毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
スウィングジャズ の 夜
2008-11-30 / 音楽
私は初めて生のビッグバンドの演奏を聴きました。
『 グレン・ミラーオーケストラ ジャパンツアー 2008 』 を、
Kitara にて。
実は、このチケット、父の誕生日のプレゼントとして用意したものなのです。
まあ、父1人で行くのも寂しいので、母の分とで、2枚贈っておいたのですが、
母が都合が悪くなり、代役として娘の私がお相手することに相成った次第です。
父とデートはそうですねえ、うんと久しぶり、、、19歳、大学1年生の大晦日に
当時存在していた、そして、今はもうとっくになくなっちゃった、私の最も愛する
名画座である 「 JABB70HALL 」 にて、二人で映画を観て以来!
( その時観たのは、ロバート・アルトマンの 『 ロンググッドバイ 』 でした )
夜の回だったから、観終わって、パークホテルのバーでウィスキーを飲んで
帰ってきたのだったなあ・・・・・なかなか良い思い出ですなあ・・・・・。
そう、26年ぶりのデートです。
ワクワクしながら迎えた当日、Kitara のロビーで待ち合わせ。
私は地下鉄札幌駅から中島公園駅まで行ったのですが、
その日 車両には、なんだか気のせいか60~70代の男性の乗客が多く感じられ
たりしたのですが、いざ、Kitara 最寄の中島公園駅に着くと、
なーんと、そのご年配紳士のみなさんがごそっと一緒に下車したではないですか!
そうして、ぞろぞろと、わらわらと、向かう方向はみんな一緒、
そうです、Kitara、グレン・ミラーを聴きにゆく人達だったのでした。
満席の場内は、平均年齢はやや高めではあるものの、老若男女混ぜ混ぜで、
グレン・ミラーオーケストラって人気あるんだなあ、と知りました。
さあ、コンサートの始まり!
テーマソングの 『 ムーンライトセレナーデ 』 で始まり、
『 茶色の小瓶 』、『 シーズ・フーリッシュ・シングス 』、『 星に願いを 』、
『 アメリカン・パトロール 』、『 真珠の首飾り 』 などのお馴染みの曲目の
数々に加えて、季節先取りでクリスマスソングも沢山演奏してくれまして、
もう、場内大満足!!手拍子の大洪水でした!!
管楽器チームの輝ける音の洪水を、贅沢にたっぷりと浴びて、
伝統のお家芸である、アメリカンの明るく旺盛なサービスに酔わされて、
私たち親子2人も頬を上気させながらの夢のような2時間と少し、でした。
グレン・ミラーが生きていた時代は、こんなステキな音楽でみんなして集まって
スウィングしまくってダンスしていたのですね。
とにかく明るい! 楽しむためのジャズなんだなあ。
あーよかった!
親子して予想以上に感動して、さてと、どうする?
そうねえ、ゆっくりと食事でも・・・といきたいところですが、
家で夫と息子が待っている・・・
しかし、このまま帰ってしまうのもちょっともったいないねえ・・・・
ということで、今回も一番近いところで、またパークホテル。
11階の小さなウェイティングバーにてビールで乾杯、といきました。
少しばかりお互いに気を使いながら、ぽつりぽつりとおしゃべりして。
2杯飲み干した帰りは、ススキノの大通りを北風に当たりながら並んで歩いて
無事、この珍しいデートを終了、
次回は母上と行ってねー、と、地下鉄の窓からバイバイして帰りましたとさ!
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SARAH VAUGHN / How long has this been going on?
