レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ローマで小ネタ二つ

2007-10-30 05:42:06 | ローマ
 本屋には出版社のPR誌が置かれていることがあり、文芸春秋は「本の話」という。これに、サクジール・ヨシムラ(#)ではなく吉村作治さんの小説『教授のお仕事』という連載がある。主人公は「中一(あたり・はじめ)」、この稼業の事情を題材にしている。
 今月号で、アタリと同僚たちで日光を訪れ、好きな歴史上の人物の話題になる場面がある。45歳民俗学教授は家康が大好き、60歳のアタリは信長が好き、シェイクスピア研究の60歳は「秀吉的生き方を好む」。心理学の優秀な女性の川田準教授がの発言は
「私はクレオパトラでも楊貴妃でもいいんですが、やはり明治天皇とかアウグストゥスのように国を創るような大改革をした人に憧れますね。ともかく男らしい人が好きです」-- 「何ともはや力強いお言葉。そう
とうのファザコンかもしれない」

 家康だの信長だのと言っている流れからするとなんだかズレてるような感じがする。ならば頼朝の名前でも出てくるほうが理解しやすいな。
 明治天皇って男らしいかなぁ?近代化日本の看板としてムリをさせられていたヒト、という印象がある。皇后がスグレモノだということも有名だな。(あ、奥方がしっかり者だというのはここで挙がっている二人の共通点だ!)
 「男らしい人が好き」なことが「ファザコン」ということにはならんだろうに。男らしくない父に嫌気がさしてそうなる子はいくらでもいるだろう。(中学時代に通った塾の先生が、娘は「親父が丸顔だから長い顔はみんな美男だと思ってる」と話していたことがある。)
 「私はクレオパトラでも楊貴妃でもいいんですが」の部分が、なぜここで出てくるのか謎だ。ほんとは、アタリにクレオパトラ礼賛させたいところなのだろうな~。

# 『マジカル・ダイナマイト・ツアー』by吉田弥生 で、このエジプト学者をパロったキャラの名前。
 


 読売新聞に、月に一度、佐藤賢一さんの歴史エッセイが載る。先日、カエサルと秀吉の共通点について出ていた。「人たらし」、女たらし、遅くなって若い女との間に生まれた息子がいて、しかし出生には疑惑があって、という点。それらはいいとして、ーーカエサルは「貧相な小男」じゃないだろ!これだけはツッコミたいぞサトケン。
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ドイツのパンフとレストラン

2007-10-28 14:17:39 | ドイツ
ドイツ観光局のページを見たら、新しいパンフレットが出ているので取り寄せた。
「クリスマスの国ドイツへようこそ」、「ドイツ個人旅行プラン 12モデルコース」。
前者は、11月下旬からどこの町でも立つクリスマスマーケットの案内。私の体験で最も楽しかったのはこのクリスマス市だと断言する。フライブルクは「旧市街の中心部の4箇所」と書いてあるけど、私がいたとき(98年)にはひとつしか覚えがない。どの範囲まで「中心部」と見做すのかという問題もあるし、私が行かなかっただけかもしれないし、あとで増えたのかもしれない。載ってる写真は、私にも馴染みの、新市庁舎と聖マルティン教会の間の広場だ。
 パンフの申し込みは、先にメールで請求して、切手で送料後払いが普通だけど、いくらかわかっていて、在庫が確実ならば先に郵便で切手を送ってもかまわないはず。上記2冊だと240円だった。
 宣伝料ももらってないけど宣伝。
「ドイツへようこそ」

 
 きのう、「異食文化研究会」というイベントで、新橋のドイツ料理の店に行った。案内図では簡単そうに見えるのに迷った。すでに夜で、おまけに雨なので難儀に思えた。 でも、おいしくて楽しかった。演奏はドイツものに限らず、イタリアでもスペインでも、日本でもアリ。
 「アルテリーベ」という名前は、英語直訳だと「オールドラブ」、・・・どうも風情がないな。
「アルテリーベTOKYO」
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きのう買った本

