レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

図書カードのポスターの犬が可愛い

2012-06-30 06:48:33 | 
 記憶にある限り、ここ数年間「図書カード」のポスターは犬である。立った耳にくるんとした尻尾の、たいへん私好みの犬。書店であれを見るとナデナデしてしまう。
 まえは「人生にムダな本なんで一冊もないんだよ。」、いまのコピーは「もらうと本が読みたくなる。」
「図書カード 」
歴代ポスターも紹介してあればいいのに。
 現在のポスターは、涼しげな畳の上で寝そべって本を読んでいるポーズの犬。すだれ、金魚鉢、ああ和のこころ・・・。しばわんこ的風景。みけにゃんこならば金魚にちょっかい出しそうだ。

 図書と犬からの連想。
 90年ごろ、紀伊国屋書店のポスターがチョビとミケの絵に「まなぼ。」だった。

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まんファミ まんスペ今月号

2012-06-27 10:14:35 | マンガ
現在の定期購読マンガ雑誌は、芳文社の4コマ月刊誌『まんがタイムファミリー』と『まんがタイムスペシャル』。それぞれの動機は、駒倉葛尾『教師諸君!』と『趣味じゃない園芸』。
 世界史教師の西名っち、植物園の蘭、己の仕事を満喫しているのがたいへん好ましい。
 ほかに気に入っているのは、「まんファミ」で『ラディカル・ホスピタル』byひらのあゆ(でもこの雑誌では今月で終わり、ほか二誌では続行。「まんファミ」では新作の予定があるのでそれはそれでいい)、『博士の白衣女子攻略論』by香日ゆら(研究所の変人たちーー副題つけるならこんな感じ?)。
 「まんスペ」では
にしうら染『踊る!アントワネットさま』 
  ヴィジェ=ルブランをモデルにした画家のマリーを主人公に設定してある。もうアントワネットは王妃になっており、いつまでほのぼのが続けられるのかを思うと悲しい。今回出てきた「エリザベート」は王妹なんだろうか。
水森みなも『笑って!外村さん』
 絵がすっきりして可愛くて好み。笑うと怖がられる外村さんのキャラはわりに親しみ持てる。あんな長いスカートの不良(でもないんだけど)がいまもいるのか疑問ではあるが。
 今回の「まんスペ」で新登場で面白かったのが、 
ナントカ『童話の森の女子会』
 オーロラ、白雪、シンデレラ、ラプンツェルの「女子会」、メルヘンな世界へのツッコミに満ちていて笑える。くわえ煙草の白雪がナイス。(「ナントカ」が作者名である、念のため)
縞はるき『アテナの初恋』
 ヴィーナスに連れられて地上で「合コン」してるアテナ・・・。神話のアテナに対しては「名誉男性」で文句おおいにありだけど、これはかわいい。

 『ラディカル・ホスピタル』の再録誌で知った『孔明のヨメ。』の作者による『杜康潤のトコトコ三国志紀行』(スクエア・エニックス)。私は三国志については格別ファンというわけではなくごくメジャーどころしか知らないが、絵がラブリーなので購入。ところどころカラーもはいっていて、200ページ近くて1000円以下の値段はなかなか安いのではないか。ポピュラーな話題なので部数多く出せるのか。 作者の愛とタフさにも圧倒される。
  
 ・・・『ヤマザキマリの古代ローマ歴史紀行』を出して欲しい。もちろんベッピーノさんもウンチク係で。


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アルファベットのなまえ

2012-06-24 05:58:08 |   ことばや名前
 先月だったか、とある新聞記事に、頭文字のアルファベットを組み合わせた名称は、「NHK」のように一字ずつ読むものと、「unicef」のほうにまとまった語のように読むものがある、と書いてあった。
 
 では、「横浜DeNA」ってあれはなんなんだ、なんで「よこはまディーエヌエー」? なんの意味だか知らんけど、DENAで「デーナ」のほうがわかりやすいだろうに。ディーエヌエーときいたらどうしても連想は遺伝子だぞ。

 「AKB48」が「エーケービーフォーティーエイト」なのもわかりにくくてたまらん。ごく最近初めて知った。

 アルファベットから外れるけど芸能人つながりで。
 「関ジャニ∞」の読みは許せないレベル。「かんジャニエイト」? ならばなぜ素直に「8」にしないでそれを横に倒す!? それで「無限大」でなく「エイト」と読ませる?

