レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

本のジャンル

2008-01-29 05:33:31 | 
 地元図書館の一角では、いつもなにかテーマを設けて本を並べている。いまの題は「渡る世間は金ばかり」、経済や金融がメインで、中には明らかに冗談も混じっている。『黄金伝説』、これは中世に書かれた聖者物語集。『黄金のプラハ 幻想 と現実の錬金術』とか、なんとか文学の黄金時代、なんてものも。
 そういえば、エコロジー本の特集の中に『僕の地球を守って』が並んでいたことがあるらしい。これもわかってての冗談だったのだろうか。

 ジャンル分けのよくわからん本はある。
 本屋で「世界史」の棚に清水義範『疑史世界伝』があるのはいかがなものか。
 図書館で、純然たる小説である森真喜子『沖田総司哀歌』が「伝記」に置いてある。もっとも、森真喜子という名前を既に知らない新しい沖田ファンが本を探すにはよかろうな。塩野七生『愛の年代記』が「伝記」なのは問題だ。どうにかせい。
 『しばわんこの和のこころ』は、おおむね児童書扱いだけど、「ハッピーエッセイ」などというわけのわからん分類にされた店もある。確かに読んでてハッピーになる内容ではある。
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気になるコミックス

2008-01-27 07:07:49 | マンガ
 買うかもしれない、あるいは読みたいコミックス。

 河村恵利の新刊『つつじ風聞』、久々の歴史ものなので買おうかという気持ちはあり、目下そのまま。
 あやめぐむ『アルトネリコⅡ 1巻』 ゲームのマンガ化のFTという、およそ私のシュミではないジャンルなのだけどね。『Idus Martiae』を描いたことでこの作家にはなんとなく義理を感じる。 買おうかどうしようかと気になったまま、新刊のスペースからは移動してしまった。
 森川久美『危険な席』  最新刊の『ざくろの木の下で ①』を迷いながら買ったので、この際だから、しばらくまえに出た単行本も買おうか。評判はいずれもいまひとつだけど。
 高河ゆん『アーシアン』。ひところ爆発的な人気のあった作家。ファンというわけではなくひととおり読んではいた。うやむやに未完になったり、尻すぼみになったりで、広げた大風呂敷がたためないと批判される。『アーシアン』は終わりはした。読んでない部分がちょっと気になる。デラックス版の単行本なんか買いたくはないけど、文庫が出た。 確かに昔の絵はきれいだ。
 同人あがりの人気作家といえば、高河、尾崎南、CLAMPだった(敢えて過去形)。私の知る限り、ドイツで高河ゆんは出ていない。ちょっと不思議な気がする。

 さいとうちほのいまの連載『アイスフォレスト』は単行本が出始めた。これは、機会があれば買いそうだ。
 名前は忘れた某社から、文庫で、古典文学のマンガ化シリーズが出始めた。担当マンガ家名をなぜ明記しない!? カバーに少し内容カットが出ているから画風が少しはわかるけど。
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どうせ塩野本に準拠するならば

2008-01-25 05:45:49 | ローマ
3日に放映された『古代ローマ1000年史』、看板には偽りありまくりだったな、ということはさておいて。カエサルに割いた1時間は特に耳タコなのだけど、誰にだって初めてということがあるから、読んでない視聴者には必要なのだと理解はできる。そしてテレビの力は大きい。本で読むよりも、ビジュアルつきで説明されたほうが印象がたいてい強い。
 せっかくその影響の強そうなテレビで時間をさいて取り上げるのだから、言及してほしかったこと。

1.ティベリウスの「淫行」の否定。
 かの有名な(?)『カリギュラ』で変態ジジイとして出てくることを覚えている人々が少なくないかもしれない(私はノベライズを読んだだけである)。 大衆の想像力から出た噂に過ぎず、実像はすごくカタブツなんだ!と主張してほしかった。

2.コモドゥスは父の指名した後継者
 マルクス・アウレリウスは息子を跡継ぎにしないつもりだった、という設定で有名な映画が2本もあるけど、そこは全くの創作だという点。

3.クレオパトラ視点の物語では、彼女の産んだカエサリオンがカエサルの後継者で当然のように思わされがちだけど、公平に見ればカエサリオンはただの隠し子でありローマの権力を継ぐなんてありえない!という点。
  (遺言状が指名したのはオクタヴィアヌスだとは番組でも言っていた)

 映画等でフィクションがあるのはあたりまえだけど、事実は違う!と説明される機会がたまにはあってよい。
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『新・俺は用心棒』前半終了

2008-01-23 14:45:34 | 新選組
 今日は13話『刺客のひそむ夜』、これで半分放映した。ゲストに近藤正臣。忠義な中間。大きな荷物をかついでいたので、また飛脚?と思った。律儀でソンをする役が多いな。
 
