毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
赤ちゃんのいる暮らし
2007-11-18 / 本
しかも2冊も。
というのは、弟夫婦に赤ちゃんができた!! といううれしいニュースをきいて、
取り急ぎ、出産前に なにかちょっとした贈り物をしたいなあと思ったとき
出合ったのがこの本でした。
パラパラと立ち読みして、なにやらとてもいい匂いがしたんです。
( 本なのに ” いい匂い ” ってヘンですよね、でもたまにそう感じる本がある )
妊婦のゆみちゃん ( 弟のヨメ、ちっちのママ )が産休でのんびりしている時にでも
ちょうど読めるかなあ、なんて思ったのでした。
購入後、家で再び ” いい匂い ” のもとをかぎたくてページを開いてみました。
うーん、するするっ!、いい匂い!!
すーっと引き込まれ、結局ユミちゃんに送る前に私が先に全部よんじゃって、
あんまりにも良かったので、もう一冊買い足して自分用とプレゼント用、二冊と
なったわけでした。
この 『 赤ちゃんのいる暮らし 』 という本は、
二人 と その間に 「 割り込んできた 」 もう一人 の、スタートした新しい暮らし
についてのあれこれを、やさしくあたたかな美しい日本語で最初の一年間くらいを
つづったものです。
著者の 毛利 子来 ( もうり たねき 、まるで小児科医になることを予言したかのよう
なお名前! )先生は、生まれてきたばかりの赤ちゃんを きちんとひとりの ” ひと ”
として書くんです。 たとえば、
( 前略 )それに、このひとは、二人の行為の結果として目の前に現われて来ました。
二人のこれまでの歴史が、ひとつに凝縮したものとしてあるのです。
とすれば、このひとは、二人の関係を相当に厳しく問う存在でもあるはずです。
そして、これからは、そうした運命の間柄にある三人が、同居しようと
別々に暮らそうと、からみ合って生きていくことになるのです。
( 後略 )
『 赤ちゃんのいる暮らし / 産院から帰って 』 より
・・・・ね、なにかこう・・突端からぐっと迫ってくる感じ、でもあたたかい・・・。
その、毛利口調で新米ママ、パパに、赤ちゃんってこんなんですよ、赤ちゃんだって
こんな風に考えているにちがいないのですよ、と教えてくれるのです。
赤ちゃんのお世話のしかた、の本ではあるのですが、赤ちゃんが登場したことで大きく
変化をせまられ、待ったなしでどんどん進んでゆく二人の暮らしの指南書、でしょうか。
私は出産後、何度も何度も読み返しました。
あわててパニックになった初めての風邪の嘔吐のとき、離乳食をはじめる時、はじめて
から、春夏秋冬、季節の変わり目の時期、なんでもない時、息子が昼ねしている時。
その都度、ああ、だーいじょうぶ。 全然大丈夫だー! という気持ちにさせてくれます。
章と章の間には、八木 重吉 、タゴール、谷川 俊太郎、吉原 幸子、三木 卓、などの
詩が挿入されていて、それぞれ味わい深く、そして和田 誠氏の挿絵も良い。
赤ちゃんとの暮らしをはじめているひとにも これからはじめたいひとにも、
単に赤ちゃんが大好きなひとにも、ぐーっと心入れしてしまう本、です。
そうそう、弟のとこのユミちゃんも ちっち出産後、そして二人目出産後、も
やっぱりくり返し読んでいるそうです。
「 まーちゃん、貸してあげようか? 」 ってある時電話で言ってくれて、
「 実は、私の分も買ったのー! 」 と、二人で笑いあいました。
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ディック・ブルーナのデザイン
2007-11-07 / 本
いとこのうちで、でした。
私は5歳か6歳くらいだったと思います。
ちいさな正方形の、色のはっきりした、1ページに うさぎ とか、とり とか、さかな
なんかが 大きく1つだけ描かれた絵本。
今思い返すと、その時の印象は ” サインみたい ” だったようです。
( はっきりとサインを意識したわけではなくて、なんだかいつもの絵本と違う感じ )
と同時に、その絵本は、一緒においてあった 『 おやすみなさいのほん 』 と共に
私にとって、初めての 「 外国 」 だったように思うのです。
うちにある絵本は いわさきちひろの絵のものとか 泣いた赤鬼とか、日本版グリム
童話、でしたから。
その後40年ほどたちました。
うさこちゃんは2年前に誕生50周年を迎えていたのです。
おとついの月曜日に この 『 ディック・ブルーナのデザイン 』 を買いました。
初めてであってから今日まで わたしが うさこちゃん のファンだったことはなく、
なのに何故? それは この本の内容がとてもよかったから!
