毎週の出来事をお伝えします
電話室便り
出合いました。
この3月に、私は、ドボルザークの室内楽に出会いました。
日が傾いてくる少し前からレコードに針を落とします。
連続して聴いています。
弦楽5重奏曲Aマイナー, OP.1
ヴァイオリン・チェロ・ピアノ3重奏曲Gマイナー, OP.26
弦楽6重奏曲Aメジャー, OP. 48
ヴァイオリン・チェロ・ピアノ3重奏曲Fマイナー, op.65 ( Beginning )
ヴァイオリン・チェロ・ピアノ3重奏曲Fマイナー, op.65 ( Concluded )
2つのワルツ, op.97
弦楽5重奏曲Eフラットメジャー, op.97 ( Beginning )
弦楽5重奏曲Eフラットメジャー, op.97 ( Concluded )
以上が3枚のレコードに収められていて、アメリカの VOX という廉価版中心のレーヴェル
の、ドボルザークのチェンバーミュージックボックスセットの中のヴォリュームⅤ。
素晴らしい。
うっとりです。
どうやら、私は、スラブ圏の、暗鬱でウェットで、哀愁たっぷりの情緒が好みのようです。
写真家も、ブラッサイ、スデック、ケルテスが大好き・・・・・。
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生きた矢
2010-03-17 / 日々
あなたの子どもは
カーリル・ギブラン
霜田静夫訳
あなたの子どもはあなたの子どもではない。
子どもは 「 生命 」 の渇望からの子どもである。
子どもはあなたを通ってくる。
しかしあなたからではない。
子どもはあなたと共にある。
しかし子どもはあなたのものではない。
あなたは子どもに愛を与えることができる。
しかし考えを与えることはできない。
子どもは自分の考えをもっているのだから。
あなたは子どもの体を動かしてやれる。
しかし子どもの心は動かせない。
子どもは明日の家に生きている。
あなたはそれを訪ねることも、夢みることもできない。
あなたは子どもを好くようになれるであろう。
けれども子どもがあなたを好くようにならせようとはしなさるな。
人生は後に退き昨日にとどまるものではないのだから。
あなたは弓である。
そしてあなたの子どもらは
生きた矢としてあなたの手から放たれる。
弓ひくあなたの手にこそ喜びあれと。
今日は、息子の通う保育園の、卒園式の日。
いつもはジャージとエプロンの先生方も、今日は全員スーツ姿で、
卒園児の旅立ちをお祝いです。
おめでとう、 おめでとう、 いつまでも、 好きだよ、 青バッチさん、ありがとう。
お父さんお母さん方も、正装で、控え室での思いはどんなでしょうか・・・・・。
私までが、なんだか胸熱くなります。
どんどん伸びていってしまう 子どもたち!
誰にも止められない。
それならば、
さあ、どんなに遠くまででも飛んでおいき、と、
せいぜい、力の限り、弓ひく母さんでありたい、そう決心するのです。
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おたすけこびと
2010-03-14 / 本
去年の12月のある月曜日、
私と息子は、駅前の紀伊国屋書店の2階の、お日様の光のたっぷり入る
絵本コーナーにおりました。
棚からこの本を見つけたのは息子の方でした。
どれどれ、と、2人で開いてみた瞬間、2人ともに 「 おっ! 」 。
息子が一瞬早く 「 まーちゃん、この本 ” くださいな ” して!! 」
そして、即続いて私が、「 よし!今日はコレだね! 」
あとはろくすっぽ中身は見ないで、レジに直行。
家に着いて、改めてとくと眺め、我らの勘が大当たりだったことを確信。
『 おたすけこびと 』 は、全く新しい ” はたらくクルマ ” の絵本でした。
続々と登場し、目を見張る大活躍をする超大型重量車両がすごい!!
パワーショベルでしょー、ホイールローダーでしょー、
コンクリートミキサー車にコンクリートポンプ車、ブルドーザーにオフロードダンプトラッ
クでしょー、高所作業車にクレーン車、ウィングトラック、そして、何と!
ヘリコプターまでも!!!
私でさえわくわくしちゃう、工事現場のスター選手達が続々と登場。
そして、これらを見事操縦するのは、なななんと、
それはカワイイこびと達なんですよ!
彼らが巨大な特殊車両を使って、一体何をするのか?
これがまた驚きの楽しさ!!!
何と、お誕生ケーキを焼くのです!
ある日、おたすけこびとの事務所 ( ? ) に1本の電話が入ります。
「 はい、しょうちしました 」 ノートをひろげ、にこやかに応対するこびとさん。
さあ、しごとだ!