2007-10-25 14:37:26 | 
 地元の店の、使用期限が今月中である商品券1000円ぶんがあったので、そろそろ使おうと思った。私はどうも、こういう券やカード(プリペイド)で買うのは、有意義なものでなければいけないような気分になる。
 それできのう買った本は、
・アンドレア・シェンケル『凍える森』
 ドイツのミステリーは比較的珍しいので、少なくとも文庫で出たらたいてい買っている。
・井上靖『星と祭』 新装版  まえにも読んだけどせっかくの再版なので。
・ビギナーズクラシックス『新古今和歌集』 2千首から80をセレクト。
(もちろんこれらで1000円越えた)
「有意義な」とは、あとでブックオフに持っていくしかなさそうなわけではなく、手元に残しておくか、またはひとにあげるものを指している。この場合、『新古今』は手元用。
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『世界の「美女と悪女」がよくわかる本』の話その5

2007-10-23 05:40:34 | 歴史
 中々売れているようだ。もう版を重ねている。
 ここで話題にするのも5回目で、雑談(いつものことだろ)を最後に若干。

 「美女編」と「悪女編」の分類は筆者によるので、前書きで言われるまでもなく、読者それぞれの判断とは違いがおおいにあるに決まっている。そして、かなりのメンバーは、両方にあてはまっているのだ。「美女編」に入れてある、ルクレチアやデュ・バリーにアントワネットにクレオパトラなんて「悪女」の本にも常連だ。シシィだって見ようによっては悪女と呼ばれる資格はあるだろう、一般的な「良妻賢母」ではまったくないし。「悪女編」のアグリッピナやメアリ・スチュアートなんて美女でもあった。バートリやブランヴィリエ、ヴォアザンなんて明らかに犯罪者なので「悪」と言われてモンクもないが(私が)、--スウェーデンのクリスティナ女王がなぜここなんだ!?(決して「美女」ではない。グレタ・ガルボが演じたなんて間違ってないか?)たいへん奇矯な人物なのは確かだけど、男たらしでも暴君でもなかろう。
 
 清少納言を「美人女流作家」?
 平安時代からは小野小町が挙がっているけど、私にはむしろ和泉式部のほうが印象は強い。そういえば、まえに某雑誌で平安時代の「悪女」採点をしていて、和泉式部と小野小町と「かぐや姫」が候補。(厳密には、かぐや姫の時代背景は「平安時代」よりも古い) 美貌、身分、タカビシャ度、インラン度、親不孝度、周囲の破壊度、男を愛さなかった度、死んだ男の多さ、云々。なるほど、和泉式部のように、自ら恋に苦悩した女はそれだけ「悪女度」が低いという観点か。これらの基準はほかのメンバーでも使ってみると面白い。
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『俺は用心棒』

2007-10-20 20:40:21 | 新選組
 昭和42年(1967)放映、東映テレビ映画。結束信二脚本。
 この夏から「時代劇専門チャンネル」で栗塚旭特集ということで、いまこの『俺は用心棒』を放映している。
 舞台は幕末、主に京都。主人公は本名不明、「野良犬」と名のる浪人、放浪の用心棒。えらく巻き上げることもあれば、タダ働きの人助けのこともある(こちらのほうが多いか?)。その友だち、もと柔術指南の品田万平(左右田一平)、これまたふらふらと神出鬼没。食道楽で料理も上手いらしい。そして、時々関わる沖田総司(島田順司)。セミレギュラーで、渡世人ふうの刺客の新太(中野誠也=『燃えよ剣』の山崎)、雇い主は桂小五郎(笑えることに舟橋元=近藤勇。この人が演るとあまりキザにならんな)。そんなわけで(?)近藤&土方は登場しない。『燃えよ剣』の原田の西田良がここでは山崎。河合(同じ名の架空キャラだと思ってほしい)の香月涼二が同心、目明しで小田部通麿(伝蔵)、という具合に、『燃えよ剣』『血風録』でお馴染みの顔ぶれが山ほどいる。
 いつでもどこでも態度のデカい、ムスっとして善行を為す用心棒のかっこいいこと。風来坊なので、世間に縛られることなく己の価値観だけで行動している。そのへん新選組よりもはるかに自由なのだが、しかし非情な時代の渦に翻弄される庶民の哀歓、という結束ドラマのテーマはここでも不変である。 
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しばわんこ手帳