特に購入のGOサインを出してくれた箇所がありまして、
それは74ページの
「 わたしの線は、
いつもすこし震えています。
まるで心臓の鼓動のように。
震える線はわたしの個性なのです。 」
という、インタビューへのブルーナさんの答えの文章でした。
他の大勢とは違う ” わたし ” 。
確かに ブルーナさんはミッフィーを、いろいろな彼の動物達、子供達、植物達を
とても風変わりなやりかたで描いていました!!
この、コンピューター全盛の世の中にあって、
世界のディック・ブルーナであるにもかかわらず、助手を使わず自分1人で
デッサンを繰り返すこと、線を描くこと、色を決めること、などなど全て手作業、
何十年と繰り返してきた、そう、ブルーナさんのオリジナルのやりかたで。
自分で自分の個性を育て、たいせつにしてゆくこと
それを ブルーナさんが具体的にこの本で示してくれているのでした。
自分にできること、できないこと
好きなやり方、好きではないやり方
それらを時間をかけて見極めながら、できるだけシンプルに! 表現し続ける。
ひとはそれぞれに環境的に恵まれていたり、あんまり どころか ぜんぜん恵まれては
いなかったり、ですが、この ブルーナさんの創造のありかたは普遍的な真実だと思う。
他とは違う ” 自分 ” のやり方をみつけ、
自分だけのイメージを形作ってゆくのです。
それが アートワークであっても、人生の日々1日1日であっても。
オランダはユトレヒトでのブルーナさんの生活スタイルや、絵本作家の前段階の
デザインの仕事も紹介されていて、なんというか・・・心が暖かくなる本です。
そうそう、初めて出逢ったうさこちゃん達がなにかのサインみたい、と感じたのは
ブルーナさんご自身で ” わたしはグラフィックデザイナーなんです。 ” といっている
その文章で納得しました。
デザイン、を 子供心に感じたんですね、きっと。
ディック・ブルーナ 御歳80歳!
こんなふうに歳をとりたーい!!
そんなことも強く考えた1冊です。
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動機は大事
2007-11-04 / 日々
いまや、歯も心も スッキリ。
紅茶を日常的に飲むようになって、茶渋というのはティーポットやカップにつくだけじゃ
なくて 歯にも少しずつついてゆくものなんだ、と、知りました。
考えてみると当たりまえなのですが、気付いた時はびっくりしました。
2~3年前に1度。 そしてこのたびもう1度、歯医者さんにてとってもらったのですが
1度目と同様、ピカピカのきれいな歯をニカーッと口をあけて鏡でみるたびに
なんだか心のくもりまでなくなったような晴れやかさ!
おまけに虫歯のチェック、歯周病のチェックまでできて、大満足でした。
今回は 治療が必要なところはなくてホッと一安心。
何が嫌いで恐ろしいか、それは 歯医者。
今は痛い治療をしてはお客さんが来てくれないので、昔のように拷問治療はない、と
ききますが、でもやっぱり診療台に寝かされると、ぐーっとハンカチを握る手にも
力がはいってしまうんです。
歯医者通いを長引かせないためには、なんといっても早めの発見、早めの治療、でしょう
が、これがまた、怖いもんだから ついつい後まわしになっちゃって、
「 わっかちゃいるけど、」怖気づき、じわりじわりと悪化の一途をたどり・・・・・。
歯だけは 自然治癒はありえないのですよねえ。
でも、これからは大丈夫!
