ビッグバンドジャズ芸術鑑賞会

 

たいしたことはしていないのに 、なぜだか忙しない毎日をバタバタと送っている私に

とって、これは思わぬご褒美、ギフト、ホッと一息の休憩時間、心への栄養剤・・・・

来月4日に店をちょいと抜けて、カナモトホールで行われるビッグバンド演奏会に

ってくるんです!ワーーイ!ワーイ!

と言いますのも、息子の高校の秋の行事 『 芸術鑑賞 』での演奏会なのですが、なんと

保護者枠というのが設けられていて、申し込み先着50席まで無料で鑑賞させてくれ

ということなのです!夫にも 「 是非行ってこなきゃ! 」 と背中を押してもらい、速攻

申し込んだのは言うまでもありませぬ。ヤッター!

2ヶ月に1度の当店の小さなジャズライブで味わう生の演奏、そのヴァイヴレーション

と、コンサートホールでシートに身を沈めて味わうビッグバンドのジャズの重奏の輝き、

そしてソロ演奏の聴き比べ、楽しみでなりません。

 

9月も今日を含めてあと3日。

暑過ぎ、長過ぎだった今年の夏がいよいよ去って、新しい秋が加速しながら広まって

きていますね。朝夕の気温が低くなり、明けは遅く、暮れは早くなってきて。

空気が爽やかに軽くなり、珈琲が実に美味しく香ばしく新鮮に感じられます。

ワインも冷蔵庫保存にしなくてもよくなりました、常温です ( 中医学的には常温で

冷えるという教えですけど、これだけはねぇ、やめられないなあ・苦笑 )。

夏バテという症状で表面化した、あちらこちら弱体化している体の養生を兼ねての

季節の美味しいものを料理して、食べましょう。

映画・音楽・文学という私の三大糧もじっくりと。

 

秋、みなさまのお楽しみ予定はいかがでしょうか。

素敵な予定でカレンダーをちょこちょことと埋めていきたいこの頃です ( だいぶ

元気になってきたな!私 )。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

秋の味覚との組み合わせもいろいろできる味わい深いシンプルなパンです。

スープと、ワインと、珈琲と一緒に楽しんでみてください。

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

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体とこころをいたわるには・・・・

 

今週からようやく気温が下がる予報ですね。

札幌の明日以降は、最高気温は22~24度から20度くらいまで。

ゆるやかに下降線になってきたようです。やれやれ。

例年の9月下旬と比べると、それでもやや高温なのかもしれませんが、続きすぎた

今年の夏の異様な暑さに、わたしは実はかなり打ちのめされていわゆる夏バテ状態、

先々週から先週にかけては日常茶飯事にも影響が・・。怠いし食欲もイマイチ

くなくて薄暗い日々だったので、気温が20度台前半というだけでウレシイ!!

 

これまで夏好きで夏バテとは無縁でした。今夏、異常な暑さが長引いたとはいえ、

夏バテしてしまい、体の弱体化に気がついて、そしてあまりに辛かったせいですね

なにかにすがる思いで手にしたのが、漢方からのアプローチ集の一冊でした。

本屋さんの棚でふと目にとまった

『 ミドリ薬品漢方堂の まいにち漢方 体と心をいたわる365のコツ 』

パラパラとページをめくり始めて、絵本の挿絵の版画のようなイラストの画風が

なかなか好みで、全てが繋がっている体のしくみを中医学的な見立てで確かに、

でもゆる~く解説処方していて、思わず熱心に立ち読みしてました。

いったんは棚に戻して、フロアをうろちょろ、でも・・・でもやっぱりアレ買おう

かな・・・なんとなくいいような気がする・・・棚に戻って一冊取ってレジへと。

初心者、不調者、受診&薬嫌いのわたしに、「 病院に行ってもなかなか解決しにく

い、数値に出てこない不調への対策のヒントを、一日ひとつ紹介しています。 」

という最初の文章に、素直に教えてもらいたい気持ちになったのでした。

 

親譲りの丈夫な体でしたし、これまで多少の無理をしても頑張れたし故障もしな

かったせいで、” 体を大切にする ” とか ” 体をいたわる ” こととは、日々何を

どのようにすることなのかが実はあんまり解っていませんでした、ということに

この本は気付かせてくれたようです。

 

