レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

楽聖と剣士、修道女

2010-01-31 07:30:29 | 
森雅裕『マンハッタン英雄未満』
 本が出た当時、カバーイラストが魔夜峰央なので本屋で手にした。なんでも、悪魔と戦うための戦士として呼び出されるのがベートーヴェンと土方歳三という奇妙な設定だった。それがいまなんとなく読みたくなって図書館を活用した。『モーツァルトは子守唄を歌わない』等の前例もあるけど、この作家の描くベートーヴェンはお茶目さがあるな。現代NYに飛ばされてもやはり音楽に首つっこんでいく傍若無人さに比べると、ムスっとしたトシゾーのほうが普通の人に見える。作中に出てくる歳三ファンの女の子が言ってる、生家にある銅像がベートーヴェンに似てるという指摘は私もきいたことがあるぞ。

ピーター・トレメイン『修道女フィデルマの叡智』 創元推理文庫
 去年出たときに『フランケンシュタイン』と一緒に買って紛失したので諦めて、最近になって図書館で借りた。7世紀のアイルランド、王女の身分で裁判官の才色兼備のフィデルマの活躍するシリーズ。作者はアイルランド研究の学者なので、考証は信頼できるらしい。 ローマカトリックとはかなり違い、修道士も男女共学で結婚も可能という状態であったとは驚く。
 フィデルマが夫・子殺しの疑いをかけられた友人に助けを求められる『ホロフェルネスの幕舎』が、タイトルも暗示的で印象に残った。 
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大河ドラマの話題は

2010-01-29 06:14:52 | 歴史
 ーー「歴史」カテゴリーに入れていいものだろうかと迷うところである。ここでのカテ分けもかなりおおざっぱで、気分とタイミングに左右されることも多い。
 光文社新書の新刊で出ている『大河ドラマ入門』by小谷野敦 
「入門」というタイトルはあまり適切ではないと思う。分類するとすればエッセイか? これまでほとんどを見てきた筆者の主観を大いに交えて、配役、原作、音楽などについて述べている。
 私自身は、『風と雲と虹と』の途中から見始めて、『春の波濤』の途中でやめた。
 2004年の『新選組!』と06年の『風林火山』と09年『天地人』は見た。いまのと来年は見る予定なし。
 冒険をしないので、多数派の指示する織豊時代に忠臣蔵に幕末が繰り返し採りあげられるけど筆者は食傷している、もっと知らない時代を見せてもらいたい、と述べていることには同感する。もっとも、知ってる部分との結びつきがどこかにあってほしいとも思うけど、その知ってる部分が個人差激しいからなぁ。さしあたって私が推薦したいのは司馬遼太郎『箱根の坂』、北条早雲って有名な名前のわりにはあまり登場してこないし、でも応仁の乱とは重なるし全く未知というわけでもないし、知名度と新鮮さの兼ね合いが許せる程度だと思う。
 
 まだ実物を目にしていないが、このような雑誌ができたらしい。 
「コミック大河」
 西洋史でこういうのが出たら買うけど。少女マンガならばなおいいのは言うまでもない。「歴史ロマンDx」復活は無理だろうなぁ、少女マンガ雑誌じたいが不況ということだし。
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3日まえは白かった

2010-01-26 11:31:20 | 雑記
 もうだいぶ前になるが、『サザエさん』の間にやっていたCMで、若い夫婦が薄茶色のゴハンを見て、
「この炊き込みご飯、具がはいってないよ」
「それ炊き込みご飯じゃないのよ。三日前は白かったの」
ーーという会話があった。淡々とした言い方が妙におかしくて好きなCMだった。
 ラップをして凍らせておけば白いまま保てるという宣伝だったはず。

 私がいま部屋で使っている暖房は、机に向かっているとき用の電気ざぶとんと、布団の中での電気アンカ。部屋入り口には両方のコンセントが置いてあり、白いのとそうでないほうとして区別している。--しかし、いまは薄灰色になっているほうも、かつては白かったのだろうなと上記CMを思い出す。
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いま予約してある本

2010-01-21 16:08:20 | 
 地元図書館で予約してあるのは、
『アンジェリク 緋色の旗』 『山内一豊の妻の推理帖』 『ジーヴスの帰還』 『修道女フィデルマの叡智』ほか1冊。
 予約人数が2~5人ずつだけど、いっぺんにどっと来られると困るな。

 光文社古典新訳文庫の懸賞に去年応募して、図書券が当たった。たぶん応募者が少なかったのだろう。
 光文社といえば、『ファルコ』の新刊はまだかな~。
 ついでに言えば、「本が好き!」に連載された『子供の物語はどこへいくのか?』byひこ・田中が新書で出る予定なのは楽しみだ。太田直子『字幕屋は銀幕の裏側でクダを巻く』も出てほしい。
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2月の行事

