ゴッドランド / GOD LAND

 

 

鑑賞前に宣伝用のチラシを見て自然に浮かんだストーリー予想は、大方違いました。

19世紀後半。

デンマークの若い牧師が、当時デンマークの統治下にあったアイスランドに教会を

建てるというミッションを遂行すべく、過酷な旅路の果てに彼の地の辺境の村に

辿り着く。さてそこから・・・・・

 

「 予測不能な展開に釘付け 」

「 ” 火と氷の国 ” アイスランド辺境をめざす、壮大な秘境冒険の旅 」

 

などというコピーがあり、でもきっとこの若い牧師は、ものすごい苦労をするんだ

けれど、ついにミッションを成し遂げ、現地のアイスランダー達とも心を通じ合わ

せることができて教会も建てることが出来て、感動の結末を迎える、のだろうな。

なんたって牧師さんだもの。なんたって若くて一途なキリスト教徒、強靱な信念を

持っていそうだもの。なんたって背も高くて、チラシには大写しの顔は載っていな

いけれどイケメンそうだし、だったらなんとかなるのが定番だし。

って、全部覆されました。全くそんなことにはなりませんでした。

今まで見てきた映画では体験することのなかった無法感に衝撃と感銘。

素晴らし!

 

主人公の若きデンマーク人牧師・ルーカスね。

最初からダメだったのでした。本当に残念な青年でしたね。

こんなに共感できない主人公もちょっといないのでは?!

顔つきがどんどん悪化する!どんどん狂ってくる!

自尊心が高く、被統治国アイスランドを見下し、同行するアイスランド人ガイド、

荷物を運び野営を組み立てる下働きのアイスランド人達に対する命令口調と決して

打ち解けようとしない態度は、瀕死でアイスランドに上陸してからも、最後まで変

わることなく、自分で自分を追い詰めてしまうのですよ。

君ホントに牧師さんなの?とても哀れです。

自然光を見事に取り込んで比類の無い美しさで、人間性の根源をあぶり出そうとする監督

の感覚には、絵画的な美の構図があるように感じます。シャープで静謐というような。

宗教とは?信仰とは?布教とは?文化国家とは?

国土の形態、自然の驚異、民族の歴史と文化をなぎ倒し支配下に置こうとする植民地化の

無益と不自然さを、愚かなルーカスとその布教と呼ばれる不毛な活動が伝えます。

アイスランドの神々しいほどの大自然も生活文化も美しく素朴で、土着の信仰心に根付い

ていて神秘的で不動なのです。

その対比を描く、クラシックと新しさ両方の大変魅力的な作品でした。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

明日はちょっとお天気は心配のようですが、週末は晴れマークですね。

気持ちの良い新緑の週末が楽しみです。

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を心より

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オッペンハイマー / OPPENHEIMER ( 続き )

 

想定通り、核爆発は起こり実験は成功。

オッペンハイマーとそのチームは歓喜に包まれます。物理科学の歴史に自らが新たな

1ページを開いたことに対する科学者しての純粋で究極な喜びと誇り。

核爆発の瞬間の化学反応としての現象の美を見届けることができた達成感。

原子爆弾は完成と同時に政治権力に運び去られ、オッペンハイマーの役割も事実上の

完了と見なされます、国家的には。「 よくやった、お疲れさん。」 と。

運び去られた原爆は、翌月8月に長崎と広島に投下されます。

 

人類が、持つ準備ができていない制御不能の最終兵器を生み出し、

地球上の生命が滅亡する可能性を生み出し、

核軍拡競争の連鎖反応を始まらせ、

戦争終結の名の下に実用され大量殺戮を実現させ、

世界の在り方を変えてしまった全ての中心に立つオッペンハイマーが、この後の生涯を

どれほどの苦悩の中で生きたか。

降り始めた雨で水面に生まれる波紋に、核弾頭が次々と爆発し連鎖を引き起こしていく

ビジョンを見ているオッペンハイマー。

若かりし学生時代から既視感覚にあった波紋のイメージがついに繋がったのが、世界の

終焉のビジョン、爆裂するキノコ雲の連鎖であったとは・・・・。

天文学的な単位であろうその重圧を、クリストファー・ノーランは爆裂と業火の映像

地鳴りのような音響で私たちをオッペンハイマーの脳内にワープさせます。

宿命のあまりの巨大さ。

スクリーンを観ていて・・・泣けました。

一人の天才科学者が人類のターニングポイントそのものと成った時、政治が、国家が、

世論が、彼をどう扱ったか。どう利用し、どう崇め、葬ったか。平和とは何か。

ノーランの緻密な映画作品には、命懸け、という言葉が浮かぶのです。

 

物理学者と同等に会話できるであろう学問的知性、政治歴史学者に匹敵するであろう

解釈力と知識量、それらは映画制作上の最低限の基礎部分であって、ノーランの仕事

はそこから。

20世紀、その最重要歴史が、核がこの世に生み出されたことであり、

後に 「 原爆の父 」 と呼ばれるようになるオッペンハイマーであり、

核爆弾によって圧倒的な国力で世界を制したアメリカの政治権力であり、

第2次世界大戦末期か1960年代までのその激動を、映像にする。

世界最初の核爆弾の製造過程、どのような形でどのようなマテリアルで、どのような

重量感であったか、

ロスアラモスでの実験によって人類が初めて目にする核爆発がどのようなものだったか、

聞会の狭い密室で、オッペンハイマーはいかに共産主義のスパイ容疑者になったか。

 

映画であり映像であり、本物ではないことは充分に解っているにもかかわらず、私たち

はノーランの表現するそれらの事々の途方もない重量の表現に唖然としてしまいます。

本物ではないと解って観ているのに、当時のリアルのごとく生々しく映し出され、そ

の恐ろしさ、重圧感、異様な禍々しさ、そしてある美しさを観ることによって、核、

支配権力、自由剥奪の狂気を疑似体験させられるのです。

ノーランはアナログ主義で知られた監督です。CGは極力使わずに想像を超えるよう

なセットを建設し、フィルムで撮影すること、そして配信ではなく映画館でのみ上映

することに信念を持ち、強いこだわりを貫いています。

” 命懸け ” と感じるこの特別な大作映画 『 オッペンハイマー 』の内容を、ぜひ映画館

のシートで観て欲しいと思います。

 

 

 

『 オッペンハイマー 』 はすごい映画だったと思います。

「 ノーラン様 」 です!

