レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ダゴベルト フランケンシュタイン その他

2013-09-29 06:26:54 | 
バルドゥイン・ログラー『探偵ダゴベルトの功績と冒険』

ケネス・オッペル『フランケンシュタイン家の双子』

 両者とも創元推理文庫で数ヶ月まえに出た本。

 前者は、第一次大戦まえに出たオーストリアの作品。素人探偵が、友人夫妻や警部のつてで持ち込まれる事件を解決していく短編集。時代の空気というものを漂わせている。

 後者は、かの有名なメアリ・シェリーの作品の前日譚、とは言っても、オリジナル設定はおおいにある。のちに怪物の製作者になるヴィクター・フランケンシュタインは、ジュネーヴ近郊の城で、裕福で教養ある両親と、仲の良いきょうだいたちと幸せに暮らしている。性格はかなり違い、自分よりも出来のいい双子の兄コンラッドに対してはやや嫉妬がある。そして遠縁の少女、美しく勝気なエリザベスをめぐっての葛藤が生じて、コンラッドの病に怪しい錬金術師が絡んでくる。
 エリザベスのキャラクターは原典とけっこうギャップがあるけど。
 近々続きも出ることになっているのでまた読もう。

『殺戮のタンゴ』 ヴォルフラム・フライシュハウアー  早川書房
 新刊というわけではない。
 ベルリンの裕福な家庭に育ったジュリエッタは美貌のバレエ団員、進路が決まらずに焦り気味だった。彼女はアルゼンチンから来たタンゴダンサーの青年ダミアンと出逢ってたちまち激しい恋におちる。しかしダミアンは傲慢な奇行で周囲を怒らせ、ジュリエッタの父ともトラブルを起こし、謎の言葉を残して急遽帰国する。たまらずにアルゼンチンまで追ったジュリエッタは、この国の独裁政権時代の暗黒部もつきつけられ、元東ドイツ市民であった父の過去の謎にも対峙することになる。
 タイトルと表紙になんだか覚えがあるのだが、中身はまったく覚えがない。こんなに面白くて鮮烈な話ならば読んできれいに忘れるとも思えないのだが。
 創元推理文庫で数ヶ月前に出た『消滅した国の刑事』を読んで、既刊であるこの本も知った次第であるけど、このほうがいっそう強烈であった。「消滅した国」というのは東ドイツを指す。(私の頭には、ナチスドイツに併合されたオーストリアも連想される。)
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『ドン・カルロ』その他

2013-09-26 14:59:31 | 
BSプレミアムの日曜深夜の番組『プレミアムシアター』では時々オペラをやっている。『さまよえるオランダ人』『ドン・カルロ』『湖上の美人』が続き、結局三つとも見たのである。

 『さまよえるオランダ人』は、R・ヴァーグナーの出世作。不遜な言葉から呪いとかけられたオランダ人船長は永遠に海をさまよい続ける。7年の1度陸にあがることが許され、その間に、彼に永遠の愛を誓う乙女と出逢うことによって救われるという。
 ーー彼に出会ったノルウェーの船長の娘ゼンタがヒロインである。突き放して見るならば、この娘、不幸な運命にある男を救済するという状況に酔っているんじゃないのか?とどうしても感じてしまう。そういう抵抗を払拭するためには、いやたとえ自己陶酔や思い込みの面はあるにしても、やはり、彼自身に一目ぼれしたのだろう、と思わせてもらわないといけない。しかし・・・どうもそういう説得力を感じることができなかった。
 それに、センタ父の航海中に背広ネクタイという格好に既にうんざりした。
 話としては(ヒロインの設定が)もっと気に入らない『タンホイザー』は、部分的にいいと思える音楽はあったけど、今回そういうのも特になかった。
 この話はむしろマンガ化でもするほうが面白くなるのではないか。中野京子さん監修の「マンガでオペラ」では悪くなかった。

