あたたかく、 あたたかく。

よくねる。

よくたべる。

深く息をはく。

すこやかに。

おだやかに。

あたたかく、

あたたかく。


この、詩のような、ひとり言を書き留めたような、

小さなひとかたまりの文章は、

福田元美さんによるもの。

福田さんは、10年来パスキューでイラストのポストカードの制作をお願いして

いる方で、そうして、心の糸に柔らかく触れてくる静かな詩と版画の小さな本を

手作りしている方なんです。

彼女の地味だけれど真摯な制作活動は、

時に私をとても元気づけ、また、刺激して、そして考えさせてもくれます。



上記の7行のフレーズは、彼女が2ヶ月に1度のペースで発行している

フリーペーパー 『 プールの匂い 』 の最新号の表紙に書かれていたものです。

今回は私はこの表紙にやられました。

たっぷりとゆったりと太った女の人、結構年配かしら、が にっこりしているの。

そんなイラストの横に、タイトルがきて、その下に、小さめの文字で、これ。

思わず、「 そうそう、そうよね、そうなのよね。 」 と、

心の中で深く共感、じわーっと沁みたんですよねー、この7行のいちいちが。

私、こんなふうにやってゆきたい。

私、こんなふうに生きてゆきたい。

そう感じていた。

でも、言葉にはならなくて、なっていなくて、

でも、深いところでなんとなーくではあるけれど

確実にそういうこと思ってた。

人は、温かくいなくては。

体は、基本体温が36.5度以上ないと自己治癒力が発揮できないそうです。

いろいろな病気も冷えから起こるようです。

そして、” あったかい ” 雰囲気のひと、やっぱり惹かれるもんねえ。

毎日を生きてゆくには、煩雑さがつきまといますが、

自分の基本を、こんなシンプルな7行のささやきに置くことが出来たなら、

振り回されずに、たとえしばし巻き込まれて消耗してしまっても、

ちゃんと自分に立ち返ることができるでしょう。

まずは、深呼吸。

さあ、笑って、そして、ちょっとお腹がすいたわねえ、、と。

元美ちゃん、ありがとねー!



福田さんの 『 プールの匂い 』 は、中身も勿論とってもおもしろくて、

まだ、の方はぜひ一度パスキューの店頭で。

50部限定なので、早いもの順です。

お持ち帰りいただくのにお金はかかりません、0円です。

でもきっと モトミイラストカードが買いたくなること必至なので、

1枚 150円、2枚で300円、3枚では450円、ぽっちです。

そうして 『 プールの匂い 』 ( と、ポストカード ) を手に、

パスキューを出て、帰り道の北風にあたっても、

なんだか知らん、ほかほか気分、ですよー。















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迷子の警察音楽隊






先月、蠍座にて観ました。

いい映画でした。

観終わって、無意識に微笑んでしまっているような、そんな、感じ。

観てからこんなに時間が経っているのだけれど、

今手元にあるこの映画のチラシの、

彼ら ” 迷子になっちゃった、アレキサンドリア(!)警察音楽隊員たち ” の

真っ青な制服姿での横一列並びのシーンを見ると、またまたクスリッと笑いが

漏れてしまうのですもの。

決して笑わせる事に主眼を置いた作品ではないのですが、おかしいの!