2008-11-16 / 音楽
合衆国にとって、この 「CHANGE!」 が、どれほどの重みのある出来事か
ということは、きっと私たちの想像を軽く超えているのではないでしょうか。
ホワイトハウスに初めて黒人の大統領一家が住むわけですが、
そのホワイトハウスの建設当時、実際の作業にあたったのは黒人達だったそう。
土台から建物の建築作業、庭作り、全て、つくったのは黒人労働者達。
完成したその館に君臨し、政治を牛耳ってきたのは、2008年まで白人達。
奴隷として連れてこられた黒人に対して 暴力と差別を繰り返してきたアメリカの
悲しい歴史は、今回の大統領選を機にすぐに変わるということはないかもしれま
せんが、黒人大統領と共に国を変えてゆこう、という大きなうねりが生まれた
ということは、とてつもない前進なのだ、と、私なども感動した次第です。
初めてホワイトハウスに泊まった黒人は、サミーデイビスJr.なのですって。
ホワイトハウス主催のショーへの、トップエンターテイナーとしての出演です。
サラ・ヴォーンも1964年に、当時のジョンソン大統領に招かれて
ホワイトハウス入りしています。
ショーのあと、バンドのメンバーと共にダンスパーティーに招待され、そこで
彼女は、プレジデント ジョンソンにダンスを申し込まれます。
大統領と仲良く楽しげにダンスしていたサラでしたが、
ダンスの後、姿が見えなくなり・・・・・。
気づいた大統領の女性秘書が探しに行き、控え室で彼女を見つけたとき、
このジャズヴォーカルの大スターは泣いていた、というのです。
「 ミス ヴォーン、どうなさいましたか? 」 と心配して尋ねた秘書が受け取った
答えはこうでした。
「 1940年代、初めてワシントンに来たときは、私は黒人だったせいで
ホテルにさえ泊めてはもらえなかった。
それが、今晩、私は、大統領と ダンスしたのよ ・・・・・。」 と。
今回ご紹介するサラ・ヴォーンの
『 How long has this been going on? 』 は
1978年録音のもの。パブロ盤です。
すでに、富も名声も手に入れて、音楽界に不動の地位を築いていたサラには、
ポップの曲やクラシックの曲、ビートルズナンバーなどを歌った名盤も多くあり
ますが、ここではやはり、ジャズのスタンダード曲のみのアルバムを。
脇を固めているメンバーも凄いよ、
ピアノにオスカー・ピーターソンでしょ、ギターにジョー・パスでしょ、
ドラムスはルーイ・ベルソン、そしてベースにレイ・ブラウンです。
どの曲も圧倒的に素晴らしい。
中でも私は、『 Easy Living 』,それから、ギターのみの伴奏で
歌い上げる 『 Body And Soul 』 、
そしてこのアルバムの圧巻 『 Old Flame 』 に完全にやられます。
サラの、その( 曲の )解釈、その抑揚のクリエイティビティー、
そのソウル、そのレンジ、の素晴らしさ!!
グローリアスヴォイスとはまさにこのこと。
さあ、皆さん、
もうもう、ただただ、ため息をつきながら、目をつぶって、サラのヴォーカルに
酔っ払おうではありませんか。
上手い、上手い、
上手いっ!
鳥肌がたち、泣けてくる。
そして私は今回、この声にどれほどの ” 想い ” が込められているのかと知り、
改めて感動し直すのでした。
音楽は歴史。
ジャズは、アメリカの、黒人の、歴史そのもの・・・・・。
さあ、皆さん、
アメリカの至宝、サラ・ヴォーンの声に心地よく、そして熱く揺さぶられようでは
ありませんか、2008年 晩秋に。
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なんとはなしの疑問
2008-11-09 / 日々
発音して、それが何かがはっきりとこちらに伝わる単語も増えてきましたし、
こちらが先に発音して、次に息子に促すと、なんとか同じに繰り返せる言葉も
増えてきております。
「 にんじん 」、「 りんご 」、「 クッキー 」、「 ほん 」、「 パン 」、
「 ねんね 」、「 わんわん 」、「 ラジオ 」、「 ごはん 」 e.t.c. e.t.c 。
彼のごく身近なものから徐々にボキャブラリーが増えてゆくわけですが、
ヒトとして、言語を自分のものとして獲得してゆくこの時期は、私達おとなから
みていると、本当におもしろく、また、驚きですねえ。
全くわけのわからない言葉がでてきたりもするし・・・。
例えば、
「 べっぺー ( アクセントはしり上がりで ) 」 → ミルク
「 しぇしぇ ( アクセント、なし ) 」 → 椅子に座る
「 ばっぱー ( アクセントはしりあがりで ) 」 → 食べ物全般
などなど。 最初言われても、???、なのですが、注意深く今までの流れと
彼の指差す方向にあるモノ、その状況を頭の中で組み合わせて、見当をつけます。
大当たり!だったり、ハズレ続きで、持ち越しになったり。
クイズ回答者になった気分ですな、全く。
そんな1歳10ヶ月児の最新のお気に入り言葉、それは 「 ちんちん 」。
私が居ない隙にこのスラングを彼に教えたのは、いわずもがな我が家のもう一人の
ちんちん保持者なわけですが、オムツ換えの時には私と息子とで、歌うように
「 ちんちん 」「 ちんちん 」と交互に呼びかけあったりして。
男性器のことを「 ちんちん 」って呼ぶのは、もう公に認められ、市民権を得て
いるようですね。 声に出して、平気でみんなの前で言えるし、
” 赤ちゃんの病気・気がかり大全 ” といった類の本の表紙にも堂々と印刷され
てますもの。
で、ここで、私のなんとはなしの疑問。
女の子の性器の、「 ちんちん 」並みのポピュラーな愛称ってなんなんだろう?