( 明日につづく・・) なんて書いておきながら結局一週間後になってしまいました・・

そして、明日は金曜日、パスキューアイランド・パン販売の日。

雨降り続きで、せっかく咲き始めた桜が散ってしまわないかと気に掛かりますねえ。

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのお越しを

お待ちしております!!

 

 

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オッペンハイマー / OPPENHEIMER

 

 

ユナイテッドシネマにて。

オープニングに水の波紋が現れ、物語が始まります。

米ハーバード大から英ケンブリッジ大学に留学中の若き日のオッペンハイマー。

目が覚めて、見ていた悪夢に取り憑かれてもいるかのように、まぶた

残るイメージが伝える掴めそうで掴めない何かを探り、思い返し、苦悩の中で

重たい朝を迎える。繰り返し。

そのイメージが水の波紋なのです。

降り始めた雨の粒が湖面を打った瞬間のような、自然界の現象の神秘的な美しさ。

オッペンハイマーの宿命と人生そのものの象徴であるかのように、波紋のイ

ージは彼の脳内に在り続け、現れ続けます。

衝突時のエネルギーというような・・・頼りなく壊れてしまうというような・・・。

 

第2次世界大戦前夜のナチズムの台頭や、アインシュタインから始まった20世紀の

物理学の進展~米マンハッタン計画における原爆実験成功とその投下まで、戦後の

米ソ冷戦時代の米国 VS. ソビエト連邦の拮抗、国内から共産主者を徹底的に排斥

した赤狩りの狂気・・・

『 オッペンハイマー 』 は、時系列を複雑に前後させながら、アメリカの時代であ

20世紀の政治の権力中枢で何が起こっていたかにまで及ぶ、まさに世紀の時代

検証が私たちに解き明かされてゆくような作品でした。

 

第2次世界大戦中の1943年、マンハッタン計画と名付けられた原子爆弾を完成させ

るための実験研究にノーベル賞クラスの物理科学者達が世界中からリクルートされ、

オッペンハイマーがリーダーとなってニューメキシコ州ロスアラモスの砂漠地帯

研究所が建設されます。指折りの才能集団をまとめながらも際だった頭脳の持ち主

だったオッペンハイマーは、軍部つまり政治権力監督の中で、核分裂による連鎖

反応が原子爆弾を可能にすることに気付きます。

この理論を現実化した瞬間、人類は最終兵器を手に入れる。

最終兵器が意味するものが解っていながらも、純粋な化学現象としての核爆発の

究極な一瞬を目撃したいという科学者としての業。

軍部からの圧力と第2次世界大戦終結という政治的大看板に押し切られるように

オッペンハイマーとそのチームは、ロスアラモスの広大な砂地で核爆発の瞬間を

迎え、成功を確かめ、歓喜に包まれるのです。

( 明日に続きます・・・ )

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

今朝通勤途中に、れんぎょうの花が一斉に咲いているのを見ました。

れんぎょうの黄色!ああ、今年も咲き始めたな、と春を実感しなんとも嬉しく

なりました。これからどんどん咲いていきますね。

気温はまだちょっと不安定ですが。

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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カラオケ行こ!

 

シネマフロンティアにて。

原作コミックス 『 カラオケ行こ! 』( 和山やま作 ) のファンとして、これは観逃

わけにはいくまいて! って意気投合して公開日を心待ちにしていた私と息子。

学校もあったし部活もあったしで、すぐには行けなくて、2月の三連休の12日(

・建国記念日振り替え )にようやく行って参りました~!

とても楽しみにしていた私たちなのでしたが、

実は、観る前には、あーでもないこーでもないと、散々言い散らかしてました。

 

「 綾野剛ね。」

「 狂児のイメージってさぁ、綾野剛じゃないんだよなーオレは。 」

「 聡実は? 」

「 聡実もちょっとカワイ過ぎる。 」

「 前髪がちと長いかもね。齋藤潤クン、知ってる? 」

「 知らねー。 」

「  原作が映画化、それは別作品としてですね、割り切らないとサ。」

「 そう、それな。 」

 

とかなんとか。勝手なこと言いたい放題。

 

午後2時台の上映開始だったので、早めにお昼ご飯を食べ ( 道庁そばスパイスカレー

専門店「 チャンダマ 」へ。いつも通り大変結構! )、シネフロ、早めにチェックイン

済ませて、まだまだ時間に余裕があるから紀伊國屋でも流そうぜ、という段取りで、

実際そうしたのでしたが、シネフロのセルフチェックイン機前でたじろぎました!

『 カラオケ行こ! 』の10番スクリーン、まさか (  1時間以上早めの購入だし普通に

空いていて普通に選べるって安易に予想していたの、すみませんっ! ) の満席寸前!

埋まっていないのは最前列の左端3席のみ!

ワナワナしながら端から2つ目3つ目を即刻購入し、初の最前列鑑賞への不安と、

祝日だから?原作コミックスファン?綾野ファン?両方?という満席の衝撃を胸に

紀伊國屋で立ち読みしてました。

 

さーてさて。

映画版 『 カラオケ行こ! 』、どうだったか?というと、

もう最高でしたーー!!

