毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
私の愛聴盤
2006-12-14 / 音楽
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/2e/49ba1fbec23da576f55c4ebf63e55d08.jpg)
飽きるどころか 聴くたびに新しく、しみじみと心に響く。
そんな ” 愛聴盤 ” を 皆さんも きっといくつもお持ちですよね。
私の愛聴盤のひとつ、
それは、
『 DUKE ELLINGTON & JOHN COLTRANE 』 です。
デューク・エリントン と ジョン・コルトレーン、
ジャズはジャズでも この2人は 世代も違うし、その創りだす音楽世界も
全く違う。
普通にしていたら 接点がない2人の巨人の、
これは ちょっと ありえない顔合わせなのです。
そんな 幸せなセッション、1962年 9月26日にレコーディングされました。
レーベルは IMPULSE( インパルス )です。
なんといっても ” 渋い! ”。
聴いての感想は この一言につきます。
エリントンもコルトレーンも はしゃぎすぎず、華やかすぎず、でしゃばりすぎず・・・
かといって お互いに立てあって、自分を控えて、というのではなく。
抑えた演奏、そう、そんな感じ。
でも 楽で自然なんです。
ですが、エリントンのピアノの音 一粒一粒に 汲めども尽きせぬ豊かさが、
コルトレーンのサックスの ちいさなフレーズの一つ一つに 超絶技巧が、
惜しげもなく そして ” 渋く ” 込められている。
なんというか・・・音に その人生があらわれる・・・・・それを実感させてくれる、
というかんじでしょうか。
1曲目の 「 IN A SENTIMENTAL MOOD 」から 聴く者は 違う世界につれていかれ、
変化に富んだ選曲を味わっているうちに、くよくよした気分も 不機嫌も
気づいたら 消えているのです。
豪快に吹きまくっている 熱いJAZZもいいし、
ピアノ・ベース・ドラムスの 落ち着いたトリオ演奏のJAZZもいい。
ビッグバンドの ノリノリの楽しいのも またよろし。
そして この1枚は、自分のすべてを音楽に捧げた2人の男が残してくれた、
香り高い JAZZのエッセンスそのもの です。
これからも ずーっと 私の ” 愛聴盤 ” 、ですね、きっと。
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ユナイテッド93
2006-12-07 / 映画
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/11/3b9eb25f23c4595feee770a44cf47215.jpg)
11月の2本目はこれです、『 ユナイテッド93 』。
人が 自分の死を確信して 最期に口にする言葉が
「 愛している 」。
家族に、妻に、夫に、恋人に伝える 本当に 最期の言葉・・・・・。
このことを確認できた素晴らしい作品でした。
同時に 人間の持つ 極限状態における勇気の偉大さも。
オープニングのシーンから 美しい映像です。
ハイジャック犯たちの 犯行直前の 祈りのシーン。
清らかですらあります。
彼らは 巨大な権力や資本に使われ 踊らされている 洗脳された” 駒 " の
1つ1つにしかすぎませんが、でも この若者達は アラーの神への絶対の服従を
行動で示したのです。
悲しい。
悲しすぎます。
西洋文明 と イスラム文明、これからも 相容れないものなのでしょうか。
ありきたりの いつもの朝が その後の全世界を変えてしまった 悪夢の朝になって
5年がたちます。
そのとき私は 今はもうない JAZZCLUBのカウンターで お酒をのんでおりました。
常連のお客さんが この事件のニュースをもってあわてて見せにはいってきました。
その場にいた人たちみんな あまりの内容に ( ツインタワーが崩れ落ちていた )
ただ驚くばかり、興奮するばかり、でした。
あれから 5年。
この映画は 5年たった今、観るべき映画だと思います。
人間の持つ 愛と勇気を 再確認し、信じることができます。
運命と死を受け入れて さらに進んでいかなければならない悲しみを
感じることができます。
泣けました。
感動の1本、ぜひ観てください。
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プラダを着た悪魔
2006-12-07 / 映画
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/1b/4411c13b908e4bfee07090a4f26e13f8.jpg)
11月に観た映画、2本です。
11月は いつもの半分( ほぼ1週間に1本くらいのペースなのですが、いつもは )。
まず 『 プラダを着た悪魔 』。
フフフッ、こういう映画って たまに観たくなりませんか?
