お雛様




「 ああーあ、お雛様がほしいな。 」

と言うと、母は、

「 お嫁に行くときには買ってあげよう。」

という返事でした。

かなりかなり遅くなったけれど、一応ヨメにいったのに、それまでかけた心配分で

帳消しどころか有り余るくらいだったせいか、買ってくれなかった。

「 ああーあ、ヨメにいったらお雛様、って約束だったなあ。 」

とつぶやくと、

「 孫が女の子だったらねえ。 」

という返事でした。

孫はりっぱなチンチンつきでしたので、やっぱりわたしのお雛様は無いまま今に至るので

したが、ヨメにいった大関家のガラクタ倉庫のぼろぼろの箱の中から、こんな素敵な

お雛様のお人形を発見しました。

なんとものんびりと穏やかで、古風なお顔つきなのです。

艶やかな錦のかさねをお召になった豪華絢爛な段飾りのお雛様とは、同じお雛様でも

趣きが全然違って、ほう、という感じですが、なんだかこののんびりとしたお二人の方が

わたしのお雛様として合っているように思えて、いつの時代のものかも判らないこの小さ

な古いこけし雛の、手描きのお顔の表情やお召し物の絵柄の色合いを抑えた美しさは、い

ざ探して買おうと思ってもそう簡単にはいかなさそうな貴重な昔の日本の良さをたたえて

いるな、この出会いだったのだなあ、ととても気に入っているのです。

その昔の当時でも、そう上等なお雛様人形ではなかったでしょうし、そして大関家で誰か

が所有していたものでもなく、長い間倉庫に箱まんま放っておかれていたのでしたが、

今はわたしのお雛様です。

ようやくお雛様持ちの元女の子のオバサンになれました。

嬉しいことです。

さっそく店に飾っております。

お客様が見つけて、

「 いいお顔ねえ。 」

とお褒めくださいます。

ご来店の歳には、見てみてくださいな。



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2月28日 金曜日。





       
 『 はちと神さま 』
  金子みすゞ




   はちはお花のなかに、

   お花はお庭のなかに、

   お庭は土べいのなかに、

   土べいは町のなかに、

   町は日本のなかに、

   日本は世界のなかに、

   世界は神さまのなかに、



   そうして、そうして、神さまは、

   小ちゃなはちのなかに




いのちのなかには、神さまがいるのですね。

思い出そう、わたしのなかにも神さまがいる。

すべて、わたしの中にあるってことを。
















    
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今年も、ありがとう




実は、心密かに期待している。

今年もくるかなあ?

今年のは どんなかなあ?

もうすぐだなあ。


などなど、こころのなかで、ふと思い出しては楽しみにしていて、

楽しみにするって、楽しいなあ、なーんて思っている。

そして、いよいよ近づき、明日がその日、その当日、ってなると何故だか

面白いくらい完璧に、ふぅーっと忘れていたりしてしまう。


今年もちゃーんと送ってくれた。贈ってくれた。

くたびれて家に帰り着いたら、ワアーオウ!! 届いてた!

姪っ子 ちっちと、ふうちゃんからのバースデーブーケ!!

ちっちとふうちゃんの名前で、弟とゆみちゃんが手配してくれる素敵な花束。

お花屋さんがプロの技で作ってくれるブーケは、そりゃあ素敵で、毎回うっとり。

濃いピンクのスウィートピーと、ダークピンクの ( 初めて見た色! ) トルコ桔梗の

組み合わせが大人っぽく、お花屋さんへゆみちゃんが伝えた ” モダンな感じで・・ ”

というのが表現されているなあ。


年に1度、特別な特製ブーケ。

幸せだなあ、わたしは。

今年も、そして いつもいつも、ありがとう。











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弁慶草



綱木生花店で懐かしい花に出会いました。

子供の頃、改築前の家の庭にいつもあった・・・というよりは、いつも生えていたという

感じでぜんぜん目立っていなかったけれど、とてもよく覚えている、ブロッコリーみたい

な粒つぶの花と、アロエのような肉厚のまあるい葉っぱの、もちろん名前は知らない植

物。ちょっとちぎっては、ままごと遊びに使っていたっけ。

綱木さんで、お花とお花に挟まれてやっぱり目立っている風ではありませんでしたが、

目があった瞬間、ひゅうーっと子供時代のあの庭の端っこに引き戻されてしまいました。

家でいつも地味にあったこの植物は、もっと薄い緑色・・・白を混ぜたような緑だったし

葉っぱももっと肉が厚くぷっくりとしていたけど、ああ、とってもお久しぶり!!