原作への敬意と愛情が充分に表現されてました。

聡実が部長を務める合唱部の副部=和田のキャラクターを膨らませていたり、

一人部員の「 映画を観る部 」の部室?雰囲気のアルアル感+部長/部員の男子が

素晴らしく良い、など聡実の中学校生活と彼の抱える声変わり&思春期のモヤモヤ

を、原作には無い挿話で違和感をぜーんぜん感じさせることなく表現できていて。

四代目 祭林組 若頭補佐=ヤクザの成田狂児( なりた きょうじ )役、綾野剛の

繊細かつコミカルな演技!色気!世の中からのはみ出し感!めっちゃ狂児だった!

綾野さんスバラシ!!脚長い!

気が弱いのか強いのか、不安定な悩める聡実を演じる齋藤潤も上出来!

祭林組の組員総出のカラオケシーンも爆笑でしたし、聡実の家のインテリア??の

逆こだわりの美術演出も上手かったなー。

そして、

ガチャガチャした大阪の場末や、中学校の前の雑木などの何気ない風景での映像美

が意外な感動でしたよ。

 

原作漫画もそうですし、映画版も当然そうなのですが、この物語の成功のポイント

は ( ストーリーの奇想天外さや、各キャラクターの魅力はもちろんなのですが )、

実はもう一つ、その大阪弁にあり、とみた。

大阪弁ならではの密接感、話が早いテンポ、ボケとツッコミのナチュラルさ、全体

をまとめ上げて司っているのは、大阪弁やったんやでー!ええなぁ~大阪弁!

 

ということで、観終えてから今に至って、

 

「 良かった。しみじみ良かった。」

「 綾野剛も齋藤潤も、合ってたし。」

 

って繰り返し思い出しては笑いあって。語り合って。

また観に行きまっせ。親子でな!

 

『 カラオケ行こ! 』和山やま作 / KADOKAWA eb!enterbrain

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

冷たい風、冷たい気温、冷たい路面・・・春が遠のいたような今週でしたが、

明日金曜日から晴れマークが続いてますよーよしよし。

ツルツル一転グシャグシャの道路ですもの、ゴム長靴の人が増えてますね。

足元どうぞお気を付けて。

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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枯葉 / Kuolleet Lehdet

 

シアターキノにて。

 

ジャズのスタンダードに 『 君 微笑ば 』 という 曲があります。

メロディも素敵なのですが、歌詞もとても素敵なのです。

 

    Oh,when you're smilling,          君が 微笑めば

    when you're smilling,             君が 微笑めば

    The whole world smilling with you,baby    君と一緒に 世界中が微笑むよ

 

カウリスマキの映画の登場人物達は、笑わない。

全員ポーカーフェイスの中で物語が始まり、ポーカーフェイスのままいろんな事にぶち

当たりながら、ポーカーフェイスの中で閉じていく。

フィンランド人は笑わない人達なのかな、と思ったのですがそうではないらしいので、

カウリスマキ流なのですね。ほぼ笑わない人達がいろいろやっていくから、そこに

ちょっとヘンテコな ” ズレ ” が生まれて、何とも言えない可笑し味が生まれる。

社会の底辺層で生きている人達の物語を描いてきたカウリスマキの、厳しさと同じく

ユーモアと温かみを伝える技でしょうか。

ヘルシンキの街でつつましく生きているスーパーの契約社員のアンサ、そして町工場

のブレスト職人でアル中のホラッパが、ある時ふと出会う。笑わない二人の目が合い、

惹かれ合う。そして、幾度ものすれ違いを経て、二人 ( と犬 、名前はチャプリン! )

が秋の公園を歩いて行く後ろ姿で終わります。

アンサがね、ホラッパとやっと再会できた時に、少しだけなのですが、でも確かに

微笑むのです。口角をちょっとだけ上げて。目の中にホラッパを入れて。

そのたびに、ホラッパは 「 君が微笑むと、世界中が微笑む! 」 って想っているのが

わかるんです。生きる希望を信じることができる、と。

 

アキ・カウリスマキ作品が大好きで全作観ています!というコアなファンの方達知っ

ているので、『 浮き雲 』『 希望のかなた 』と今作 『 枯葉 』 の、たったの本しか

ていない私があれこれ述べるのはちょっとどうかしら・・・と気後れ気味なのすが、

お許しいただくとして。

突然の引退宣言から6年、カウリスマキが映画界に帰ってきた!と話題の『 枯葉 』。

観終えてキノを出て狸小路6丁目の日常感の中に足を踏み出しながら、じーんとした

感動に包まれておりました。

媚のない、矛盾のない、無駄のない、その手練れの演出。

それでいて、

柔らかくて暖かくて美しくて可笑くて、とてもロマンティックで。

カウリスマキの新作を観ること、それは、本当に特別な幸福なのだということがじわじ

わと沁みてくる。心から納得できる。

ある愛を描いてなにもかも完璧な、傑作でした。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

春はすぐそこまで近づいていたはずが、今週はまた遠ざかったかのような冷え込み

でしたねえ。みなさまお元気でしょうか?

でも、日が伸びて、光の透明感はまさしく春のもの。体を温めるおいしいスープが

風邪の予防に一番ですね!そしておいしいスープには、おいしいパンですよ~

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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コット、はじめての夏 / The Quiet Girl

 

 

サツゲキにて。

1981年夏、アイルランドの田舎の農場で、両親と姉たち、兄と弟たちと暮らす9歳の

コットが過ごした一夏の日々を描いています。

飲んだくれでギャンブル依存で農場の仕事をほぼ放棄している父親と、貧しいために

心も生活も維持できなくなっている母親、当然子ども達にも暗い影響が出ています。

家でも学校でもみじめで、お腹がぺこぺこで、孤独なコット。

英題の『 The Quiet Girl 』の通り、コットは静かな少女ですが、このような環境では

ますます口を閉ざして、たった一人野っぱらの草の中に身を横たえて家族から離れて

いたり、ベッドの下に隠れるようにしていたり・・・誰もコットに気を掛けることは

ありませんし、コットは悲しみや寂しさなどの感情を自分の内側に秘め続けています。

さらにもう一人出産予定の母親が、家事と子ども達の世話を少しでも軽減するために、

夏休み中コットをいとこ夫婦に預けることになりました。

コットの家からさらに車で3時間という自然に囲まれた農場を営むアイリーンとショ

ーン夫妻は優しく暖かくコットを迎え入れるのでした。

 

コット役のキャサリン・クリンチ!