” 蠍座の田中サン ”風にいうと、「 高度な知的緊張感を求められ 」 ない映画。
のんきにシートに座って、コーラとポップコーンを食べながら ・・・ の気分の
楽しいヤツです。 封切りすぐに ファクトリーのユナイテッドシネマにて観ました。
メリル・ストリープの悪魔ぶり、なかなかよかったですよー。
「 that's all 」 ( 以上よ! )。 無理難題の命令をくだしたあと、部下に
対して そういうのです! 「 ええーーっつ!? 」な内容の命令なんだけど
そんな~、ムリです、できましぇーん!! ていう顔で突っ立ている部下をジロッて
みて、あら あなた まだいたの、ってな感じ。
ファッション界に絶大なる影響力をもつ そんなミランダの下で たくましく美しく
成長してゆくアンディ ( アン・ハサウエイ )の物語。
一流ブランドの洋服やら 靴やら バッグやらが わんさか登場、これも楽しい。
ゴージャスです。 ( ただし 私は その半分位しか知らないけど。 )
まあ 映画ですから 少々過剰に描かれているのでしょうが、
現実のファッション業界って こんなかんじなのでしょうねえ。
物語のクライマックスのあと、主人公アンディが自らの道を選びます。
彼女は 大学を卒業して すぐ の年齢ですから 22~24歳、
もし自分が アンディの立場だったら・・・・・ うーん、どうしただろう。
きっと 調子にのって 悪魔に魂を売っちゃっていたかも・・・・・。
なんてしっかりした女の子なの! と ちょっぴり感心して エンドクレジットを
観終えて 夕暮れの街に出てきたのでした。
気分転換に とてもオススメな1本でしたよ。
追伸
「 一流ファッション誌 ”RANWAY ”のカリスマ編集長 」であるミランダ
のメリル・ストリープが どうみても オバサンファッションにしか見えないのは
私だけでしょーか???
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ロレンス・ダレル、 そして、アレキサンドリアカルテット
2006-12-03 / 本
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/98/d3d9091c6f41e1a69270ddc762e7583e.jpg)
・・・・・と、ふと目に止まったので、なにげなしに読み始めた本でした。
そして あまりのおもしろさに 夢中になり、
あまりの 描写の、選ばれた言葉の美しさに 酔い、
登場人物達の 特異な存在感に魅了され ・・・・・ 。
舞台は 50~60年代の エジプトのアレキサンドリアという街で、
カイロに次ぐ第2の大都市です。
このアレキサンドリアを舞台に描かれた4部作が「 アレキサンドリア カルテット 」。
河出書房刊の 世界文学全集 Ⅱ-25 の ダレル の巻には そのうちの2作の
『 ジュスティーヌ 』 と 『 マウントオリーブ 』 が収まっています。
イスラム圏のエキゾティックな薫りと アラブ文化の濃厚さ 猥雑さ そして
西洋の洗練とが、 織りあわされた豪華な絨毯のように、 もしくは
万華鏡のように 物語が展開されてゆくのです。
ちなみに、
第1部 『 ジュスティーヌ 』。
ジュスティーヌ は さまざまな恋愛をへてきた激しいユダヤ女。
いまはネシムの妻。 ( ネシム : 冷静辣腕の少壮実業家。しかし内気でやさしい夫
でもある。 コプト人。 )
第2部 『 バルタザール 』 。
バルタザールは 中世の神秘説を研究するユダヤ人の医者。愛欲を皮肉に観察する
男色者。
第3部 『 マウントオリーブ 』 。
マウントオリーブは イギリスの駐エジプト大使。 ( レイラ : ネシムたちの母。
マウントオリーブの愛人 )
第4部 『 クレア 』 。
クレアは 聡明でやさしい金髪美人の女流画家。
この4つの物語は 互いに関連しあっていて 同じ事件を それぞれの側から解き明かし
て、” ああ、そういうことだったのね・・・ ”となったり、
” でもやっぱり 謎めいている・・・ ” だったり、4作に共通する癖のある脇役達
もからまって 複雑な魅力を発しています。
そのうちの2作を たまたま読んじゃって、もうたまらなくあと残りの2作を読み通し
たいっ!!! しかも 常識的な価格で手に入れて!
・・・ というのは、 このロレンス・ダレルという人の作品って 今やとても
手に入りにくいようなんです。 インターネットで調べたところ、
『 バルタザール 』 が なんと 7000yen !!
うーむ。
考える余地なく これは却下。
絶版になって久しい この傑作 ( 私にとって ) 、復刊を望みますが、無理っぽい。
古本屋めぐりにて ” 遇然 ” めぐりあって、 しかも 1000yen以内で買いたい
のです。 いくら古くて 今は入手困難、っていったって、ねえ、所詮古本。
どうかしらん。
探している本があるって 古本屋めぐりにも期待がまして 結構幸せですが
今回は どうかしらん。 長丁場になりそうな予感です。
河出書房刊の このダレルは 105yen でした。
本との巡り合いというのも 不思議なものですね。
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