わたしの読書、たいていは・・・

             ANDRE KERTESZ 『 ON READENG 』より

 

通勤の地下鉄内で本を読みます。

日課的読書の場所が、

休みで家とその周辺の行動範囲の日以外ほぼ毎日乗っている地下鉄のシートって

ちょっと寂しいのですが、まあしょうがない。

地下鉄、JR、バスなど、公共交通機関に乗っている時間は、派手なことはほぼ

何もできないってことで ( 派手なことって?笑 )、① 自分の体の幅の内でやれて、

② しかも無言で、③ さらに一人っきりでやれること・・・・

編み物 → 10年に1人くらい見かけるかも。これもっと流行ってもいいよね。

書き物 → 3ヶ月に5~6人くらい見かけるかも。主にお仕事系、テスト勉強系。

飲み物 → 1ヶ月に2~3人くらい見かけるかも。ペットボトル、持参水筒。

読み物 → 1車両に1~2人くらい見かけるかも。文庫本、新聞、図書館の単行本。

読み物 → 1車両ごとに95%くらいはこれかも。スマホ。ゲーム含む。

あとは、

睡眠 → 1車両に4~5人くらいは見かけるかも。結構眠れるけど乗り越し注意。

瞑想 → 睡眠系と見分けるのはかなり難しい。

観察 → 人間観察・マンウォッチング。目を開けたままの瞑想の可能性もあり。

ざっとこのようなかんじでしょうか。

私の場合、地下鉄読書は、まず車酔いの心配がほぼなくて、①②③の縛りがあること

で逆に読むことに集中でき、良い環境、良い日課なのです。

世の中全体に大人はなんだか忙しく、地下鉄内のひとときが独りになる貴重な時間

だったりするので、無駄にしたくないんだよね、きっとね。

横並びの座席にずらりびっちりと座っている一列全員が、真剣に小さなスマホを

睨んで指を滑らせている光景がちょっと不気味であるのは否めませんが、でも

きっとそういうことでありましょう。

 

毎日5~6分 x 2回 ( つまり行きと帰り ) で、最近読み終えた本に、ニーチェの

『 ツァラトストラ 』 があります。

印象的な箇所がいくつもありましたが、私ごときではただ感じるだけで、理解まで

には1回読み終えたくらいではとても至りませんが、ニーチェが問い、そして

答えようとしたことは何となく伝わり、共感もしくは納得に近いものでありました。

理解できない部分が多いけれど、読み終えての充実感は大きかった・・そんな書物

と、数分刻みで毎日。そういう読書だってできちゃう地下鉄なのでした。

 

『 ツァラトストラ 』丘沢静也/訳・光文社古典新訳文庫

 

「 敬虔そうな顔をして、黙って、星のじゅうたんのうえを歩いている。ーしかし、

拍車の音も鳴らさずに、こっそり歩く男の足は、俺の気にくわない。 」

 

『 ツァラトストラはこう言った 』 氷上英廣/訳・岩波文庫

 

「 つつましく、黙々と、かれは星の絨毯のうえを歩く。ー だが、わたしは物しずかに

歩く男の足を、すべて好まない。足には、拍車の音がするほうがいい。」

 

 

『 ツァラトストラはかく語りき 』竹山道雄/訳・新潮文庫

 

「 いと敬虔に、また黙々と、牡猫は星の絨毯の上を彷徨う。ー われはすべての

柔らかに踏む男の足を好まない。まして拍車も鳴り響かぬに於ては ー 。」

 

 

要は、ニーチェ先生は、率直な人の足音はかならず語りかける、とおっしゃって

いるようですね。なんか解る気がしませんか?

” 拍車 ” とは、18世紀くらいまで馬に乗るときのブーツの踵についている金具

で、それで馬をけって刺激して走る速度を上げるように合図するためのもの。

きっと歩くとカシャカシャ鳴ったのでしょうか。

部分的に翻訳違いで読み比べも愉しいものです。

 

そろそろ帰りの時刻です。

今日も地下鉄読書は続きます。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

暖かくなってきて、ふらりとお散歩途中に立ち寄られるお客様が増えてきました。

当日にご来店でしたら、パンのご予約お取り置きも承っております。

電話一本です ( 011-215-9331 )。

明日もまたこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

待ちしております!!

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

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A TOT JAZZ ! / TETE MONTOLIU TRIO

 

先週から今週は、寒くて雨が降っていて、まさかの雪すら降って、

当然風も冷たくて、でも桜が咲き始めて・・・・・と、

(  何度もグチってます、謝  )気持ちが下がりがちな日々でしたね。

風邪をひかないように気をつけて生活できていたなたら良しとしましょう。

そして、下がり気味な気持ちを少し持ち上げていくには、な~にが効くかしら?

