画家 / AN ARTIST

 

 

だいぶん前に古本で手に入れた、美しい装丁の M.B.ゴフスタインの絵本です。

入手したその時は、

絵を描く人とはこういう人で、

絵を描くということはつまりこういうことですよ、

という内容を、ふーむふむふむと読んだのでした。

数年が経ち、とても久しぶりに今また表紙を開いてみました。

1ページ、1ページ、ゆっくりと繰りながら

詩のような短い文章と、

淡く柔らかく優しい水彩と、

シンプルな線の画で、

ゴフスタインが伝える 「 画家 」 の仕事、「 画家 」 の生き方、「 画家 」 の

命の在り方を、今度はじっくりと考えながら咀嚼しながら、読んだのでした。

以前よりもずっと感じることやなるほどと思えることが増えたのは、この絵本が、

マティスからスタートして私が今辿っている画家と絵画の旅の、停留ポイントの

ひとつだからでしょう。

 

      画家は神のようなもの

      神が彼を創ったのだから。

 

      つつましく、強く、

      だが限られた日々、

      あたえられたいのちを

      彼は使いはたす

      絵の具箱に。

 

      色をえらび

      色をぬり、

      画家は絵の具を

      歌わせようとする。

 

そして、画家が奏でようとする歌は、ゴフスタインが表現してきたこの世界の

ささやかで目立たないけれど、もしかしたら見えなくてただそっと感じるだけ

かもしれないのだけれど、いのちの在り場所やそこに触れる瞬間の喜び、を歌

っているのではないかなあ、なんて思えることが私は嬉しいのでした。

 

 

『 画家 / AN ARTIST 』

M.B. ゴフスタイン 作 谷川俊太郎 訳

ジー・シー・プレス

 

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

息子が去年着ていた夏用の半袖半ズボンのパジャマでしたが、小さくなった

そうで ( 今週初めに聞いた )、今夜からその半ズボンを私は履いて眠って

みます。MUJI のサッカー生地のストライプで、さらっとした綿100%、良い

眠りにつけそう( 生地も馴染んでいるしね~ )。

 

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

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きっかけは、マティス

 

5月末に、

東京で開催していた 『 マティス 自由なフォルム展 』観てきましたよ、と仲良し

の一女性から聞いたのが一番始め、そもそものきっかけでした。

雑誌に載っていた書評にて気になっていた猪熊弦一郎著 『 マチス の みかた 』

という本を、そうだ!5月生まれでマティス展に行ってきた彼女への誕生プレゼン

トにどうかしら、と思いついて、贈りもの分+自分の分と二冊購入したのでした。

 

第2次世界大戦中にフランスに遊学という猪熊せんせいも気になる方ですが、

その時代にマティスに直接受けたレッスンとマティス本人とアトリエの印象

を尊敬と憧れをもって書いている1950 ~ 1954 年に美術誌に掲載された文章

が素敵です。海外の情報がとても少なかった当時の、西洋絵画の巨匠と周辺

に対しての畏れのような熱が伝わってきます。

 

 

『 マチス の みかた 』 を読み進めておりましたら、夫が「 こんな本もあるよ。」 と

出してきた一冊。それが、澤地久枝 著 『 画家の妻たち 』です。

 

レンブラント、ミレー、ロセッティ、マネ、セザンヌ、ルドン、モネ、ルノワール。

ゴーギャン、ボナール、マチス、ピカソ、青木繁、モディリアニ、リベラ、シャガール。

岸田劉生、ダリ、ワイエス。

19人の西洋絵画界の巨星たちの後ろにあって、彼らの生活を支え、精神を支え鼓舞し、

美の源泉となった存在である妻たちは一体どのような人物でどのような人生であったか

を、画家による妻の肖像画を紹介しながらさぐる澤地久枝の文章が、実に信頼できます。

 

 

『 マチス の みかた 』 を読み終え、即読み始めた 『 画家の妻たち 』 は、その切り口

が 「 妻 」 であることで、夫である画家の人間性、二人の間の愛と葛藤がどのように

芸術に影響していたかが抑制された文体で書かれている、私の興味に深く響く著作で

ありました。深い感動とともに読み終え、即取りかかったのが、以前ごのブログにて

ご紹介した 『 セザンヌの手紙 』 なのでした。

 

去年か一昨年にブックオフにて出会って買っておいたこの本。

オルタンス・フィケを妻にしたセザンヌとはどんな人物であったかををもっと知り

たくて、買っててよかったー!とまずは読み始めながら、

『 画家の妻たち 』 に登場した巨匠中、最も気になったルノワールについて検索し、

次にこの一冊に巡り会ったのです。

 

『 わが父ルノワール 』 ( アマゾンでポチっと )

ピエール・オーギュスト・ルノワールの次男、かの映画監督ジャン・ルノワールが、

父への深い愛情と尊敬をこめて、その人生を書いているのです。地下鉄で読みなが

ら、あまりの面白さに乗り越しそうになったこと数回!久しぶりの大ストライクゾ

ーンのこの一冊、今夢中であります。

この本の詳細は、また後日にと思います。

 

予期せぬ流れに身を任せ、マティスをスタートに絵画の世界に迷い込んでいるこの

夏なのでした。

興味の枝葉が伸びるに任せて、どこまで行くか楽しみでもありますネ。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

真夏の暑さになってきましたね。朝夕の涼しさが気持ちいい!そして、木陰も!