2007-10-17 18:41:32 | 雑記
 早くも、本屋&文具売り場には来年の手帳・カレンダーの出始める季節。思いがけず「しばわんこ手帳」が出ているのを発見したので喜んで購入。(去年、いや2007年度はなかった) 私にとってはもともと手帳なんてシロモノ、ないならないでさほど困るものではないので、持ち歩くのは薄くて軽い安物で充分だと思ってこのごろ物色していた。ダイソーも見てみよう、なるべくならばサービス品でくれる店はないものかとケチなことも考えていたのだが、しばわんこが出たならば迷わず買う。薄手のものなので携帯用だ。

 文具売り場ということでついでに。
 下敷きの小さめのものが欲しいと思った。机の上にテキストを広げ、その上に紙を置いて鉛筆を走らせるとき、B5サイズでは不都合なことがある。少し探してはみたけどなさそうだ。それで、カードケースのハードタイプのA5とB6を買った。ドイツの絵葉書を入れて、下敷きとして使っている。これなら中身もいくらでも替えられる。
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羽崎やすみ『リリカル・メディカル』

2007-10-14 07:12:10 | マンガ
 この人のマンガで初めて読んだのは、角川から出ていた、「NHKまんがで読む古典」コミックスバージョンの『更級日記』『蜻蛉日記』だった。(去年文庫で出た) その後、単行本が出たら買うというライトな愛読者であり続けている。
 新刊『リリカル・メディカル』は、新書館から出ている「ウンポコ」という奇妙な名を持つ「エッセイ&コメディーオンリーマガジン」の連載をまとめたもの。
 放浪の薬調合師シラー・トレニアは、「トラさん」に共鳴しつつ己の「マドンナ」を求める純情男。「性格はそこそこ外見もまずまず」なのに毎回失恋を繰り返しながら人助けの日々をおくる。
 シラーの押しかけ弟子のジャックは、15才で老け顔のクマ男のくせに、優男の師匠よりもモテている。
 --私の目には、このごついヤツがビジュアル面でアグリッパにダブって仕方ない(少女マンガでは、オクタヴィアヌスのビジュアルに使えるキャラはさほど珍しくないけど、筋肉系のアグでは貴重だ)。そうなると、華奢な美少年(20代だけど)のシラーは当然のようにオクタか。強いて言えば、あやめぐむさんの『Idus Martiae』でのオクタに近い感じ。すると、シラー の旧知で大手製薬会社役員のダリウス(「ワイルド系ハンサム」設定。中身はかなりバカ)、シラーにつきまとって会社にとりこもうとして迷惑なヤツは・・・あてはめるとすればアントニウスか。(ダリウスが身内のブサイクな娘をシラーと縁組させようとするけど、ではこれがスクリボニアになるのか?)シラーに風邪薬をつくらせようと雪の中に放り出し、あげく男二人が服の剥がしあいになる場面(すっぽんぽんになっても帽子はついたままのダリウスのなりは一層変質者のよう)は大笑いなのだが、このときシラーがやけにばっちり何枚も着こんでいるあたり、虚弱体質アウさんを思い出して楽しくなってる読者なんて私だけだろう。
 調合した薬を勝手に製品化されたと噛み付いてるのは、カエサルの遺産をネコババされた一件に、やっとできた(と思った)カノジョが妊娠してると吹き込まれて、子供ごと引き受けようと妄想する場面はもちろんリウィアに、こーゆーノリで彼らをコメディで描いたら?と思うと楽しい。
 上記のような不純な理由とそれ以外含めて、おおいに気に入ってしまった。

 それにしてもどうして「シラー」なんてネーミングなのだ、某文豪とは無関係だと思うが。
 (21日に付記。検索してみたら、「シラー」も「トレニア」も植物名だと知った)

