レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

70年代少女マンガと美少年のムック

2016-02-28 07:09:09 | マンガ
宝島社から出たムック『大人の少女マンガ手帖 偏愛!美少年の世界』。

70年代の懐かし作品がいろいろと取り上げてある。「ベスト10」は、風木、トーマ、まりしん、エロイカ、ポー、変奏曲、はみだしっこ、パタリロ!、カリフォルニア物語、玉三郎。部分的なのも含めれば全部読んでいる。大手を振って愛を叫ぶことのできるもののない点がちょっと辛いけど。

 青池作品がここに並ぶと異色に見えることは指摘されている。『エロイカ~』の作品紹介はわりに適切に書かれているーーただし、「危険な世界の生きる少年たち」の中での、エロイカ と クラウス少佐 という書き方はダメ!「エロイカ」と「 」つきでなければならないし、ファーストネームに階級名なんてマヌケなことはしないでもらいたい。

 いつものことだけど、1巻の表紙ばかり使うのはやめてもらいたい、特に『エロイカ』なんてあとから見ると別世界になっているあれは!(これと『ベルばら』は、1巻の表紙が出てくるとげんなりする%) 同じ作品が何回も出てくるならば、別の巻の表紙を載せるという凝ったことたまにはしてみてくれ。

 その点、雁須磨子さんのアンケート回答で「お気に入りの美少年キャラクターが登場する作品ベスト3は?」は、2位のアンドレに『ベルばら』の7巻(O&Aのツーショット)を出していてよろしい。(3位が「アルバートさん 『キャンディ・キャンディ』で表紙カット載せているのはなかなか珍しいのではないか?)(ちなみに1位は『摩利と新吾』の安曇紫乃) 

 初期のJUNEもいくらか読んでいたけど、いざ、「美少年」キャラと言われてもそんなにこれというひいきが浮かばない。少年という年よりは上が多いし。ひかわさんのはそういうガラじゃないし。『ペリカンロード』のケンちゃんは高校生~大学生だけど80年代だし。

 「美少年マンガ」という名称も思えば奇妙なくくりではある。たいていの少女マンガには容姿のいい男の子は出てくるのだから。




% このムックには『オルフェウスの窓』のほうが大きく出てくる。これの1巻表紙は、赤の背景と蝶が印象的なデザインである。これは『ベルばら』と違って抵抗がない。別の意味で前半後半のギャップは大きいのだけど。 このころのユリウスはりりしい美少年といった趣だった。負っているものが暗くて痛々しいけど。




 私が買った書店では少女マンガ雑誌の棚にあった。表紙はジルベールでわかりやすい。




 ここ数か月の新刊で買っても読んでいなかったコミックスを数日の間にどっと読んだ。桑田乃梨子『スキップ倶楽部①』、萩尾『王妃マルゴ⑤』、菅野『薔薇王の葬列⑤』、戸川視友『王のいばら外伝⑦』『天と献上姫③』。『アド・アストラ』もあるけど来月また出るから3冊まとめてにしよう。
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いつ買った、なにを買った?

2016-02-17 16:31:24 | 
 財布の中のレシートは、いつのまにかたまるものとしてよく挙げられる。今日思い立って、取り出して、使ったお金メモノートに書こうとしたが、本屋のぶんが一部わからない。今月初めに駅の書店で、950円、907円、669円の買い物をしている。あとの二つは『血の極点』byジェイムズ・トンプソンと『王妃マルゴ』4巻だとはわかるが、950円がなんだったのだろう?値段からして文庫か新書だろうけど。 別の書店で創元推理文庫のドイツミステリー『人形遣い』と、小栗左多里『ダーリンは外国人 まるっとベルリン3年目』を買ったときのレシートがない。今年であるとは思う。後者はつい最近のような気がするのに、前者はだいぶ経っているような感じなのが不思議だ、一緒に買ったはずなのに。

 わからないからといってどうということはないけど、なんとなくおさまりが悪い。

 まだ読んでないコミックスも数冊たまっている。

2日後に付記。

 「あと1冊がわからん」と書いたほうは、ケン・フォレット『永遠の始まり』1巻であった。mixiの「最近買った本は?」をたどっていって判明。

 『人形遣い』『ベルリン~』は、後者が21日発売で、26日よりも前だろうということは見当がつく。26日にBOでたくさん中古品を買ったので、新品の『人形遣い』を読むのが後回しになるな、と思った記憶があるから。