今年の夏休みの楽しい計画がいかがでしょうか。

 

明日も、こんがりと焼けた丸いプチパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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セザンヌの手紙

 

6月25日から 『 セザンヌの手紙 』 を読んでいます。

近代絵画の父、といわれるポール・セザンヌが近親者に宛てて書いた手紙集

です。電話が存在しなかった時代に、手紙という手段で気持ちや用件を伝えようと

するということは、文章を書くということで、” 極度の内気 ” といわれるセザンヌ

の思想とその時々の心情、優しさも激情も親密さも臆病さも狂暴さも、その私信に

みごとに現れています。こんな風に書いている。こんな風に喜びを伝えている。

こんな風にお礼を伝えている。こんな風に頼み事をしている。

画業の合間に書かれた正直な文章には、感動的にハートがあり、セザンヌという

巨大な芸術家の核心が現れているように感じられるのです。

100年以上前の手紙の数々、私には刺激の宝庫です。

 

今週も当店を訪れてくださったたくさんのみなさまに感謝いたします。

ありがとうございました!

気温が急に上がってきていますが、どうぞご自愛ください。

また来週も、お会いできますように。

 

 

 

 

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おやすみカラス また来てね。( 続き )

 

どん底のダメ男・十川善十( そがわ ぜんじゅう )24歳 。

失恋し( ヒモをクビになる )、酔って酔っ払ってもうシメようと目に入った店のドア

を押す。そこはこじんまりとオーセンティックなバー、お客は誰もいず。

白いバーコートに蝶ネクタイのカーネル似のマスターに「 いらっしゃいませ。」 と

えられ、それは美味しいシングルモルトスコッチウィスキーのロックを作ってもらう。

入店の瞬間に真っ白い鳥の翼が羽ばたいた・・ような・・・幻視?

グラスを傾けながら、このバーの別次元の心地よさと落ち着きに思わず善十は口走る

のです 「 マスター、僕ここで働きたいんですけど。」と。

 

この男を創造し、造形し、動かし、しゃべらせ、人生のターニングポイントとなる

奇跡の出会いとそれからの3年間を通して、こういうチャラ男くんっているいる!

偏差値とかどーでもいい界隈のオニイチャン!な善十の、頼りないけど素直で優し

お人好しな本人も解っていないナゾな魅力を描いて、いくえみ綾ってすごくない?!

男性向けコミック誌での連載だったそうで、善十の語りで進む物語は、男性である善十

の目線なのですけれど、” いくえみ綾の一線 ” がジェンダーを程よく抑制させている

ように思え、私は意識せずに世界に入っていけました。

絵とタッチ、テンポやコマ割り、なんといってもその漫画的話芸の素晴らしさ!

全てが程よくこなれていて、大変に繊細で、呆れるほど上手い。心地よい。

感動です!遂にはまんまと呑み込まれます!

物語の舞台である札幌すすきのを中心に据えて、北国の四季とともにこんがらがり

ながら行きつ戻りつしながらもダメ善十のバーテンダー修行は続くのですが、こん

がらがりの主な原因になっている女性陣のキャラクター作りも見事で、可笑しくも

真摯な恋愛模様がね、織りなされていくのよね善ちゃん!しっかりねっ!!

 

初・いくえみ綾、大満足。

魅力のおなご達はこちらです↓

 

バー「 一白げん(→玄が二つのげん、フォント無い?)」店内の装飾花を配達

している白木生花店の娘。

白木美温

 

バー「 一白げん  」 先代マスターの娘。善十をサポート。

九重一葉

 

ヒモ彼氏の善十に別れを言い渡す30歳手前のOL。

古賀紅央

 

バー「 汐 」 のマスター。辛辣だけど尊敬する先輩バーテンダー。

長窪汐

 

 

 

今週も、みなさまの笑顔と好奇心と元気なエネルギーに刺激を受けました~

ありがとうございました!

これから雨の予報ですね。雨もまたよろし。

来週も、またどうぞお立ち寄りください。

こころよりお待ちしております!!

 

 

 

 

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おやすみカラスまた来てね。

 

私の初のいくえみ綾です。

敬愛するある方が愛する漫画家と聞いて、気になってました。

すると、いつも私に柔らかに控えめに良い情報をもたらしてくださる別のある方も

いくえみ綾ファン。気前よくさり気なくドンと全巻持ってきてくださったのでした。

『 おやすみカラスまた来てね。』① ~ ⑦巻完結、

恐る恐る読んでみた。

大変にヨカッタ!!

舞台は、札幌すすきのなんですよ。24歳、無職、ヒモであった十川善十( そがわ ぜん

じゅう )クンが、彼女から別れを告げられ失意のどん底に。

これがスタート地点。

スタート地点では、チャラくてだらしなくて情けなくてダメダメ男です。なので、

なんていうかこう・・・雑沓とか水商売の裏側とかすれすれの感じで進むストーリー

とタッチとせりふの世界なのかと思いきや、まさにその通りだったのですが、それが

ねえ、なんていうかこう・・・・その気になったらいくらでも荒ませることのできる

世界と物語を、” いくえみ綾の一線 ” と呼びたいような( 私が ) 抑制感があり、

練られて隅々まで計算された清潔感、温かみがあり、清々しい品格があり、人生を感

じさせる深みがあり・・・・感動してしまったのでした。

善十は、どん底状態で酔っ払いながらふらふらと知らないビルの知らないバーのドア

を押します。そこはこじんまりとしながらもすっきりと落ち着いたオーセンティック

バーでした。( つづく )

 

