3歳児の特権







いいなあ。

こんなことがいとも簡単に、

いともなにげなーく出来ちゃって。

完璧なポーズで100%無意識で100%寛いでいる、そこの坊や、

一体何を見ているんだい?

あまりにあたりまえにオブジェと一体化しているせいで、

結構な人込みの場所なんだけれど、誰も彼を見ていない、気にしていない。

こんなウルトラC級の振る舞いができるのって、3歳児の特権、だよねえ。

いいなあ。

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1年がたちました






我が家の小さなテロリストも、

おかげさまで、この春、保育園の始めの1年間を無事に終える事ができました。

ほおおおーう、ふうーっ。

感慨深い1年間でした。

2歳から3歳の1年間で、1番の成長変化といえば、おしゃべりの上達、そして、

日中は紙パンツ ( 紙おむつの最終段階のもの ) から普通のパンツ ( 保育園語では、

おにいさんパンツ )に無事、移行する事ができたこと、でしょうか。

でも、一人でトイレに行って、一人でズボンとパンツを下げて、脱いで、便器にまたがり

しょーっ、と事を済ませる、というところまではいっていないので、

時と場所を問わず、 「 まーちゃん、オシッコでる~ 」 と。

その都度、やってたこと全てを瞬時にストップして、

わあわあとトイレに連れ込みつつ急いで下半身をすっぽんぽんにして、便器に座らせ、

その前に一緒にしゃがんで、待つ。

一呼吸おいて、しゃあーーっ、ちょんちょん 、と、放尿完了です。

何事もなく、すんなりと終えて、パンツ、ズボン、靴下 ( 彼は裸足でするのがお好き )

を再び着けてトイレを出るときもたまーにはあるのですが、そのほとんどの回は、

まず、便器にまたがってのおしゃべり。


「 ねえねえ、オシッコどうしたの? したくないの? 」

「 でるよお。 あのねえ、きょうねえ、〇〇ちゃんがたたいたさ、チカラのこと 」

「 へ~、それでチカラはどうしたの? 」

「 チカラねえ、かいじゅうになって、ガオーッって〇〇ちゃん食べちゃった 」

「 え! 食べちゃったの? ほーう、そうなんだあ、食べちゃったのかあ、そして? 」

「 そしてねえー、チカラねえー、消防車になって、ウウーウウーって行っちゃった 」

「 ふうーん、そうだったかあ、たいへんだったのう ( 怪獣と消防車への変身だもんなあ

ゴクロウサン )、ほれ、ほれ、オシッコ!! 」


・・・・・・・・  ( 5秒くらいの沈黙アリ。この時の哲学っぽい表情がおもしろい )


「 でたよっ!! ( じょーっ と勢い良く 。そして便器を覗き込みつつ )あー、チカラ

のおしっこ、みどりオシッコ! 」

「 ほんとだねー、みどり色してるねー♪

さ、ジャーしてよっ、オシッコの方でね( 小レバー )、ウンチの方 ( 大レバー ) じゃ

ないからね。 」


ジャー、っと水を流して、後はパンツだけでも穿かせるわけですが、3歳児のおしりの

すべすべプリン!! の素晴らしさったらたまりませんよ。

無垢で、完璧で、小さくて、ホント天使のおしりだー。

( トイレ、着替え、そしてお風呂の時には、期間限定、今真っ先にやっておくべきことの

トップとしての、はだかんぼうさすりまくりをやります。特におしり。うっとりです。 )

夫も私も、オムツはずれに関しては、まあ二十歳前にははずれるでしょう、てな感じで、

特に何にもしなかったので、ここまでの成長は、全て保育園での先生方のご指導の賜物。

本当に、感謝です。


口が達者になってきた分、結構それなりのセリフしゃべりをするわけですが、

1年たっても、毎朝、「 きょう、ほいくえん? 」 とさりげなく訊いてきます。

「 そうだよ、ほいくえんだよ。 」

「 チカラ、ほいくえんいかないから。 」

「 ええーっ!! だって、せんせいも、おともだちも、チカラのことまってるよー。

チカラとあそびたいってまってるよー 。」 と、あれこれなだめて、まるめて。

保育園では、楽しく元気にはねまわっているそうなのですが、親にはまーだまだ、それは

それは濃厚に甘えくさっている我が息子。着衣17キロ超えを毎朝抱っこで送り届け、

帰り道も、休みの日も、まあ50%強の道のりは、「 だっこ~!! 」 。


夫と共に、この ” 抱っこ! ” の試練はいつまで続くのか??? と、お互いにグチり

あい、慰めあい、いや手首を傷めただの、やれ万年腰痛だのとやっていたのでしたが、

先日。息子を迎えに行き、支度を済ませて玄関を出て、保育園の角を曲がって、

さっそくの 「 だっこー!! 」要請を受けて、ハイハイオリャーッとずしっと抱えて

歩きはじめたそのちょっと後方、同じ組の女の子と、年子の妹さん、そしてお母さん。

そのお母さんは、本当に小柄で華奢で、折れそうな体格の方、 が、ちょっとしゃがみ込ん

でいたかと思うと、次、一体どうなさったと思いますか?