これなのです。
ないんじゃあないだろうか?
私が知らないだけかも・・・。でも、あんまり平気で楽しくかわいく口にできる
呼び名、聞いた事ないんですけど・・・。
幼児期の言語の発達のおはなしは本題ではなく、前振りでして、
本題は、これなんです、今回は。
どなたかご存知の方は、教えてくだされ。
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フィクサー
2008-11-07 / 映画
観る前に勝手に想像していた感じとちょっと、、、、結構違っていました。
観終わって思うに、『 フィクサー 』という邦題がかなり商業的、戦略的、なんで
すねえ、、、。
【 フィクサー 】・・・それは弁護士事務所に所属する”もみ消しのプロ”
男は、完璧に罪を消せるはずだった ・・・・・。
これが公開時のチラシの宣伝コピーなんですが、私もこのコピーを見て、てっきり
ジョージ・クルーニーのクールな ”もみ消し技 ” 満載で、巨大企業の悪徳振り
がこれでもかっ!!っと暴露されてて、ええーっ!!最後はどうなっちゃうの??
という具合のかなりのエンターテイメントもの、だと思って期待していたのです。
で、観終わって。
上記の面では期待はずれ。
マイケル( G.クルーニー )には多額の借金があり、その返済期限が迫ってい
て、かなりまずい状況にある。
弁護士ではあるけれど、しかもN.Y.最大の弁護士事務所に所属はしているけれど
担当させられるのは、” もみ消し ” 仕事ばかりで、事務所にいいように使われ
て、かなり擦り切れている・・・( ジョージ・クルーニー、いきなり目の下に濃
いクマつくって無精ひげはやして登場。顔色も悪く、疲れが身についてます。)
夢・希望もたくさんあったし、そして志高くもあったはずなのに、いつの頃からか
そんなものは忘れてしまった・・・・・・。
この映画は、このような中年男の再生の物語なのですね。
自分の仕事は、悪いことだと知っている。
知っていながら、その事に目をつぶり、さらに慣れきってしまっているマイケル。
周りもそんなのばっかりだしねえ。もう無感覚、ダメダメ大人に成り果てようと
していたその彼が、巨大製薬会社の嘘を暴こうとして暗殺された同僚や、小学生の
息子 ( 離婚してるんだけど ) との対話、を経て、最後の最後に一発逆転、
人間として甦るんです。
息子が夢中になっているファンタジーノヴェル、そのノヴェルに関連して出会う
丘の上の3頭の馬、など、マイケルの奇跡=再生を象徴する表現がとても情緒的
で、物語に精神的な奥深さ、内容を与えていました。
ニューヨークシティの猥雑さも味わえて、結果、かなり良かった1本でした。
最初に戻りますが、タイトル。
原題は、『 MICHAEL CLAYTON 』 なんですよね。
マイケル クレイトン、主人公の名前なんです。
だったら納得できる、この内容が。
最終シーンのマイケルの虚脱の表情、これが作品に深い余韻を残し、
ジョージ・クルーニーの役者振りを見せてくれ、
監督の味付けを堪能させてくれました。
ジョージ・クルーニーファンの方達にもモチロンおすすめです!
くたびれ役でもやっぱりジョージはかっこいい!!
スーツ姿にしびれます!!!
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