 ほんと、思い出しても忘れてもどうでもいいことだ。

 それより、ひとさまにお送りするぶんを早く読んだほうがいいな。





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分析官アナスタシヤ

2016-02-11 07:34:06 | 
 英語圏仏語圏以外のミステリーを読もう企画は以下のサイトを参考にしている。
「アジアミステリリーグ」
「推理作家一覧」

 ロシアのアレクサンドラ・マリーニナによるアナスタシヤのシリーズは、これまで6冊の邦訳が出ている。
 「モスクワ市警殺人課分析官アナスタシヤ」として作品社から1999~2002に『盗まれた夢』(3作目)『孤独な殺人者』(4作目)『死刑執行人』(12作目)が、
 「分析官アナスタシヤ・シリーズ」として光文社文庫から2003~04に『アウェイ・ゲーム』(2作目)、『無限の殺意』(5作目)、『死とほんの少しだけの愛』(7作目)。
 前者の3冊は私の地元図書館にあり、後者は市内の他のところにある。私が読んだ順番は、3,4、2,5、7、12だった。7作目の中に、カタギでない連中がアナスタシヤを、2か月前にボスの孫を殺した犯人を捕まえて以来ボスとは親友だと話しているが、それが6作目でのことなのだろう。注くらいつけてくれてもよかろう。2作目の『アウェイ・ゲーム』で、保養所にはいったアナスタシヤが殺人事件に遭遇するが、その土地のマフィアのボスに貸しをつくる結果になり、それがあとの話で活きてくる。・・・こういうこともあるからシリーズものはなるべくならば順番に読みたいものだけどね。
 アナスタシヤは、地味な容姿であり、でもお洒落すれば素敵になれることを自覚している、しかし極力したがらない性格。料理がダメで、長年の恋人であるアレクセイ(数学者)がおいしいものをつくってくれるというたいへん恵まれた境遇にある。『無限の殺意』で結婚を決意して届けを出し、『死と~』でそれが受理されたので結婚、そこでほかの花嫁が殺害されてという展開になった。
 『孤独な殺人者』では、かつて息子を未成年者に殺害された将校が、そいつらが成人してから復讐してゆく(妻にひきずられて感が強いけど)。私としては、かまわん、やれ!という気持ち。
 まだまだ続いているけど、邦訳は長いことまたご無沙汰になっているのは残念なことである。


 マリー ルイーゼ フィッシャー『その時私は十七歳だった』(現代図書 1997)を、地元図書館のドイツ文学の棚で読んだことがある。話はともかく、日本語の点で大いに目障りなことがあり、その一つが、二人称代名詞だった。「あなた」と「あんた」しか出てこないのである。ドイツ語の現代語では、親しい間柄でのdu とそれ以外のSieがある。語学の授業では、「君」と「あなた」をいちおうの目安としてあてておくことになっている。もちろんこんなふうにすぱっと割り切れないことは日本人あるいは日本語ネイティヴならば常識でわかる。ところがこの訳者「メーガー ミラー」という人はそうでないようだ。Sieには「あなた」でduは「あんた」と機械的に分けているとしか思えない。将校の奥様が夫や娘に「あんた」とは言わないだろうし、将校が若い部下に「あなた」も不自然である。名前の区切りに「・」を使用しない書き方、かつてはこういうふうだったとしても、現代でこれはけっこうヘンテコに見える。
 で、そんなふうに印象に残ってはいたこの本、私が「英語圏以外のミステリーを読もう」企画で参考にしているHPに挙がっている。同じ作家の最初の邦訳作品はミステリーであったがほかのは不明、として。
 そういう経過でほかの二つも読んでみた次第である。
『女子寮物語』 マリー・ルイス・フィッシャー  トランスワールド社 1990
 ミュンヘンの女子寮の三人娘物語。ライトノベル的な世界には関心を持つが、日本語の点でひっかかる点がちらほら。
「元気ずける」「口ずけ」「しづかな」は、そういう癖か?そういう表記をしていた時代もあったのか?と思う余地があるけど、
「オバン」「ツッパリ」「シャッポ」って。訳書の出た90年でも充分に「オバン」だの「ツッパリ」は死語だったと思うねぇ。
 物語の中で、18歳の娘や息子がまだ未成年だけどもうすぐ18歳で成人に制度が変わるのでそうなるともう親も指図できなくなるよという話題が出てくる。それは74年のことだから、原著はもう40年以上昔のもの。それだと上記の「オバン」等はまだなかっただろう。
 若者言葉出すのは難しい。もし入れるなら、せめて、その時だけはおかしくない言葉を努力しないとね。