ここにいらしたのですか! と話しかけていたかもしれません、私。

そんなわけで、その日はその懐かしい花をいただくことにしました。

「 あ、弁慶草ね。 」 と、綱木のおかみさん。

「 昔は、どこのおうちにもあったわねえ。 」

やっぱり! そうそう、ウチにもあった。

そうか、弁慶草っていう名前だったんだね、あなたたち。

また会えて、嬉しいよ。

ちなみに、写真はまだ蕾の状態で、このあと一粒一粒うすピンクの花がひらきました。
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節分

    

2月3日、節分。

この日を境に、春になり、その昔は新年になったのですよね。

冬の間の、または、旧年の鬼 ( 邪気・穢れ ) を追い出し、福 ( 新しい運気 ) を呼

び込む、それは大切な行事 「 豆撒き 」 なのですからやらない手はありませぬ。

今年の鬼の役は、わたしでした。

前日に息子と作った鬼のお面をつけて、息子に持たされた紙の巻き棒 ( 絵本のカバーを

1~2枚を細くくるくると巻いて繋いで作る棒でして、息子が4歳くらいから作っている

武器 ) を棍棒がわりに ( ←ぜんぜん違うけど ) 、階下からドスの効いた声で吠えな

がら、ズシンズシンと足音を響かせて、紙棍棒もどきでバシバシと壁を叩きながら、

めいっぱい鬼っぽくやってみました。


「 うおーーりゃーーーっ!! 」

「 ガオウウウーーーッ!! 」

「 どぅおおおーーりゃーーーっ!! 」


とか言いながら( 怖・・・ )。

ドアを閉めた2階の部屋からは、豆を手の平いっぱいに握り締めて、これでもかーっと鬼

に投げつけるべく、今か今かと鬼の登場を胸はち切れんばかりに待っている息子ととーし

ゃんの声が漏れ聞こえてまいります。

息子、興奮度マックス。


「 ウワァオっ、来たよ!来てるよっ! とーしゃんっ! 」

「 キャアーーーッ!!!! 」

「 そらっキターーーッ 」


鬼は、

派手にドアを開け放ち、光の中に登場した瞬間、豆、豆、豆の集中砲撃を浴びました。


「 死ねーっ鬼ーーいっ! 」

「 これでもかあーーっ!!!

「 ソリャアーーッ!! 」


たまったものではありません。

痛い。酷い。


「 ちょっとーーっ、窓あけたーーっ?! 」

「 鬼は外 福は内ってちゃんと言ってよお!! 」


と砲火を浴びて顔も上げられない中で叫んだけれど、


「 エッ、窓? 開けるの? チカラーッ 待てっ! 」 なーんて言ったって耳に入るは

ずはなく、

「 これでもかあーーー!!! 」 パシパシイイーッ ( 豆が当たる音。鬼に。 )。


とーしゃんが窓を開けた時には、豆切れで2014年度迎春豆撒き大会終了。

なんだか知らんが肩で息をしつつ鬼のお面を外したワタシでしたが、

豆撒きって本来、” 鬼はーそとー、福はーうちいー ” と歌うように言いながら、豆は

ゆっくりと優雅に、ゆるやかな放物線を描くように放るものじゃあありませんか。

ちょっと、そこのおチビさんっ、戦いごっこと勘違いしていやあいませんかねえ。

大関家の野郎2人には、そも節分とは、豆撒きとは、という事前のレクチャーと段取り

が必要であったと、うっかり忘れていた自分に一人反省会でした。やれやれ。

ちなみに、今年の豆は、殻つきピスタチオ。

拾って食べたら塩味で美味しくて、ビールが欲しくなりました。

その後まもなくインフルエンザB型になっちまった息子、「 鬼は外 」 って窓から鬼を

追い出さなかったからではないでしょうね ( 笑 )。

ああ、こんな我が家に、今年も福あれ・・・。



















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ルーミー祭り開催です



ホームページでお知らせしました通り、

明日 2月22日 ( 土 ) から、オリジナルルームパンツ 通称 ” ルーミー ” フェ

アを始めますよー。

サイズがバラけてしまったもの、少し前の在庫、など お求めやすいお値段になりました

ので、見にいらしてください。

だいたいの価格の目安は、


3700円 → 2700円


って感じです。どうでしょうか。



では、本日は、取り急ぎご案内でした!!

