苺とシール



子供の頃、サクマ製菓の 『 いちごみるく 』 が新発売されました。

たしか小学校1・2年生の頃だったと思います。

そして当時、小学生の女の子達のあいだで胸ときめかせて流行っていたものは、フルーツ

柄のポケットティッシュと、ミシン目いり三段のいちご柄のメモ帳でした。

『 いちごみるく 』 の、ちょっとカリッと歯を立てると脆くもショリショリと崩れて

中の甘ーいミルクが出てくるという新しい特別な美味しさも当時の子供たちを夢中にさせ

たのですが、女の子はなんといっても、メモ帳とおんなじの白地に苺を散らしたあのキャ

ンデー包みのセロファンの可愛さにやられてたんじゃないかなあ。

キャンデーを取り出して口に放り込み、残った包み紙は丁寧に丁寧に捻りシワを伸ばし、

何に使うともなく、メモ帳と一緒になんとなーく取っておいたもの。

「 かわいくって捨てられない! 」ってやつですね。

ちまちまと、重ねて小箱なんぞにしまっておいて、そのうちどういう訳か紛失してしまっ

ていることが多い・・・・・。

フルーツの絵が印刷されているポケットティッシュと、小さな苺の絵が散らしてあるメモ

帳、どちらも小学校1年生の生活ではほとんど実用性ゼロ、使った記憶もゼロですが、

なにしろ時代的には、いわゆる 「 ファンシー 」 の黎明期。

その頃からずんずんとサンリオのファンシーキャラクターブームへと続くわけです。

きっと、 『 いちごみるく』やメモ帳 の苺柄って、量産されていくファンシーグッズの

スターターだったのではないかと思えます。

息子が保育園に通っていた時期、あの ” 苺散らし柄 ” のパンツをはいている女の子

が複数いて、ああやっぱり永遠のファンシー!!いまだ健在! と感慨深いものがあり

ましたっけ。


先日、K嬢が私に差し入れてくれたシール「 収穫シールの他のヴァージョンですよー 」

は、サイコーッ!!くだもの柄なのでした!!

シールだけでも相当感激 ( だってあのお店には無かったし、フルーツ柄が存在するのも

知らなかったしね ) ものでしたが、K嬢は、それを買ったお店の紙袋も添えてくれたの

です。元祖・ファンシー ( と、私が勝手に認証 ) 苺散らし柄の薄手のマチ無し袋!

もちろん、今だって、40数年たっていたって、この柄への条件反射的な反応は不変でし

た、「 かわいくって、捨てられません! 」、

ふふふ、シールはシール箱へ、苺散らしはレター類の引き出しへ。

苺の紙袋、たぶん、ずっと取っておくんだろうなあ・・・

また知らないうちになくしちゃうかなあ・・・・・。





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Kakitsubata Bakerly



9月16日の祝日の月曜日、

学校もお休みの月曜日なので、朝からの雨にもめげず、家族揃ってのプチトラベル(笑)

を決行しました。

旅先は、ずっと行きたかった南区川沿のパン屋さん、『 カキツバタ ベーカリー 』。

3年程前、当店のオリジナルエプロンを買ってくださったお客様が、「 とっても良い

エプロンで気に入ってます! 」 という嬉しいメールを送ってくださって、それが 『 カ

キツバタ ベーカリー 』 の倉さんでした。

ご主人さまと二人でのパン屋さん、焼くのはご主人で、お店はお花屋さんの中にある・・

むむむ、行ってみたい! と思ったのですが、南区川沿のご住所に、怯んでおりました。

だって、怪獣チカラが当時はまーだまだ 「 抱っこーっ!!! 」 でしたからねえ。

そして、倉さんは、そのあと、やっぱりウチのエプロンを、今度はヒマワリみたいな黄色

を買ってくださって、「 とっても気に入ってます、黄色! 」 っていうメールをまた

送ってくださって、そんなことなかなかないので、私達はもの凄く感動してしまったの

でした。

月日は流れ、怪獣チカラも一年生、なんとか自分で歩くようになったので( 苦笑 )、

三回目の倉さんエプロンお買い上げで、今回の鮮やかな青の帆布製エプロンをされた

その勇姿に会いに、そしてパスキューの長年のお客様でもある湊谷さんが設計されたとい

うベーカリー店舗を拝見するのも楽しみに、そして何より、 ” かなり美味しい ” と

巷で噂の、ご主人さまの焼かれるパンを買いに、ようやっと伺うことに相成ったのです。

地下鉄とバスを乗り継いで、雨に濡れて鮮やかな真駒内公園の広大な緑に驚きながら

やってきました 『 カキツバタ ベーカリー 』。

” ブーランジェリー ” なんていうややこしい呼び方もすっかり定着しつつあるパン屋

さん激戦の今日このごろです。

素材製法いろいろとこだわり抜いたお店、ご本人の暮らし方もひっくるめての提供の仕方

に力点を置くお店、欧風のお洒落なお店、移動販売イベント販売のみのお店など様々に。

パン無しの日常なんて、もう考えられないですよね。

いろいろなやり方、いろいろな思いで賑わう、とても身近な業界ではないでしょうか。

『 カキツバタ ベーカリー 』 は、そんな中、珍しいパン屋さんでした。

伺った時にはもうすでに売り切れたり残り僅かのパンも多くあったのですが、それでも

嬉しく迷える十分な種類が揃っています。

怪獣クンと一緒に選ばせてもらいましたヨー、チョコの入ったサクサクのパン、ベリーが

たっぷりのパン、あんぱん、ソーセージ入りのハードな胡麻パン、玄米食パン・・・。

雨降りだったので、お店の横に用意されているテーブルと椅子は使えなかったので、帰り

の地下鉄真駒内駅の広い構内のベンチにてガブリンチョッでした。

とてもおいしい!!

