クリストフ・メッケル『山羊の角』
図書館の新着本のドイツ作品。
14才のミックと10才のソリィはホームレス。ホテルのバーで彼らは、「守護天使のブローカー」と称する変な男ランドルフィに会う。彼はソリィの守護天使を奪ってペーター・ミラーというやつに売り払ったと言う。たわごととして聞き流せばいいはずなのに、ソリィはそれを気にして、ランドルフィやペーターを探し回る旅を始める。呆れながらほっておけずに同行するミック。メルヘンめいた不思議な物語。
ドイツ映画『ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア』も連想した。
原田マハ『ロマンシエ』 小学館
「きらら」で連載されていたのを途中から読んだので、まとめて読みたいと思っていた。購入して、読んで、図書館に寄贈。好評貸し出し中(2冊で50人以上の予約者)。
有名政治家を父に持つ遠明寺美智之輔(ミッチとする)はアーティスト目指してパリに留学。心が乙女のミッチは、カフェでギャルソンのアルバイトをしている。常連客の風変わりな日本人女性と知り合うが、それが、ミッチの大好きな人気ハードボイルドシリーズ『暴れ鮫』の作者だった。
本誌掲載時には、みずき水脈(みお)さんの挿絵およびマンガによる「前回のあらすじ」がついていて、好きな絵でこれも魅力だった。こういうのが単行本に載ることがめったにないのは遺憾なことである。
ミッチが『アバザメ』にのめりこむその気持ちが、かつての『エロイカ』への熱狂を思い出させて、不思議な懐かしさを覚えた。
ザビーネ・ティースラー『チャイルド・コレクター 上下巻』 ハヤカワ文庫2008年
ドイツ産ミステリー。
男の子が誘拐・監禁・殺害される事件がドイツで3年おきに起こり、数年の間があいて次はイタリアで同様の事件が生じる。
犯人に対する描きこみも細かく、その生い立ちには確かに同情する点はあるものの、どうやって追い詰められていくのかが気になってひきこまれる展開だった。
主要人物の一人である女性警視が同性愛者で、レズビアンカップルが養子をもらっているという設定は新鮮だった。
ラストは、・・・・・・よくやった!ざまあみろ!
犯人の変質者は、『罪と罰』をバイブルとしている自惚れ屋。
先日、新刊の『『罪と罰』を読まない』を読んだところだったのでいいタイミングとも言える。これは、岸本佐知子、三浦しをん等4人が『罪と罰』を断片的に読みながら内容を推理する座談会、そして読んでからの感想会の本である。清水義範の『主な登場人物』は、チャンドラーの『さらば愛しき人』を巻頭の「主な登場人物」から筋を推理してみるという趣向だったけど、これをもっとつっこんでやってみた感じである。
ドストだのラスコだのなれなれしい呼び方が愉快。
『罪と罰』は3回読んだことがあるのだが、また手を出してみたくなるではないか。
図書館の新着本のドイツ作品。
14才のミックと10才のソリィはホームレス。ホテルのバーで彼らは、「守護天使のブローカー」と称する変な男ランドルフィに会う。彼はソリィの守護天使を奪ってペーター・ミラーというやつに売り払ったと言う。たわごととして聞き流せばいいはずなのに、ソリィはそれを気にして、ランドルフィやペーターを探し回る旅を始める。呆れながらほっておけずに同行するミック。メルヘンめいた不思議な物語。
ドイツ映画『ノッキン・オン・ヘヴンズ・ドア』も連想した。
原田マハ『ロマンシエ』 小学館
「きらら」で連載されていたのを途中から読んだので、まとめて読みたいと思っていた。購入して、読んで、図書館に寄贈。好評貸し出し中(2冊で50人以上の予約者)。
有名政治家を父に持つ遠明寺美智之輔(ミッチとする)はアーティスト目指してパリに留学。心が乙女のミッチは、カフェでギャルソンのアルバイトをしている。常連客の風変わりな日本人女性と知り合うが、それが、ミッチの大好きな人気ハードボイルドシリーズ『暴れ鮫』の作者だった。
本誌掲載時には、みずき水脈(みお)さんの挿絵およびマンガによる「前回のあらすじ」がついていて、好きな絵でこれも魅力だった。こういうのが単行本に載ることがめったにないのは遺憾なことである。
ミッチが『アバザメ』にのめりこむその気持ちが、かつての『エロイカ』への熱狂を思い出させて、不思議な懐かしさを覚えた。
ザビーネ・ティースラー『チャイルド・コレクター 上下巻』 ハヤカワ文庫2008年
ドイツ産ミステリー。
男の子が誘拐・監禁・殺害される事件がドイツで3年おきに起こり、数年の間があいて次はイタリアで同様の事件が生じる。
犯人に対する描きこみも細かく、その生い立ちには確かに同情する点はあるものの、どうやって追い詰められていくのかが気になってひきこまれる展開だった。
主要人物の一人である女性警視が同性愛者で、レズビアンカップルが養子をもらっているという設定は新鮮だった。
ラストは、・・・・・・よくやった!ざまあみろ!
犯人の変質者は、『罪と罰』をバイブルとしている自惚れ屋。
先日、新刊の『『罪と罰』を読まない』を読んだところだったのでいいタイミングとも言える。これは、岸本佐知子、三浦しをん等4人が『罪と罰』を断片的に読みながら内容を推理する座談会、そして読んでからの感想会の本である。清水義範の『主な登場人物』は、チャンドラーの『さらば愛しき人』を巻頭の「主な登場人物」から筋を推理してみるという趣向だったけど、これをもっとつっこんでやってみた感じである。
ドストだのラスコだのなれなれしい呼び方が愉快。
『罪と罰』は3回読んだことがあるのだが、また手を出してみたくなるではないか。