 

ただ今16:51、雨が降ってきました。

でも明日金曜日は、いわゆる「 ピーカン 」 っていう太陽マークだけの晴れのお天気

のようですよ。最高気温も 30度ですって!! 息子は初夏の学校行事の支笏湖遠足、

22km 歩くそうです。水分補給をしっかりせねば。

結構暑いようですが、

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

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うちのお弁当

 

ホームページを更新しました。

2年と3ヶ月ぶりでした。

「 え?ホームページ?あったの?まだ? 」 というホームページ、なんですけれど、

 

新しいホームページアドレスはこちら http://pasqueisland.com/ 

 

そこに 「 トピックス 」 というのをクリックしていただくと、特別企画がほぼないので

トピックスってどうなの・・・?とも思いますが、月ごとのご挨拶とか、季節の雑記の

ような感じでなんとかまとめておりまして、

今回はお弁当についてあーでもないこーでもないと述べております。

さらにここでもお弁当について書くのですから、そんなに?!と、自分でも感じますが、

お弁当作りで派生するいろいろが、細い根っこのように見えないところで伸広がって

いろいろな気づきや収穫や影響を生み、私の一日の流れを変化させでいる、と気付いた

わけです。すみません、もう少々お付き合いくださいね。

 

お弁当の本、ページをぱらぱらしてオッ!というのがあったら買ったり、お弁当作り

の諸先輩が貸してくださったり、目に付いたらつい立ち読みしたりと、頼りにして今。

今、私が一番感動し、実用に取り組んでいるお弁当本、それは今日の見出し画像の本、

『 有元家のお弁当 』 であります。

このお弁当の本でどこに最も感動したか。

レシピ? 盛りつけ?

それぞれの作り方の解説文面の解りやすさ?

ページ構成? 写真の美しさ? 

全てが料理本としてさすが有元葉子のクオリティだと思うのですが、

中でも一番、それは、有元葉子の手。

有元葉子せんせい ( 私の心の師匠 )のお弁当作りライブのような写真が手順通りに

豊富に載っていて、フライパンの柄を持つ手、盛りつけ箸を持つ手、卵焼きを返す手、

茹でた青菜をぎゅっと絞る手、手、手、に感動するのです。

皺がたくさんです。

指の節々もごつくなってます。

シミも傷も一杯です。

歳を重ねた老婦人のそれは手なのです。

有元葉子のこの手を見て、自分をひたすら生きてきた人の、生き切ろうとしている人の

見事な手、と納得するのです。90年代から、50歳少し前から、長い主婦時代を経て登場

した有元葉子の今に至る活動を、私は、気付いたらいつも眺め、時に書籍を購入しなが

らつかず離れずの距離で一緒にいたのでした。

若さ重視のこの国の価値観のしかも厳しい出版業界の真っ直中にあって、この手が語る

ことがあまりにも深く強くそして優しい。

清々しいほどの自然体で、自らの技術と知恵と経験値を全て伝えようとしているような

『 有元家のお弁当 』、改めて食べることと、食べるものを作ることの楽しさと大切さ

を学びたい、そして ” うちのお弁当 ” を作りたい!と思います。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

ご飯至上主義の息子のお弁当は、ほぼ毎日お米ですが、このグラハム粉60%配合の

プチパンだったらお腹もちもよろしく滋養もたっぷり、お弁当にもおすすめです!

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

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Territory on the Table / シミー書房の絵とエッセイ

 

生活を営むことは、何て何て愛おしい。

読み終えると、ほぉーっと息をついて、ほんわりとそう思えている。

しみじみと、

はぁー良い良い、良いものじゃ、暮らしていくのは。生きていくのは。

ね、と自分に向けて軽く相槌を打っている。

明るい気持ちになっている。

その読後感が、なんともうれしいのでした。

シミー書房の新刊 『 Territory on the Table シミー書房の絵とエッセイ 』です。

 

表紙を開いてアッ!

自分に「 本 」 のかたちに対する無意識な既成概念がしっかりとあったことに気付

れ、軽やかで意味のある仕掛け ( アイデア )! こんなかたちもありなのねー!

でもそれはなかなか思いつかないよね、さっすがシミー書房だわぁ、

お二人のデザイナーとしての手腕にまずはやられて喜んで。

続くエッセイを一編ずつじっくりと( 読み終えちゃうのが寂しいような気持ち・・・ )

読み進めていきながら、

 

「 けものだからまったく平気 」  に、ワハハ!そう言われるとまことにそうだネ!

「 本好きも様々 」  に、私の場合は、、、と考えてみて( めちゃ真剣に考え巡り )、

「 頑丈なテーブルがいい 」 に、同感!って頷いて、

「 頭の毛が逆立ち心拍数が跳ね上がった 」 に、笑い崩れながら超絶共感!って

 さらに激しく頷きまくり、

「 長い年月の中の浸食や隆起、風土が感じられる 」  に、” terroir テロワール ” とい

 う言葉がふと思い浮かんだりしたのでした。

 

前後の見返しと5編のエッセイそれぞれのページを右左に開いたり閉じたりすると、セ

レクトされた岡部さんの画の 「 けもの 」 たちが新明さんの文章で生き生きと動き出す

ようなのです。

本の中にたっぷりと日差しが取り込まれていて、季節の空気や風が吹いていて、いろいろ

な時の濃度があって、今回の本のサイズと絵のサイズと配置、オフホワイトの紙の質感、

余白の美しさに目も気持ちも安らぐのです。

新明さんが個展の前にインスタグラムで書いていた 「 岡部の発表の絵をもとに生

本です 」という一文を思い出し、このような本を生んでくれたお二人にありがとうっ

て、こころからそう思います。

 

画集ですね。エッセイ集ですね。どちらもですね。どちらでも、ですね。

素晴らしい曖昧さ、

見事な融合、

シミー書房そのまんま!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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スキップとローファー

 

 

「 漫画も読むんですか? 」 とおしゃべりの中で尋ねられました。

もちろん読みますとも!

