レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

『草枕』の舞台

2008-01-10 06:07:24 | 歴史
 先日、慌しく九州の伯母を訪ねて、母と3人で『草枕』縁の温泉宿に泊った。考えてみれば、私の生まれ故郷である玉名はそもそも温泉地であるのに、上記作品との関連が長いこと頭に浮かばなかった。
 「小天温泉 那古井館」
(一泊1万円からの宿など、私単独では使うことはない) 料理もたいへん結構。あっさり風味。夕食は部屋でだが朝食は食堂(?)。和式の庭が見えるけど壁の絵は西洋画で、中央のテーブルでは小さな人形がジャズを奏でている仕掛けでレトロな雰囲気だ。
 土産物としてカルタを買った。漱石の俳句とその英訳という洒落た品。

 近くに、『草枕』の「志保田家」のモデルとなった「前田家別邸」の跡(一部が残っている)があり、さらに、「草枕交流館」が近くにあると電柱にも書いてあるので行ってみる。「400メートル」といっても途中までは山道になっていたのでけっこうきつい。しかし、行くだけの価値はあった。
「漱石・草枕の里」
 細川家に槍で仕えた武士が、明治の世に、農民たちのために生きると決意して「前田案山子」と名乗り地元のために尽力した。自由民権運動や中国の革命の志士たちも出入りしていた。そしてその娘たち子孫たちもまた波乱の人生を送った。充分に大河ドラマになってしまいそうな一族だ。
 のどかな、ひなびた温泉地、そこに新しい時代を目指すエネルギーが集まっていたと思えば感慨も深い。
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