既に9月も半ば近くで、夏の終わりから秋の始めといえる季節。
夏恒例の文庫フェア、毎回注目はするけど買いたい本はあまりなく、とうとう今年はまったく買わずに終わった。3種類の小冊子に目を通すだけだった。このフェアが書店から消えることも、夏の終わりを感じさせることの一つである。地元の有隣堂では、そのスペースにいまはダヤンが並んでいる。MOEを買っていたころにもよく目にしていた。
これまたいまさらだが、芥川賞・直木賞についての番組を見た、7月の受賞なのですでに2か月ほどまえの内容、出版社も書店も息をつめて待っている。私はたいして騒ぐ気ないが、売れることにつながるならばけっこうだと思う。
このまえの候補作は
芥川賞が
・石沢 麻依「貝に続く場所にて」(群像6月号)【初】
・くどう れいん「氷柱(つらら)の声」(群像4月号)【初】
・高瀬 隼子「水たまりで息をする」(すばる3月号)【初】
・千葉 雅也「オーバーヒート」(新潮6月号)【2回目】
・李 琴峰「彼岸花が咲く島」(文學界3月号)【2回目】
直木賞候補が
・一穂 ミチ「スモールワールズ」【初】
・呉 勝浩「おれたちの歌をうたえ」【2回目】
・佐藤 究「テスカトリポカ」【初】
・澤田 瞳子「星落ちて、なお」【5回目】
・砂原 浩太朗「高瀬庄左衛門御留書」【初】
これら候補作のうちで私が読みたいのは、歴史もの要素のありそうな(葛飾応為ともダブるかも?)『星落ちて、なお』。
そして実際受賞は
芥川賞は石沢麻依『貝に続く場所にて』(群像6月号)と李琴峰『彼岸花が咲く島』(文學界3月号)、直木賞は佐藤究『テスカトリポカ』(KADOKAWA)と澤田瞳子『星落ちて、なお』(文藝春秋)。
でも、賞を取るかどうかと、売れ行きや評価の長続きとは必ずしも一致しない、それはだれもが知る事実で、なりふり構わず欲しがり続けて取れなかった太宰治の例がもっともわかりやすい。
図書館では予約者も蔵書数も多数の状態。売れ行きも伸びるといいと思う。