おもしろい漫画、目新しい漫画ないかな? っていつもアンテナを張って書店のコミック

コーナーを巡るというほど知識も情報量も持ってはいないのですが。

なので、親しい人からオススメされたり、面白かったよって教えてもらったりして少し

ずつ作品に出会ってきました。

最新は 『 スキップとローファー 』高松美咲作!

高校性です、青春です、キュンキュンです、もう最高にオモシロイッ!!!

昨日61歳になってますけど私、なんでしょねえ気持ちの真ん中がほわほわするこの

感じって年齢関係なし、ということを改めて実感するのでした。

胸の高まりに苦しくなったり、秀逸なギャグにゲラゲラと大笑いしたり、

ワッカールーーッ!って共感に涙したり、漫画、素晴らしい!

漫画表現の凄さに感動しまくりです。

『 スキップとローファー 』最新刊⑨巻まで買ってしまいました。息子と二人して

めちゃめちゃ楽しんでおります。現役女子高生たちのおしゃれやメイクや恋バナや

悩みが可愛いんです!告白のニュアンスにもいろいろあるんだなあ、とか感心しきり。

明日19日のテストが終わるまで、⑦⑧⑨巻はしまってあります ( 息子本人の要請

より )。私も⑥巻までしか読んでいないのです、何となくね。

明日、やっと解禁です!

試験前の禁欲と、試験終了後の解放と。大人になったらそういうのもなくなっちゃう

から、実は何気なく疑似体験をしているつもりの母なのです。

あーー、みつみちゃんと志摩くんどうなっちゃう?!

はやく明日になってくれ~~!超楽しみです!

『 スキップとローファー 』 を教えてくれて、

ホントありがとうございます!りえサン!

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

パンと漫画、ともに悦楽のひとときですネ。

真冬はやはり、熱々のスープがうれしいな。

ぜひ小麦粉の良い香りのシンプルなパンをご一緒に。

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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シミー書房 丸い本新作『 本を読む 』

 

シミー書房の 「 丸い本 」 シリーズの既刊は4冊。

2016年 『 昨夜あなたに会いに行く』

2017年 『 わたしがのぞむことはたとえば 』

2018年 『 ドライブ 』

2020年 『 味わう 』

この4冊は、” あなた ”  と ” わたし ”  の、ささやかで、いじらしくて、ほのぼの

した真心を謳う詩の本です。柔らかなその詩の世界は多くの共感と感動をよび、

シミー書房に初めて出会った方にも大人気のロングセラーシリーズです。

 

このたび3年ぶりに上梓された丸い本5作目のタイトルは、『 本を読む 』。

 

本を読むということ・・・・・

( 他者が入り込むことはできません )

( たった一人自分一人でしかできません )

( 文字、文字からなる文章 )

( 文字と文章からなる作者からのメッセージ )

( 行間に生まれ醸す豊穣なるアロマ )

・・・・・を味わうということ 。

 

本は二次元ですが、私たちが本を読み始めると、脳内にたちまち立体的なイメージ

が立ち現れ、時空を楽々と飛び越えられ、現実には体験しようがない世界に降り立

つことができたりします。

読書は孤独になる行為ですが、その孤独時間は豊かで深い歓びに満ちています。

 

「 本を読む 」 という一行から思い浮かべてみたあれこれですが、あれこれ書き出し

てみてもなかなかちゃんと伝えられない 「 本を読む 」 ということを、この小さな本は

驚きのシンプルさで見事に表現しているのでした。

 

『 本を読む 』

本を読みながら生きていく、そんな本読み人つまりロマンティストのための、

ロマンティシズムのエッセンスのごとき一冊です。

ページを繰りながら、ドキドキと胸が高鳴り、 「 やられたーー!! 」 と悔しさにも

似た感動でした。

その詩、選ばれ組み合わされた挿絵、そして文字組みのデザインワーク、

やっぱり凄い。

 

シミー書房ならではの実力魅力が新鮮さを伴って表現された第5作目。

ぜひ読んでみてください。

 

 

丸い本 『 本を読む 』

文・新明 史子  絵・岡部 亮  装丁・シミー書房

550yen

 

 

 

 

 

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体とこころをいたわるには・・・・

 

今週からようやく気温が下がる予報ですね。

札幌の明日以降は、最高気温は22~24度から20度くらいまで。

ゆるやかに下降線になってきたようです。やれやれ。

例年の9月下旬と比べると、それでもやや高温なのかもしれませんが、続きすぎた

今年の夏の異様な暑さに、わたしは実はかなり打ちのめされていわゆる夏バテ状態、

先々週から先週にかけては日常茶飯事にも影響が・・。怠いし食欲もイマイチ

くなくて薄暗い日々だったので、気温が20度台前半というだけでウレシイ!!

