魔法にかけられて

しばらくぶりの更新になってしまいました。

忙しくて、慌しくて、気づいたら9月はあと数日でおしまい、

今年の短くて暑くなかった夏にいつお別れしたのやら・・・・・残暑めいた暑さが

少し続いたかしら、という記憶はあるのですが・・・・・なんともあいまいです。

ですが、この2~3日は、ぐーっと気温が下がり、うれしい新シーズンが開幕した

ようですね。新しい秋用の服に袖を通すのがいい気分!



さてさて、『 魔法にかけられて 』 です。

先月 蠍座で観ました。

予告編を観て、絶対観よう!と。

かわいくって、ばかばかしくって、ロマンティックで、そしてN.Y.が舞台。

これを観ずにはおられましょうか!

そして観ました。

いやー、夢の映画、愛の映画、真実の映画、ですね、これは。

とーってもよかったです。大満足!!

婚約者の王子様のいじわる ( を通り越している ) な継母に嫉妬され、

「 ” 永遠の幸せ ” などカケラもない所へ行くがよい! 」 と井戸の底へと

突き落とされるジゼルが着いた所は現代のニューヨークシティ!!

これがまず笑える。

そうして鯨の骨入りの真っ白いウェディングドレスでニューヨークの街をさ迷う

ジゼルの罪深いほどの無垢さとノーテンキな明るさが最高にキュート!

シニカルで頭でっかちで、素直な自分を見失ってしまっているニューヨーカー達の

間を、蝶のように舞い踊り、花のように微笑みかけ、小鳥のように歌うジゼル。

いつしか人々は ” 魔法にかけられた ” ように幸せな気持ちや思い出を

取り戻してゆくのです。

まったくもって真実なの、ジゼルって。

凄い、すごい!!

ディズニーパワー全開です。ディズニーの役割ココに在り!!ですな。

これは例えるならば、イチゴショートケーキ。

幸せって難しい・・・・・と悩んだら、

考えるよりも早くとりあえずイチゴショトケーキを買って、紅茶を淹れて、

ふんわりクリームにフォークを刺して、一口パクリ。

そしてもう一口、もう一口。

生クリームたっぷりで、ふんわりしっとりの卵色のスポンジに真っ赤なイチゴ。

ああ、おいしー!

お皿についたクリームをさらっている頃には、あれっ、へんだなあ、

なんだか落ち着いちゃって、なんとなく幸せ感がじんわりと・・・・・。

この映画自体がイチゴショートケーキなんです。

「 ありえない!! 」

「 都合よすぎ!! 」

「 ばっかみたい!! 」

などなどのごもっともな ” 大人 ” なご意見はちょっと横に置いといて、

最近幸せのアンテナが弱っている、とか、疲れている、とか、

人間関係が難しい、とか、そんなような症状を感じている人には

是非観てほしいなあ。

難しいこと、なし。なんです。



ちなみに我が友・なおちゃん ( 同い年=45さい ) は、

この映画のDVDを買った、と。

「 あんまりにもかわいくってえ! 何度も繰り返し観ました。 」

ですと・・・・・。

という例も示すとおり、ちと おなご寄り、女子向け、ではありますが、

もちろん男性にも ( やや控えめに ) オススメです。
























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潜水服は蝶の夢を見る

先月 蠍座にて観ました。

感想文を書くのが遅くなってしまったのは、原作も読んでみたい、と思いまして

本を取り寄せしてもらって、到着を待って、そして読んで、読み終えて、、、で、

今に至ってしまったからなんです。

原作を読み終えて、改めて、この映画化、うまかったんだなあ、と思いました。

原作の世界そのもの、でした。



ジャン・ドミニク・ホービー氏は、全世界に何十もの支部を持つファッション誌

「 ELLE 」 の本家フランス版の編集長だったそうです。

華麗なる業界の超有名人が、脳梗塞で倒れ、そして長い昏睡状態から目覚めると、

意識は正常のままなのに身体が全く動かない状態、ロックト・インシンドローム

になっていた!

でも神様は彼に、左目のまぶたの自由だけは残してくれたのです。

この、『 潜水服は蝶の夢を見る 』 は、ジャン・ドミニクが、言語療法士が

開発した特殊アルファベット板の文字を1文字1文字読み上げてもらい、

自分の表したい言葉の表したい文字にきたら、その唯一動かすことの出来る左目

をまばたきしながら綴った自伝なのです。

200万回の瞬き!!

非情な運命を受け入れざるを得ないのだ、と、徐々に悟ると同時に、

倒れる前の自由だった頃には気づかなかった人生の宝物に気づいてゆく、その、

1章、1章のウィットの効いた文章が、彼の頭の中で何度も推敲されていて、

書き取りの為に出版社から派遣されたフリー編集者クロードがやって来る時間まで

には完璧に暗記していたそうです。即興で作る文は一つもなかった、と。

彼女クロードは 『 ELLE 』 のインタヴューにこうも答えています。

「 人はどれほど勇敢になれるか、そして同時に繊細になれるかを、知りました。

ジャン・ドミニックには、魂のエレガンスとでも言うべきものが、あったと思うの

です。私は彼が不平を言ったのを、一度として聞いたことがありません。」 と。



人にはいろいろな生き方があるけれど、全てを失ってからの ジャン・ドミニクの

生き方、というか、思考の選択の仕方には、強靭な意志がある。

” 人生とは、美しいもの ”

こんなに辛い目にあってなを彼が下した結論がこのようなものであった事に

私たちは感動し、勇気がでるのではないでしょうか・・・・・。



映画でなによりも心に残ったのは、色彩センス。

本当にたくさんのカラーが、画面から画面へとオモチャ箱をひっくり返したように

溢れかえっているんです。

なのに見事に調和していて、実に美しい。

オープニング画面に綴られている手書き風のインク文字の、そのインクの色が

実に、実に、いいんだなあ。

回想シーンにコラージュの一片として映る紫陽花の花の風情、とか、

病室で開封される手紙、その封筒をバリバリと手で開ける感じ、とか、

それらの紙の質感、大きさ、白い色、とか、

女性達の夏服のちょっとクラシックな感じ、とか、

病院でジャン・ドミニクが身に着けている服の色や質感、とか、

私は細かい部分にもかなり興奮気味でしたよ。

この映画全体が、色つきの夢をみているような感じに仕上げられている、

そんな印象なのでした。

それは、軽やかで、静かで、光いっぱいで、

甘く、センティメンタル、そして悲しい、

主人公 ジャン・ドミニク・ホービーが、頭の中で回想し、

そして空想した、” 夢 ”、そのもの ・・・・・。



とても美しい映画、でした。














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