大雪で、寒くて、足元も悪いですね、どうぞお気をつけてのご来店、 

心よりお待ちしております。


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日用皿




「 日用品 」 という言葉が好きです。

店のビジネスカードを作るときに、「 日用品雑貨 」 と記載しました。

何を扱う店なのかを伝えるため、ということが第一理由なのですが、「 日用品雑貨 」

という言葉を是非ともセットにしたかったのです。

いつでも一緒にいたかったからです。

毎日使うものを扱う店。

「 雑貨店 」 という大きな括りよりも、もっと実用的で必要度が高いものを。

何気ない日常こそ大事にやっていきたいものですよね、そんな思いをお客様と共有したか

ったからです。

少しづつ、そんなテーマ?に添う品々が集まって、入れ替わって、復活して、の繰り返し

なのですが、少しづつご紹介していきたいと思っております。


今日は、お皿です。

サイズは、直径 203mm 。

内径が 150mm、縁は 30mm で、軽く斜めに立ち上がっています。

ヘリがうっすらと焦げていて、胡椒を振ったような極小さな粒つぶが混じっています。

色は、白系、ベージュ系ですが、均一ではなくて、素朴な微妙な色ムラがあります。

このお皿がとても使いやすいのです。

直径20cm前後、このサイズがいいんですよねえ。

メインディッシュ1品に付け合せ1品が無理なくおさまります。

家で一人でのお昼ご飯には ( 息子の授業参観日の日など )、常備菜2から3品で済ま

せている私ですが、20cm皿に、ひじきとこんにゃくの煮物とか、人参サラダとか、漬物

とか、その日あるものを何となく美味しそうにこんもりと盛り合わせると、ランチプレ

ート( 地味・・・ ) が出来上がります。あとは、ご飯と味噌汁ですよ。

大皿料理の取り分け用のお皿としても、20cm は少し余裕があって、お客様の時などにも

良いと思います。

朝はパンなの、というおうちにも。角食のトースト、ロールパン、切り分けたカンパーニ

ュ、ちょうどいい収まり具合でしょう。

20cm 前後のお皿は、とにかく毎日使うのにかなり適しているサイズだと思います。

我が家の晩ご飯で、登場しない日は麺ものの日くらいでしょうか。

写真のものは、釉薬が工夫されていて、陶器ですが電子レンジにも食器洗浄機にも対応し

ています。使っていらっしゃる方には安心ですね。

丈夫であること白磁と同等、でもこの素朴で優しい趣が人気の理由かもしれません。





直径203mm x 高さ21mm
1580yen
オーブン・電子レンジ・食器洗浄機対応





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おかあさん / THIS QUIET LADY



私達がこの世にいるということは、私達ひとりひとりにおかあさんがいる、ということ

なのですよね。改めて、「 あ、そうか。 」 と気づかされました。

おかあさんって、おかあさんになる前ってどんなだったの?

自分が生まれたその瞬間から「 おかあさん 」 という存在として付き合ってきた女性。

親から離れて、ついでに自分も親になってやっと、母になったことも含めてその女性は

彼女の人生を生きただけなのだと理解しました。

つまり、母になったことは道の半ばから加わったオプションである、と。



「 おかあさん 」 と呼ばれるひとりの女性の、誕生、幼少期、少女期、青春期、成人し

て、出会ってミセスになり、母になり、という人生のポートレイトを、アニタ・ローベル

が描いています。

アニタ・ローベルの絵が素晴らしく、素晴らしい。

豊かな長い髪の量感に、花々や雪、木々の緑に、指先の表情に、力強い肯定感が満ちてい

るのです。生命への愛。女らしさへの讃歌。

表紙は、妊娠中の彼女です。

ゆったりとしたエメラルド色のマタニティドレスと、春風が吹いても体を覆える大きな

青いショールに包まれ微笑む彼女。

大きくなったお腹に優しく手を置くこの女性の美しさはどうでしょう!