彼女の存在が全てに息を吹き込み、彼女がいるただそれだけで、この作品全てに生命

がいき渡る、信じることが出来る。

縮こまって怯えていたコットが、夫妻の愛情 ( 夫ショーンの朴訥な優しさよ!)

接するうちに、少しずつ手足を伸ばし、心を開き、本来の声を言葉を取り戻してゆく

日々を、見事な演技で表現しきっていて驚きます。

内に秘めた繊細な感情を湛えるブルーグレイの瞳と、艶やかなダーブラウの長い

髪の、内気な少女コットそのもののキャサリンが本当に素晴らしい!

 

夏休みが終わり、家に戻ることになるコットとショーンの抱擁シーンは忘れがたく、

この後コットがどうなっていくのか、余韻を残すのでした。

 

 

春めいたこの2~3日、今年は雪解けが早そうですね。気温の上下はまだまだ続き

ますので、用心しつつも気持ちは春に向けて何となく明るくなってきましたよ。

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

ザックザクに融けかけの雪道、足元はかなり悪いので、どうぞお気を付けていらし

てください。

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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ポトフ 美食家と料理人 / La Passion de Dodin Bouffant

 

お正月休みにシアターキノにて。

とても美しい作品でした。

 

19世紀末、フランス。

副題の通り、美食家ドダンと天才料理人ウージェニーは、仕事と人生が分かちがたく

結ばれていて、二人も分かちがたく結ばれているのでした。その二人が共に暮ら

いる森の中のシャトーの大きな厨房から物語は始まります。

敷地内の豊かな自然、その自然からの贈りものである収穫物をふんだんに使って

ウージェニーの調理シーンが何といっても圧巻でしょう。

瞬きするのも忘れてしまっていたと思う。

周到に準備された極上の食材が、スピーディに、リズミカルに、丹念に、手間と手順

を重ねて輝くひと皿へと仕上げていく調理人の手元を、全編自然の光で、何と!

ワンカットで撮影されているのです。

19世紀末、産業革命以降のヨーロッパでは機械化電化が急速に波及していた時期に

そのシャトーには電気はきていても、使われている電化製品は照明器具くらい ( オイ

ルランプとキャンドルがメインの灯り ) で、全てが手と体と素朴な道具で切り盛りさ

れていて、当たり前ですが電磁波ほぼ0。

暮らしの中で生み出されてきた理にかなった道具類は美しく、使う手や動作がまた

美しく、石造りのシャトーの空間の佇まいも美しく・・・・・

ましてや厨房、大型の幾口かのコンロ台やオーブンの燃料は薪、庭にすぐに出ること

出来る光溢れる厨房では、使い込まれた木製ヘラ類、銀のスプーン類、レードル類、

ナイフ類、笊類、漉し器にまな板、磨き上げられた銅の鍋類、当時の陶器の器類、

そして上等のリネン類を、ウージェニーと、の指示通りに的確に動く助手のヴィオ

レットが当たり前に使いこなしている様に感嘆、ため息・・・!

挿入音楽一切なし、映像と共に深く印象に残るのは、調理で発せられる音の数々。

火と水と、新鮮なバターと新鮮な素材と、道具と調理人が奏でる音、

シャッシャッ、ジャーーッ、トントントントン、シュッシュッ、e.t.c. e.t.c.

石の床を靴( 木靴? ) が忙しくも優雅に移動するときの音、綿や麻の作業用のドレ

ス ( 上質オーガニック、ナチュラルな染料、襞を寄せたクラシカルなデザイン! )

の衣擦れ音、こつこつこつ、カタカタかた、サワッサワッ、シュッ、シュッ・・・・・

 

ドダンの美食仲間を招いての午餐会のためのこれらフルコース料理が次々と2階

の一室のテーブルに運ばれて、お客たち ( 4人みな男性 ) に、料理とそれに合

わせたワインの説明をするドダンの得意な様子、そして至福のひとときを享受し

満喫し尽くす美食おじさん達の満足のため息がもれる様子に、一緒にため息・・・

 

私は、この映画はここまでで完了でよいのではないだろうか、と思います。

映画が始まり、美しい映像に夢中になりつつも、頭の中で同時にいくつかの謎が

浮かびながらの鑑賞でした。

ドダンとウージェニー、このお二人は一体どうやってこのようなシャトーに住まっ

いるのだろう?

収入源はなんだろう?

美食家という職業が当時は存在したのだろうか?

彼らの社会的な地位のようなものって、どのような? もしかしてドダンは貴族の

家系なのかな?敷地内の畑や森の管理をして、小作人がいて、収穫物を得ている?

美食家という種族がこのような田舎にもいるのだろうか?田舎暮らしだけれど、

都会 ( パリとか ) との繋がりはどのように?二人の活動とは?

化学的な論理を摂り入れた最新のデザート料理を仕上げたりするドダンは、軽やか

な思考の男だと思うのだけれど、長年ウージェニーに求婚し続けるのは何故だろう?

料理への情熱とお互いへの尊敬と愛情で深く結ばれている二人。結婚にこだわる

その理由・・・?

ウージェニーが突然 ( 観ている側にとっては )病に倒れますが、しかも死に至る

病なのですが、最高最上の環境で、料理という手法で様々なものたち( 材料 ) の

命を美味なる料理へと形を変えて繋いでいく天職を、天才で表現できているそんな

人が、一体どうして病気になどなるのだろうか??過労?ストレス?ないでしょ?

