毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
風邪の日に届いたもの
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風邪をこじらせてフラフラな時に届いた宅配便。
学生時代からの友人からのその包には、体を温めてくれるもの2種、気持ちをほっと
させてくれるもの1つ が入っていました。
体を温めてくれるもの、それは、有機栽培のお米の甘酒のレトルトパックと、
かわいいパッケージ入りの即席葛湯。
気持ちをほっとさせてくれるものは、菜の花の油で作られている小さな蝋燭でした。
甘酒も葛湯も、最も簡単にいただくことができるようになっている。
風邪で何をやるのにも普段の何倍もエネルギーが入用だったから、なんと有難かった
ことか! お湯を注ぐだけ、ですもの。
ふうーふうーいって、飲みました。
お腹の当たりからじわーっと温まり、メッセージ無しの小包だったけど、急いで送って
くれた友人の気遣いがストレートに伝わって・・・・嬉しかったのでした。
贈り物は、かくあるべし。
そろそろ、菜の花蝋燭を、ゆっくりと眺めたいですよ。
なおこちゃん、ありがとう!
写真は、葛湯のパッケージ。
「 オトギクズユ 」 という商品名で、「 桃太郎 」と 「 金太郎 」 の切り絵の
ような絵がかかれているのでした。
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掲載誌のお知らせ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/1b/01cb24f1d5b4b891b5ffd7d4718351a4.jpg)
ただいま発売中の 『 ことりっぷ 札幌・小樽 』 に当店を載せてくださいました。
札幌、小樽方面へお越しの際などに。
美味しいお店も盛りだくさん。
小型で携帯しやすいガイドブックだと思います。
本屋さんでチラリ立ち読みも。
ああ、旅、いいですね。
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ヒュズン、メランコリー、トリステス
2012-02-26 / 本
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/5a/702a342c3968011d33b899ff32d5a951.jpg)
オルハン・パムク著 『 イスタンブール 思い出とこの町 』 を読んでいます。
著者は、生まれてからずっとイスタンブールの生家の大きなアパートに住み続けてい
て、異国情緒を主体に描かれがちなこの大都市を、”憂愁 = ヒュズン ” ” 憂鬱
= メランコリー ” ” 悲しみ = トリステス ” に満ち溢れるモノクロームの町
である、と書くのです。
今、三分の一くらい読んだところ。
著者の人生は始まったばかりで、イスタンブールの、過去の栄華が朽ち果てた有様に
独自の美を感じ取り、愛し始めていています。ふるさとの街の思い出が続きます。
オルハン・パムクの語り。
初めての作家の語り口は、すぐには馴染めない愉しさがあるのです。
じっくりいきます。
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ちから の 字
2012-02-22 / 日々
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/0f/285981ab5a9626dfa72b21ec11e6cf16.jpg)
4歳の半ば位だったと思いますが、カタコトにひらがなを読むことがたまにある
ようになって、ポスター仕様の 『 あいうえおひょう 』 を買って、壁に貼って
おきました。 4歳代では、そう熱心ではなかったのですが、読む時に見て確かめてい
たこの 『 あいうえおひょう 』 、最近、字を書くという作業が全く自然に始まり、
今度は 熱心に見ては、力いっぱい鉛筆を握りしめて、紙に書き付けております。
先週末に、わたしが家に帰りつくと、誇らしげに見せてくれたのが、今日の写真です。
にちようび → 2ちようび なんてご愛嬌。なかなかいいぞ。
そして、密かに ” かいぞくせんたいごうかじ ” って。 本人は密かに書いたわけ
ではないでしょうが、私は、よーく眺めてみると、
「 いました!いました! かいぞくせんたいゴーカイジャーがっ ! 」
と、なんだか いいもの発見したような気になって微笑んでしまいます。
読み書きは小学校に入ってからで全く問題なし、といたってのんきな親ですが、
自然な流れで字というものに興味が芽生えるのだなあ、と、人の成長過程に感心。
それにしましても、この時期の幼子の 字。
大人には絶対に出せない味があり、野性味があり、字というものに対する馴れ合いが
全くない新鮮さに溢れていて、宝物ですね。
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ねこやなぎ
2012-02-19 / 季節
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/01/966287432dbc8fd142c4e3f2f873cf12.jpg)
店の窓辺に、猫柳ふた枝ガラス瓶にさしております。
かすかな春の訪れの兆しという感じで、いつもこの時期に買ってしまいます。
だけれども、この猫ちゃんたち、もう2週間以上瓶の中にて過ごしていて、
切った幹と、一本の枝から黄緑色のきれいな新芽が伸びてきていてるのです。
猫ちゃんたちは、気づいたら半分くらいの数になっちゃっているんですが、
猫柳って、この先どう扱ったら良いのでしょうか?
