毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
いたずらロラン / ROLAND
2016-09-29 / 本
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” なんだかずいぶんと忙しい一週間 ” ってありますよね。
先週、先々週がそんな感じでした。
朝は5時台には起きるのですが、起きた瞬間から夜眠るまで
予定していたこと、予定外の突発事項、毎日の定番作業を次々にやっていき
気付いたら夜、という日々。
晩ご飯の後片付けをしながら、
「 あー、今日も終わりが近いぞー!! ( ガンバレ自分、的に ) 」 と叫んでいました。
ひとつひとつの作業はどれもみんな好きなことなんですよ。
例えば、料理。
例えば、掃除。
例えば、後片付け。
例えば、日用雑貨や食料、仕事の備品類消耗品類を買うこと、注文すること。
例えば、梱包・発送作業。
例えば、ミシン踏み、商品製作、商品レイアウト。
例えば、いろんな応対。
例えば、例えば、例えば、、、、e.t.c.
ああ、毎日は切りがないくらい楽しいことで充ち満ちております。
ところが、あまりにもいろんな組み合わせで、この ” 楽しいこと ” が重なってくると、
楽しみ事 転じて こなし事、になってしまうものです。
「 あれもやらなきゃ、こっちも早く済ませなきゃ、ぎゃあ! 」
少しでも効率よく進めるために、頭の中はフル稼働です。
段取りの工夫力には、激しく個人の高低差がありますので ( 涙 )、自分の限界近くでの
奮闘が続くと、まず頭がそして気持ちが凝ってまいります。
息子や夫が話しかけてきても上の空になってくると、それはお疲れ信号なんですねえ。
本来の自分に立ち戻らなくてはいけません。
本来の自分を取り戻すのに必要なこと、私の場合は 「 孤独 」 「 静寂 」 「 美 」
のいずれかに接すること。
静かなところに一人っきりでいること。
そして、「 美 」 に触れて味わって幸せな気持ちになること ( 美容系ではありましぇん )。
孤独と静寂なんて今はムリってな場合は、
「 美 」 は様々な形態をとって在り、また創造されているから、結構接しやすいので、
何でもよいから「 美 、プリーズ!! 」 なのです。
先日の特効薬の美は、絵本という形で表現された美。
1957年の世に出た 『 いたずらロラン 』 です。
作者のネリー・ステファヌは1921年 フランス・アルザス地方に生まれ、
画家のアンドレ・フランソワは、1915年 ルーマニアのティミショアラ生まれだそうです。
「 じゃらんぽん! 」 と唱えると、描いた絵や友達のコートの毛皮なんかが本物の動物に
なってロランといっしょに騒動を巻き起こす、というナンセンスストーリーなのですが、
フランソワの自由闊達な独自な画風、粋な色使いはどうでしょう!!
子どもの想像力そのものの、小理屈なし理由なしの軽快愉快なストーリー展開に、
これ以上の挿絵は望めません。
そして、この一冊にヨーロッパの美が一杯なのです。
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「 ちこくぼうずは たってなさい 」
せんせいに いわれて きょうしつのすみに いったけど
たってるだけじゃ つまらない。 そこで えんぴつとりだして
かべに ひょろながいトラを かきました。
「 じゃらんぽん! 」 と 唱えるとトラは ほんとのトラになり ・・・・・・
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どうぶつに あんないされて ロランは えんとつを くぐりました。
ついたところは おもちゃをひとつも もっていない
かわいそうな おんなのこのうち。
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ぜんそくりょくで かけだしました。
あわてて おりた さかみちに
だれが すてたか バナナのかわ。
ね、ね、ね、いいでしょう?
白と黒、オーク色、そして群青色。
この4色のみしか使っていないのに、いいえ、この4色だからこそ、
この上なくシックなこと、美しいこと!!
そしてロランの自由さ活発さ楽しさに、一瞬にして元気づけられたわたしです。
古き良きヨーロッパの子ども達と世の中の匂いが伝わる素敵な一冊、
翻訳は、かのタンタンの冒険シリーズの川口恵子さんなのです。
お疲れ一週間のちょっとの隙間に、絵本。
大人だからこその、リポビタンD以上の効き目なのかもしれませぬ、ふふふ。
『 いたずらロラン 』
ネリー・ステファヌ 作
アンドレ・フランソワ 絵
川口恵子 訳
福音館書店 ISBN4-8349-1250-6 CB798
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シング・ストリート / Sing Street
2016-09-14 / 映画
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/67/92fb19f19ccd7d17e75e6e4c2d6c3833.jpg)
須貝ディノスシネマズ にて。
2016年の私の ナンバー1映画です!!!。
運命なんてもの、あるもんかっ!!
未来は自分が作るんだ!!!
14歳のコナーが見事に見本を見せてくれるんです。
ほんとうに見事に!
ラストに向かうにつれ、震えながら観ていました。
知らないうちに涙が溢れていました。
不況のどん底の80年代のアイルランド、ダブリン。
大人の情けない事情による被害をもろに被った14歳のコナーが、
大人びたラフィナにハートを射貫かれ、夢を見つけ、夢の実現に向かって自分自身で
道を選んでゆくんです。
ろくな生き方しかしてこなかったくせに、子ども達に命令し、
微々たる権力を振り回すだけの、あてにも見本にも全くならない大人達にさようなら。
出来ない理由と言い訳ばかりでしょぼい人生あっという間に終わっちまうぜ!