とふんふん鼻を膨らませて探してみましたら、コレコレ!このCDがありました!

スペイン・バルセロナが誇るジャズピアニスト、テテ・モンテリウの1965録音

『 ア トット ジャズ 』です。

 

演奏がスタートした途端に、明るさと喜びに充ち満ちたテテの音が飛び出してきて!

止まらない、どんどん飛び出してくる! 尽きぬ泉のごとし!

速いテンポの曲の疾風のスウィングと爽快、しっとりとしたバラードの1音1音の

粒の立つ珠玉、私たちはあっという間にテテの手腕に絡め取られてしまいます。

耳だけでなく皮膚・・つまり細胞が反応する。

ぷるぷると内面が微振動しながら聴いている。

テテ・モンテリウは全盲のピアニストなのですが、その大きすぎるハンデキャップ

は彼の音楽 ( =ジャズ ) を聴くと、それは実は恩寵なのでは? と思わずには

いられません。恵みのはずがありませんよね。でも・・・

視覚が全くないテテは、一流ピアニストがそうであるように鍵盤を使いこなして

音楽を創り出し、そしてさらにその段階を越えて演奏する。

テテの音は、何て言うか・・賛歌。そう、賛歌だと思うのです。

何を讃えているかというと、生きること、人生ですよ。

生きる歓び、この世界への賛同。

このアルバムでは、テテの世界が確立されたその一つの頂点のような堂々たる自信

とパワーが漲っています。超絶テクニックを軽々と駆使して謳いあげている、華や

かな歓びに、耳もこころも持って行かれてしまう凄い演奏。

 

曇ってどんよりの日に、『 ア トット ジャズ 』、正解でした。

1曲目 「 Stella By Starlight 」 の第1音目で、スッコーンと脳天に杭が打たれる。

どうでしょう、おっと危うく一日を、一生に一度のこの一日をぼんやりと無駄に

するところだった! そう我に返らせてくれたテテとその熱い音楽。

感謝。

 

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

自分にとっての本物のアーティストは、いつだって多くの発見や気づきや様々な

気持ち、それから感謝、なによりも感動という、瞬間的に生まれ変われる起爆剤を

惜しげもなく与えてくれる。

音楽・文学・美術・映像・漫画・料理、e.t.c.、e.t.c.

生きるのにはなくてはならないと、改めて思うのです。

そう思いませんか?

 

明日も、こんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

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1個 150yen

 

 

 

 

 

 

 

 

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フェイブルマンズ / Fabelmans

 

ユナイテッドシネマ札幌にて

現映画界で、実力、知名度、影響力共に押しも押されもされぬ最高の映画監督の

一人であろうスティーブン・スピルバーグが、幼い自分が初めて映画に出会った

運命の日から、その運命=映画監督になる夢、を叶えるまでを描く自伝的作品。

ということで、

それはそう、本当にそうでした。

そしてさらに、スピルバーグの” 人生への夢 ” が揺るぎのないものになっていくプロ

スでのひとつひとつの出来事、思い出が、真心を尽くした設計で脚本化されていて、

自身の原体験を主軸に、夢、家族、男女、年代、人種、情熱、出会い、様々なテーマ

が織り込まれた、派手さはなくとも滋味のある贅沢な1本だったと思います。

観終わってからも、違う角度からの思いがじわじわと湧いてきたり味わえたりして、

改めてこれがスピルバーグクォリティなのかと感動しました。

 