わあーーーっと、いっせいに駆け出してきたこびと達、そして重量車両軍団。
依頼の仕事現場は、キッチン。
ホイールローダーが掬い上げた小麦粉をダンプトラックが積んで、ボウルにザザーッ。
巨大クレーンで卵を吊り上げ、パワーショベルががっぷりとくわえた卵の殻を、
先端突起の振動ブレイカーで 「 トトトト パリン! 」 と割ってボウルの中に落とす。
巨大 ( こびとにとっては、ですが )かき混ぜ器を取り付けたショベルカー2台が、
グルングルンと混ぜ合わせ、そして、消防の特殊化学車が、混ぜあがったスポンジ種を
ホースで焼き型に流し込む。
型をオーブンに入れて、スタートボタンを押したら、さあ、ひとやすみ。
ここでのこびと達のコーヒーブレイクも楽しいよー!!
移動ドリンク車がちゃーんと到着していて、頭巾をきちっとむすんだこびと達が中にいて、
現場のこびと達に飲み物を渡すんです。
みんなかわいいヘルメットを脱いで、
それぞれ飲み物をおいしそうに飲んでいたり、ギターを弾いて歌っていたり、
おしゃべりしていたり、昼寝をしていたりしてるんです。
シポンジ台が焼けたと同時にお仕事再開。
オールテレーンクレーン2台で型から外し、次に登場するはコンクリートミキサー車と
コンクリートポンプ車だー。
ミキサー車で作られていたのは、ホイップクリーム!!!
それをポンプ車がじゅわわわわあーーーっと焼けたスポンジ台の表面に流しだし、
スクレーパーを装備したショベルカーが平らに伸ばす。
ポンプ車は引き続きポイップクリームをデコレーションし、ショベルカーは、届いた苺を
飾りつけ ( こびと2人でのこぎりを引いて苺のヘタをとってるのー!! )。
そしてハイライト、
” ババババババババ ” ヘリコプターがロープで吊って、空中搬入してきたものは、
「 おたんじょうび おめでとう 」 のクッキープレートだーっ!!!
真ん中に無事セットして、さあ ” できあがり ” 。
そして ・・・・・・ 。
この絵本の新しさ、楽しさは、一体どこからきているのだろう?
超重量特殊車両 vs かわいいこびと達
工事現場 vs ファンタジー
精巧な車両メカニックのイラスト vs ふんわりスイーツ
という、意外性溢れる設定のおもしろさに まず、わくわくさせられます。
そして、絵本全体の濁りのなさもとてもいい。
なんといっても、この本、空間の ” 白 ” が効いているのです。
その結果、車両の「 コマツ 」 イエロー、こびと達の衣服の赤・青・黄色・緑が、
クリアーで明るい世界を表現し、
ちょっと震える味のある線で細部まで書き込まれたイラストが、温かさを感じさせ、同時に
マニアックな興味の扉をも開いている。
大勢のこびと達のなかから、様々なポーズをするこびとをいくつも見つけたり ( ころび
こびと、旗振りこびと、お掃除こびと、e.t.c. e.t.c. ・・・・ )、各車両のメカや
機能を観察したり。
そして、極めつけは、こびと達の、スピード感のある仕事振り、ですね。
その、見事な段取り、鮮やかな手際。
あんなカワイイお顔と体で、まーあまあ、驚くべき仕事人集団なのです、彼らは。
以上のような考察 ( おとな読みはいやだネー、全く ) が、まあ、この本の魅力の理由
のほんの一部、ではありましょう。
作者 なかがわ ちひろ氏も、イラストの コヨセ ジュンジ氏も、
私は全く存じ上げないお二人でしたが、このような作品に出会うと、うーん、やられたな
あ、と感じずにはいられません。
1冊の絵本の全ての要素について、最高レベルで表現することに成功していて、
しかも、ユーモアがあり、そして、かわいい、のです。
男のおとなも、女のおとなも、男のこどもも、女のこどもも、みんなをワクワクさせて
くれるこびとさんの次なる依頼主は、どうやら、サンタクロースらしい。
シリーズ2冊目、『 おたすけこびとのクリスマス 』、
今年の暮れは、迷わず、
「 これ、くださいな!! 」 で、レジ直行だー!!