何度もしたけれどこれで最後、という求婚で、ドダンがウージェニーのためだけに

自ら料理した素晴らしいフルコース料理を全部平らげているウージェニーは重病?

ドダンにとって、自分は 「 料理人?妻? 」 と最後に問うウージェニー、どっち

でもよくないですか? どっちも、でよくないでしょうか??問いの意味合いを

うまく理解しきれないのでした。

 

などなど・・・・・

背景がまるでわからなくて、上記の厨房シーンや美食フルコースシーン、そして

二人の結婚を祝う、森の平地にて長ーーーいテーブルでのパーティのシーン、の

見事さ素晴らしさ対して、物語が後付けぎみに思えてしまうのです、私には。

説得されないままに観終えてしまいました、悲しい・・・。

どうしたらいい?トラン・アン・ユン( 本作の監督 )?

 

そこで、鑑賞後パンフレットを購入したというおふみさんにパンフレットをお借り

したので、読んでみます。あーあ、そういうことでしたか!そういう背景があった

のでしたか!なるほど、となるといいな。

でも、パンフレットを読まなければわからないまま、というのは、映画として

やっぱりどうかなあ・・・もやもや・・・どうなの?トラン・アン・ユン??

たぶんこの映画を鑑賞するには、私には素直な感性のようなものが足りなさす

ているように思えます。理屈っぽいといいましょうか・・・。

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

1月、2月、観たい映画が次々と!

映画館に行ける札幌在住、やっぱりここは頑張って行かなくてはネッ。

 

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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ゴーストワールド / GHOST WORLD

 

2000年公開の、カミング オブ エイジのカルトムービー 『 ゴーストワールド 』 が

この度リヴァイバル上映!と、さえこさんからの推し情報を得てサツゲキにて。

 

『 ゴーストワールド 』 というタイトルについて、

幽霊世界・・・あの世・・・ゴーストの棲む世界・・・何か違う、しっくりこない

・・・ホラー要素全然なかったし・・・観終わって何となく考えていて、

そしてその夜、チラシを一目見て息子が 「 ” 終わってる世界 ” かー 」 と言ったのを

聞いて、ポンッと手を打ち、おおそうか!その解釈はすんなりくるな、とスッキリ

したのした。

 

1990年代のアメリカの架空の田舎町のお話しなのです。

高校の卒業式前夜、明日着用の、赤くて安っぽいサテン生地風の卒業ローブを引っか

けてTV画面のインドの歌謡ショー( ? ) の男女のダンサーと一緒に頭を振って踊

まくっている女の子を、窓の外から眺める趣向のオープニングからしてエグイ。

そのエグイ彼女こそ、今作の主人公:イーニドさん ( 写真向かって右のメガネ )、

なのでした。親友のレベッカ ( もう片方の緑色 ) とともに、卒業証書を受け取って、

校門を出た途端にまずはローブとお揃いの赤の角帽を脱ぎ捨て地面にたたきつけガシ

ガシ踏みつけてぺちゃんこにして、バンザイ!!やっと解放された!!

のだけれど、大学進学を選ぶでもない彼女たちは、卒業と同時に ” 終わってる世界 ”

つまり 地元 にぽんと投げ出され、次に進むべき方向、行ってみたい場所はどこなの

さっぱりわからなくて、うーーーむーーー・・・・

という子ども時代の最終段階を、ブラックな笑いと醒めたセリフと意地悪な目配せと

悪趣味ないたずらと渋~くてオタクな音楽とで描いてみせた、とても好みの映画でした。

 

イーニド・レベッカの二人組は、街をうろついては、終わってる世界の終わってる

大人達や、空っぽ頭のバカな同級生達を見下し嗤う。嗤っているうちにハードルが立

現れ、彷徨っているうちに場面と状況はは変化していき、シニカル武装ではどうにも

乗り切ることができない新しい事態に出くわし巻き込まれて、狼狽えていくのです。

 

ごっついコンバットブーツがトレードマークのイーニド。カメレオンのように髪の色

もファッションもコロコロと変えて、目を付けたおかしな人物達をクスクスとバカに

しながらイラストにして描き続けるイーニド。レベッカは徐々に社会に適応していく

のかな・・・と思わせるのですが、イーニドは難しいよね。

世の中のボリュームゾーンにはどうやっても合わせていくことはできず、立派な

はみ出し者であるという自負はある元若者の私は、思えば遠くまで来たものだと、

あの頃を懐かしむことができる今の私は、イーニドに一言 「 ぜーんぜん大丈夫だよ!」

って言ってやりたいのです。

終わってる世界=狭い地元なんかさっさと出て行って、あなたはN.Y.C. なんかの大都会

アーティストになったらいいよ。きっとイーニドがのびのびとやっていけるよ。

とかってね。

最後にバスにちゃんと乗れたイーニドに 「 矜持を持ってレッツゴー!」 って本気で

エールを送りました。

もし20代で観ていたら ( 無理ですが、2000年 )どんな感想を抱いたかな私。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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原点映画 『 ツィゴイネルワイゼン 』

 

一回目は途中で寝てしまった。

( 睡魔に絡め取られてしまうと、映画館ほど寝落ちに最適な条件が揃っている

場所はなし、ですね、この間もキノでウトウト・・・ )

そして二回目、どこで観たか、確か jabb 70hall だったと思う、今度は眠気は最初から

ゼロでの鑑賞でしたが、何と何と!