例えば、冷たい飲み物を摂りすぎると体が冷える件、常温だったらOKですよ

ね、っと認識していたのですが、中医学的には体温より低い温度のものは全て

冷たい飲み物なんですと!ええー?!常温で何度なのかを測ったことはありま

せんが、体温っていうと36度前後でしょ、それって結構ぬるいよね・・・

でもつまりそれくらいじゃないと体って冷えちゃうのか・・・とかね。

 

例えば、体表は「 気 」 というエネルギーでできたバリアで覆われていて外の変化

から体を守っている、「 気 」 は肺によって全身にもくまなく巡らされているので、

肺を元気に保つ呼吸は欠かせない。1時間に1回は深呼吸をして肺をしっかり動か

すようにする・・・ふうむ、深呼吸は 「 気 」 を巡らせる肺のためにするのであっ

たか・・・深呼吸、たぶん何ヶ月も1回もしていないかも・・・

肺は深呼吸をしてやるとしっかり動けるのか・・・肺の元気を保つには、しっかり

と深い呼吸をすることですよ・・・了解!1時間に1回目安ですね!・・・とかね。

 

読めば読むほど、ふーむなるほど!

このような日常で誰もがやることができる体をいたわるための様々なカンタンな行動

がたっぷりと載っているのです。

しっかりと守ってやっていこう、というのではなく、ゆる~く実行し取り入れていこう

というスタンスですが、上記の飲み物の温度のことでも、深呼吸の意味のことでも、

知っているか知らないでいるかでは大きく違ってくるわけで、体を大切に扱い養生する

というのは、このような長い間に培われてきた生命の知恵を知り、ゆるくてもいいから

長く続けて取り入れながら実感を積み重ねて、それを習慣にしていくことなんだな、と

思い至ったのでした。

 

脾・肝・肺・腎・血、どれもこれもが弱っていたワタクシ・・・。

ようやく秋らしくなって、気温が下がってきたのを契機に、ゆるやかに体作りを始め

ています。ジュピターで乾燥黒キクラゲ、松の実、クコの実、黒ごま、練り黒ごまを

買い込んで、まずは「 血 」 ( けつ )の元気を取り戻したいと思います!

 

 

『 しあわせは 食べて 寝て待て 』 Vol.4 、買ったよ佳奈子サン!

さとこさんも養生仲間だねー。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

暑さが嫌いな胃は、夏が終わって涼しくなると復活するそうで、だから

” 食欲の秋 ” と言われるのだって。なるほどねー。

グラハム粉60% 配合の滋養のゆたかなしっかりしたパンです。

食欲の秋、どうぞ食べてみてください。

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ミッション インポッシブル / MISSION : IMPOSSIBLE

 

たのしいなつやすみ、『 インディ・ジョーンズ/ 運命のダイヤル 』 があまりに良かった

ので、勢いづいてもう一丁行ってみよう!!ってことで、

『 ミッション イン ポッシブル /  デッドレコニング PART ONE 』も観てしまいました私

たち。それも、初めての IMAX シアターで。

本日の見出し画像がそのチラシなわけですが、トム、一体何がどうなっちゃってるの?!

っていうもの凄いンパクトの画ではないでしょうか。

これを確かめずにはおらりょうぞ。

 

トム・クルーズ御年60歳 ( 私と同い歳、オーマイガー! )スタントマンなし全ての

アクションがご本人!という、現・ハリウッドの生けるレジェンド、最後の映画スター

といわれるトム・クルーズの痺れるプロフェッショナルなお仕事を IMAX で堪能して

まいりました~~!!素晴らしかった!お口ポッカーンで惚けて見とれて、手に汗握っ

あと0.2 秒で爆発ーーーっ!で思わず目をつぶり・・・寸でで解除、ほぉーと脱力、

極上冒険アクション映像体験は、身も心も忙しく、エンターテイメントの本領=夢の

別世界への旅行 を実感した次第です。

 

トム・クルーズと彼のチームの情熱に加えて、この作品を貫くもう一つの重要な鋼の

ワイヤー、それはこの映画のテーマ曲 「 Mission : Impossible Theme 」ですね。 

この曲、耳にするだけでどうしてこんなにワクワクさせられるのでしょうか?

