「大好きだった!少女マンガ」
まえに、双葉社から出た「大好きだった!少女マンガ 70年代篇」をここで話題にしたことがある。それの80年代篇がやはり出たことを知った・・・しかしmixiで紹介された記事はほんの数日前、出ていたのは1月なのだ、もう店頭にないので取り寄せたよ。欲しい本が見つからないならば注文する手間を惜しんではならないと思う。
大きく取り上げてある作品で読んだものが意外に少ないことに驚いてしまう。表紙を最も大きく飾っている『ときめきトゥナイト』とやらは全然といっていいほど読んでない。表紙に載っている11種(11人の作家の作品)のうち、全部読んだのは『あさきゆめみし』 『エイリアン通り』(本誌連載で) 『空の食欲魔人』『甲子園の空に笑え!』 『BANANA FISH』 だけで、部分的または途中まで本誌で読んだのが『ぼくの地球を守って』 『CIPHER』。 人気あると知ってはいたけど興味のわかなかったジャンルは当然あるものだ、ここでは紡木たく等。
80年代というと私は高校時代~大学~修士課程に相当する。 私の愛読していたのはララ、花ゆめ系列で、マーガレット系や講談社系には縁が薄い。小学校高学年では別マにハマっていたけどね、当時の看板は美内すずえ&和田慎二で、ということは波乱万丈ドラマチック系が目立っていたというわけで、そういう好みはいまも私の中で健在なのである。
この本の後半は(まえと同様に)、一人1ページか半ページを当てて紹介してある。それぞれの作品に「ロマンチック度」「イケメン度」「ギャグ度」「ハートウォーミング度」「ファンタジー度」「キラキラ度」「ドラマ度」が5段階評価の星で添えてある。
「イケメン」という言葉を私は嫌いなので「いい男度」にしてほしかった。では「ハートウォーミング」は「ほのぼの」のほうがすっきりする。
「ドラマ度」とは、星5つになっているのが『アルカサル』『ツーリング・エクスプレス』『口紅コンバット』『バジル氏の優雅な生活』等であることから見ると、波乱に満ちてスリリング、ぐいぐい読ませる、非日常的、異世界を見せてくれる(中には「ありえねー」というツッコミも含んで)、そんな感じを指しているようだ。
私が首をかしげるのは「ロマンチック度」。私自身読んではいないけど解説では学園ラブコメと思われるものに星5つついていて、文月今日子がゼノビアを描いたものが星二つ。
そもそも「ロマンチック」とは18世紀にできた言葉である(もっと前からあったが18世紀にポジティブな意味を持ったと説明した本もある)。インテリの言葉であるラテン語に対して、そこから派生した俗語であるフランス語、イタリア語、スペイン語等を「ロマンス語」という。そういう言語で通俗読み物が書かれた。物語の中で起こるようなこと、冒険、幻想、そういうのをさして「ロマンチック」と呼んだ。だから、おおざっぱにいえば「ドラマチック」とかなり重なっているのではないのか。(「ドラマ」とは「劇」のことであって小説ではないし「劇的」とはなにかという議論もあるけどここでは難しいことは言わない)
そして、「ロマン」というと雄々しいが、「ロマンチック」といえば少女シュミだというような誤解もあるのではなかろうか。
私はひかわきょうこさんは大好きであるけど、『千津美と藤臣君』が星5つで『アルカサル』(愛着ないけど)に一つは納得いかないし、『ミルクタイムにささやいて』の星5つはもっとおかしい。これはむしろ「ラブラブ度」とでも呼ぶべきだろう。
木原さんの『夢の碑』(ごく一部しか読んでいないけど)、こんなのこそ「ロマンチック度」最高点でよさそうなものだ(3つ)。
『動物のお医者さん』は、ロマンチック2、イケメン2、ギャグ5、ドラマ4 というナゾの採点になっている。
載っていない、私の好きな作品で言えば:
『緋色い剣』はドラマ度とロマンチック(私の考える)度とファンタジー度が星5つ、イケメン度が4つか3つというところか。
『カルバニア物語』はすべての要素が3つ星以上そろっている。
『陽の末裔』は、ドラマ度5は言うまでもない。
『セーラームーン』はロマンチックとファンタジーが高い。
『土曜日の絵本』は「ハートウォーミング度」5、ファンタジー3、ギャグ3.
あっ、70年代に「河あきら」が載っているのに、「市川ジュン」はどちらにもない、けしからん! 美内&和田が別マの看板だった時代にそれに次ぐ位置にいた双璧なのに!
