Territory on the Table / シミー書房の絵とエッセイ

 

生活を営むことは、何て何て愛おしい。

読み終えると、ほぉーっと息をついて、ほんわりとそう思えている。

しみじみと、

はぁー良い良い、良いものじゃ、暮らしていくのは。生きていくのは。

ね、と自分に向けて軽く相槌を打っている。

明るい気持ちになっている。

その読後感が、なんともうれしいのでした。

シミー書房の新刊 『 Territory on the Table シミー書房の絵とエッセイ 』です。

 

表紙を開いてアッ!

自分に「 本 」 のかたちに対する無意識な既成概念がしっかりとあったことに気付

れ、軽やかで意味のある仕掛け ( アイデア )! こんなかたちもありなのねー!

でもそれはなかなか思いつかないよね、さっすがシミー書房だわぁ、

お二人のデザイナーとしての手腕にまずはやられて喜んで。

続くエッセイを一編ずつじっくりと( 読み終えちゃうのが寂しいような気持ち・・・ )

読み進めていきながら、

 

「 けものだからまったく平気 」  に、ワハハ!そう言われるとまことにそうだネ!

「 本好きも様々 」  に、私の場合は、、、と考えてみて( めちゃ真剣に考え巡り )、

「 頑丈なテーブルがいい 」 に、同感!って頷いて、

「 頭の毛が逆立ち心拍数が跳ね上がった 」 に、笑い崩れながら超絶共感!って

 さらに激しく頷きまくり、

「 長い年月の中の浸食や隆起、風土が感じられる 」  に、” terroir テロワール ” とい

 う言葉がふと思い浮かんだりしたのでした。

 

前後の見返しと5編のエッセイそれぞれのページを右左に開いたり閉じたりすると、セ

レクトされた岡部さんの画の 「 けもの 」 たちが新明さんの文章で生き生きと動き出す

ようなのです。

本の中にたっぷりと日差しが取り込まれていて、季節の空気や風が吹いていて、いろいろ

な時の濃度があって、今回の本のサイズと絵のサイズと配置、オフホワイトの紙の質感、

余白の美しさに目も気持ちも安らぐのです。

新明さんが個展の前にインスタグラムで書いていた 「 岡部の発表の絵をもとに生

本です 」という一文を思い出し、このような本を生んでくれたお二人にありがとうっ

て、こころからそう思います。

 

画集ですね。エッセイ集ですね。どちらもですね。どちらでも、ですね。

素晴らしい曖昧さ、

見事な融合、

シミー書房そのまんま!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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