4分の5拍子のあのズンズンくるビート、ダイナミックで切り裂くようなメロディ、

きっと多くの人は聴いたことあると思われるし、聴いたことがなくても一度耳にした

ら忘れられない、犯罪の輝きと暗黒があって、プロの掟みたいな感じで、都会的で

シャープで、とびきりのノリのあの名曲。今回も IMAX シアターならではの音響設

備でオープニングから体全体にドスドス来てました。

作曲は、アルゼンチンの作曲家ラロ・シフリン。「 ミッション イン ポッシブル 」

は原作は1966年から1973年まで放映されたアメリカのTV番組で、このテーマ

曲も番組と一緒に日本へと上陸、毎回ミッション イン ポッシブル=不可能な使命

達成させるエリートスパイ組織の面々の活躍、そして指令伝達方法であるテープレコ

ーダーから最後に語られる ” この録音は自動的に消滅する・・・” のセリフと同時

テープが燃えてしまう不思議・・・のお約束場面で人気を博していたはず。

我が亡き父も大ファンで、内容は分け解らないけど一緒に観ていた記憶があります。

そして同時にこのテーマ曲もすっかりお馴染みになって私の耳の記憶の奥にあり続け

て、大人になって再びトム・クルーズによりもの凄くスケールアップ+グレードア

ップされたリメイク映画シリーズでも、 ” M.I.P. にこの曲あり !” と超渋くそして

脈々と作品のイメージを牽引し、響き続くことになったのでした。

 

このテーマ曲にこのワールドワイドな冒険アクションの3時間、贅沢だねえ~と、

思わずおとっつぁまに語ってしまいました。

 

30年くらい前、毎晩残業続きのロクデナシの娘が帰宅後、テーブルには

こんなメモが・・・

 

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

ようやく暑さが下火になってきたような。来週からは気温がぐっと下がる予報です

ね、みなさまお疲れ様でした!

秋、澄んだ空気に食欲も戻り、意欲も湧いてくるというものです。

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2023年初秋のジャズライブ、ありがとうございました!

 

降りそうで、なんとか降らずに終える事が出来た9月11日( 月 ) の昨夜。

さすがに少々蒸し暑かったので、店内の冷房調整をこまめに行い、白ワインは早め

に冷やし、椅子の配置をチェックし、お茶を淹れて準備を進めておりました。

お忙しい平日、ご参加のみなさま本当にありがとうございました!

夏の暑さを引っ張りつつも、新しい秋の気配が感じられる夜に、木( ベース ) と

真鍮 ( テナーサックス ) からなる楽器の響きがその中で様々な独自の音を奏でて

交差する、なかなかのライブではなかったでしょうか。

さっそく昨夜の演目をご紹介いたします。

 

 

・BUT NOT FOR ME

・DON'T BLAME ME

・LOVER MAN

・SKYLARK

・EQUINOX

・SMILE ( ENCOR )

 

以上のアンコール曲を含めた6曲でした。

 

 

一曲目 「 バット  ナット フォー ミー 」

1930年にガーシュイン兄弟によって作詞・作曲されました。ジャズの超スタンダー

です、エラもチェッティーもジョン.C も、レディ・ディも、e.t.c. 名演奏づくし

す。昨夜のオープニングのこの曲は、テーマのメロディがかすかにわかるくらいに

解体されたおもしろいソロをテナーとベース共に展開しつつ、今宵の音の響きをご披露

したようです。一曲目から聴き応えのあるソロパートでしたね。

 

二曲目 「 ドント ブレーブ ミー 」

私を責めないで / あなたの愛が私をおかしくしたの / 神様 私を救って / 私のドラッグ

恋人なの ・・・・・ という激しい愛の歌詞 ・・・・・なのですが、昨夜の演奏

は、ゆったりと歌うテナー、そしてしみじみと寄り添うベースの穏やかで味わい深い音

たっぷりと楽しめました。

 

三曲目 「 ラヴァー マン 」

1941年に書かれた曲、しかもビリー・ホリディのために書かれた曲です。タイトル

を聞くと自動的にビリー・ホリディの独特のこもったような、こぶしを効かせたような

この曲の歌唱が耳に蘇ります、ぜひとも聴いてみてください!

枯れて掠れたような渋い音で歌う昨夜のテナーとベースでした。両楽器ならではの。

 

四曲目 「 スカイラーク 」

スカイラークとは、ひばり。私の愛をどこかで待っているひとはいる? と、天高く飛翔

ひばりに恋心をのせるラヴソング。昨夜のデュオ、とてもとても面白かった!!

ソプラノサックスに持ち替えての四曲目なのでしたが、ソプラノサックならではの伸び

な高音に、ベースが淡く淡く応えて、ソプラノサックスのソロが実験的なほどの変化

球。ヴォーカルバージョンではありえない展開は実にクリエイティブでした。

 

五曲目 「 エクイノックス 」

秋分を意味する EQUINOX 、最高でした!