上記の作品紹介に、星ランクのほかに「ジャンル」として、恋愛、学園、ギャグ、スポーツ、青春、SF、家族愛、ミステリー、歴史、ファンタジー、職業・自立 という分類がある。
「恋愛」「家族愛」があるのに「友情」がないのはけしからん。(少年マンガならば「恋愛」よりも「友情」が大きく出るだろう)
「冒険・アクション」なんてあってもよさそうなものだ。
『動物のお医者さん』はこれらのうち、恋愛、学園、ギャグ、青春、家族愛、ファンタジー、職業・自立 が挙げてある。 「ファンタジー」? それに、このマンガの良さとして恋愛要素のなさを挙げるファンも少なくない(と思う)のに、「恋愛」がはいっていることも大いに嘆かわしい。
ツッコミをいれることを含めて、同好の士たちと一緒に楽しみたいムックである。
まえに、双葉社から出た「大好きだった!少女マンガ 70年代篇」をここで話題にしたことがある。それの80年代篇がやはり出たことを知った・・・しかしmixiで紹介された記事はほんの数日前、出ていたのは1月なのだ、もう店頭にないので取り寄せたよ。欲しい本が見つからないならば注文する手間を惜しんではならないと思う。
大きく取り上げてある作品で読んだものが意外に少ないことに驚いてしまう。表紙を最も大きく飾っている『ときめきトゥナイト』とやらは全然といっていいほど読んでない。表紙に載っている11種(11人の作家の作品)のうち、全部読んだのは『あさきゆめみし』 『エイリアン通り』(本誌連載で) 『空の食欲魔人』『甲子園の空に笑え!』 『BANANA FISH』 だけで、部分的または途中まで本誌で読んだのが『ぼくの地球を守って』 『CIPHER』。 人気あると知ってはいたけど興味のわかなかったジャンルは当然あるものだ、ここでは紡木たく等。
80年代というと私は高校時代~大学~修士課程に相当する。 私の愛読していたのはララ、花ゆめ系列で、マーガレット系や講談社系には縁が薄い。小学校高学年では別マにハマっていたけどね、当時の看板は美内すずえ&和田慎二で、ということは波乱万丈ドラマチック系が目立っていたというわけで、そういう好みはいまも私の中で健在なのである。
この本の後半は(まえと同様に)、一人1ページか半ページを当てて紹介してある。それぞれの作品に「ロマンチック度」「イケメン度」「ギャグ度」「ハートウォーミング度」「ファンタジー度」「キラキラ度」「ドラマ度」が5段階評価の星で添えてある。
「イケメン」という言葉を私は嫌いなので「いい男度」にしてほしかった。では「ハートウォーミング」は「ほのぼの」のほうがすっきりする。
「ドラマ度」とは、星5つになっているのが『アルカサル』『ツーリング・エクスプレス』『口紅コンバット』『バジル氏の優雅な生活』等であることから見ると、波乱に満ちてスリリング、ぐいぐい読ませる、非日常的、異世界を見せてくれる(中には「ありえねー」というツッコミも含んで)、そんな感じを指しているようだ。
私が首をかしげるのは「ロマンチック度」。私自身読んではいないけど解説では学園ラブコメと思われるものに星5つついていて、文月今日子がゼノビアを描いたものが星二つ。
そもそも「ロマンチック」とは18世紀にできた言葉である(もっと前からあったが18世紀にポジティブな意味を持ったと説明した本もある)。インテリの言葉であるラテン語に対して、そこから派生した俗語であるフランス語、イタリア語、スペイン語等を「ロマンス語」という。そういう言語で通俗読み物が書かれた。物語の中で起こるようなこと、冒険、幻想、そういうのをさして「ロマンチック」と呼んだ。だから、おおざっぱにいえば「ドラマチック」とかなり重なっているのではないのか。(「ドラマ」とは「劇」のことであって小説ではないし「劇的」とはなにかという議論もあるけどここでは難しいことは言わない)
そして、「ロマン」というと雄々しいが、「ロマンチック」といえば少女シュミだというような誤解もあるのではなかろうか。
私はひかわきょうこさんは大好きであるけど、『千津美と藤臣君』が星5つで『アルカサル』(愛着ないけど)に一つは納得いかないし、『ミルクタイムにささやいて』の星5つはもっとおかしい。これはむしろ「ラブラブ度」とでも呼ぶべきだろう。
木原さんの『夢の碑』(ごく一部しか読んでいないけど)、こんなのこそ「ロマンチック度」最高点でよさそうなものだ(3つ)。
『動物のお医者さん』は、ロマンチック2、イケメン2、ギャグ5、ドラマ4 というナゾの採点になっている。
載っていない、私の好きな作品で言えば:
『緋色い剣』はドラマ度とロマンチック(私の考える)度とファンタジー度が星5つ、イケメン度が4つか3つというところか。
『カルバニア物語』はすべての要素が3つ星以上そろっている。
『陽の末裔』は、ドラマ度5は言うまでもない。
『セーラームーン』はロマンチックとファンタジーが高い。
『土曜日の絵本』は「ハートウォーミング度」5、ファンタジー3、ギャグ3.
あっ、70年代に「河あきら」が載っているのに、「市川ジュン」はどちらにもない、けしからん! 美内&和田が別マの看板だった時代にそれに次ぐ位置にいた双璧なのに!
上記の作品紹介に、星ランクのほかに「ジャンル」として、恋愛、学園、ギャグ、スポーツ、青春、SF、家族愛、ミステリー、歴史、ファンタジー、職業・自立 という分類がある。
「恋愛」「家族愛」があるのに「友情」がないのはけしからん。(少年マンガならば「恋愛」よりも「友情」が大きく出るだろう)
「冒険・アクション」なんてあってもよさそうなものだ。
『動物のお医者さん』はこれらのうち、恋愛、学園、ギャグ、青春、家族愛、ファンタジー、職業・自立 が挙げてある。 「ファンタジー」? それに、このマンガの良さとして恋愛要素のなさを挙げるファンも少なくない(と思う)のに、「恋愛」がはいっていることも大いに嘆かわしい。
ツッコミをいれることを含めて、同好の士たちと一緒に楽しみたいムックである。