをとぽとぽ、それから砂糖を好みの分量。
実が半分浸るくらいまで水を足して
(いちじくから水気が出るので少なめに)、
あとは弱火でコトコト…15分くらいかな。
しんなり柔らかくなったら火を止め、
さめてから実だけそーっと別容器に移します。
なべに残ったシロップはとろっとするまで煮詰め、
実の上からかけて、あとは冷蔵庫へ。
冷やして一晩おくとずっと美味しくなる。
ええ、明日まで待てれば、ですが。
ワインは赤でも白でもロゼでも。
ありあわせの安いフランスの白ワインで煮たら、
いちじくの色とレモンの作用で手品のように
きれいな赤いシロップになりました。
お酒の好きな人ならブランデーをたっぷり使って
水は1滴も入れないで煮る方法もあります。
小さい子どもにはアルコールは抜きで。
Mは子どものころ近所にいちじくの木があって、
毎年飽きるほど食べることができたそうです。
(だからもう煮たのでないと食べないの)
うちでも採れるといいな、と思ったので、
苗を植えましたが、みんな枯れてしまいました。
ほったらかしで育つほど強い植物ではないみたい。
いちじくとか、びわの木を、庭に植えるのは
良くないと聞いたことがあります。
迷信なのか、それとも科学的な根拠があるのかな。
幼い日に果物の木が一本でも身近にあると、
たのしい思い出が一生残る。
それは決して悪いことではない、と思うけれど。
ところで若旦那(誰?)お誕生日おめでとう。
いやーまったく大きくなったもんだよねえ。
生まれたときは猫より小さかったのに!