澄み切った表情は、各ページごとの肖像画の中でも飛び抜けています。

私が一番好きな絵は、二枚目の見返しに描かれている絵。

おかあさんと娘、娘のお気に入りのお人形が、木の仕切りドアを背中に後ろ向きに並んで

いるちょっとユーモラスな絵です。

3人の女達はお揃いの青い服。麦藁帽子にはオレンジ色の小さな花束をつけています。

おかあさんと娘は長くて豊かな黒髪を同じ真っ赤なヘア止めで束ねていて、おかあさんの

両腕を広げたポーズがなんとも頼もしいのですよ。

三人の目の前には、広々とした野原を貫く一本の道、その遥かに続く先には青い山と果て

しない青空です。そして、まるで女達を祝福するかのような、両サイドに花ざかりの見事

なアイリスの群生、大きなテラコッタの壺にたっぷりと生けられた黄色のチューリップ。

世の中がどんどん複雑になって、過去の価値観が覆されたり更新されたりすることが

あまりにも普通のことになっている現代社会にあって、アニタ・ローベルは、花々や風景

や、鮮やかな色使いや量感を道具立てとして、いつの世にあっても普遍的なものとしての

女性らしさを、未来に対する明るい希望の象徴として表現していると思うのです。


小さな娘が、写真立てに入れられている写真や、壁に飾っている額入り写真、アルバムの

ページに収まっている写真のひとつひとつを、いつも一緒らしきお人形に説明するという

かたちで、この、おかあさんとなった女性を語ります。

まるで詩のような文章は、シャーロット・ゾロトウです。

巻頭で、ゾロトウとローベルは、次の世代の女性二人に 「 愛をこめて 」 と、この作

品を捧げています。

未来を肯定して生きてゆく強さと、優しく微笑む意思の真っ直ぐさと。

女性に生まれたことを讃えてくれる、愛をこめて制作された絵本ではないでしょうか。


私の51回目の誕生日に贈ってもらったこの絵本、大切にします。

欲しかったのです。

ありがとう、H女史。





























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鳥の汁次



お醤油や酢、だし汁などを次ぐ容器です。

食卓に、こんな鳥が一緒に。

こくこくツツツーっときれいにお醤油を次いでくれる。

ふっくらとしたお腹に波文様を纏っているところをみると、水鳥?

そうなんです。

この色違いの2羽は、鷺 ( サギ ) なのです。

うっすらと水色がかった白いサギと、麦わらのような渋い薄茶色のサギ。

岐阜県多治見で焼かれています。




鳥の汁次
7.5x12.5x8.5cm / 150cc 各1000yen
ストーンウェア製 食器洗浄機可

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フレッシュさについて




冬はやっぱり体が温まる煮込み料理、根菜類をしっかりと摂って、と。

出し汁も濃い目に、葱のお蕎麦、鍋焼きうどんなんかも美味しいし。

下着も暖かく、セーター、カーディガン、マフラーにストールに、帽子。

あ、時にマスクも。

靴下も2枚、さらに家ではルームシューズを。

・・・・・という日々をおくっていると、確かに冬対策はバッチリなのですが、なんか

もっさりと、重い。

肩が凝る。

ときめかない。

そんな、どんよりと冬に覆い被られたような気配を感じ取ってから、一日のうちで何か

フレッシュなものやコトを取り入れるようにしています。

例えば、お弁当に生野菜のサラダを持参します。

小瓶にドレッシングも用意して。

今日は、紅赤大根と白大根のいちょう切り、大根菜少々と刻み柚、パセリのみじん切りを

タッパーに入れて、小瓶のドレッシングは、塩漬けレモンの千切りと玄米酢とオリーブオ

イルです。これを、小腹がすいた3時過ぎにおやつとしていただきます。

パリパリと、シャキシャキとした歯ごたえ、みずみずしさ、大根の辛味、柑橘の香り!

赤・白・黄色に緑の楽しい色どり!!

うれしいですねえ、瑞々しさ。

例えば、お花。

店には、今、白のフリージア、そして弁慶草を いつもの綱木生花店さんから。

乾燥し、お天気の影響でどんよりしがちの空間に生気が。

例えば、白。

Vネックのセーターに白いTシャツを。

シェトランドセーターに白いシャツの襟を。

なんだか顔色も明るく、活が入った感じがして、動きまでキビキビ。


たいした事はしないのですが。

でも、日にひとつは意識して取り入れたり、接したり。

女にフレッシュさは必須なのですよ。







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