中野京子さんのブログで、「りぼん」で連載『お姫さまの真実』 が始まることを知ったので、初回だけと思って9月号を買った。 ベラスケスの絵で有名な、 というよりもあれでしかほとんど知られてなさそうなマルガリータ ・テレサ、中野さんの本でも盛んに登場する人。 若死にしてしまうけど、平穏無事なので、 お姫様としては幸せなほうだったと言ってよかろう。
それにしても、雑誌の中での扱いの小ささに驚いた。 私はてっきり、『怖い絵』などの本で評判の中野京子さん~とか、 読者に対しての紹介くらいあるものと思っていたのに。 ぽつんと2ページが載っているだけだし、 目次でもまるで目立たないし。表紙に載ってなかったので、 ほんとにこの号でよかったか?と不安になって、 店員さんに言って中身を確認させて頂いたよ。 年寄向けでないとはいえ字が小さいよ。 印刷の色が緑なのも見づらい(キレイだけどさ)。
「りぼん」を買うのはほぼ半世紀ぶり。 小学校の中学年で愛読していた。(そのあと別冊マーガレット、 ララと対象が移っていく) 70年代のこと。当時の看板は一条ゆかり。大矢ちきもいた。 私は一条、大矢といったハデで濃い絵はあまり好みではなかった。 山本優子『美季とアップルパイ』なんか好きだったけど、 あれもけっこう絵じたいけっこうハデだったのだ、 華やかなわりにギャグは強烈だった。 弓月光も当時は気に入っていた。 一条ゆかりのドロドロで濃い大人の世界、弓月光や土田よしこのお笑い、 金子節子や汐見朝子の人情系(汐見さんがレディコミでエロ+ お下劣ギャグにいくとは・・・)、そして陸奥A子等のオトメチック。 多彩だった。
さて、半世紀ぶりに買った「りぼん」を読んだ。
「小学生まんが大賞」なんてものがあるのは驚いた。掲載作は中学受験が題材、恋愛以前で勉強のライバルみたいで、地に足のついた感じでこういうの好き。絵じたいはもちろん下手だけど、画面構成などちゃんとしていて「顔まんが」でもなく背景もある。小学生でこれだけ描けるなんてすごいなというのが素朴な感想である。
この雑誌の対象年齢は小学生~中学生だが、登場人物たちは中学生~高校生で、読者よりも高めになっている。個々の作品を読んでみれば悪くはないのだが、ほとんどが学園もので、いわゆる「半径50メートル」なのである、それはそれで否定する気はないけれど、あまりにそういうのばかりで雑誌1冊というのはなぁ・・・。これを買い続けることはやはりしない。
中野さんの連載が単行本化されることを切に望む!