 『ドン・カルロ』
 ワーグナーと同様今年が生誕200年で注目のヴェルディ。10年以上まえにアマチュアの舞台を見たことがあった。
 婚約者を(政治の都合か)父に横取りされても想いが立ちきれぬ苦しみ、忠臣ポーザとの友愛、圧政に苦しむフランドルへの希望、誤解からこじれた恋の葛藤。原作がシラーだけあって、あほくさい話では決してない。
 改めて戯曲も読んで、ポーザ侯爵のモテモテっぷりに驚いた、カルロスにもフェリペにも頼りにされまくり。

 フェリペⅡ世の3人目の妃イサベルは息子の婚約者だったことは事実だけど、フェリペは結婚が早かったので長男とは18しか年が違わない。結婚当時、フェリペはまだ32(イサベル14)、この事件のときにもまだ41で、ぜんぜん「老王」なんかではない。そしてカルロスは頭も容姿も性格も悪い、甚だ不出来な奴で、フェリペのほうがずっとマトモな夫であったはず。カルロスはバカのくせにフランドルからの誘いにのってしまい、それで幽閉されて死亡。
 ーーという史実に拘泥すると、どうしてもなにかもやもやはある。しかしそれはそれとして、この戯曲およびオペラは面白いと思う。 面白いからこそ影響力があって、スペイン史の人にとってはシラーはけしからん奴だ!ということになるのだろう。でもあれはあれで演じがいのある役だろう。トニオ・クレーゲルみたいに、王の孤独に共鳴する人もいるし。

『湖上の美人』
 原作はウォルター・スコットの叙事詩、作曲ロッシーニ。
 16世紀のスコットランド、王ジェイムズ5世に対する反乱軍に属するダグラス卿の美しい娘エレンは青年マルコムと相愛であるが、父は首領のロデリックと結婚させようとしており、ロデリックもその気がある。そしてゆきずりの男もまたエレンに惹かれており、かつて王から賜ったという指環を彼女に捧げた。
 原作でもオペラでも、もてまくりエレンの本命男の影が薄く(メゾソプラノ担当)、いちばんのもうけ役は王でないか。
 音楽はオーソドックスに美しくて楽しめた。
 タイトルThe Lady of the Lakeは、アーサー王伝説の「湖の貴婦人」「湖の乙女」ヴィヴィアンからとっているというけど、この作品に「湖上の美人」はどうもしっくりこない。湖の上にいるわけではないし、「びじん」という日本語はあまり詩的ではない。


 見たいオペラ
『魔弾の射手』『マイスタージンガー』『パルジファル』『ナブッコ』
『ウィリアム・テル』『ウェルテル』『マノン・レスコー』『オネーギン』『ボリス・ゴドゥノフ』

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秋分の日のたわごと

2013-09-23 14:59:01 | 雑記
秋分の日、今日はわりに涼しい。
 
 秋といえば、読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋、いろいろ言われる。私はスポーツ以外は大歓迎である。


 9月23日は尊厳者誕生日なのに、「ローマ」カテゴリーの話題にできないことが残念である。
 強いて言えば、
・「波乱万丈の女たち」のいまの号に、里中版『クレオパトラ』(後編)再録が載っていることを発見した。この雑誌では数年前に黒田版も載せていたな。いっそ、これまで『残グリ』(『いちばん残酷なグリム童話』の略称)に載ったクレオパトラもの読み切りをどんとまとめて載せてみるという企画はどうだ。
・「ビーム」で、『テルマエ・ロマエ』関連の付録がついて、作者がそれについてきいていなかったとツィッターでこぼし、編集部はそれについて、了承済のはずだと言い、両者が食い違っているという件をネットで見た。
 さっさとトラブル片付いて、予定通りにスピンオフ作品を進めて、そして早めに終わって次のローマものに移ってもらいたいものである。 映画第2弾は来年のGW予定だというけど実現するのだろうか。