この映画は大袈裟に言うと、今に至る私の感覚を目覚めさせた生涯のマスターピース

の一本になってしまうのですから人生わかりません。

( 続く )

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

雨が降っていて、冬感が揺らぐ今週です。

もう12月って言ってるでしょ?! 揺らぐな冬! ぷんぷん! って怒ってもねえ

一度は乗り収めしたはずの自転車を再び出して通勤できているのですから ( 地下

鉄駅まで )楽といえば楽ちんなんですが。

本当に今年は上下に揺らいで定まらずの冬ですねえ。

でも、どうぞ寒さには用心なさって、暖かくしておいでくださいね。

 

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

 

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ミッション インポッシブル / MISSION : IMPOSSIBLE

 

たのしいなつやすみ、『 インディ・ジョーンズ/ 運命のダイヤル 』 があまりに良かった

ので、勢いづいてもう一丁行ってみよう!!ってことで、

『 ミッション イン ポッシブル /  デッドレコニング PART ONE 』も観てしまいました私

たち。それも、初めての IMAX シアターで。

本日の見出し画像がそのチラシなわけですが、トム、一体何がどうなっちゃってるの?!

っていうもの凄いンパクトの画ではないでしょうか。

これを確かめずにはおらりょうぞ。

 

トム・クルーズ御年60歳 ( 私と同い歳、オーマイガー! )スタントマンなし全ての

アクションがご本人!という、現・ハリウッドの生けるレジェンド、最後の映画スター

といわれるトム・クルーズの痺れるプロフェッショナルなお仕事を IMAX で堪能して

まいりました~~!!素晴らしかった!お口ポッカーンで惚けて見とれて、手に汗握っ

あと0.2 秒で爆発ーーーっ!で思わず目をつぶり・・・寸でで解除、ほぉーと脱力、

極上冒険アクション映像体験は、身も心も忙しく、エンターテイメントの本領=夢の

別世界への旅行 を実感した次第です。

 

トム・クルーズと彼のチームの情熱に加えて、この作品を貫くもう一つの重要な鋼の

ワイヤー、それはこの映画のテーマ曲 「 Mission : Impossible Theme 」ですね。 

この曲、耳にするだけでどうしてこんなにワクワクさせられるのでしょうか?

4分の5拍子のあのズンズンくるビート、ダイナミックで切り裂くようなメロディ、

きっと多くの人は聴いたことあると思われるし、聴いたことがなくても一度耳にした

ら忘れられない、犯罪の輝きと暗黒があって、プロの掟みたいな感じで、都会的で

シャープで、とびきりのノリのあの名曲。今回も IMAX シアターならではの音響設

備でオープニングから体全体にドスドス来てました。

作曲は、アルゼンチンの作曲家ラロ・シフリン。「 ミッション イン ポッシブル 」

は原作は1966年から1973年まで放映されたアメリカのTV番組で、このテーマ

曲も番組と一緒に日本へと上陸、毎回ミッション イン ポッシブル=不可能な使命

達成させるエリートスパイ組織の面々の活躍、そして指令伝達方法であるテープレコ

ーダーから最後に語られる ” この録音は自動的に消滅する・・・” のセリフと同時

テープが燃えてしまう不思議・・・のお約束場面で人気を博していたはず。

我が亡き父も大ファンで、内容は分け解らないけど一緒に観ていた記憶があります。

そして同時にこのテーマ曲もすっかりお馴染みになって私の耳の記憶の奥にあり続け

て、大人になって再びトム・クルーズによりもの凄くスケールアップ+グレードア

ップされたリメイク映画シリーズでも、 ” M.I.P. にこの曲あり !” と超渋くそして

脈々と作品のイメージを牽引し、響き続くことになったのでした。

 

このテーマ曲にこのワールドワイドな冒険アクションの3時間、贅沢だねえ~と、

思わずおとっつぁまに語ってしまいました。

 

30年くらい前、毎晩残業続きのロクデナシの娘が帰宅後、テーブルには

こんなメモが・・・

 

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

ようやく暑さが下火になってきたような。来週からは気温がぐっと下がる予報です

ね、みなさまお疲れ様でした!

秋、澄んだ空気に食欲も戻り、意欲も湧いてくるというものです。

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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たのしかったなつやすみ

 

『 なつやすみのおもいで 』

ぱすきゅーあいらんど おおぜきまさよ

 

わたしは、8月5日に、かぞくでえいがかんにえいがをみにいきました。

みたえいがは、『 インディー・ジョーンズ うんめいのダイアル 』 という

えいがです。このえいがは、とーしゃんが 「 これはとてもおもしろいえいがだか

ら、力も楽しめると思うよ! 」 と言ったので、力もいっしょに3人で行きました。

ファクトリーのユナイテッドシネマでみました。

 

大きなすくりーんで、はくりょくまんてんのアクション!

こうこがくしゃのインディー・ジョーンズの、じくうをこえた大ぼうけん!

三人ともに、大スクリーンと大おんきょうとおはなしのおもしろさに心をうばわれて

口をあけてみいっていたと思います!

主役のインディー・ジョーンズやくのハリソン・フォードはなんと81さい!!

1969年のニューヨークというせっていで、たくみなCGづかいとあわせて大学の

こうこ学のきょうじゅをいんたいしたインディーが、あっという間にぼうけんにまき

こまれていって、大かつやく!

あのゆうめいなインディー・ジョーンズのテーマ曲がながれ、むねがあつくなって、

大かんどうのえいがでした。

 

みおわって、ロビーで力に 「 どうだった? 」 ときいてみたら、

「 いやあ~~!めっちゃおもしろかったっ!! 」 といいました。

力も、とーしゃんも、そしてわたしも、インディー・ジョーンズのテーマ曲がながれ

つづける頭とこころで、えいがかんを出て、

「 ちんたおはんてん 」 という中国りょうりのおみせに行って、ピータンどうふとか、

ユーリンチーとか、ごもくチャーハンとか、ぎょうざとか、中から肉じるがぴゅっと

出る一口サイズのなまえわすれたおいしいやつとか、おとなはちんたおビールも飲み、

さいごにあんにんどうふもたべて、たべながらえいがのかんそうなどをあつく語り

あって、とてもすばらしいばんごはん時間をすごして家に帰りました。

 

うちのいえは、キャンプも行かないし、旅行もしないし、イベントやテーマパークに

も行ったことがありませんが、3にんそろって、えいがかんでえいがをみるのは

うちらしくて、とてもよいなつやすみのおもいでになりました。

ああ、たのしくて、おいしかったです。

 

 

 

 

おしまい・・・・・

なんかスイマセン・・・・

インディーの映画チラシがなかったもので、手描きしてみたらなぜか宿題絵日記風に

こうなっていました・・・・・

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

記録的な暑さだそうですが、みなさまご無事ですか?