もうおしまいにしていいのかなあ。
それとも、水栽培よろしく水を取り替えつつ、新芽を育てるものなのか?
どなたか、教えてくださいな。
猫の数からいったら、もうそろそろいいかなあ・・・・とも思うのです。
どうなのでしょうかねえ・・・・・。
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日が長くなりました
2012-02-17 / 季節
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/09/4db4a4d4b2bacc462fcfa20383305d4f.jpg)
気がつくと、夕暮れの時刻が延びていました。
息子を保育園に迎えに行くために早上がりして、地下鉄駅から路上に出たら、
少し前にはもう真っ暗でしたのに、ふと顔を上げると、まだ明るいのです!!
寒い寒いと、この1ヶ月くらい、うんと縮こまって、体もぎゅっと固くして、
滑って転ばないように、北風がコートの中に入り込まないように、緊張して路面を
目を凝らして歩いていたのです。
今年の冬は冷え込みが容赦なく続きましたね。
札幌は、それでも雪はそれほどでもありませんでしたが、岩見沢をはじめ、例年の
何倍も雪の降り積もった地域も多く、お住まいの方は本当に大変でしたでしょう。
でも。
もうすぐ、なんですよね。
寒くても、地球は回転し、季節が巡っているのです。
日が長くなっているんです!!!
クロネコヤマトの集荷のお兄さんとも、この変化を喜び合いました。
春の初めのお花でも買って、春らしいお菓子なんぞもいただいて、装いはまだまだ
油断は禁物ですが、なんだか、自分とその小さな環境にふんわりとしたエアーを
注入したい気分です。
冬来りなば、春遠からじ ・・・・・ 。
先日、風邪をこじらせてしまい、ちょっと苦しい日々を過ごしました。
でも、もう大丈夫です。 反省と気づきの時間をもらった、ということでしょうか。
さあ、今年の冬もフィナーレに向かってじわりじわりと攻め ( 笑 ) をときはじめ
ましたよ。 皆様、春の準備、進めましょう、ねえ。
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ペレのあたらしいふく
2012-02-15 / 本
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/98/05b492fbe5c71dbaf7369e7eb29d5619.jpg)
驚きの物語。
ペレは、見たところ、5〜せいぜい6歳にしか見えません。
まだぷっくりとしたほっぺの赤い、田舎に暮らす、健康的で素直な、普通の男の子。
ペレは、こひつじを 1ぴき もっていました。そのこひつじを、ペレは じぶんで
せわし、じぶんだけのものにしていました。
こひつじは そだち、ペレも おおきくなりました。
こひつじのけは、それはそれは ながくなりましたが、
ペレのうわぎは、みじかくなるばかりでした。
あるひ、ペレは はさみを もちだし、
こひつじのけを みんな かりとりました。
さあ、物語が動き始めます。
現代消費社会に生まれ生きる私達、いいえ、少なくとも私にとって、ここからのペレ
の行動と、対峙する大人たちの対応のしかたには、もう感動を通り超えて、
ほとんど ” 驚異 ” に近いものです。
人と人のつながりの大切さ、温かさ、などというものをも軽く超えるショックです。
さて、ペレは、どのようにお話をすすめていくのでしょう。
まず、ペレは、かりとった羊毛を、おばあちゃんのところへと持ち込み、梳いてもらえな
いか? お願いします。
おばあちゃんは、承知しますが、その間の人参畑の草取りが条件です。
ペレは草取りをし、毛を梳いてもらえました。
ペレは、梳いた毛を、次に、もう一人のおばあちゃんのところへと持ち込み、
毛を糸に紡いでくれまいか? と頼みます。
もうひとりのおばあちゃんもやってくれますが、そのあいだの牛の番が条件です。
ペレは牛の番をし、紡がれた糸を手に入れます。
糸を持って、次にペレは、ペンキ屋のおじさんのところへといきます。
糸を染める染め粉を分けてもらうために。 ( このあたりが、ベスコフのお話作家と
しての素晴らしいところ! ちょこっと寄り道・曲がり道を用意してますね。 )
ペンキ屋は言います。