ーーというくらいのもの。そういえば『ROME』の続きの件はまた情報がないのか・・・。

 
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あちこちオクトーバーフェスト、渋谷アンペルマン

2013-09-21 10:50:16 | ドイツ
ドイツで二つ。

 ミュンヘンの大規模なビール祭りとして名高い「オクトーバーフェスト」は、その名に反して9月のほうが多く、10月の第一日曜日までの16日間が原則である。今年は今日からということになる。
 日本でも真似したイベントがあることは知っていたが、ずいぶんあちこちでやっているので驚いた。
「オクトーバーフェスト」
 本場ものが9月メインであるから、9月にもうやってしまうのはまあわかるとして、11月にするのはかなりヘンではなかろうか・・・。(かつて「新選組夏祭り」が8月から9月にずれこんでいたことを思い出す。春の学会もたまに6月になるし)
 いちばん有名な横浜のイベントは10月である。
 ビール飲みたいとは思わないけど、料理は気乗りする。「シュヴァイネハクセ」って食べたことないし。
(こういうイベントでなにが用意されているのか私は知らないので念のため。)

 ベルリン名物の一つである「アンペルマン」のグッズの店が今年渋谷にできたので、行きたいと思っていた。
 きのう、大学のあとで新宿に用があり、渋谷に出て乗り換えなので、この際行った。
「アンペルマンショップ」
 明治通りを少しはいったところにある。ハチ公前広場から、迷わずに行けば徒歩10分。
 私はクリアファイルと、エコバッグを買った。
 クリアファイルは、Oktett Berlin in Japanと書いてあるので、あるいは日本での特製かもしれない。(日本ではキャラグッズとしてクリアファイルは定番だけど、ドイツではそうではなさそうだし)
 エコバッグは、通常のものよりもすこーし大きくて、少し布が厚い。内ポケットのないのが難点なので、チャックつきパスケース(なんと称する品だかわからん)を買って安全ピンでつけることにしよう。

 付記。上記の渋谷店は既にない。HP参照。

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べっぴん、銀ブラ

2013-09-13 05:29:50 |   ことばや名前
『ぷらり日本全国「語源遺産」の旅』 わぐりたかし  中央公論新社 中公新書ラクレ

 タイトルの通り、ふだん使っているけどよく考えるとどういう由来?と気になりそうな言葉の数々、その源を追求する旅の数々。

 一読したからといって全部頭にはいるわけではないことはどの本も同じであるが、私が特に興味を覚えたのは、「べっぴん」と「銀ブラ」の章。

 「べっぴん」の由来に、あの有名人が関わっていたとは! 悲劇の最期をとげた人物の息子が、きちんと活躍していたことがわかって嬉しい。

 一般的な意味での「銀ブラ」じたいもしたことないし、朝以外でコーヒーを飲むことはまずない。由来となった、銀座の「カフェーパウリスタ」で「ブラジルコーヒー」を飲む機会はほぼなさそうだと思うけど、検索してみると、扱っているケーキがおいしそうで食べたくなる~~。



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「ぱふ」に載った『緋色い剣』ヨイショ

2013-09-10 05:29:01 | マンガ
 雑草社の「まんが情報誌 ぱふ」では、「コミックスレビュー」のページでかつては読者からの投稿も受け付けており、私も何回か載ったことがある。それらのコピーが手元でだいぶ汚れてしみだらけになっているので処分したい。この際ここにも移してしまおう。


 『緋色い剣』6巻 
「北欧を舞台に描く神々の抗争と血の宿命!!」の物語も第二部が佳境。半ば歴史冒険活劇、半ば神話ファンタジー、その他、父子対立ホームドラマ、倒錯愛憎劇、純愛ロマンス、よこしまもあり、実に多彩、かつムダなく、緊迫感充分。本誌ではいよいよ最終部に突入。あずみ椋版「神々の黄昏」はワーグナーをもしのぐと確信する。