残暑お見舞いも申し上げます~

みなさまの夏休み、いかがでしたか?

そして、

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

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苦い涙( 続き )

 

 

1970年代のドイツ。

ケルンの古いアパートメントの一室で展開する室内劇仕立て・・と、観終わって

気づくんです 「 あれっ?!主人公はもしかしてアパートの部屋から一歩も出てない

んじゃ?! 」 って。フランソワ・オゾンの演出が冴え渡る。

舞台の幕開けともいうべきファースト画面からその美しさに萌えます。

画面右に、黄色と赤の紅葉が揺れる窓辺は、鉄の窓枠、ゆがみのある厚い昔のガラス

がはめ込まれていて・・・

その窓辺に立っていた華奢でスマートなのだがちょっと微妙なヒゲの男が、ボルドー

色のカーテンをスルスルと引いて開けていきます。

そして、画面一転、室内には大きなベッド、ボルドー色のカヴァーの羽布団の中で

わめいているのは、失恋したての映画監督、ピーター・フォン・カント。

見出し画像の白スーツの太っちょ男 = ピーター・フォン・カントは失恋の悲しみに

くれて荒れに荒れています ( ちなみにピーターはゲイです )。

アシスタントのカール ( さっきカーテンを開けていた、ピーターの今や執事 )

に当たり散らしやりたい放題みっともないったらありゃしない。

 

その最中やってきたのは、ピーターを一流監督の座に押し上げた親友の大女優

シドニー( イザベラ・アジャーニ健在の証明 )と、ピーターに引き合わせるために

彼女が連れてきた映画に出たい若者アミール( ♂ )。

持って生まれた美貌と、瞳の奥には野心の炎をギラつかせつつも、純なヒヨコ振り

じる若いアミールに見つめられたピーターは、さっきまでの失恋は瞬時になかったこと

になっちゃって一目で恋に落ちていく ( 堕ちていく )・・・・・。

嗚呼ピーター・フォン・カントの恋模様、そして運命はいかに!!

 

もちろん、分かってたけれどアミールとのパワーゲームは、どんどん下り坂を転がり。

アミールをアパートに住まわせ、映画の世界でやっていけるように助力してみたけれど、

ピーターの熱情にうんざり冷めて雑になっていくアミールの横柄な態度に、怒りと不安

と嫉妬と哀願、またしてもエゴ剥き出しのピーター。

いい加減ムリ、と去って行くアミール。

もうね、感心する。我を忘れた恋の亡者、恋の奴隷ピーター・フォン・カントの、

なりふり構わぬ狂乱振り、あっぱれなんです

演じるドゥニ・メノーシェが最高に上手くて、ピーターの一挙一動眼差しを観ている

だけで大笑い出来てしまう。「 もうアナタしか見えない 」 状態が、端から見ると

どれほどバカバカしくて大マヌケであるか、過去の自分をチラリと思い出して恥ずか

しくなる哀しさよ!

 

恋をしても愛を学べず。憐れなピーター・フォン・カントの苦い涙。

執事( を無言で引き受けていた ) のカールにも去られ、見事な室内劇の閉幕は、

憑きものが落ちたがごときピーター・フォン・カントが、自分で幕引きです。

古いドイツのアパルトマンの日は暮れて・・・。

カーテンがスルスルスルと閉められて・・・・。

 

傑作、傑作、大傑作だと思います。ぜひ!

 

 

 

この夏はコンスタントに映画を観に行っております。このあとも引き続き

一作ずつご紹介したいと思います。最近は今まで以上に映画館のビッグスクリーン

での鑑賞を意識してしまう。札幌はまだまだ恵まれていますものね。

そして、映画館を失いたくないものね。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのお越しを

待ちしております!!

 

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クロース / CLOSE

 

サツゲキにて。

目を見張る美しさ!

ダリアのような菊のような花が一面に咲き風に揺れる広大な野原を

二人の少年が走り抜けます。

レオとレミ。12歳。

二匹の野生の小動物のように、腰まである花畑の中を全速力で駆け抜けて無邪気

にじゃれ合います。二人は、時に24時間、毎日一緒に、こうして仲良く遊び食べ

くっついて眠りながら大きくなった幼なじみ同士なのでした。

この二人がですねえ、美しいのです!驚きの美しさ!呆れるほどの美しさ!

画面が始まった上記のシーンから、この二人のボゥ - ギャルソンに目が釘付け。

レミは黒い髪で黒い瞳。レオは金髪で青い瞳。童話の中の兄弟王子様ってこんな

感じでしょうか、手足はすんなりと長く棒っこのよう、大きくて澄み切った瞳、

その瞳を囲む長いまつげ、口角の上がった知的な唇、柔らかな癖毛がかかる細く

て清潔で無防備な首筋・・・でも二人は自分達の容姿などには無関心・・・

この男の子二人がお互いの肩に自分の頭をのせてみたり、くの字に重なって

眠ってみたり、空想の世界で遊び、自然光の中で見つめ合うのです、中学校に

入学するまでは・・・・・。

入学後のストーリー、特にこの作品の柱である ” 思春期の揺らぎ ” を展開させる

ためのターニングポイントの出来事については、私はちょっとはてな?納得し

かねるものなので、おおよそ三分の二は本格的な感動には至りませんでしたが、

はじめの三分の一、つまり入学前後のレオレミの驚愕的な美しさは鑑賞するに

値します、そういう作品 『 クロース 』でありました ( 褒めてる? )。

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

「 先週買ったパン、美味しかったのよぉ~! 」

先程ご来店のお客様からのお褒めの言葉!うれしいです!