2010-01-18 06:49:36 | マンガ

「2月はちょうど行事もあるし」
「豆まき?」
「バレンタインデーよっ! あんたたちそれでも女の子?」

 佐々木倫子『美人』(雁子&鴫子シリーズ)より
 ただしあまり正確な引用ではない。佐々木倫子作品、白泉社時代のものは『動物のお医者さん』しか文庫にならないのはヘンだ。どぶ医者(という略語が認められたわけではない)ばかりなんとも別のバージョンで出ているのに。 出してくれるならば小学館でもいっこうにかまわんよ、『ペパミントスパイ』、『忘却シリーズ』の完全版を出せ~~。

 16日に、「プリンセスGOLD」と「まんがタイムファミリー」(←本来17日だけど日曜で繰り上がり)の2月号を買った。たいていは数日で読むけど、珍しくその日のうちに読んでしまった。
 たぶん性別問わない、大人でも子供でもOKの4コマ誌である後者が、掲載作品3分の1がバレンタインネタなのに、少女誌であるプリGO(と私は略している)にほとんどないことに驚いた。現代日本のふつうのラブストーリーがほとんどない雑誌であることを改めて感じる。その点まんタイファミ(これも勝手に略)は日常型だし。
 いまの看板作品はなんだろう? 『エロイカ』がひっこしてきてしばらく経っていて、実質的に隔月連載なので、それが目当ての読者は確実に一定数いるはず。プリンセス本誌でよりもしっくりきていることは間違いない。
 『やじきた』がレトロに復活している。『アリーズⅡ』も既に長い。『花冠の竜の姫君』も続いている。
 わりに高齢読者狙いなのか、それなりに新規読者にもうけているのか。
 やっと復活してまもない『カンタレラ』、今月、アルフォンソ・ダラゴーナが刺客にあったところまで。次のコミックスが最終巻だということは、『バビロンまで何マイル?』と似たようなところまででENDマークになるのか?
 滝口琳琳『新・再生縁』  中華ものはやや苦手だけど、おまけにちょっとクセのある絵だけどこの作家のはむしろ読みやすい。
 このごろ登場がまばらになってるさちみさん、いまは平安朝もの。陰陽師たちに関わってしまう女房の元気さ、ゲストキャラの、キザなりに優しい貴公子や不器量で物語の才のある姫など、いい感じだった。
 安定して好きなのは『キウイケツキ ドラキウイラ』。
 TONOさん『砂の下の夢』はなぜ長いことご無沙汰なんだ!?
 
「まんタイファミ」の『教師諸君!』by駒倉葛尾 では、2月のイベントとして
「節分でしょ 豆でしょ 恵方巻きでしょ」 「チョコもですぜ」
「・・・・・・受験は?」
だった。
 トビラ絵(?)ではザッハートルテ等を食べている。本場ものは知らんけど、くそ甘いと言われるそれを少しくらい試してみたい。
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授業のビデオ選び

2010-01-14 14:17:01 | ドイツ
 もうすぐ学期が終わる。毎回たいていビデオは使用しているけど、最後には長めのものを使うのが常。今回なににするか、4つの候補を少しずつ見せて希望をきいたところ、映画『ラン・ローラ・ラン』と、「ヨーロッパ古城と宮殿  ドイツ」に決定した。
 原題は Lola rennt なのだから、『ローラは走る』か『走れローラ』あたりでいいものを、なんで、らんろーららん、ああ言いにくい、口にするたびに忌々しい。90分に収まるのでわりに使いやすいのだ。
 「ユーキャン」で『古城と宮殿の旅』DVDを買って以来、宣伝が送られてくる。本編抜粋のDVDがついていることもあり、『世界一周鉄道の旅』、『驚異の大自然』をこれで13分ずつ見た。

「ユーキャン ビデオ/DVD」

 『古城』買ったけどまだ全巻は見ていないのだ。NHKで放映した『ヨーロッパ城物語』がDVD化されたらやはりまた買ってしまうだろうな。『教会物語』でも『市庁舎物語』でも充分にできるに違いない。

 ドイツ映画の中から今回『ローラ』にしたのは、時間の都合と、私が録画して持っていることと、ベルリンが舞台であることによる。(大学がベルリンと縁があるので) ほかにベルリン関連の映画といえば、『ベルリン 天使の詩』、『エーミールと探偵たち』、『トンネル』、『ヒトラー~最期の12日間~』、まだまだあるだろうけど。あ、『舞姫』もそうか、ドイツ映画と言い切れないけど。
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ビバ修繕屋さん

2010-01-11 06:24:21 | 雑記
 うちの全自動洗濯機が最低2度はピーピーなって、そのたびにまたスイッチ押さなければならなかったのが、先月22日についにダメになり、25日に修理に来てもらった。1日に2度来てくれて全快。ホースが古くて詰まりやすくなっていたのが原因だったそうだ。いまでは、これまでの半分の時間で済んでいる。全自動本来の便利さとはこういうものか。
 直す仕事はいいもんだな~。