 

これまで夏好きで夏バテとは無縁でした。今夏、異常な暑さが長引いたとはいえ、

夏バテしてしまい、体の弱体化に気がついて、そしてあまりに辛かったせいですね

なにかにすがる思いで手にしたのが、漢方からのアプローチ集の一冊でした。

本屋さんの棚でふと目にとまった

『 ミドリ薬品漢方堂の まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ 』

パラパラとページをめくり始めて、絵本の挿絵の版画のようなイラストの画風が

なかなか好みで、全てが繋がっている体のしくみを中医学的な見立てで確かに、

でもゆる~く解説処方していて、思わず熱心に立ち読みしてました。

いったんは棚に戻して、フロアをうろちょろ、でも・・・でもやっぱりアレ買おう

かな・・・なんとなくいいような気がする・・・棚に戻って一冊取ってレジへと。

初心者、不調者、受診&薬嫌いのわたしに、「 病院に行ってもなかなか解決しにく

い、数値に出てこない不調への対策のヒントを、一日ひとつ紹介しています。 」

という最初の文章に、素直に教えてもらいたい気持ちになったのでした。

 

親譲りの丈夫な体でしたし、これまで多少の無理をしても頑張れたし故障もしな

かったせいで、” 体を大切にする ” とか ” 体をいたわる ” こととは、日々何を

どのようにすることなのかが実はあんまり解っていませんでした、ということに

この本は気付かせてくれたようです。

 

例えば、冷たい飲み物を摂りすぎると体が冷える件、常温だったらOKですよ

ね、っと認識していたのですが、中医学的には体温より低い温度のものは全て

冷たい飲み物なんですと!ええー?!常温で何度なのかを測ったことはありま

せんが、体温っていうと36度前後でしょ、それって結構ぬるいよね・・・

でもつまりそれくらいじゃないと体って冷えちゃうのか・・・とかね。

 

例えば、体表は「 気 」 というエネルギーでできたバリアで覆われていて外の変化

から体を守っている、「 気 」 は肺によって全身にもくまなく巡らされているので、

肺を元気に保つ呼吸は欠かせない。1時間に1回は深呼吸をして肺をしっかり動か

すようにする・・・ふうむ、深呼吸は 「 気 」 を巡らせる肺のためにするのであっ

たか・・・深呼吸、たぶん何ヶ月も1回もしていないかも・・・

肺は深呼吸をしてやるとしっかり動けるのか・・・肺の元気を保つには、しっかり

と深い呼吸をすることですよ・・・了解!1時間に1回目安ですね!・・・とかね。

 

読めば読むほど、ふーむなるほど!

このような日常で誰もがやることができる体をいたわるための様々なカンタンな行動

がたっぷりと載っているのです。

しっかりと守ってやっていこう、というのではなく、ゆる~く実行し取り入れていこう

というスタンスですが、上記の飲み物の温度のことでも、深呼吸の意味のことでも、

知っているか知らないでいるかでは大きく違ってくるわけで、体を大切に扱い養生する

というのは、このような長い間に培われてきた生命の知恵を知り、ゆるくてもいいから

長く続けて取り入れながら実感を積み重ねて、それを習慣にしていくことなんだな、と

思い至ったのでした。

 

脾・肝・肺・腎・血、どれもこれもが弱っていたワタクシ・・・。

ようやく秋らしくなって、気温が下がってきたのを契機に、ゆるやかに体作りを始め

ています。ジュピターで乾燥黒キクラゲ、松の実、クコの実、黒ごま、練り黒ごまを

買い込んで、まずは「 血 」 ( けつ )の元気を取り戻したいと思います!

 

 

『 しあわせは 食べて 寝て待て 』 Vol.4 、買ったよ佳奈子サン!

さとこさんも養生仲間だねー。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

暑さが嫌いな胃は、夏が終わって涼しくなると復活するそうで、だから

” 食欲の秋 ” と言われるのだって。なるほどねー。

グラハム粉60% 配合の滋養のゆたかなしっかりしたパンです。

食欲の秋、どうぞ食べてみてください。

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

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『 ハイネ布団店の娘 』

 

 

物語の中に、私の心のアンテナがピピピッ!と反応する箇所がいくつも仕込まれて

おりました、シミー書房 「 しらくも村のおはなし 」 の最新作・第7集に入っている

3つのおはなしの中の 『 ハイネ布団店の娘 』です。

 

しらくも村商店街のハイネ布団店に娘ススが生まれ、成長し布団店を手伝うようになる

までのこのおはなしなのですが、はじまりにてハイネ布団店がいかなる布団店なのかが

描かれます。まずここで最初の ” ピピピッ! ” がきます。

 

「 一度ハイネの布団を知ったら、もう他の寝具では寝られない。 」

「 少々値は張るがそれだけ価値のある布団だった。 」

 

むむむ、これは普通の商家ではありません。

顧客にそこまで言わせてしまう布団。値は張るけれど価値はまあまあな商品に溢れて

いる世の中です、しかも布団という万人必須の暮らしの道具、まあ普通の布団であれ

ば普通の睡眠を妨げることはないし特に不満もないよね・・・という認識が大多数で

はないでしょうか。でもどうやらハイネの布団は、購入した普通認識のお客が目を

開いて驚いて、布団に対する概念を新次元へと移行させる布団のようなのです。

これは凄い店 です。しかもその布団、「 少々値は張る 」 であって、「 値は張る 」

ではありません。

 