『緋色い剣』8巻
 毎号、毎巻、手にしページをくるたび、隅々にまでみなぎる作者の気迫に圧倒される。巻末の描きおろし番外編『断片』は、ロキの独白と回想。オーディンの裁きにより鎖につながれ苛まれるロキ。オーディンの幻にその様を見つめられる屈辱に、
反逆の言葉を吐きながら、彼はまさしく身も心もオーディンに支配されている。狂気のような憎悪の底では、ふみにじられた愛が血を流す。ロキの行く末には既に破局が約束されているが、彼の心がなんらかの救いを得てほしいと切に願わずにいられない。

『緋色い剣』10巻
 己の運命に挑むため、異界アスガルドへ赴いたリュー。その世界に、アース神と巨人族の決戦の時、「神々の黄昏(ラグナロク)」がついに訪れた。
 犯した罪ゆえに不吉な予言を怖れていたリューの父は、予言の成就のまえに息子との和解を果たす。一方、巨人族出のアース、ロキは、自らもたらした滅びの光景の前で、彼の愛し憎んだ神々の王と共に、不思議に静謐な最後の宴に酔う。約束されていた破局の中で、彼らの心は確かに浄化された。
 そしてリューは、愛する女の待つ人間界への帰還を賭けて戦場へと臨む。「感謝する。おれの剣に、おれの力に、そしておれが生まれてきたことに」ーー晴れやかな言葉が、彼の強運を確信させる。
 北の果ての国に伝わる神々と戦士たちの物語。その世界から紡ぎ出された長い冒険譚が終わった。入魂の大作の誕生とみごとな終焉に、リューと共に感謝を捧げよう。



『ミステリオン』1巻
 あとがきに曰く、「キリスト教一辺倒のヨーロッパ世界にしぶとく生き残った異教、異端。それが魔術だったり錬金術だったちするわけですが」「権威に対する反骨精神にオカルト的面白さがあいまってちょっとわくわくします。」
 幕開けは19世紀末。一介の船乗りのはずだったレオンは、謎の男爵ヴォルフの接近、人ならぬ力を秘めた少女ラピスの出現により、自分の正体を疑い始めた。己の過去を探り求める彼の前に、ついに引き出された400年まえの記憶とはーー?
 あずみ椋の代表作『緋色い剣』は、ヴァイキング時代の北欧と、キリスト教に追われた神々の世界とを絡めている。ここでもテーマは自我と反逆であった。背景は変わっても作家の根底にある一貫性は、読者にとって嬉しいものだが、無論この新シリーズは初めての読み手にも充分開かれている。
 やがて始まる第2部は15世紀ドイツに戻る。多彩な展開に期待しよう。

『ミステリオン』2巻
 情熱は諸刃の剣である。愛も知恵も、意志も向上心も、時として人を破壊へと導く。
 15世紀ドイツ、錬金術師レオンは、不老の身を得て、人造生命(ホムンクルス)づくりの研究にいそしむ。だが、彼の過激さは秘密結社「薔薇十字団」でも浮いたものとなりつつあり、そこへ異端審問官の追っ手が迫る。神の領域にまで踏みこむレオンに畏れを感じた妻ソフィアは、彼の魂の救済のため、ある行動に出た。
 あずみ椋は、反逆する貪欲な人物像をよく描く。怖れ知らずのレオンと、その心の激流が押し流したソフィアは、かのファウストとグレートヒェンを思わせる。しかもレオンは、誘惑者(メフィスト)もなしに突っ走り始め、本来穏健な同志のヴォルフにまであとを追わせてしまった。しかし彼のハタ迷惑ぶりはまだ終わらない。レオンの遺産を否応なしに継がされてしまう息子もいる。彼がどのように闇へとひきいれられるか、次巻の見どころである。

