レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

マギーの新刊、ある訃報

2020-02-28 21:10:39 | 
『スコットランドの危険なスパイ』 スーザン・イーリア・マクニール
 創元推理文庫。マギー・ホープのシリーズ8作目。
 ある任務を拒否したため、特別な施設へやられているマギー。訓練所という名目だけど実際には囚人状態。そこで次々に殺人が起きる。もちろん『そして誰もいなくなった』が意識されている。
 
 アメリカの冒険小説作家クライブ・カッスラーの訃報が新聞にも載った。「ダーク・ピット」シリーズは途中まで読んでいた。国書刊行会から出ていた冒険小説のガイドブックのベストテンに『タイタニックをひきあげろ!』が入っていたことがきっかけだっただろうか。このシリーズはいちいちハデでいかにもアメリカン!な印象を受けたものだった。
 合掌。
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パトラな日々 マルゴ カイニス オリンピア ベルタン

2020-02-22 06:30:13 | マンガ
 多少なりと歴史ものが重なった。

『クレオパトラな日々』4巻
 カエサリオン誕生、カエサル暗殺、暗殺犯たち敗北まで。
 予想というか、『軍神ちゃん~』で想像したとおり、オクタは勘助みたいなかんじ。病弱っぷりがうんと強調されている。
 コラムで、スエトニウスから、病弱ぶりと美貌がしっかり引用されている。
 カエサルの「ハゲの女たらし」という公然たる呼び方なんてマンガゆえのギャグのようだけど史実だ、こういうのは醍醐味。
 気になるのは、オクタについている友人、名前出てきてないけど誰なんだろう?小さいし強そうでもないのでアグリッパではあるまい、ではマエケナス?
 
『王妃マルゴ』8巻
 これで終幕。前巻の終わりでアンリ・ド・ギーズが暗殺されたので物語としてもあとは長くないと思っていたが。じきにアンリ3世も同じ目にあうし、そして4世も。
 史実だけでも目まぐるしいけど、救いはあってよかった。
 恒例、巻末の裏話・歴史話は、その後のフランスの歴史。せっかく4世が「ナントの勅令」出したのに孫ルイ14世が破棄して、その後王家は財政難、ついには革命。
私は、作家自身が作品外で作品についてやたら語るべきではないという考えだけど、歴史ものでのウンチク語りは好きである。

『カイニスの金の鳥』
 ネットの連載、2巻も出てくれてよかった。
 19世紀末、牧師の娘リアは小説を書いてデビューし、男装してロンドンへ。意気投合した作家仲間のマイルズに、実は女だとバレたのだが、彼は敢えて黙っている。
 大っぴらに男装で執筆して売れている女作家も登場。

『オリンピア・キュクロス』5巻
 新刊チェックから漏れていて、書店で現物を見て初めて知った。
 レスリングとプロレスの違い、競技を見世物とすることの是非も問題点として出てくる。
 みっちゃん、しっかりマンガ家になってよかったねぇ~!

『傾国の仕立屋 ローズ・ベルタン』
 1巻を買ったきりほうっておいたけど、2巻が出たところでまとめて読んだ。
 フランス18世紀が大好きな作者らしい。
 己の才覚で勝負する女の物語、・・・なんで少女マンガでやってくれないんだろう。

 ところで、某掲示板でこのマンガについて、登場人物の名前で「マリー」率高過ぎとツッコまれていた。主人公がマリー=ジャンヌ(ローズ)ベルタン、脇にマリー=ジャンヌ・ベキュ(もちろん後のデュ・バリー)、そしてマリー・アントワネット。史実だからしかたないんだけどね。作者も意図して「3人のマリー」にしているんだけど。
 こういうの見ると、『ベルばら』は、年少読者を混乱させないために工夫していたのだと思う。
コメント (2)
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イケメンと好男子

2020-02-17 12:57:57 |   ことばや名前
 佐藤愛子さんのエッセイはかなり読んでいる。数年前、いやもう十年以上経っているだろうか、集英社文庫から「自讃」(自選でないところが愉快)エッセイ集が出た時にも読んだがほとんと記憶にあるものだった。
 
『愛子の詰め合わせ』という冊子、雑誌の体裁でのエッセイのアンソロジー、一昨年出たものを買ったきりだったが、ようやく読んだ。
 その一節:
 好男子という言葉は死語になった。今はイケ面という。この言葉を私は好きでないが、しかしその軽薄な調子とぴったり合う顔が多いことに気がつくと、「なるほど、うまい」と感心してしまう。
 
 引用終わり。これは2009年のものである。それからもう10年以上経過して、「イケメン」もいっそう定着していて忌々しい限りである。

 先日、mixiで紹介されていた記事で、某男優がドラマの演技力で注目されているそうで、この人がイケメンかそうでないかの議論まで出てきているという。
 あのな。イケメンの「メン」がmen.なのか、面なのか、それさえあやふやな状態でそんなこと言ってても意味ないだろう。写真からすると、美男というわけではなさそうである。美男ではないけど、演技・演出で素敵に見える、ということならばそれは結構なことであろう。
 もっとも、「イケてる」(裕次郎の時代の「イカす」と同根だろう)が、必ずしも容姿じたいの良さを意味するというわけでもないけど。
 「魅力ある」というふうに解釈すると、「美形」の何倍も主観の要素が強くなってきて話が終わりそうにない。
 話をややこしくしないためには、ある程度の客観性が求められる「美男」「ハンサム」が復活してもよさそうなものだと思う次第である。