「 ふうむむむ 」 心に広がるピピピッ!の波紋。ページを繰る。

と、続いて布団店の店主の 睡眠 というものの捉え方、独自の考え方次なる ” ピピ

ピッ! ” がくるのです。一日の活動を終えてやがて夜になって、あくびをしながら眠り

につくというあまりにあたりまえのその営みとは。そしてその営みにおいての布団の

役目とは。「 一度ハイネの布団を知ったら、もう他の寝具では寝られない 」 と言わし

めるスーパー布団を生み出しているハイネの店主の睡眠&布団の哲学が展開されます。

そうか・・・

そういうことだったのか・・・

と大きくうなづき、大いに納得し、深く共感し、見開き左ページの挿絵に笑みこぼれ。

 

そしてハイネの店主夫婦に娘が生まれ、スス と名付けられます。

次なる ” ピピピッ! ” は、スス。

ハイクオリティな布団の名店の家に生まれながらススは夜に眠らないのです。

どうしましょう?!寝てくれない、どうやっても。なんとススは昼に眠るのです。

ハイネの名折れだ、シャレになんねえ、何と言っても体にさわる、と両親は気を揉み

に揉むけれど、ススはけろりと健康ですくすく育つのです。

ここで私は、個性 ということ思います。

ススは誰とも違う自分の中の自然をあたりまえに保ち、特別に迷うことも悩むことも

なくあるがままの自分でいることに成功しています。希有。頑固。是。そして素直。

なんと魅力的なヒロインでしょうか。自分の個性のままに在るスス。夜明け前に眠り

について、昼までぐっすり眠り、そして家業を手伝い、家事もちゃんと手伝うのです。

そして両親は、あることが契機となってそんな娘の個性を理解します。理解した後は

ススが眠らないでいる夜をススらしく過ごせるように、ススが眠りにつく夜明け前

の環境を心地よく整えてやる。ここでまた ” ピピピッ! ” とアンテナが動くのです。

自分達とは全く違うその子の個性を理解して、コントロールしようとしないこと、

手を差し伸べること、温か見守ること・・・・

これ、子どもを育てる原点だな、と。

 

ここまでで 、商いの理念、ものづくりの哲学、個性、子育て、、、とまあ現代用語

に移すとつまらなさと味気なさで一杯になり、うなだれますが、、、つまり私が日々

考え続けているテーマがしらくも村的に描かれていて、 ” ピピピッ! ” っと来てはそこ

立ち止まって、踏み脚をしながら、一行毎に味わってきたのでした。

そして最後の ” ピピピッ! ” 、

それは、” ピピピッ! ” のアンテナが下げられたその後・・・・・

 

「 ススは夜に何をしているか。 」

 

19ページ、この後に続く最後の5行です。

今まで読み進み活発に活動していた感情と頭=” ピピピッ! ” は、人々が寝静まり

夜の闇が降りるのと同時ににスーッと停止したようなのです。

そしてそこからのススの動向をススに気付かれずにそっと観ていくのです。

まるで映画ですね。これがススの日常。旅先の特別でも、ある特別な日の特別な

出来事でもなく。私は、一度でいいからこんなことをやってみたいと思う。でも

今やできないかもなと思う。自分で選んだ人生はそんなことをできるようにしてこな

かったのだから。魂が解放されて、境目がなくなる気がすると思う。

なんて、なんて素敵なんだろう。

 

この5行の珠玉。

心が震え、ヤラレタナっていうような、そんな気持ち。深く癒やされ、満たされ

です。物語のクライマックスに静かなる、そして見事な詩情が待っていたのでした。

参りました。シミー書房。

 

 

しらくも村のおはなし・第7集『 ハイネ布団店の娘 』 1820yen

「 カラスガラスのグラス 」「 リコッタに会いに 」とともにライムグリーンの函に入

っています。ぜひ店頭にてお手にとっていただきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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シミー書房の新作によせて

 

 

ページをめくり、文字を読む。

書かれている文章が伝えようとしていることを理解するために脳のアンテナを

立て、読むほどに揺さぶってくる何かの力、制御したり調整したりすることは

できないその力に魂がさまざまに影響される体験。

本を読むという行為は、つまりそういう体験をしにいくということではないか

と思います。

自分が無意識に決めている守備範囲の外へ。

著者の思いは、

まず文章によって表現されていきます。

文章は、言葉、言葉を繋ぐ詞の連なり。

言葉は、音。音から調子~つまりリズムが生まれて、文章は旋律のようです。

絵が文章とともに思いを伝えると、まるでオペラのような立体的な躍動感で

イメージが視覚化されて、伝わり方の鮮やかさと深さが強まります。

そして装丁。

紙の手触り、色調、活字、活字の並びのバランスが、作品の世界を完成させる。

 

常にハイクオリティの作品を生み出し続けるシミー書房 新明 史子・岡部 亮の

お二人のクリエイティビティは、

ことばのひとつひとつを選び、音と旋律を調整し、絵がその詩の世界を補完して、

線の味わい、絵柄から滲む詩情を、選び抜かれたことばの連なりが補完して、

絵とことばのハーモニーなのですね。

絵とことばによるものがたり世界が、一冊の本として出来上がるまでの全てのプロ

セスをお二人で創り上げる、その道程そのものが作品なのですね。

 

『 しらくも村のおはなし 』 待望の新作が、6月15日からの個展で上梓されます。

私をいつもの守備範囲の外への旅に連れ出してくれるシミー書房の新たな世界。

手にする瞬間、私はどんな気持ちでどう揺れるのだろう・・・

静かに興奮しているのです。

 

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

今日は風邪でダウンしていたおふみさんと久しぶりに再会し、不安定な天気がつづく

6月だよねえ、とおしゃべりしてました。みなさまいかがお過ごしでしょう?