 以上、「ぱふ」より。『緋色い剣』のSG企画版は充分に買えます。Amazonでは扱っておりません。
「SG企画 」

 
 以下は、BL耐性のある人だけお読みください。「JUNE」の「コミックぐぁいど」に載ったぶん。3回ぶん。


 掲載誌のマイナーさのせいか、有名とはいえず、しかし一読に値するのが、あずみ椋の『緋色い剣(あかいつるぎ)』!北欧神話やヴァイキングを扱った壮大な物語で、全体としてはノーマルなだけに、屈折、倒錯の側面がいっそう味わい深いのです。
 ここでとりあげるのは副主人公のロキ。アース神族の宿敵である巨人族は、美女は時々いても男は醜いと決まっているのに、なぜかこのロキだけ美しい。彼はアースの老王オーディンを愛し、義兄弟の契を結びアースに加わる。「気まぐれと毒舌と狡智」で神々に白い目を向けられ、巨人たちに裏切り者よばわりされながらも、己の「血の卑しさ」に苦しみながらも、オーディンの「信頼」だけを望みに仕えようとする。しかし次第にふくらんでゆく疑惑と不安。ついに己をさらけ出して真意を問うロキ、あなたにとっておれは何だ!?と。しかし答は残酷だった。(ここは伏せておきます。神話ファンの私も意表をつかれました)ーー愛は憎しみに変わる。アースと決別、オーディンに復讐を宣するロキ、その微笑と涙にこめられた想いは凄まじくも哀れだ。この先、破局が待つ中を物語はいかに展開することか、期待しつつも胸がつまる。

             *         *         *

 気鋭の創作集団「作画グループ」名物の合作の中でも最大のシリーズ『ヘレヌスのロビン』。『炎の戦士』はその第2部。
 前編『炎の伝説』は、:小国ベレヌスの領主の次男ロビン(志水圭)は、大国マーグメルドのフレドリカ姫
さとうひとみ)と恋におきつが、姫は魔女にさらわれてしまい、ロビンは、幼なじみの無二の友ヘルギ(あずみ椋)と共に救出に赴く。
 第2部は、ロビンの兄ハロルド(神坂智子)が野心を抱き、復活した魔女の力を借りて、マーグメルドに手をのばす。姫のため正義のため、立ち上がるロビン。しかしその行手には、死んだはずのヘルギが! 死霊として蘇った彼は、魔女と契約し、その刺客となっていたのだった。魔女を殺せばヘルギも死ぬ・・・・・・苦しむロビン。一方ヘルギは、生への執着から自分で始末がつけられず、ロビンに殺してもらおうと、悪行を重ねるーー。
 わりに少年まんが的なノリのファンタジー活劇ですが、「了と明みらい」「シュラトとガイだ」と言われるロビンとヘルギの仲は、いくらでもよこしま読み可。作者たちも、パロ部分ではその気であそんでいらっしゃるし。ほかのキャラは、聖悠紀、速水翼、志島銀、なかがわとむ等が描いてます。一読の価値ありです。

            *         *         *

 (『緋色い剣』完結後に再度投稿したぶん)
 予言されていた運命の時、神々と巨人族の決戦の火蓋は切られた。そのきっかけを作ったのはロキ。かつてオーディンへの想いから巨人族を裏切ってこの神々の王の義兄弟となり、そしてオーティンへの憎しみから神々を裏切り、巨人族を指揮して陣頭に立つ。
 激戦の中、ロキは血を流しながら、オーディンと決着をつけるべくヴァルハラ城へ向かう。そこで目にしたのは、滅びの光景を前に、瀕死の重傷を負いながらも従容たる神々の王の姿。炎に巻かれたヴァルハラで、二人は最後の盃を合わせるのだった。
 激情の果ての静けさ、喧騒をよそに流れるふしぎな透明感ーーこの二人のクライマックスには、かのダナ・バーンを思わせるものがあります。このカタルシスに至るまでにどのような葛藤を経てきたのか、ぜひ各自でご覧ください、決して損はありません。 
 注:この話の主人公はノーマルです。しかし、副主人公ロキのアブなさはBELNEさんのおスミつきです。
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新潮文庫のバカヤロー!