 ところで、「好男子」という言葉は、性格や態度がしゃきっとしているようなイメージを感じる。軟弱そうでは似合わない言葉である。

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「ブダペスト」展

2020-02-10 16:34:58 | 
 これをどのカテゴリーにいれるべきか悩むが、美術や音楽でわざわざ分類していないので、「本」ですませてしまう。

「ブダペスト ヨーロッパとハンガリーの美術400年」

 展覧会は久しぶりである。乃木坂の国立新美術館で開催中の「ブダペスト ヨーロッパとハンガリーの美術400年」のチケットを頂いたので、行ってきた。音声ガイドも借りた。
 目玉作品の一つであるクラーナハの『不釣り合いなカップル』は、実物で見るといっそうじじいのいやらしさが光って(?)見えておかしな迫力がある。
 『羊飼いの礼拝』、聖母子のそばにいるヒツジがなんだかかわいくて、赤ん坊が人々に拝まれている奇妙な光景に対して「このひとたちなにやってるんだろう?」と思っている表情に見える、
 『ヴィーナスとキューピッド』 イルカがマヌケな顔している。
 ベルナルディーノ・ルイーニ『聖母子と聖エリザベト、洗礼者ヨハネ』、作者はレオナルドの弟子ではないがよく研究していたという解説を読んでなるほどと思った、確かに似ている。
 ジローラモ・シチョランテ・ダ・セルモータに帰属『聖家族』
  珍しく、母マリアと向き合っているイエス。
フランチェスコ・ヴァンニ『聖家族』
 全体にかわいい。赤ん坊イエスが珍しく可憐。
・・・という具合に、一覧表にいろいろと書きこんだ、こんなに念入りに鑑賞したのは初めてだろう。
 さほど大きく取り上げられていない絵でインパクトを感じたのは、「ポスト印象派」の部屋に置かれた『子どもの葬儀』byツィガーニ・デジェー。ゴーギャンの影響を受けたというのが納得できる感じで、人物の肌が褐色である。磔刑像の白さが際立っているのは、子供の無垢を表しているのだろうか。
 美女!と最も思ったのは、『春――リッピナ・イロナの肖像』byロツ・カーロイ。清楚な白いドレスに、端正で上品で可憐な容貌。これはポストカードも買った。
 あ~楽しくて見ごたえもあった!
 「ぶら美」もまた見て復習しよう。

まだひと月あるので、関心と機会のある方にはお勧めする。定休は原則火曜なので注意。
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パジャマの上下

2020-02-07 06:52:59 | 雑記
 私の着るパジャマに、花柄の品がある。上下をそろえて着ると、とてもセットに見えない。上の色が褪せて薄くなっているから。上だけ洗うことが多いから。
 世間では、パジャマの広告で、「ご要望にお応えして」ズボンのほうを2着にしたセットがある。私は、上のほうが、汗をかいたと強く感じるから、むしろ上を2着のほうがいいんだけどな!そうでないほうが多数派なのか?
 少しは同じ品に見えるように、意識してズボンもたびたび洗濯するようにしているが、まだまだ同じ褪せ具合には遠い。
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乗客ナンバー23  シャーリー・ホームズ

2020-02-04 09:25:08 | 
『乗客ナンバー23の消失』 セバスティアン・フィツェック
 ドイツミステリー。
 この作家の本でそれより新しい、紛らわしいタイトルのものは既に読んだが、こちらはやっと。
 囮捜査官のマルティンは、5年前に妻子を失くした。豪華客船クルーズの最中に妻が息子を殺して海に身を投げたのだった。しかし、同じ船で一時行方不明になった少女が戻り、その子は息子のものであったテディベアを所持していたと知らされたマルティンは捜査に乗り込む。
 いろいろと不穏で陰気な要素は多いが、最終的にはまあまあの救いがある。
 一気読みしてしまった。


『シャーリー・ホームズとバスカヴィル家の狗』 高殿円
 現代版であるだけでなく、主要キャラ一同を女に転じた実に過激なホームズトレース、第2弾。
 ジョンでなくジョー・ワトソンの叔母が結婚する、その相手のバスカヴィル氏は名家の子孫で、跡継ぎになった、しかし脅迫状が・・・という、原典をふまえた設定。
 小説を書いている女が「ジョー」だと、どうしてもマーチ家次女を連想するけど、こちらのジョーにはかなりの暗い過去が生い立ちでも戦地でもあるようで、そのわりにふだんノーテンキに見えるのは立派かも。
 挿画もすてきなのに、雑誌掲載時よりも収録が少ないであろうことが不満だ。前作では文庫版で載っていたようだけど。

 ホームズ女版では『シャーロット・ホームズ』もあるが2作目まで邦訳が出て、しばらくご無沙汰である。

21.2.5に付記。
上記の『シャーロット・ホームズ』はその後出ていた。
女子高生探偵シャーロット・ホームズ 最後の挨拶 (上) (竹書房文庫) 2020/8/27
このあと番外編もあるらしい。
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今日から2月、わかりきったこと

2020-02-01 06:57:03 | 雑記
 2月はさっさと過ぎていく感じがいっそう早いに違いない。

 月初めはなにか投下しないと落ち着かない。

 先日、久々にアニメイトへ。ポイントがけっこうたまっているのでなにか買っておこうと思った。私がここで買うのは『ヘタリア』『セーラームーン』のグッズであるが、このところ出ていない。グッズ売り場を見まわしたけど、ほかに気乗りするのもない。・・・『とーとつにエジプト神』というマンガはまえにネットでうわさを読んだ覚えがあるが、それのクリアファイルが目についたのでそれにした。コミックスなどはまだ出ていないようである。

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