軽々と、二人のお嬢さんを抱えあげて歩き出したのです!!!!

片腕に一人ずつ。しかも、大きな荷物が肩に !!。 さらに、ちょっと小走りで !!!

唖然として、しばし言葉を失い、そして、ぐーっと顔を突き出して思わず訊いた。

「 二人合わせて、何キロですかあ ??!! 」

彼女は、小走りを続けつつ、軽やかな笑顔で、こうおっしゃいました。

「 30キロでーす♪ 」。

その、微塵も苦情めいたニュアンスが含まれない、あっぱれなお返事と、

驚愕・驚嘆にしてありあまる、両手に花?のお嬢さんたちを抱える姿に、

この小さなお母さんの優しさ強さ、数ランク上をいく子育てパワーを見せ付けられたのでした。

ガーーーーン、です。 17キロで威張ってる場合じゃあなかった。

その夜、息子を寝かしつけてからの夫とのミーティングで早速報告。

二人して、言いました、

「 あたしたち、まーだまだ、甘かった。 」

「 甘チャンだよ 」 

「 17キロ?フンッ 軽いぜ! 」 云々。


それ以降、愚痴りそうになると、あのお母さんのお姿を思い出し、

我が心に喝を入れつつ。

親子共々、新たなこの1年を、3歳児の四季を、喜びも苦しみも?じっくりたっぷり

味わおう、そう思う、今日この頃なのでした。
















 

 
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パサジェルカ / PASAZERKA




ポーランドの アンジェイ・ムンクという監督の代表作にして遺作、だそうです。

先月の始めに蠍座にて観ました。

61分という短さの作品だったので、朝、早出して、これを観てから出勤できました。

といのも、この作品は、完成を見ずしてムンク監督が自動車事故で亡くなってしまった故の

この上映時間数なのです。つまり、未完成。

観終わっての第一の感想は、 完成していたならば、さぞや・・・!! ですよ、やはり。

この監督の、硬質で、厳しくて、すっーと美しい作風にとても興味をもったから。

凄惨を極めたホロコーストの現場を撮っていながら、観るものに、ある種の美しさを感じ

させるとは、一体どういうことだろう? と。


ナチスの強制収容所での、女看守と収容されていたあるユダヤ人女性の心理ドラマです。

第二次世界大戦 終戦後。

豪華客船の甲板に佇む白いスーツ姿の細身の女が一人。

かつてナチの女将校だったこの女は、どういう経路を辿ってかはわからないのですが、

戦後結婚し、新婚旅行の途中。

今や、誰が見ても裕福で幸福そうな彼女が、デッキから、なにげなしに辺りを眺めていた、

と突然、その視界に飛び込んできたもう一人の女。

黒っぽいスーツを着こなし、豊かなウェーブヘアが強い意志的な顔立ちを際立たせている

その女を見た瞬間から、物語が回り始め、 ” あの時代 ” と女2人の過去が明らかに

されていきます。 そして、その瞬間の、白いスーツの女優の表情の演技がすごい。

声も身体感覚も、正気すらも瞬時に崩れ去ってしまうような、まさかの過去の罪の亡霊と

の再会の瞬間。 出会ってしまった、偶然という俗名の必然。

収容所で自分が目を掛けていた囚人だったその女は、自分の全権力をもってしても

全く屈しなかった。それどころか、自分を見下すかのように、超然とした態度で対抗した。

いつでも捻りつぶす事の出来る一囚人にすぎないその女に対するこだわりに、レズビアン的

な要素もほのめかされ、ものすごい内面の駆け引きと葛藤が展開してゆくのですが、

ああ、ああ、残念無念、展開半ばにて、強制終了 。

大変魅力的で、個性的な戦争映画、になっただろうに・・・・・。


タイトルの 『 PASAZERKA 』 は、英語では 『 PASSENGER 』 。

なーるほどっ!!

ポンッと打ち手してしまいました。 人名かしら、なにかしら??? というポーランド語

のタイトルでしたが、大納得です。

パッセンジャー = 旅客、船客。

未完成だからこんなに残るのかもしれません。

未完成だから、本当に、心から残念に思い、あれこれ続きを想像してしまい、そして、

” 戦争の悲惨 ” を考えることに繋がるのかもしれません。









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