エジプト男達 ( 迷子 ) は、ものすごい口下手。

特に隊長が頑固・生真面目の超堅物で、以下隊員たちも内気でうすらぼんやりで。

なかに一人だけ全員左を向いてる時に右を向いているのっぽの若造がいて、

トラブルメーカーなんだけれど彼のおかしさったらありませぬ。

今、思い出しちゃって、また笑ってます、私。アハハ。

物語は、

エジプトの警察音楽隊が文化交流のためにイスラエルにやってきた、

でも、行き先をなんだか知らないけど間違えちゃって、

辺鄙なド田舎の町のカフェにたどりつき、

その店の姉御肌の女主人に助けられてなんとか全員一泊、

その、たった一夜の出来事のお話、です。

この一夜に、見ず知らず同士が、それはそれはぎこちなく対話するんです。

そうです、「 対話 」 なんです。

お互いに顔を見て、お話するのです。

エジプトとイスラエルって、国同士がかなり険悪な仲なのですよね。

神様が違うし、言葉も違う。

お互いにたどたどしい英語で、まったく弾まない会話を ぼそり、ぼそり、と。

なにを話してよいのやら、、、ぼそり。

ああ、気まずい、、、えーとお、ぼそり。

なにしろ、その場を取り繕うようなからっぽなおしゃべりで、

表面上だけ和やかにやり過ごす、という今日的日本的な技は

全く持ち合わせていないんですよ、この人たちは。

電子メールで、じゃなく、”ケータイ”で、 でもなく、

生身の相手と、時間を共にして 場を同じくして、「 話す 」 ということ。

ただ、その、人間的な確かさ、暖かさ、

その事だけを描いた、味わい深い一編でしたねえ。

それぞれが、それぞれに それぞれのいろんな想いを通り抜けて終わった

長くて短い一夜が明けて。

彼らエジプト警察音楽隊は、正しい目的地に到着、無事演奏をスタート。

隊員たちの演奏をバックに朗々と歌い上げる頑固隊長の節回しの哀切よ!!

エジプトおとこ、ここにあり、というかんじ!


予想以上にジーンときて。

私にとって、大切な映画のひとつになりました。

そう、一番だいじ、は、テクニックではなくて、まごころ・・・・・

忘れないようにしたいものです。





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夏の思い出

気づいたら終わっていた 今年の夏。

毎年のことながら、

優雅なバカンス、はじける波しぶき、蚊と戦いながらのキャンプファイヤー、

などは一切なし の地味極まる夏の日々 ( 「夏」をその他の3シーズンと入れ替

えもオッケー )でしたが、唯一、今年は息子と一緒に公園で遊べるようになりま

して、結構楽しく新鮮に過ごせました。

何十年振りかで 滑り台、シーソー、ブランコなどにのり、

小川のほとりで ぴちゃぴちゃしましたもん。

子どもと一緒でもなければ、怪しくも寂しい大人が1人いるぞ、となりますが、

付き添う親という立場があればへいちゃらです。

当初、滑り台を前にして、なにを思ったか、滑る方を下から上へと、へりを 

ぐいっ、ぐいっと掴みながら逆登りし、てっぺんで はて、これから

どうしたものだ???と立ち往生していた我が息子でしたが、

母の的確な指導の下で、今や正しい ( 一般的な ) 滑り台の使用方法を理解し、

スイスイとご機嫌な滑りをみせておりますし、

鉄棒での母の華麗(?)なる ”くるりんこ” を、憧れと尊敬の眼差しで

眺めております次第ですし。



今年は、北大構内にもしばしばおじゃましましたよ。

滑り台はないけれど( あたりまえだっ )芝生でいもむしごーろごろをしたり、

大きな木の下で写真を撮ったり、小川で手を冷やしてみたり、と、

かなり楽しませていただきました。

お母さんパーティがいくつもあって、お子達みんな元気いっぱい走り回っていて

その眺めもとても和めました。



そんなこんな、で、夏 おしまい。

まあ、秋は秋で、紅葉と北風の公園で同じように過ごすわけですから、

特別でもなんともない思い出なのですが。

ちょっと時間をおいて写真を眺めてみると、

なんとなく胸のあたりが ほわっとしたりして。





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お茶の時間

茶葉をポットに匙2杯、

ほとばしる熱湯を一気に注ぎ、

3分間くらい待って、

とぽとぽとぽ、と、どんぶりに澄んだ濃い紅茶をたっぷりと。

ふわーっと香る湯気に息を大きく吸って目をつぶり、

1日の時間の流れをちょっとだけ止めて、

お茶を味わいましょうよ。

ティータイム、

それは

魂の休息、居ながらのショートトリップです。








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