「 ばかだね。ペンキとそめこは ちがうんだよ。 うちには そめこはないよ。
でも、もし おまえが、ふねで ざっかやまで いって、このぎんかで、テレピンゆを
1びん かってきてくれるなら、おつりで、おまえのそめこを かってもいい
よ。 」
さあ、ペレはさっそくぎっちらことボートを漕いで雑貨屋へ。 あたりまえにボートも
漕いでしまう就学前の男の子って! まあ、田舎では当たり前のことか。
そして、テレピン油と、自分用の青い染め粉を買うことができました。
手に入れた青い染め粉でペレは自分で糸を染めるのです。糸は濃い青に染まります。
それからペレは、お母さんのところに行き、自分で染めた濃い青の糸で生地を織って
ほしいと頼みます。お母さんは、もちろん織ってあげるけれど、そのあいだ、妹を
見ていてくれるなら、と。
ペレは、妹におかゆのような、スープのようなものを、妹を膝にだっこしながら上手に
スプーンで食べさせます。お母さんはペレの青い生地を織り上げます。
そしていよいよオリジナル生地を手に、ペレは仕立屋さんのおじさんのところへやって
きました。仕立て屋のおじさんは、
「 なにをいいだすんだ、しょうのないこだよ 」 と、したてやは いいましたが、
すぐに、「 うん よしよし、もし おまえが、おじさんのうちの ほしくさを あ
つめ、たきぎを はこびいれ、ぶたに えさをやってくれるなら ぬってやる
よ 」
そう言うのです。
ペレは、もちろんやり遂げましたよ。干し草集め、豚の餌やり、たきぎの運び入れ。
仕立屋さんは、土曜の夕方きっかりに、ペレの注文服を仕立て上げました。
にちようのあさ、ペレは あたらしいふくを きて、こひつじのところへ
いきました。 「 あたらしいふくを ありがとう ! 」
「ベーエーエー」と、こひつじは なきましたが、まるで わらっているようでした。
ふうーっ。
どうでしょうか。
ペレのこの一連の行動に深く驚き、感動するのは、私だけでしょうか。
ペレ、凄いっ!!
洋服って、実はこのように出来上がってくるのでしたね。
とても解りやすく教えてくれます。
それは、究極のシンプルさ。自分のひつじの毛で、自分の洋服をつくるわけです。
完成させるにあたっては、たくさんの大人たちの手を借りなければなりません。
ペレは、ひとつひとつ順番をおって頼みにゆきます。
その時々の大人たちの、依頼主である幼い子供に対する対応のしかたのまっとうさはど
うでしょう。ベスコフは、とても簡潔な文章で伝えます、ペレに、読者に。
仕事を依頼するにあたっては、対価が必要であることを。
当たり前にきちんと伝えるのです。 相手は子供、お金ではありません、勿論。
対等の価値のある仕事と交換するのです。
初版1912年というこの絵本、ちょうど100年前の子供たちには、一体ペレの
このお話は、どのように読まれ受け止められたのでしょう。
ペレに言ってあげたいです。
「 ペレ、きみはホントに素晴らしい! おばさんは、ものすごく感心してしまいまし
たよ。大きくなった自分用に、自分でぴったりの大きさの服を作り上げたんだものねえ
とってもステキな青い服、よーく似合ってますよ!! プロに依頼するときは、きちん
と帽子を脱いじゃったりして、なんて礼儀正しいのだろうね。またまた感動。
出来上がった服を着て、最後にきみは、毛を刈り取らせてくれた自分の羊に、ありがと
う、と。いやあ、参りました、降参です。きみにとっては、そこが一番大切な部分
だったんだね。 おばあちゃん2人、お母さん・お父さん、仕立屋さん一家も、
この最後のページで、そんなきみを温かくみていましたよ。
これからも、みんなの協力をえて、生きる力溢れる男の子に成長していってね。」
ペレ、なんて言うかしら?
「 えっ、そんな、何驚いてるの? フツーだよ、こんなのはさっ! 」
そんな返事が返ってくるかもなあ。
ベスコフの素晴らしい絵とお話。
100年前のスウェーデンの自然と暮らしの細々を、本当に楽しく豊かに見せてくれ
ます。彼女の絵本、福音館から出版されている大型の作品がおすすめです。
お話もけっこう波乱にとみ、読み聞かせごたえ充分。
みなさんの感想、いかがでしょうか。
『 ペレのあたらしいふく 』
作者 / エルザ・ベスコフ
訳者 / 小野寺百合子
出版社 / 福音館
NDC 949
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