大関のテナーの音が、ソロフレーズが、構成の新鮮さが、アイデアが、つまり創造性の

方向と波長がこれほど合致する曲は、この曲とあと数曲。相性がいいのですね、もう

湧いてくるかのようなソロ演奏でした。

低音を地鳴りのように刻むベースから始まり、テナーが静かに入ります。風変わりな

マイナーメロディをぐいぐいと白熱させる二人の演奏は、次の音が予測できない面白さ

とパワーに満ちて一気にエクイノックス的な世界に巻き込まれてしまいました。

すばらしいソロ!耳に深く響く音!

秋の初めにぴったりの、胸のすくようないい演奏だったと思います。

 

六曲目 アンコール曲「 スマイル 」

” 怖くて悲しくても、笑顔なら きっと明日は太陽が昇り、君のために輝く ”

希望を歌ったチャーリー・チャプリンの曲を、ソプラノサックスのソロで、感謝と共に。

 

 

以上です。

丁度いい例えの言葉が出てこないけれど、うーん!良かったなぁ! という感じのライブ

でしたよ。ご参加のみなさま、いかがでしたか?

ジャズの生演奏の醍醐味は、予測出来ない音と音楽的空間にあるように思えたラストの

曲 「 エクイノックス 」 でした。

 

次回は、今年最後のライブ、11月20日 ( 月 )です。

小一時間の非日常を、ぜひ体験してみてください。

 

一同、こころよりお待ちしております!!

 

 

 

 

 

 

 

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2023年 初秋のジャズライブのご案内

 

 

暑過ぎた + 長すぎた今年の夏がいよいよ終わろうとしているようですね。

ホ~~ッ。心からホッとしております。

夏は好きだけれど、暑さ耐性はあまり高くないことに気付かせてくれた今夏でありま

した。暑さは人を堕落させます全く。連日の猛暑でグズグズのボヤボヤでしたの。

今朝の強めの風に秋のムードを感じて、ようやく終わった出口が見えたと涙しました。

みなさまお元気でしたか?

この夏の出口を抜けて心地よく秋風が吹いている( はず ) の来週月曜日は、

ふふふ、パスキューアイランド恒例ジャズライブなのですよ!

新鮮で、輝かしく新しい秋の音をたっぷりと。

では、ご案内です。

 

2023年 秋の初めのジャズライブのご案内

 

  日時   2023年9月11日 ( 月 )

  開場   7:30pm~

  開演   8:00pm~

       ( 50分ほどの演奏時間です )

 

       テナーサックス  大関 智也

       ベース      小林 浩樹

 

  参加費  1500円 ( ワインまたはお茶付き )

  場所   パスキューアイランド ( 当店です )

       札幌市中央区大通西17丁目太田ビル1F

       tel / 011-215-9331

 

暑さで消耗したいろいろなエネルギーを充填するのに、ぜひ当店のジャズライブ

をご利用ください。そして、新しい季節を迎える新しい気持ちと新しい体を準備

しようではありませんか♪

予約制ではありません、当日ご都合が合えば、どうぞふらりといらしてください。

生の演奏、生のベースと生のテナーサックスの音の活きの良さに満足していただ

けること請け合いですヨ!。

一同、みなさまのご参加をお待ちしております!!

 

 

 

そして、明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

最近の私は、スライスして網で焼いて(  ここまではいつも通り )、そこにオリーブ

オイルを垂らして、天日塩をパラパラと。もう1枚には、お味噌を塗って。

どちらもオリーブオイルの風味に加わるしょっぱい旨みが実によい!

ハマってます。

 

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

       

 

 

 

 

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『 ハイネ布団店の娘 』

 

 

物語の中に、私の心のアンテナがピピピッ!と反応する箇所がいくつも仕込まれて

おりました、シミー書房 「 しらくも村のおはなし 」 の最新作・第7集に入っている

3つのおはなしの中の 『 ハイネ布団店の娘 』です。

 

しらくも村商店街のハイネ布団店に娘ススが生まれ、成長し布団店を手伝うようになる

までのこのおはなしなのですが、はじまりにてハイネ布団店がいかなる布団店なのかが

描かれます。まずここで最初の ” ピピピッ! ” がきます。

 

「 一度ハイネの布団を知ったら、もう他の寝具では寝られない。 」

「 少々値は張るがそれだけ価値のある布団だった。 」

 