 この番組のタイトルとして画面には、『用心棒シリーズ  俺は用心棒』と出ている。「用心棒シリーズ」は少し小さい字で。「新」をつけて呼ぶことは通称なのだろうか?便宜上、ここでも「新」と表記することにする。
 全部で4つあったこれらのシリーズのうち、『待っていた用心棒』は私はさしあたって見ていないが、4作全部に登場しているのは左右田一平さんの品田万平ダンナのみ。まとめてみると、『俺は~』は、舞台は始めのころ江戸、そのうち京都メイン。文久元年あたりから慶応4年まで。始めの数回はレギュラーがまだ固まらず、野良犬の旦那(栗塚)は当然として、万平だんなはほとんど、沖田総司(島田順司)が時々。同心青木(香月涼二)と目明し千造(小田部)。
 『帰ってきた~』では、場所はだいたい京都。文久2年以前で新選組もない時期。「野良犬」、万平、そして順ちゃんは架空キャラの浪人田島次郎(外見は総司と一緒。性格はもっと屈託がない)。『俺は~』で山崎だった西田良さんがこちらでは目明しの「十吉」で千造とコンビ。
 そして、『新』は、--時代はいまのところ特に何年ときっちりとは出てきていない。『帰』のラストでは浪人3人組が都を去っていくところだったので、その続きだとすれば文久2年からあとということになる。あちこち旅をしてまわっていて京都でないので、番小屋の3人組のいないことは少々淋しい。
 断片的に感想。
10『噂の中の女』
 大店の若い内儀が一人で宿へ来て、あとから来た連れは旦那でなく若い手代だった。それを見た商売敵たちとヤクザな行商人たちはそれぞれに悪巧みする。
 『燃えよ剣』で伊東だった外山高士が、珍しく商人の役。たいていは偉そうな顔してるのに。2『草笛の鳴る朝』でも藩の目付けだった(悪役ではない)。
 ヤクザに誘われて飲んでいた野良犬の旦那が、逃げる男女への弱いものいじめに駆り出されて、「俺は役にたたんと言ったはずだ!」とその場で逆らってヤクザたちのほうをたたきのめすーーそうそう、これこそダンナの十八番! (こういうの、のちの『暴れん坊将軍』で結束さん脚本担当の『切腹!酒飲み代官』で栗さん演じる山田浅右衛門がやっていたそうだ。見たい~~!) 
 3人分の宿代をつくる必要があるので、はした金しか持ってないヤクザ行商人(片方は玉生司郎)から商売ものをとりあげてきたという展開が笑えた。どうせたいした品はなかろうけど、宿代にはなったらしいな。
 いろいろな意味で、「人を呪わば穴二つ」という話だ。

 12『暁に染まるころ』
 まえに、上映会で見た中に、「旦那がたが日照りで水不足の村にやってきてーーという話があったはずだが、今回の放映を見てもこれはなかった。では、『新』のほうだったのか?」と書いたけど、これがそうだった。百姓たちは困り果てて、このままでは隣村を襲撃しかねない。代官屋敷に大きな池があり、そこの水を田んぼに流せば村は助かる。かつてそれを企てて罪に問われた代官屋敷の元手代は再びそれを試みるが、彼にはそのまえに確かめたいことがあった。
 この手代を演じた片山明彦さん(かつて名子役だったそうだ。このシリーズではけっこう情けない役が多いんだけど)は、上映会に何度か来ていた。考えてみれば、新選組の出ていない話なんだけど敢えて選んだのはそれゆえのサービスだったのだろう。
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まるで真冬、いや、ほんとに真冬。

2008-01-23 14:40:40 | 雑記
 今週のテンプレートは「コーヒータイム」、先週のは「カフェ」。こういうのを見てると暖かい甘いものを飲みたくなる。特に、今日は雪だし。
 『まる子』の間に、ココアのCMがある。「宿題しながら がんばれココア」「縁側で ひなたぼっココア」その他、なにかといってはココアの理由にしている。「おやすみココア」はいくらなんでもヘンだろう、寝るまえにはむしろ「おやすみミルク」のほうがよかろう。

 「今夜は、ばかに冷える。まるで、真冬のようだ」
 これは、『燃えよ剣 17 残月油小路』で2度繰り返されるセリフ。(「やけに」だったかな?) 旧暦の11月18日ならばほんとに真冬ではないのかな、というツッコミもあるけど。
 いま、まさに真冬だ。毎日ホカロン(の類)を2~4つ消費している。
 しかし文具売場では、もう桜の便箋・ハガキが並べられている。ファッションとしてはこういうのは早めのほうが格好がつくものだし。ウメはいまひとつマイナーか。そのうちテンプレートに梅を使おう。
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歴史ミステリー