 洗濯機がダメな数日、小さいもの肌身のものは手洗いして絞って干していた。フライブルクの時期にそうだったのでいささか懐かしい。1回2マルク(1マルクは当時80円くらい)で洗濯機が使えたけど、それは週1度にして、下着くらいは手洗いで部屋内に干していた(ふつうは廊下の物干しだった)。
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ズック、ランデブー

2010-01-09 05:58:32 |   ことばや名前
 ひらのあゆ『ラディカル・ホスピタル』で、古い言葉をめぐって以下のようなセリフが出てくる。
若いナース:「ベルト」を「バンド」
同: 「ベスト」を「チョッキ」
おばさんの婦長:「デート」を「ランデブー」
おっさん(?)医者:「スニーカー」を「ズック」
ナースたち:え、ランデブー? ズックってなに?

 私は「ズック」という言葉は使う。
 手元の辞書(2001 三省堂国語辞典)をひいてみる。

ズック (オ doek)①麻や木綿の糸で織った厚地の布。運動靴やテントを作る。
            ②ズックの靴。
スニーカー (sneakers) ゴム底の布製運動靴。キャンバスシューズ。
 少々違うな。ズックってオランダ語なのか、そういえばそんな感じ。

ランデブー (フ rendez-vous) ①男女が約束して会うこと。デート。
            ②人工衛星や宇宙船が、宇宙空間で出あうこと。
デート (date)
 [二] (男女の交際で)日や時間を決めて相手と会うこと。

チョッキ (ポ jaque) 上着の下に着る袖なしの短い胴着。ベスト。
ベスト (米vest) ①チョッキ。
        ②からだにぴったり合わせてつくった袖のない胴着。


バンド(band) ①ひも(の形をしたもの)。
 ②革帯。ベルト。
 「楽団」の意味は、これらとは別の語源だそうだ。
ベルト(belt) ①(服)バンド。


 角川のライトノベル文庫のレーベルで最初にできたのは「スニーカー文庫」であったと思う。そのうち、少女向けは「ルビー文庫」へと分化した。やがて「ビーンズ文庫」ができて、BLのみ「ルビー」に残り、それ以外の少女向けは「ビーンズ」、もっとも、こちらにもBL要素がないとは決して言えないが。
 「スニーカー文庫」はやはり、若々しい元気でフレンドリーなイメージでつけたのだろう。確かにここで「ズック文庫」ではかなりヘンだ。
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季節限定もの

2010-01-07 15:48:50 | 雑記
 季節感というならば、今日は七草がゆのはずだけど、うちでは数日前に似たようなものを食べたのでパス。
 クリスマスカードを出したのか覚えていない相手から来た年賀状が若干ある。もしかすると暑中見舞いだったのかもしれない。寒中見舞いを書こうかとハガキは用意してある。いま梅と鶯の切手は早すぎるだろうか。

 大晦日と賀正の記事を削除したのは、絵や写真がアップしてあるわけでもなくたわいのない日記と挨拶だけで、長く残しておくほどのこともあるまいと思っただけで他意はないのです、念のため。
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ローマもの小説で再読2冊

2010-01-05 06:25:10 | ローマ
 もう数年前の本で再読したのも去年だけど。

『カエサルの魔剣』 ヴァレリオ・マンフレディ 文春文庫 2007年
 西ローマ帝国最後の皇帝ロムルスが、幽閉から脱出していたらという想定。
 もとドルイドの老賢者や、精鋭部隊の生き残り戦士たちに守られて西を目指す皇帝一行、執拗に追ってくるオドアケルの手下たちとの攻防戦。そしてしまいには、新たな伝説へとつながっていく。
 映画化されているそうだ。ヒーローたる戦士がコリン・ファースだそうで、・・・私はあのぱっとしなかった『アレキサンダー』しか知らないのでそれでいくと不満なキャストだ。
 ロムルスが美少年設定なのだが、このへんも設定負けしないか不安があるぞ。
 マンガだと、『北斗の拳』の絵がたいへんハマりそうだ。

『ポンペイの四日間』 ロバート・ハリス ハヤカワ文庫 2005年 
 オビの推薦文が青柳さん。
 噴火間近のポンペイ、前任者の失踪で派遣された水道官が水の異常に気づき、奔走する。それを阻もうとする奴隷あがりの富豪の陰謀と、その娘との恋。博物学者プリニウスが脇を渋く固める。
 主人公が、先祖がアグリッパにより軍から引き抜かれて以来水道の仕事についてきた家系という設定なので、アグの名前がしばしば出てくるのも嬉しい。

 せっかくだからもう一言。
 すでに言及した『テルマエ・ロマエ』、新聞の書評などでもけっこうとりあげられる。読売新聞、ほかでも見たな。
 仕事熱心な愛国者の技師ルシウスの外見は、多少はアウちゃん像を意識しているように見える。奥さんの名前がリウィアだし。
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