むむむ、これは普通の商家ではありません。

顧客にそこまで言わせてしまう布団。値は張るけれど価値はまあまあな商品に溢れて

いる世の中です、しかも布団という万人必須の暮らしの道具、まあ普通の布団であれ

ば普通の睡眠を妨げることはないし特に不満もないよね・・・という認識が大多数で

はないでしょうか。でもどうやらハイネの布団は、購入した普通認識のお客が目を

開いて驚いて、布団に対する概念を新次元へと移行させる布団のようなのです。

これは凄い店 です。しかもその布団、「 少々値は張る 」 であって、「 値は張る 」

ではありません。

 

「 ふうむむむ 」 心に広がるピピピッ!の波紋。ページを繰る。

と、続いて布団店の店主の 睡眠 というものの捉え方、独自の考え方次なる ” ピピ

ピッ! ” がくるのです。一日の活動を終えてやがて夜になって、あくびをしながら眠り

につくというあまりにあたりまえのその営みとは。そしてその営みにおいての布団の

役目とは。「 一度ハイネの布団を知ったら、もう他の寝具では寝られない 」 と言わし

めるスーパー布団を生み出しているハイネの店主の睡眠&布団の哲学が展開されます。

そうか・・・

そういうことだったのか・・・

と大きくうなづき、大いに納得し、深く共感し、見開き左ページの挿絵に笑みこぼれ。

 

そしてハイネの店主夫婦に娘が生まれ、スス と名付けられます。

次なる ” ピピピッ! ” は、スス。

ハイクオリティな布団の名店の家に生まれながらススは夜に眠らないのです。

どうしましょう?!寝てくれない、どうやっても。なんとススは昼に眠るのです。

ハイネの名折れだ、シャレになんねえ、何と言っても体にさわる、と両親は気を揉み

に揉むけれど、ススはけろりと健康ですくすく育つのです。

ここで私は、個性 ということ思います。

ススは誰とも違う自分の中の自然をあたりまえに保ち、特別に迷うことも悩むことも

なくあるがままの自分でいることに成功しています。希有。頑固。是。そして素直。

なんと魅力的なヒロインでしょうか。自分の個性のままに在るスス。夜明け前に眠り

について、昼までぐっすり眠り、そして家業を手伝い、家事もちゃんと手伝うのです。

そして両親は、あることが契機となってそんな娘の個性を理解します。理解した後は

ススが眠らないでいる夜をススらしく過ごせるように、ススが眠りにつく夜明け前

の環境を心地よく整えてやる。ここでまた ” ピピピッ! ” とアンテナが動くのです。

自分達とは全く違うその子の個性を理解して、コントロールしようとしないこと、

手を差し伸べること、温か見守ること・・・・

これ、子どもを育てる原点だな、と。

 

ここまでで 、商いの理念、ものづくりの哲学、個性、子育て、、、とまあ現代用語

に移すとつまらなさと味気なさで一杯になり、うなだれますが、、、つまり私が日々

考え続けているテーマがしらくも村的に描かれていて、 ” ピピピッ! ” っと来てはそこ

立ち止まって、踏み脚をしながら、一行毎に味わってきたのでした。

そして最後の ” ピピピッ! ” 、

それは、” ピピピッ! ” のアンテナが下げられたその後・・・・・

 

「 ススは夜に何をしているか。 」

 

19ページ、この後に続く最後の5行です。

今まで読み進み活発に活動していた感情と頭=” ピピピッ! ” は、人々が寝静まり

夜の闇が降りるのと同時ににスーッと停止したようなのです。

そしてそこからのススの動向をススに気付かれずにそっと観ていくのです。

まるで映画ですね。これがススの日常。旅先の特別でも、ある特別な日の特別な

出来事でもなく。私は、一度でいいからこんなことをやってみたいと思う。でも

今やできないかもなと思う。自分で選んだ人生はそんなことをできるようにしてこな

かったのだから。魂が解放されて、境目がなくなる気がすると思う。

なんて、なんて素敵なんだろう。

 

この5行の珠玉。

心が震え、ヤラレタナっていうような、そんな気持ち。深く癒やされ、満たされ

です。物語のクライマックスに静かなる、そして見事な詩情が待っていたのでした。

参りました。シミー書房。

 

 

しらくも村のおはなし・第7集『 ハイネ布団店の娘 』 1820yen

「 カラスガラスのグラス 」「 リコッタに会いに 」とともにライムグリーンの函に入

っています。ぜひ店頭にてお手にとっていただきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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