2008-01-20 07:31:52 | 
 私はミステリーマニアではない。きらいではないけど度々読むわけではない。マニアでないから特に注文がうるさいこともない。
 ポプラ社の出している冊子、というより既に小説誌と言える「asta」という薄い月刊誌で、先月、歴史ミステリーの紹介があったので、そこに出ていた作品をあれこれ買ってみた。 歴史上の人物や事件に絡んでいるとなると、ハーレクインまでチェックする私なので当然である。
 柳広司で最初に読んだのは、『贋作「坊ちゃん」殺人事件』。松山(とは作中書かれていないのだけど)から東京に帰って街鉄で働く身の「おれ」を「山嵐」が訪ねてくる。「赤シャツ」が自殺したというのだが、それが怪しい。二人は松山へ赴き、事件を探り始める。
 漱石の他の作品から引いたネタがところどころ見受けられるのも楽しみの一つ。山嵐が自由民権の闘士だったという設定も、会津出身ということを思えば納得できる。
 この作家はほかにも漱石ネタが2作あり、そのうちの一つが『吾輩はシャーロック・ホームズである』。ロンドンでノイローゼになり、師に勧められて「通俗小説」をたくさん読み、それにのめって自分がホームズだと思いこんだナツメ。まわりまわってワトスン(彼らが実在しているという設定)のところにしばらく滞在するナツメ・ホームズの迷推理物語。
 上記astaで紹介されていたのは、柳広司の諸作品と、宮部みゆきの『ぼんくら』(これは別に「歴史もの」というわけではない。面白いけど)と、もひとつはポール・ドハティーの某シリーズ(名称が決まってないようだ)。14世紀、エドワード3世が逝去、まだ幼い孫がリチャード2世として即位したが、叔父の摂政ジョン・オブ・ゴーントはいささか不穏な様子。そういう時代背景がある。大酒飲みの太った検死官クランストンと、司祭として町の連中の世話をしながら検死官の書記を務めている托鉢修道士アセルスタンのコンビが事件に挑む。クランストンには、不釣合いに若い美しい愛妻がいて、結構仲むつまじいらしいのが微笑ましい。アセルスタンは、教会の常連のうら若い未亡人と憎からず想い合う(けど自制してる)仲。創元推理文庫から2冊出ている。続刊希望。
 それにしても、洋物ミステリーは、坊主(おおざっぱに言って)が探偵役になることがしばしばあるな。
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美形俳優についてのコメント

2008-01-18 06:01:40 | 雑記
この項目、一部は再録。
行き着けサイトの一つ「ゆめうつつ館」のユメリアさんが、「センタク・みんなの投票所」の「映画」カテゴリーで美形俳優の人気投票を設置なさいました。

「映画史上で最も美しい女優・外国編」
「映画史上で最も美しい男優・外国編」

「日本の映画史上で最も美しい俳優は?」

 私が推薦して増やしたうち、「栗塚旭」は「ファンだ!」と胸をはれるけど、それ以外は、一つ二つしか見ていない。
「ジェレミー・ノーサム」は、J.オースティン原作の『エマ』で男主人公ナイトリーだった。役どころとしても、ああまで顔が良い必然性はないだろ、というくらい可愛いハンサムだった。あれでしか見てないけどその後どうなっているのだろう。
「ブノワ・マジメル」は、『王は踊る』でのルイ14世、『年上のひと』のミュッセ。「美男だけど色気がない」という点でオクタヴィアヌスに合うのでは」という意見が出ていたことがあったなぁ。なるほど。するとリュリはマエケナスに重なる。
「マーティン・ポッター」は、『ベルばら』でジェローデルだった。理代子さんによると、「えらい美男がいるときいていた。フェルゼンの候補だったけど、あれはぜったいジェローデルだと」主張してそうなったとか。でも原作よりずっとイジワルな役になってて気の毒だな。 『サテュリコン』を見たとき、主演男優の美青年ぶりにおののいた。金髪、青または灰色の目。イタリア映画のわりには濃くない顔だと思ったけどあとで配役見たら「マーティン・ポッター」、あああれか、ではイギリス人か(たぶん)。
 女優投票ではオードリー・ヘップバーンが人気だ。映画は一度も見てないけどグレース・ケリーの顔は正統派で上品で好みだ(オクタヴィアが似合うイメージ)。ソフィー・マルソーはいくつか見た、可愛い!「レニ・リーフェンシュタール」を挙げたのは私である。毀誉褒貶激しい人物であるけど、美女ぶりは、例えばマレーネ・ディートリッヒよりも上だろう。
 『アンジェリク』のミシェル・メルシエ、すごい美人で可愛くない、可愛くないけど美女!
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ベルリンが舞台といえば