そうぞご自愛くださいネ。

 

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのお越しを

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ミステリーもいいね

 

 

5月22日 月曜日。

定休日の休日の朝の9時半、息子の激推しミステリー 『 十角館の殺人 』読了。

なかなかヨカッタ。

ミステリーは今までほとんど読んでいないジャンルですが、

この 『 十角館の殺人 』 は、去年の12月に地域の書店でふと手に取り、帯の

コピーに惹かれて息子へのクリスマスプレゼントに選んだ一冊でした。

自分じゃ読まないけど、あまりに面白そうな気を引くコピーだったし、エンター

テイメント性が高くて一気読みしてしまいそうなミステリーは、普段からあまり

本を読まない ( 本人曰く、読書の時間がつくれない!そうです ) 男子高校生

へのクリスマスプレゼントにぴったりかな~って思って。

 

『 十角館の殺人 』 は、初刷が1987年。1991年に文庫化されて以来、

2007年までに50刷、同年に新装改訂版の第一刷が刊行され、2022

9月に新装改訂版第85刷ということで、ミステリー界の大ロングセラーですね。

 

舞台は四方を断崖絶壁で囲まれた小さな無人島に建つ正十角形の館、そして

時は1986年、大分県O市にあるK**大学のミステリー研究会のメンバー

7人がこの奇妙な館にて次々と殺されていって・・・!!!というものですが、

私の感想の第一、それは 「 懐かしい! 」 でありました。

” ミステリ史上に残る大トリック! ” を読んでの感想にして 「 懐かしい 」 って

どうなの?とは思うのですが、80年代の大学生、大学のミステリー研究会、

メンバー同士の描写、会話・・・それは私の学生時代と丸かぶりなのです。

ぼろっちいサークル棟の部室や、その狭い部室に充満する煙草の煙、懐かしい!

登場するミステリー研究会のメンバー達は男女みな喫煙者です。ひっきりなしに

タバコ吸っているの。今じゃ考えられないのですが、当時はそうでした、懐かしい!

私はタバコ嫌いで吸いませんでしたが、当時の大学生は、学生たる者・吸って&呑ん

一人前!みたいなところがありました。そして、新入生歓迎コンパとかなんとか

で宴会をしては、下級生に無理矢理お酒飲ませて急性アルコール中毒死という

悲惨な事件が問題になり始めていた頃・・・そうでした・・・・

さらに。サブカルチャーなど趣味の特定領域にて愛好者同士がお互い相手のことを

「 おたく 」( 例:「 ねえ、おたくさぁ、あの作品観た? 」 ) と呼びかけるの。

これが現在に至るオタクの始まり、と記憶してます・・80年代・・懐かしい!

そのような淡いノスタルジーとともに読み進んだ、懐かしさ一杯のミステリー作品

でありました。

 

帯のコピーに偽りなし。

” たった一行 ” で世界が変わる衝撃体験をしたくて、途中からは一気読み。

この歳で読むと、結構ツッコミどころはありますが、ミステリーの醍醐味の前には

そんなことどうでもいいのです。

 

たまにはこのような謎解きエンターテイメントの刺激もいいものです。

80年代に青春時代を過ごした50代以上のみなさまにもオススメです・笑

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

ここパスキューの正面の大窓から、目の前の通りの街路樹の銀杏の樹の萌えいずる

新緑と木漏れ日が目に映り、なんとも癒やされる眺めです。

この季節は、咲き誇る花々も素敵ですが、木々の緑のグラデーションに感動します。

目にもこころにも、体の隅々までも、自然からのエネルギーを染み渡らせたいです

よね。お天気の良い日には、外に出てちょっと歩きましょうか。

5月、6月はお散歩が似合います。

 

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

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わたしの読書、たいていは・・・

             ANDRE KERTESZ 『 ON READENG 』より

 

通勤の地下鉄内で本を読みます。

日課的読書の場所が、

休みで家とその周辺の行動範囲の日以外ほぼ毎日乗っている地下鉄のシートって

ちょっと寂しいのですが、まあしょうがない。

地下鉄、JR、バスなど、公共交通機関に乗っている時間は、派手なことはほぼ

何もできないってことで ( 派手なことって?笑 )、① 自分の体の幅の内でやれて、

② しかも無言で、③ さらに一人っきりでやれること・・・・

編み物 → 10年に1人くらい見かけるかも。これもっと流行ってもいいよね。

書き物 → 3ヶ月に5~6人くらい見かけるかも。主にお仕事系、テスト勉強系。

飲み物 → 1ヶ月に2~3人くらい見かけるかも。ペットボトル、持参水筒。

読み物 → 1車両に1~2人くらい見かけるかも。文庫本、新聞、図書館の単行本。

読み物 → 1車両ごとに95%くらいはこれかも。スマホ。ゲーム含む。

あとは、

睡眠 → 1車両に4~5人くらいは見かけるかも。結構眠れるけど乗り越し注意。

瞑想 → 睡眠系と見分けるのはかなり難しい。

観察 → 人間観察・マンウォッチング。目を開けたままの瞑想の可能性もあり。

ざっとこのようなかんじでしょうか。

私の場合、地下鉄読書は、まず車酔いの心配がほぼなくて、①②③の縛りがあること

で逆に読むことに集中でき、良い環境、良い日課なのです。

世の中全体に大人はなんだか忙しく、地下鉄内のひとときが独りになる貴重な時間

だったりするので、無駄にしたくないんだよね、きっとね。

横並びの座席にずらりびっちりと座っている一列全員が、真剣に小さなスマホを

睨んで指を滑らせている光景がちょっと不気味であるのは否めませんが、でも

きっとそういうことでありましょう。

 