またぜひいらしてください。ニコニコ。

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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苦い涙 / PETER VON KANT

 

 

シアターキノにて。

内容、作品情報、一切知ることなく映画館のシートに座りました。

唯一知っていて、そしてただ一つの鑑賞動機、それは、イザベル・アジャーニ

の最新作、ということでした。

去年の秋のトリュフォー特集で観ることが出来た、またこれだけは観たかった

『 アデルの恋物語 』 。アデル・ユゴー( そうです文豪ヴィクトル・ユゴーの

次女 )役のアジャーニのあまりの美しさに呆気にとられ、アデルは1975年

制作なので、2022年の今作で現在のアジャーニの美貌の様を見てみたいっ!

というゴシップ心で観に行ったようなものでした。

結果、

アジャーニは、きっちりとメイクして、ですが往年の美貌のイメージはちゃんと

保っておられましたし( ホッと安心?笑 )、それ以上に、なーんとなんと

この作品は、フランソワーズ・オゾンの最新作であり、中身を知らずに観たこと

もあってか、驚きの傑作を鑑賞した次第。

( つづく )

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

フライパンにオリーブオイルを引き、スライスしたこのプチパンをこんがりと

焼いて食べるのにハマッてます!・・・とオリジナルの食べ方をおしえてくだ

さったお客様は、うちのパンを 「 けんこつパン 」 と呼んでいるそうです!

まったくそうそう!げんこつパンですネ!

今週はオリーブオイルを新しく買ったので、わたしもオリーブオイル焼きに

してみようと思います。

 

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのお越しを

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

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ター / TAR

 

 

サツゲキにて。

とても楽しみにしていた一本。

主演:ケイト・ブランシェット vs. オリジナル脚本&監督:トッド・フィールドが、一体

何を描き出すのかワクワクしていたのです。

監督のトッド・フィールドが、「 唯一無二のアーティスト、ケイト・ブランシェットに

向けて書いた 」 という脚本です。

世界最高峰のオーケストラの一つであるドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

で、女性として初めて首席指揮者に任命されたリディア・ターの野心、音楽芸術、私生

登りつめた地位と権力、

その栄光と失墜、そしてそれから・・・・

を描いて ” 並み ” であろうはずがありませんでした。

 

リディア・ターという希有な芸術家について、

世界最高峰のクラシック楽団の組織と歴史的内情について、

カリスマ指揮者の文化的社会的地位と権力の実際について、

その演奏の重厚なハーモニーが生み出される現場について、

ジェンダーについて、

現代におけるインターネット SNSの席巻とキャンセルカルチャーについて、

音楽界における欧米中心主義からの変容について、

・・・・・・・

 

全編全てが驚愕の素晴らしさ!

緻密に計算され尽くした音楽デザインといい、衣装をはじめあらゆる選択が

物語の暗喩となる演出であり、何一つ見落としたくない緊迫感。

例えば音楽では、オープニング。

画面には延々とエンドクレジット( 普通は映画の最の最後に出てくる ) が

流れ続け、同時にジャングルの川のせせらぎの音や鳥の声、そして少数民族ら

しき聞き慣れない言語のヴォーカルが歌いはじめ、私たちは映画の開幕と同時

に戸惑いの中に放り込まれます。

映画が始まり、やがてこの最初のヴォーカルは、ターがかつて5年間滞在し

その音楽治療を研究調査したペルーの奥地のウカヤリに住む先住民族の癒やし

の歌であることが解ってくるのですが。

そして、エンディング。

結末の画面はここでは書かないでおこうと思いますが、エンディングの音楽は

きっと誰もがエッ!と驚くことでしょう。なぜなら、オープニングと同じく、

いえそれ以上にヨーロッパ文化のエッセンスであるクラシック音楽とはベクトル

まるで違う新しいパワーが生まれていることを示すかのようなのですから。

オープニング、そしてエンディングの音楽で、成熟しきって崩おれようとすら

しているかのような欧米文化~クラシック音楽を挟む・・・・・とは?

例えば・・・をあげはじめると、本当にいくつでも。切りがないのです延々と

しゃべり続けられるくらいです。

静と動の美しい映像が流れながら、徐々に拡がる潜在的な不協和音が確実に鳴り

響き、身動きが取れなくなったターが耳を覆うとき、彼女の現実は全て崩壊します。

 

感想を言語化するのがとても難しい。

鑑賞者によって幾通りもの解釈が生まれ得る謎めきと暗喩がちりばめられ、リディア・

ターというキャラクターを柱としたこの作品全体がミステリーともいえる。

思うに。

リディアは、自己の深い深いところでは、すでに次のステップへと進む段階に至って

いることを、解っていたし望んでいたのではないでしょうか。

全てを手に入れたかのような自分に、脱皮の時期が近づいていることを。

” 言葉にすることができない感情がある。音楽は、その感情を表現するもの ” という

バーンスタインの言葉に号泣するター。

自分の原点に立ち戻る重要なシーンだと思います。

最後の場面でのターは、私には希望に満ち、本当の音楽家として新たなる章でタクト

を振り始めたと映りました。

数年に一本の、特別な傑作。

私の今年のベストかもしれません、それくらい好きな作品です。

とにかくケイト・ブランシェットの神演技!

例えば・・・・・と、もう切りがないですよ・笑

観た方、ぜひパスキューで語り合いたいものです!!

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

暑くなってきましたね!

パジャマは夏用の半袖半ズボン、生地は涼しいサッカー地です。

窓を少し開けて眠ります、お腹を冷やさないように、タオルを掛けて。

みなさまの夏スタイルはいかがですか?

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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