 「未確認飛行物体」の「UFO」、私の知る限りでは、40年まえには一字ずつ「ユーエフオー」と言っていた。それがいつのまにか--少なくともピンクレディーのころには「ユーフォー」になっていた。私の感覚では未だに「ユーフォー」がキザに思える。



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梅雨にはコタツ

2012-06-21 13:34:19 | 雑記
6月12日の「梅雨と計画性」をこちらへ移す。
 梅雨である、日本の風物詩であるーー私はそう思っている。不便だけど。雨だとアンニュイな気分になるけど。日本の風景として欠かせないものである。
 梅雨でなくてもそうなのだが、天気予報は洗濯物の都合に関わってくる。翌日、外で干すことができるかどうかで、多くするか少なく抑えるかに影響する。風呂場に干す予定ならば、バスタオル1枚使うかわりに普通サイズ2枚にする。
 計画的な人間ではないけど、こういうことは気をまわすのが常である。
 洗濯物を外に干す文化圏ならではの「計画」だろう。



 私の語彙の中では、「みっともない」という言葉には季節外れという意味が付与されている、これについてははなはだ個人的な由来(偉そうに・・・)があるが、既に書いたし、無価値なことなので省略。
 6月だというのにうちでは未だにコタツが出ている。さすがに、毛糸の布団掛けはもう外したが。
 雨の日には洗濯物の乾きが悪い。外に干せなければ風呂場。 生乾きのでいま一つというときには、コタツが活躍する。だから、もはや足を入れて温まることはしなくても、やはりコタツはまだまだひっこめるわけにはいかない。

 今日は、朝のうちに干して、昼ごろに雨になったので引っこめた。コタツでダメ押しするのにちょうどよい程度の生乾き状態のものは今入れてある。

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幽霊係の挿絵交代

2012-06-17 05:29:43 | 
 このまえの金曜日、買う予定の新刊は数冊あった。岩波現代文庫で本村さんのローマ本が出るはずだけど見当たらない。カロッサの『幼年時代』も目に入らない。少し急いでいたのであまり探さなかった。
 駅の書店が私にとっては最もよく利用する店であるけど、ここには岩波はない。
 「祥伝社文庫」で天野頌子『警視庁幽霊係』の第3弾『少女漫画家が猫を飼う理由』が出たことをその日の朝刊で知ったので、それを探す。 数年前に文庫新刊棚で、TONOさんの絵が目について知ったほのぼのミステリーのシリーズである。元本は同社のノベルスで、この段階ではイラストは坂田靖子。ノベルスは6冊出ており、私は概ね図書館で読んだ。ノベルスの数年後に文庫が出て、このときにイラストが代わる。私はTONOさんも坂田さんも好きなので、一粒で二度おいしい状態ーーだったのだ。 ところが、今回出た文庫3弾ではまた挿絵担当者が交代している。ダメというわけでもないが、私が買う動機は消えた・・・。  ノベルスは坂田さんで変わらないんだろうな? 
 「美少女」幽霊の設定には、TONOさんがいちばん合っていた。
「警視庁幽霊係」


 同じ話、同じシリーズなのに途中でイラストレーターが交代することは珍しくない。まえの担当者が人気あると後任はプレッシャーだろう。
 『炎の蜃気楼』は12巻まで東城和実さん、そのあと浜田翔子さん、『邂逅編』 ほたか乱さん、 ギャグでは くすみことこさん。「幕末編」ではまた違ったか? あれは「公式絵師」の数が多い。
 『間の楔』は、元来が道原かつみさん、でも最終版(いまのところは)である徳間書店のキャラ文庫6巻本だけは長門サイチさん、これも合っていた。
 しかし白状すると、同人誌二次創作にどっぷり浸かった私は、上記二つの場合、七星さんや徳丸さんの絵のほうが好きだったのである。あれこれの二次マンガ描きの人々の絵を並べて「顔くらべ」なんて作って面白がっていた。実は『エロイカ』に関してもそういうことをしていたーーというともう「マンガ」カテゴリーのほうに行ってしまうのでやめておこう。

 挿絵担当者の交代はどういう理由で生じるのか、どうやって後任を選ぶのか、読者サイドとしては興味がある。

16.8.6に付記。
『ミラージュ』の挿絵は、幕末編は邂逅編と同じ、ほたかさん。「昭和編」は「高嶋上総」さん、でもこれは私は好みではない。

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孔明のヨメ。 青い城

2012-06-14 05:31:02 | マンガ
杜康潤『孔明のヨメ。』1巻  芳文社 A5判
 「ひらのあゆスペシャル」に再録されていたことから知って単行本化を待っていた。
 三国志はたいして詳しくないので、孔明の妻の黄月英といえば白井版での「嫁さんブスのくせに!」、でも仲良し夫妻、という程度の認識で、でもそういうデフォ設定がどの程度史実なのかは知らないというレベル。
 このマンガでも、学問好きの変人、屋敷のあちこちに防衛装備をつくって喜んでいて、縁談の相手はお面で追い払っているお嬢さん。孔明も孔明で浮世離れしている。そんな二人があっというまに結婚して、でもマイペースのまま仲良くやっている。なんともラブリーな世界。