毎日5~6分 x 2回 ( つまり行きと帰り ) で、最近読み終えた本に、ニーチェの

『 ツァラトストラ 』 があります。

印象的な箇所がいくつもありましたが、私ごときではただ感じるだけで、理解まで

には1回読み終えたくらいではとても至りませんが、ニーチェが問い、そして

答えようとしたことは何となく伝わり、共感もしくは納得に近いものでありました。

理解できない部分が多いけれど、読み終えての充実感は大きかった・・そんな書物

と、数分刻みで毎日。そういう読書だってできちゃう地下鉄なのでした。

 

『 ツァラトストラ 』丘沢静也/訳・光文社古典新訳文庫

 

「 敬虔そうな顔をして、黙って、星のじゅうたんのうえを歩いている。ーしかし、

拍車の音も鳴らさずに、こっそり歩く男の足は、俺の気にくわない。 」

 

『 ツァラトストラはこう言った 』 氷上英廣/訳・岩波文庫

 

「 つつましく、黙々と、かれは星の絨毯のうえを歩く。ー だが、わたしは物しずかに

歩く男の足を、すべて好まない。足には、拍車の音がするほうがいい。」

 

 

『 ツァラトストラはかく語りき 』竹山道雄/訳・新潮文庫

 

「 いと敬虔に、また黙々と、牡猫は星の絨毯の上を彷徨う。ー われはすべての

柔らかに踏む男の足を好まない。まして拍車も鳴り響かぬに於ては ー 。」

 

 

要は、ニーチェ先生は、率直な人の足音はかならず語りかける、とおっしゃって

いるようですね。なんか解る気がしませんか?

” 拍車 ” とは、18世紀くらいまで馬に乗るときのブーツの踵についている金具

で、それで馬をけって刺激して走る速度を上げるように合図するためのもの。

きっと歩くとカシャカシャ鳴ったのでしょうか。

部分的に翻訳違いで読み比べも愉しいものです。

 

そろそろ帰りの時刻です。

今日も地下鉄読書は続きます。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

暖かくなってきて、ふらりとお散歩途中に立ち寄られるお客様が増えてきました。

当日にご来店でしたら、パンのご予約お取り置きも承っております。

電話一本です ( 011-215-9331 )。

明日もまたこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

待ちしております!!

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

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ありがほし  / シミー書房

 

 

56 x 70 mm の、手のひらサイズの小さな本の中で、

小さな小さなアリが、やりたい放題いろいろにやっている本なのです。

なんたってアリですから、

それは小さくて本当に小さくて簡単に打ち負かされたってしょうがないって

いうか、気付かれもしないって思うでしょ?

もうぜーんぜんそうじゃない。驚くほど。

この本の中で暴れまくっているアリさんはですねえ、犬とファイティングしたり、

でっかくて真っ黒くて剛毛で洒落たストライプのシャツを着た ( 白カフス ) の

ネコを挑発したり、あっかんべーしたり、黒猫の逆襲をひょいっとかわしてみたり。

グラサンかけてカフェで寛ぎ、DJ のごとくレコード盤をまわし ( っていうか、盤

に乗っかって踊る、なんたってアリだから ) 、サーフィンをしてバイクに跨がる。

調子にのって、落ち込んで、うなだれたかと思うと飽きたりもして。

アリなのだけれど ( 脚と手6本、触覚~~!みごと~~見たら納得です  )

アリを描いているというわけでもなく( シミー書房ファンの皆様方ご承知のとおり)、

だからといってアリの姿を借りての何かの象徴ということではぜんぜんなく。

どっちでもよくて、どう解釈してくださってもいいのです・・・

というシミー書房的ゆるやかさの魅力が、これまで以上に増している

これは新たなる傑作。

 

岡部氏の描くアリ以外には、新明氏の選ぶ言葉のセンスなしには、生み出され得

なかったこの小さな本 ( シミー書房の作品群すべて。当たり前ですが ) 。

紙の質感、色合い、活字、ページ構成、

「 あり 」 から始まる単語の連なりは、美しさと遊びに満ちて、

それを視覚化してみせる画、画、画、

詩情とナンセンス、滑稽味とリズム感の絶妙な均衡。

そして、全てをまとめる製本の粋。

それらが、ページをめくるたびに同時にくる、その悦楽感!

繰り返し読んで楽しんで、

ふと思った 「 これって、JAZZ 。」 と。

最高のジャズのコンボ演奏のめくるめくソロと

深く響くハーモニーのごとしと。

そして、

小さな小さな 『 ありがほし 』 最後に一粒手のひらに残るのは、

小さな小さなアリさんの、ありがほしと望む、あわれの、いのちの、一粒。

いのちが尊く輝くんです。

 

シミー書房には、今回も降参してしまいます。

 

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

シミー書房展 『 冬は寒くて暖かい 』 あと3日となりました。

どうぞこの機会に、シミー書房の ” 書房 ” 作品を手にとってご覧頂きたく思います。

寒い季節にむかう楽しみ、そして日々への賛歌を感じることでしょう。

選んだ本と一緒に、温かい飲み物とパンのご用意を。

至福の冬のひとときをお約束いたしますよー!

 

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

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