なんといっても 私には ” 茶渋 ” という強い動機ができたのですから!!!
茶渋とりは 上下( の歯 )あわせて約1時間半もみればよく、
優しい歯科衛生士さんの 「 ハイ、お口をあけてくださーい 」、「 ハイ、閉じて
くださーい 」、「 ハイ 一度ゆすいでくださーい 」というのんびりとした指示に
従い、やわらかな B.G.M. を聴くともなく聴きながら、なんにも考えないで座っていると
やがて、はい!ピカピカの歯になっている、という スバラシイもの。
そして、定期的にこのピカピカ歯のお掃除にいくことで、早期の口腔病発見も
自動的にできてしまう! じつに合理的!
・・・・・ というわけで、2~3年ぶりの歯医者さんは 楽勝でしたッス。
今日も魔法瓶にジンジャーティーをいれてもってきておりますが、
しばらくは安心です。
衛生士さんのいうところによれば、ティーを飲んだ後にお水をのんだり、軽く口を
ゆすいだりすると 茶渋も多少はつきづらくなるそうな。
ハイ、やるようにします。
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THE QUEEN
2007-11-02 / 映画
イギリスって凄い国ですね。
現行の王室が舞台で、皆様 ( ダイアナ以外 ) ご生存 ご存命で、
登場人物は 執務執行中の 現役のやんごとなき方々、なのですよ!
日本の現皇室がこのような映画になるのはありえない!
エリザベス女王は一体この作品をご覧になって いかようなご感想をお持ちになられた
ことでありましょうか。
「 よくぞ言ってくれました! 」 とお喜びになられたでしょうか。
そんな気もする内容でした。
イギリスの王室と国民の関係、その慕われ方、もしくは嫌われ方が、ほんの少しわかり
エリザベス現女王の存在の偉大さも、現代においての微妙さ、危うさも少しわかり、
なかなか骨のある ” イギリス映画 ” だったと思います。
オープニングのシーン。
エリザベス女王は肖像画を描かせておられ、マントをお召しになって画家と雑談中。
そして、ふいっと正面 ( の撮影カメラ ) を向く。
観客である私達と視線がぴたっと合った、その瞬間の彼女の絶妙な表情。
私はそのファーストシーンの一瞬でぐーっと映画の中に入ってしまったのでした。
困ったような、全てを納得しているような、ちゃめっけがあって、ユーモアもあって、
そして近寄りがたい気品と威厳。
演じるのは ヘレン・ミレン。 この俳優さんは どのようにして このひと言では
言い表せないような表情を手に入れたのでしょうか。
ヘレン・ミレンはエリザベス女王そのもの、といえる名演で、いわゆる ” なりきり ”
を越えて、女王の人間性を表現して見事だった。
ま、単純に顔かたちも似てるんでしょうが。
私はダイアナさんの死についてはほとんど関心を持たなかった者ですが、
当時のイギリスの大衆、いいえ世界中の ” ダイアナファン ” の 本気な悲しみぶりを
驚きと共に今回再度見て、本編中の誰かのセリフ 「 一度も会ったことない相手が死んで
よくこんなに悲しめるよなー 」そんなひと言に思わず笑っちゃいました。
ホント、そうだよねー。
で、そのようなヒステリー状態ともいえる英国国民と、いまやダイアナいじめの元凶呼ば
わりのエリザベス女王との間に立つ トニー・ブレア前英国首相が、これまたいい感じ。
彼が、この騒ぎに対して好きなこと言ってる側近の1人にむかってはく、女王の立場、
内面を深ーく正しく理解したタンカが感動でした。
「 そうかー、そうだったのねー 」 と 当時の状況をよーく納得させてくれました。
全体的に とてもうまくまとまっていて、フラッシュバックシーンの使い方も上手で、
私はとてもおもしろかった!
なにより エリザベス女王のにわかファンになりました。
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