バンドを組んで ( イケてないの極み男子 x 6人編成・バンド経験ゼロ )音楽によって
少年達はどんどん顔つきが変わっていくのっ!!
本当に「 決めた 」 時、ひとはこんなにも変化する!
隠れ埋もれていた個性と自信を一気に復活させ、その表情、行動、すべてを本来の姿に
立ち返らせるのだということを、14歳の彼らが見せてくれるのです。
恋しい気持ち、怒れる気持ち、傷つき寂しい気持ち、夢を目指す憧れの気持ち・・・・
素直な心の揺らぎを音楽にのせて、熱くシャウトし、切々と呼びかける。
音楽っていいな、音楽って素晴らしい、コナーの歌が心に深く響き、改めて音楽の力に
感動するのです。
なんだか元気になれないな、何にもやる気になれないな、という万年疲れ顔の私達大人
こそ観るべき1本。
きっと ” 何か ” を思い出すはず。
その ” 何か ” とは、青春、などという言い訳めいた遠いものではないはずです。
年齢なんて関係ない。
もっともっと根源的な、” 自分の人生の作り方 ” というようなこと、たぶん。
それを、14歳という絶妙な年齢のきらめきと清潔感をもってして表明した
ジョン・カーニー監督、見事な仕事でした。
しかも、あらゆる壁を越えうる音楽という素晴らしいツールを用いての。
傑作です。ぜひ。
追記
コナーのお兄ちゃん、最高です。
幸せになってね、ゼッタイ!!
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ジャズライブ ありがとうございました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/52/97f039b6a3b95fa74787f7eb8a0bd77c.jpg)
日に日に秋めいてきていますね。
日差しがあっても、夏と比べると柔らかく優しくて、
そのため街全体のトーンが落ち着いてきている感じがひしひしといたします。
夕べはでも比較的温かく、ジャズライブは途中から扉を開け放しての演奏となりました。
ちょっと熱気がこもった会場に、すーっと初秋の夜の空気が流れ込み、
図らずも秋ならではの味わいになったのではないでしょうか。
ご参加くださったみなさま、本当にありがとうございました。
昨夜の演奏曲は、
・You and night and music
・September in the rain
・God bless the child
・Green sleeves
・Billies bounce
・For all we know ( encore )
以上の、5曲 + アンコール1曲 計6曲でした。
1曲目の『 あなたと夜と音楽と 』、4曲目 『 グリーンスリーヴス 』などは、ジャズファン
のみならず、ご存じの方も多いのではないかと思いますが、それだからひとしお秋になってゆく
今時期にジャズ演奏で聴くと、あのマイナー調のメロディがしみじみと感じられました。
ウッドベースのマイナーコードがドンッ、ブーンッ、と胸を打ち、
テナーサックスの鈍い真鍮色の音がメロディラインを奏でる毎に哀愁と華やかさに
ときめき・・・。秋のジャズは、内面にじわっと効きますね。
私は、3曲目の 『 ゴッド ブレス ザ チャイルド 』 が良かったな。
繊細で美しい曲調が、ちょっと不安定さを伴ってなかなかいい感じで表現されていたように
思うのです。サックス X ベース というジャズ界ではめったにない編成による ” 二つの楽器
のみ ” というしばりをプラスに生かした不安定さと曲調がとても合っていた、とでもいうか
( くどいっ! )。
スタンダードナンバーで、「 あ、聴いたことある 」 と思った方もいらしたでしょう、
今回改めて「 いい曲だなあ。 」 と聴き直した次第です。
秋の名曲は数あれど ( 「 枯れ葉 」、「 ニューヨークの秋 」、「 セプテンバーソング 」
などなど )今回の選曲は渋い。
いや、毎回、ウチのジャズライブでの選曲は、かなり渋い。
今やジャズのスタンダード曲になっている有名曲も、元はといえば
ミュージカル舞台のために作曲された歌詞のある曲が結構多いんですが、
つまり、別の音楽ジャンルから引いてきたナイスな曲、っていうことなんだけど、
時代性がモノをいうためか、1930~1950年代のアメリカのポップソングって
品があって実に名曲。ロックが出現する前の時代の音楽だからでしょうか?
現代のポップソングをジャズ化したものにはない情緒が感じられるように思います。
パスキューアイランドのジャズライブでは、ジャズがジャズらしかった頃の曲をやっています。
どうしても、それらの曲や演奏に惹かれてしまうからです。
大関智也の選曲は、放っておくともっともっと渋くなってしまうので、
主催側のワタクシが、多くの人が 「 あ、知ってるっ! 」「 あ、私の好きな曲! 」 って
楽しめる有名曲を混ぜてくれ、と強くリクエストしております ( 笑 )。
ジャズらしいジャズ、ってどんなんでしょう?
私達の追求しているもの、表現しようとしていること、は、まさにそのことに尽きるようです。
ジャズらしいジャズ。
店らしい店。
二つは、同じ事のように思うのです。
次回は、雪虫がふわふわする頃、ですね。
毎回健闘するサキソフォニストとベーシスト、二人のジャズへの情熱を、
ぜひ観て聴いてください。
こころよりお待ちしております。
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