 ダリウスのキャラはだれかを思い出すと思ったら、そうだ、なると真樹『世紀末ダーリン』のサカモットーこと坂本三四郎だ。すると声は置鮎でキマリ。または面堂の神谷明。

 本屋で、BLのスペースに置いてある店もあった。間違ってるぞ。
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ドン、サンタ、ミスター

2007-10-12 05:42:13 |   ことばや名前
 青池保子の歴史長編『アルカサル』は、14世紀のカスティリア王ドン・ペドロ1世を主人公としている。「ドン」は身分のある男につける。「ペドロ」などありふれた名前であり、同作品にも何人も登場するので、区別のために主人公のみ「ドン」をつける方針になっている。これについてある時2chで、「ドンちゃん」「ドンさん」という呼び方はおかしいのではないかという声が出た。でも作者自身もそう呼んでることだし仕方ない、という方向で落ち着いていた。・・・私も実のところ、固有名詞でないものを個人名のようにすることには抵抗がある。作中では差別化して使っているから固有名詞だと言えないこともないけど。
 「サンタクロース」を「サンタ」と略するのも同じようにおかしい。意味は「聖者ニコラウス」なのだから、「サンタ」の部分は名前ではない。
 長嶋茂雄という人物をして「ミスタージャイアンツ」と呼ぶことには反対しないけど、単に「ミスター」と称するのはいかがなものか。
 逆に、固有名詞なのにそれを超越して使われる名前もある。「サロンパス」、「ホカロン」、「オロナイン」、「コミケ」、「トーン」。極めつけは「カエサル」、「アウグストゥス」か。
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マリと子犬の物語

2007-10-10 17:56:11 | 趣味・娯楽
 2004年の新潟の地震を背景にした、人間と犬の愛情物語で12月公開の映画。
「マリと子犬の物語」

 今日、映画の前売り券を買ってきた。(そして特典のマグネットつきメモパッドをもらった)自分で行く予定はあいにくないけど母にでも行かせよう。地震の当時、新聞で見たし、実話の絵本はすでに読んでいた。ノベライズも読んだ。映画では、子犬たちの名前はグー、チョキ、パーであるが、実際は(仮名としては)シロ、クロ、チビ、この素朴さもなんともいい。
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いい血のムダ使い

2007-10-08 06:11:56 | 雑記
 いま、大学で教員の健康診断をしているので、私も受診する予定。
 2,3年まえに受けたとき、血液検査では往生した。私は血管が見つけにくいらしく、10年以上まえにも苦労したのだが、このときも、3回も4回も5回も刺されて、お互いに迷惑したし、授業にも遅れた(もし遅れたときにはビデオ見てて、と用意しておいてよかった)。もうゴメンだと思ったので、腕のどこから取ったのかをばっちりとメモしておいた。今年はあれほど時間をとらないだろう・・・と希望する!
 街で献血車を見ると、女子高時代に保健の先生に「いい血」とほめられたことを思い出し、したほうが人助けになるんだけどね、でも取るのに手間取るからね、と結局したことがない。せっかくO型なんだけど。蚊にばかりくれてやるのはたいへんシャクにさわるんだけど。
 なお、採血のしにくさは、太い細いと関係ないそうだ、念のため。


10月10日に付記。
検査に、メモを持参して見せたにも関わらず、やはり最初は腕の関節部分から試みた。右の関節、ダメ。次に、左手首、ダメ。左関節、ダメ、--前回と同じ右手首でようやく採れた・・・。専門家に指図するのもナンだと思って敢えて強くは言わなかったのだけど、次の機会には、最初から右手首を強硬に主張しようと誓った。
私の腕には、チョビが献血、でなく点滴を受けたときのハゲよりも多くの絆創膏が残った。 でも前回よりはるかにマシ。向こうもこんな患者には来てほしくなかろうな。やはり私は献血できない、と心底思った。

10月10日なのでどうしても一言。
正しい「体育の日」は今日なんだ!断固としてウチでは10月10日に運動会を行うぞ!という学校がどこかにあってくれと思う。
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