『罪の影』 マリア・ルイス・フィッシャー トランスワールド社 1988
 ミュンヘンに住む16歳の少女ミカエラは、自分が養女であるということを知ってショックを受ける。19歳の銀行勤めの青年との交際があまり賛成されていないこともあって反抗気味でもある。母の弟のならず者がミカエラを悪用して泥棒をはたらくなどのトラブルを体験しながら成長へと向かう。
 コバルトがライトになるまえの時代の少女小説(私はいくらか知っている時代)といった趣を感じる。

 ところでこの作家の名前のスペルはMarie Louise Fischerである。私の手にした3冊で全部表記が違う。

 

『時の地図』上下 フェリックス・J・パルマ  ハヤカワ文庫
 図書館の新着図書に出てきて、スペインの作品なので読んだ。
 世紀末のロンドン、恋人が切り裂きジャックに殺されて沈み込んだ貴族の青年が、従兄弟の悪友の勧めにより、『タイムマシン』の作者ウェルズの助けでタイムトラベルして彼女を救おうとする。世間では、2000年への時間旅行企画が評判になっていた。
 これはあるいは「ハヤカワ文庫SF」に分類されていたかもしれない、それなら私は手を出さなかっただろうから、「NV」にしてもらってよかったと思う。『宙の地図』という姉妹編もあるようだ。
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いちばん好きな○○はあるか?

2016-02-04 09:43:08 |   ことばや名前
 mixiの「つぶやきネタ」で「家族の中で一番むかつく人っている?」というお題があった。なんかヘンだと感じた。数学的に考えるならば(私は数学なんぞ苦手なのでこんな表現は心苦しいが)ゼロでない限りだれかが一番であるはずだ、一つしかなければそれが一番に決まっているだろう。一人暮らし・天涯孤独でない限り「いる」だろう。その一人がむかつくのでないならばまた問題は違うだろうけど。したがってこのお題は「むかつく人いる?だれが一番?」ならばすっきりする。

 「いちばん好きなマンガはありますか?」とかいうお題もあった。これにも同上の理屈は言える。マンガ読まないから「ない」という答えが考えられる。もっともこれは、大好きなマンガがいろいろあってその中でどれが一番というのは決められないな~という場合を思えば、むかつく家族の件よりも理解できる。家族の数よりも、好きなマンガの数のほうが多いことが普通だろうと 私は 思うので。少なくとも、ムカつく家族の数が好きなマンガよりも多いのはけっこう不幸な境遇だろう。

 マンガついでに。「続編を望む打ち切りマンガはありますか?」も奇妙だと思う。「続編」は、まえの(「前編」または「正編」)がきちんと終わっていることが前提だろう、「打ち切り」ならば「続き」「復活」でよい。

 「いちばん好きな歴史上の人物はいる?」--これだとなんとなく納得できる。いちばんもなにも、そもそも歴史上の人物に対して、好き嫌いなんて言えるほどの知識・関心がないし~という人々は多かろうし。
 私は「いる」よ。
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パジャマの上下

2016-02-01 07:25:14 | 雑記
 講師室の備品の引き出しにボードマーカーがある(ここの校舎の教室では黒板にチョークではなく、白いボードにマーカーである)。
 ある時、黒のが不足して赤がやたらと在庫が多かったことがある。使うのは断然黒が多いのだから、赤や青の5倍くらい仕入れてもらいたいと思ったものである。

 パジャマを洗濯する際、上下とも一緒に扱うものだろうか。私は、上半身のほうが汗かきを強く感じるので、上はほぼ毎日洗うけどズボンはその半分以下の頻度である。その結果、上のほうがズボンより早く色が褪せて、セットの上下に見えないものが2組はある始末。
 「ご要望にお応えして」パジャマのズボンだけ売っているということはあるらしい。私のような消費者はいないのか?上を2つにズボン1つのセットなんてないのだろうか?
 そういう状態なので、私がパジャマを着る際には必ずしも上下がそろっていない、というよりも、たまにそろっていると珍しくて嬉しいくらいである。
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