夢を抱くことは、素晴らしくて素敵で超楽しいこと。間違いなく。

でも、ごく幼い頃からはっきりした夢や目標をもつことができる人もいれば、自分の

夢って何だろう?と考え続けながら生きる人も多いと思う。

夢に出会う時期、自覚する時期、出会い方、自覚の仕方、それは個性だと思うので、

今までの全ては、コレこのためだったのだっ!! と、オセロの白黒大反転の瞬間を

時間をかけて迎える人も、偶然のような出会いや体験に導かれて目覚めていく人も、

最初から自覚してブレずに邁進する人 ( スピルバーグ )もいますよね。

人が何かを好きだと思う、それをもとに夢を抱いていく。

そこにはとてつもない神秘があるように思えます。

大好きで夢中になれる、惹かれる・・・説明なしでも何となく解る出来る気がする・・

それがいわゆる才能ということで、好きなこと=才能があること、ですよ。

だから才能って特殊なものなどではなく全員持っているし、とてもシンプルなの

はないかしら。

原点は、「 好き 」。

全てはそこから始まり、

自分の 「 好き 」 を大切にすることが、自分を大切に生きるということであり、

自分を大切に生きることが、才能を活かすことであり、世界を愛するための

ただひとつのやり方。

この大監督もそうでした。

夢を追う私達に、やっぱりそうだよね、と確信させてくれます。

もう一度観たいです。

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

なかなか安定しない春4月のお天気ですが、自然界の活発なパワーに励まされ

ています。ムラサキツツジやレンギョウが咲き始めて、こぶしの蕾も膨らんで。

今年もふきのとう味わえました!今年は、フリッターとふきのとう味噌両方

作って、ほろ苦い春の味わいを楽しみましたよ~。

みなさまの春、いかがでしょうか?

 

明日もこんがりと焼けた丸いパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

お待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

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ソファっていいよね!

 

 

4月になりましたが、

ちぃとも暖かくない!

3月に早すぎるぽかぽか陽気を体感しているせいなのか、4月は 「 例年並みの 」

気温って天気予報では言ってますけど、だって風が冷たいよ、やっぱ寒くない?

例年の4月ってこうでしたっけ??

さすがに雪はカンペキに消えてますし、草花もむくむくと生き返って小さな蕾が

ハロ~って言ってますね。我が家のお隣・マクレガー氏の畑もそろそろ整備が始

まって、2023年のハーヴェストまでの眺めが楽しみです。

が、しかし今週は寒い。自転車に乗るものですから、私まだダウンジャケットに

ウールのマフラーをしっかり巻いて、手袋必須のフル装備であります。

そして、その装いで 「 よかったコレで! 」 と内心ホッと安心なんですもの。

みなさま、お加減いかがでしょうか?

 

ソファがなくては始まらない生活スタイルです。

特に、私と息子。一日のうち一度はなんらソファで寝てますねー・驚。

寝る時間はまちまちですが、隙さえあらば、15分 ~ 1時間 ~ 1時間半、その時の

状況状態に応じて寝ます( 夫は起こし係・嫌々 )。

本日の見出し画像の向かって左、肘掛けに積んであるのが、ソファ寝用のブランケッ

類で、季節の室温に合わせて一重掛け、二重掛け、真冬は全部重ねてZZZ・・・、

そのソファ寝の寝入りばなの至福感たるやもう最高!

そして、食後のお腹休めのひととき。

お腹をさすりながら、ソファでだらける。

漫画を読んだり、横たわってみたり、横たわりながらしゃべってみたりする。

乾いた洗濯物をたたむのも、ソファ。

片側に山を作る衣類を、ソファの中間に座ってせっせとお畳み、もう片側に積んでいく。

コーヒーとともに、ワインとともに、ラジオを聞いたり、CDを聴いたり。

耳掃除、爪切り、超簡易ストレッチ、そして放心 ( この4項目は私 )・・・。

夫は右側で新聞を読むのが日課で定番、夜は床座りしてソファに楽譜を広げてサック

の練習をしているようです ( その他2名はもう就寝 )。

・・・・・

と、書き出してみますと、はっきし言って、大関家は行儀が悪いかもね。

行儀というものの大切さを忘れたわけではありませぬが、最重要は Comfort。

コンフォート = 快適さ、心地よさ。

帰ってくる家の中では、だらけ上等!大いにくつろぐべし!

我が家のコンフォートの素は、ソファなんですね。

スリーシーターの大人が横たわることができるソファ、これさえあれば言うこと無し。

 

画像は、いつものようにソファにて読書中のわたくし、

ソファのシート取り合いを日々繰り広げる私と息子ですが、この日は独りじめでした。

なんだか眉が男らしく、” 大関まさお ” と呼んでます、顔もくつろいで野性的~~

 

 

明日金曜日は、パスキューアイランド・パン販売の日。

みなさんそれぞれオリジナルのコンフォートスタイルをお持ちですよね。

人様にお見せするわけではない、おうちでのリラックスは生活の要、明日への充填。

おいしいひとときと、コンフォート、大事にしたい春夏秋冬です。

春、スライスしたグラハムパンに、クリームチーズにスライスした苺をのせて

パクリッ!「 お気に入り、おいしいのよー♡ 」 って教えてくださったお客様あり。

さっそく真似てパクリッ、甘酸っぱくて、きれいで、大変結構でした!ぜひ!

 

明日も、こんがりと焼けた丸いプチパンを山盛りにして、みなさまのご来店を

待ちしております!!

 

 

グラハム粉の丸いプチパン

1個 150yen

 

 

 

 

 

 

 

 

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