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みんなの みんなの ジョア
定休日明けの火曜日から金曜日までの4日間、
ここ、中央区は南1の西6・東急ハンズ界隈を営業しているヤクルトレディー、
通称 「 ヤクルトのおばさん 」 から 1本買ってます。
おばさんの動くお店である手押し車の小さな冷蔵ボックスには、いつも程よく冷えた、
いろいろなヤクルト製品が詰まっています。
そのなかから、私は、『 ジョア 』 。
もう、かれこれ8~9年になっちやうんだなあ、やれやれ。
味は、つい1年前くらいまでは、レモン味一辺倒でした。
全種類試したわけじゃあないけれど、私にはレモン味が一番おいしいっってことが
わかっていたからです。
ところが、原材料であるレモン、そして、オレンジ味のもとのオレンジの価格高騰により
この2つの味のジョアに関しては、定価95円を維持することができなくなったそうで、
なんと、レモン&オレンジの2つの柑橘味は廃盤になってしまいました。
ええーーん、えーん。
その悲しい報告を、すまなそうにしてくれたヤクルトのおばさんは、なーんにも悪くはない
のに、私ったら、一瞬は、
「 もう結構ながく買い続けたし、私のレモン味がなくなるのなら、いっそこの辺で
一区切りにして、もうやめよっかなー 」 などという思いが頭をよぎりもしたのですが、
翌日、おばさんが、
「 レモン味は、今月でおしまいなんだけどね、新しく、白ぶどう味が登場するんで、
どうでしょう? レモン味がないならもうやめる、ってお客さんが4人もいて・・・・
おばさん、悲しくって・・・・ 」 と、恐る恐る上目遣いに私を伺うのでした。
「 ( まさか、アンタまでやめたりしないよね・・・ ) 」 っていう目。
おちょうしもののアタシは、
「 もちろん、やめたりなんか・・・しませんです・・ハイ。 白ぶどう味かあー、楽しみ
ですねー 」 なんちゃって。
というわけで、現在に至り、白ぶどう味できているのでした。
まあ、週4回、つまり、4本程度だし、腸にとってもよい飲み物なわけであるしな。
平月はそういうペースなのですが、敵もさるもの、年末・ゴールデンウィーク・お盆休み
の連休には、決まってセット販売の営業があり、だいたい1000円くらいの、ちょっぴり
お徳なまとめ買いを勧めてくるんですな。
でもって、お人よしの断り下手なアタクシは、おばさんから、例の上目遣い気味でもって
各セット内容を印刷したチラシを手渡され、
「 あー、じゃあ、この 『 おなかニコニコセット 』 にします。 」と、つい言っちゃう。
「 お届けは、いつにしましょ? 」
「 えーと、じゃあ、〇日の金曜にお願いします・・・・ 」
そして、おばさんは、にっこにこ、深く頭を下げてくれて、「 毎度あり~!! 」と。
そうはいっても、
店に1本届けてくれるヤクルトレディーおばさん ( 私もおばさんだけれども ) に、
95円をお渡ししながらの、ちょっとした会話って、
季節の移り変わりに沿っていて、 やれ、風邪が治らん、やれこの暑さは一体どうだ、
やれ息子に一度会いたいわあ、だのと、お互いに言いやっこ。
本当に、何気ない、さもない会話なのですが、社会人としての自分の一角を作ってくれてい
るなあと、そう思うようになりました。
最近、息子もこの ” 飲むヨーグルト ”系のものが大好物になっちゃってまして、
「 チューチュー ( ストローでちゅーちゅー吸って飲むから )飲むー!!! 」と
私が持ち帰り、冷蔵庫に入れておくジョアを大喜びで、それはそれは幸せそうに、
ちゅーちゅーします。
彼がいちご味が好きなので、たまにはいちご味を購入するのですが、
先日、定時に登場したおばさんに、
「 今日はいちごがいいんですが・・・・ 」 と、変更を申し入れたところ、
「 えっ! あっ!!っと、 ちょっと待って! ないかも・・・ 」 と、あわてて
ボックスを開けてみたところ、1本残ってたー!! おばさん、ほーっ。
「 いやねえ、今朝ねえ、おばさん、いちご味20本仕入れてきたんだけど、
ホラ、今日はお雛様でしょー、あっという間に売れちゃったのよお 。」 と。
へえー、お雛祭ということで、「 今日はピンク色のジョアにしちゃおっ! 」っていう訳
かあー。 女子ってカワユイなあ。
「 そうそう、今日はお雛祭でしたね。うふふ、そうだった! 」
「 そうなのよー、 じゃあ、ありがとうございましたー。 」
というような感じで1日がスタートする、私のウィークデイなのです。
ジョアがなくなったら、体の調子が崩れちまうってことは全くなく、なんで買っているのか
よくはわからないのですが、たぶん、商品1本1本を手渡しされることによる、この、
ヤクルトレディーとの情、
みたいなもんだわねえ・・・・・、たぶん。
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