2008-01-16 05:43:15 | ドイツ
ドイツ語の授業も今期最後なので、まるまるビデオにあてた。いつもちょこちょこと使っているけど、学期の終わりには長いものを見ることにしている。大学はベルリンと縁が深いので、ベルリンと関わりのあるものをと思い、候補は3つ。映画『ラン・ローラ・ラン!』(何度言っても書いても腹立たしい手抜きタイトル!)、元日に放映された紀行番組『ベルリンと世界遺産』、『映像の世紀 7 勝者の世界分割』。始めを少しずつ見せて多数決で『ローラ』に決定。(90分のコマに収まる長さなので使いやすいのだ)
 ローラは銀行家の娘なのに、なぜか付き合ってるマニはカタギじゃない。麻薬を売った代金を盗まれてしまい、このままでは殺されると泣きついてきたので、ローラは金策に走り出す。真っ赤な髪のローラは、タイトルの通り(原題直訳なら『ローラは走る』)、ほんとにベルリンを走り回っている。そこで背景にあれこれベルリンの風景が映る。
 実を言うと、なにを意味しているのか私にはわからないカットもあったりするのだけど。ローラが叫ぶと室内のガラスが割れるシーンは、『ブリキの太鼓』を意識しているのだろうか。

 ベルリンが舞台の映画は珍しくない。『エーミールと探偵たち』も機会があれば使いたい。原作では、エーミールは母子家庭だけど、現代版では逆に、両親は離婚してパパと一緒にいる設定。パパが事故にあったのでしばらく担任の先生の妹ーーベルリンで牧師をしているーーのところでお世話になることになる。その途上の車内で、怪しい男に金を盗まれる(ここは原作と共通)。
 この話はまたいつか。
 
 あ、そういえば、青池保子が過去に『エーミール』を描いたことがあるのだ。1度だけ行った小さな医院の待合室にあった古い本で、挿絵だったりところどころマンガだったり。『イブ』の初期あたりの画風だったか。少ししか見ていないし記憶も定かではない。また見たいものだな。
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ぬくい

2008-01-13 07:17:42 |   ことばや名前
「九州南部のK県はぬくいです」 「県の中心には有名な火山があるです 「桃島」です」 と、川原泉『愚者の楽園』には書かれた。この話は「東洋のハワイ」を目指す温泉観光都市I市が舞台。作者が鹿児島県指宿(いぶすき)市の出身であることは知られているので、ここで「ぬくい」といわれているのも鹿児島県。
 去年の末に、慌しく故郷の熊本県玉名市の伯母のところに行ったと書いたが、こちらのK県もぬくかった。(上記のフレーズを真似するならば、有名な火山は「阿呆山」ということになるのか)マンションの部屋は暖房がいらないくらいだし、旅館の部屋には蚊取りマットなどまだ置いてあった。そして実際に蚊がいた。さすがに元気はなく、漂っているという感じで、ふだんの私と違って追い回す気にならなかった。
 ところで「ぬくい」はやはり方言だろうか。「ぬくぬく」という言い方はあるから、わかりにくい言葉ではあるまいが。暖かくのんびりした良い語感だと思う。
 それにしても、改めて意識して天気予報で見ると、関東よりも九州はだいぶぬくい。
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『草枕』の舞台

2008-01-10 06:07:24 | 歴史
 先日、慌しく九州の伯母を訪ねて、母と3人で『草枕』縁の温泉宿に泊った。考えてみれば、私の生まれ故郷である玉名はそもそも温泉地であるのに、上記作品との関連が長いこと頭に浮かばなかった。
 「小天温泉 那古井館」
(一泊1万円からの宿など、私単独では使うことはない) 料理もたいへん結構。あっさり風味。夕食は部屋でだが朝食は食堂(?)。和式の庭が見えるけど壁の絵は西洋画で、中央のテーブルでは小さな人形がジャズを奏でている仕掛けでレトロな雰囲気だ。
 土産物としてカルタを買った。漱石の俳句とその英訳という洒落た品。

 近くに、『草枕』の「志保田家」のモデルとなった「前田家別邸」の跡(一部が残っている)があり、さらに、「草枕交流館」が近くにあると電柱にも書いてあるので行ってみる。「400メートル」といっても途中までは山道になっていたのでけっこうきつい。しかし、行くだけの価値はあった。
「漱石・草枕の里」
 細川家に槍で仕えた武士が、明治の世に、農民たちのために生きると決意して「前田案山子」と名乗り地元のために尽力した。自由民権運動や中国の革命の志士たちも出入りしていた。そしてその娘たち子孫たちもまた波乱の人生を送った。充分に大河ドラマになってしまいそうな一族だ。
 のどかな、ひなびた温泉地、そこに新しい時代を目指すエネルギーが集まっていたと思えば感慨も深い。
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