どうおいしいか、というと、真っ当な材料が、コスト的にはこれ位でOKより少し多めに、

つまり豊かに使われていると感じる、核心にスコーンと届くような、そんなおいしさ。

有名デパ地下の有名パン屋さんの、内容は薄っぺらいのに価格は高級、の正反対。

これを書いている今も蘇るおいしさなのです。

パリのブーランジェリー風でも、ルヴァンにこだわっての石窯炭火焼きでも、ガラスのシ

ョウケースなんかに整然と並べた、でもない、普通の町のパン屋さん。

程よくこじんまりしていて、店主の趣味嗜好を飾り立てたりせず、派手な商品説明書きを

くっつけるでもなく、妙に凝った包装も無し。

明るくスッキリしていて清潔な佇まいで、標準よりかなり美味しい、” みんな ” が好

きなパンを普通に、そしてたくさん焼いておられる店は案外少数派ではなかろうか。

今は、「 ウチはこうです、ココにこだわってます、こうして食べてください、扱ってく

ださい 」 云々、しゃべりすぎの店や人や会社がホント多いなあ、と思います。

大人なのですから、普通に黙って任務を遂行するだけで十分ではないかしら?

『 カキツバタ ベーカリー 』 は、だから珍しいくらい普通のお店でした。

主に接客ご担当の倉さんは、ママさんエプロンに三角頭巾スタイルのパン屋のおかみさん

ではなくて、ご主人と同じく真っ白なコック服の上着をパリリと着て、腰には青の厚地の

ギャルソンエプロン ( 小麦粉付き ) をキリリと巻いて、つやつやに焼けたあんぱんみ

たいな笑顔満面で次々と訪れるお客さんのお会計をこなしていらっしゃいました。

『 カキツバタ ベーカリー 』 の心意気はそれでちゃんと伝わります。


敷地つながりの花屋さん 『 田中光花園 』 の魅力的な在り方も感動的でした。

50年続く花と苗木のご商売、ビニールポットで成長中の色とりどりのお花の苗が、ズッ

ラーーーッと並ぶ大きな温室店舗に伺うと、温和ないいお顔の年配のご主人が 「 いらっ

しゃいませ 」と迎えて下さり、倉さんの案内で広い花園を見せていただきました。

そこはまさに、「 花の園 」!!! 絶句です!

一体どのくらいの種類の花たちが植えられているのでしょうか?

足元にこんもり、もあれば、大人の背よりも高くワサワサと絡まり揺れているものもあり

今や盛りの満開もあれば、渋い枯れ姿の一群もそのままに。

見たことのないステキなお花ばかりで、もう溜息ものなんです。そして、切花と比べ、

なんだか逞しく、強さを感じました。

言わば商品の花たちのショウルームなのかもしれませんが、あまりのたくさんの品種が

まるで自生して繁っていったかのような、ラスティックな魅力に満ちているんです。

「 手入れしてないから恥ずかしくって、この夏は蜂がいてキケン!なんていう張り紙

をして囲いでもって近寄れないようにしちゃってたのヨオーー 」 と、先ほどのご主人と

お昼交代でお店番にいらしたご内儀、まるでご近所さん同士のおしゃべりみたいな気さく

さで初めての私に秘密 ( 笑 )をバラしてくださいました。

ですが、植物の生きる姿、生きる力をおおらかに放任して、花たちの個性そのままの美し

さに敢えて人為の手を加えないでおけるのは、やはり創業50年の底力なのだと、感動して

しまいました。

そこに生きる全ての花の花びらと葉っぱが雨だれに揺れる眺め、そのかすかな振動音と

花園を取り囲む町の生活の風景、そして音・・・・。

倉さんのご両親の花園、納得なのでした。


次回は雨降りではない日に是非伺いたいです。

「 パンとお花 」、暮らしの必須ではないですか。













 















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夏よ、さようなら



2013年の夏が終わってしまいましたね。

今年は残暑もほとんどなく、すんなりと秋へと移行するようです。

さようなら、夏。

子供たちの二度とない輝きをありがとう。

ちっち、ふうちゃん、そしてちから、一年生がふたりと、五年生がひとり。

子供の日々を、一緒に過ごせたっていう思い出は、一生モノ。

その宝物を心の奥に大事にしまって、ぐんぐん大きくなっていくんだね。

じいじの家の玄関先で、でっかいプールで思いっきり水遊びをする彼ら三人と

管理人ののんびり叔母さん。

ほんの一ヶ月ほど前のことなのに、

もう手の届かない、夢のような、夏の一日なのですね。





「 水をジャーーッ 」

「 キャア、やめてー 」




「 超ビショビショ!! 」

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