2013-09-05 14:42:28 | 
 新潮文庫では、カバーの隅っこのマークを集めて賞品をもらえる企画「YONDA?CLUB」というものがあった。数年ごとに品が代わった。「100%Orenge」というユニットが担当になってから絵にクセが強くなり、私の好みでなかったので、欲しい品がなくて次の機会を待つということを続けていて、すでに5、6年くらい出さずにいた。
 今日、某掲示板で、この企画じたいがもうじきなくなると知った。

「YONDA?CLUB」

 ・・・300枚くらいたまってるんだよ。これらの品のうち、どうしてもなにかを選べというならば、カップとカバーか。実物見ていらないと思ったらバザーに出そう。

 わけのわからん品をつくりおって・・・。奇をてらいすぎ。
 こんなんだったら、たいして好みでなくてもトートバッグでももらっておいたほうがましだった。

 某掲示板でも出ていた意見だけど、半端な数の応募券を持っている読者のために、2枚とか5枚とかで応募できる安い品を急遽用意してもよさそうなものだ。(株式会社の「単元未満株買取請求権」みたいに買い取ってもらえるのが最上だけど)
 私はクリアファイルを希望する。
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近々出るコミックスの購入

2013-09-03 15:32:05 | マンガ
 ひところ、「Books Index」のコミックス・文庫の新刊情報がいやに遅くなっていたが、いつのまにかもとに戻り、今日見たらもう10月のコミックスが発表されている。
 私が確実に買うのは、『大奥』10(源内の死やら田沼失脚やらで暗そう・・・)、『ヘタリア』6巻。ブックオフ狙いが数冊。『動物のお医者さん』の「愛蔵版」が来月から出始める。これまで、HCを買い、文庫を買い(手放す際にドイツに送った)、ドラマ化便乗の「月刊~~」を買い、コンビニ本を発見したら買い、そして手放してきたけれど、ここらで、ずっと本棚に置いておくぶんを買っておこうかな~という気がおきている。さて、本棚のどこに収納したものか。

 先月買ったのは、『踊る!アントワネット様』1 『天上の虹』22 『スティーブ・ジョブズ』1 『マダム・ジョーカー』13 『聖おにいさん』9
  『天上の虹』と『スティーブ・ジョブズ』は続刊が出てから読むつもりでまだ読んでない。
 『踊る~』は、アントワネットの友ヴィジェ=ルブランをモデルにした画家の玉子を主人公に設定したほのぼの宮廷劇。史実があんななだけに、いつまで続けることができるのかとちょっと切ない。
 『マダム・ジョーカー』 わっ、高齢出産決定。 ところで、巻頭の人物紹介では、嵐士の父の妻が「現在は子をもうけた」と書いてあるけど、本編にはそれがない。未掲載ぶんではそういう展開になっているのか?
 『聖おにいさん』  番外の漁師兄弟のヒマっぷりがなごむ。ジャンヌを慰めるペトロンいい奴。「ユダ」は、本格的登場のまえは『北斗の拳』のユダだったけど、いまではすっかりジェイムズ君。

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いまこそ残暑という気分

2013-09-01 11:03:22 | 雑記
 図書館で取り寄せの本が2きのう2冊届いたので早いこと受け取りたいのだけど、暑いので出たくない。火曜日にはどのみち出かけるのでそれまで待つほうが無難ではある。

 「残暑」は立秋からの言葉であるけど、現代の感覚では、いまくらいのほうがしっくりくると思う。

 夏休みの宿題をためこんで、8月末に一家総出で・・・というマンガの定番があるけど、私はあれがふしぎでならない。小学校に限って言えば、単純な勉強の宿題は、量も難しさもたいしたことないのでちゃちゃっと済ませてしまったし、絵だの作文だの個性の出るものは、ヒトにさせて自分の名前をつけるなどという嘘つき行為は我慢ならないものだった。感想文書くことがうっとうしかったのは事実だけど。

 今年は8月31日が日曜なので、今日は『まる子』も『サザエさん』も夏休み終わりネタがあるのだろう。
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