原ちえこ『青い城』
 HQのコミックスは「宙出版」と「ハーレクイン社」から出ていて、その手のコミックスは全部がHQ原作とは限らない。マンガ家オリジナルもあるし、J.オースティンの『高慢と偏見』などを望月玲子が描いた例もある。
 『青い城』は、『赤毛のアン』で知られるカナダのL.M.モンゴメリの作品。煩わしい身内の中で暮らす冴えないオールドミス(という言葉が堂々とある時代)のヴァランシーが、余命わずかと知って、好きなように行動することを決意してーーという物語である。
 原ちえこといえば、『虹の谷のアン』(「アン」の中ではもう次世代に移行している時期)のマンガ化を見たことがある(結局読んではいないけど)ので、今回のも意外ではない。 実のところそれほど好みの絵というわけではないが(嫌いと言い切るほどでもないが)、物語世界とよく合っているし、長い話もうまくまとめてあると思う。
 改めて、この話は伝統的少女マンガのお約束なのだな~と感じた。
 話のはじめにヴァランシーが「ぱっとしない女性」と言われてるけど、絵がかわいいのでそういうセリフに違和感、これも古典的。

 ハーレクインつながりで 忠津陽子『フィアンセがいるのに』 今月の新刊
 忠津陽子といえば、大昔週刊マーガレットその他で活躍していた。きちんと読んだことはあまりないけど、好きな絵だった。
 かなりご無沙汰ののちに登場なので買ってみた。 
 話は、どうということもない。 絵は、多少の古さは感じるけど、15年ぶりでこれだけ描けるならばたいしたものだろう(#)、きれいでかわいいのは相変わらず。 コスプレもので見たい。

# ベテランと一緒にしてはいけないけど、某コバルトの例。読者投稿から作家自身によって青田刈りされたイラストレーター、1巻2巻では悪くなかったけど、5年のブランクののちに出た3&4巻では、編集部の正気を疑うくらいに下手くそになっていた・・・。
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『世界ふしぎ発見!』でメルヘン街道

2012-06-06 10:59:13 | ドイツ
 このブログでは10の記事がひとつの画面(?)に表示されるように設定されている。なるべくその中に「歴史」「ドイツ」「ローマ」「言葉」「本」「マンガ」がまんべんなく含まれているようにしたいと思っている。まえに書いた「ドイツ」話題が前の画面に行ってしまったので、そろそろドイツのタネでと思っていたところ、大学でのお友達で魔女研究の第一人者である西村さんからメールが来た。
  西村さんのHP「ドイツ魔女街道 」
 今週の『世界ふしぎ発見!』に少し協力なさったということで番組の宣伝。
「世界ふしぎ発見!」
 この際なので、ここでも紹介しておくことにした次第。

 私はといえば、メルヘン街道には全く行っていない。フランクフルトからアイゼナハへ向かう途中で「ハーナウ」を通過して、駅のHanauという名前を見たことくらいだ。
 魔女の本場であるブロッケン山は、メルヘン街道に含まれるゲッティンゲンに、少しは近いけど直接の関係はなさそう。メルヘ街道とゲーテ街道の間の地域に、とんがった屋根の市庁舎が有名なヴェルニゲローデ、女子修道院が力を持っていた歴史のあるクヴェトリンブルクなど、雰囲気のありそうな都市がいろいろあって関心をひく。
 ところで、ヴェルニゲローデの市庁舎を真似した建物が日本のどこかにあるときいた記憶があるけど、どこだったろうか?グリムのイベントで行ったことのある石橋のような気もするけど、検索しても確認できない。この際だからそれも貼る。
「グリムの森 」
 ヴェルニゲローデでなくても、モデルにしたくなるような市庁舎はあちこちにあるけれど。
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オリンピック徒然 不健全な精神

2012-06-03 05:47:37 | 歴史
 講義の際に毎回アンケートをとって話のタネに少しは入れている。先日の、「オリンピックに関心がありますか?」という質問には、「ある」が圧倒的だった。
 私はスポーツそのものに対してほとんど関心がない。したがって、純粋な意味での関心はまずない。歴史の一部として見るならばそれなりに面白いと思わないでもない。
 古代オリンピックは神々に捧げる競技会に由来しており、代表的なものの一つであるオリンピア競技会の始まりはBC776ということになっているらしい、ローマ建国のBC753にけっこう近いのだな。
 そのころ戦争のやり方が集団戦に変化して、市民個人が手柄をあげることがしにくくなり、代わりに、競技会が名誉を得る機会として重要になっていた。
 ところで、神々の座所である「オリンポス」山と、ゼウスを讃える上記のオリンピア競技会の「オリンピア」とは、紛らわしいけど別の場所だ。「ギリシア世界」の地図は、ローマはもちろん、トルコも北アフリカも一緒に載っている、今日の理解よりもずっと広いということを感じて面白い。いまのトルコにあるトロイアだって、攻めてくる連中と同じ神々を祀っていたし。トルコがヨーロッパであるのかどうか微妙だと感じる。
 古代オリンピックが全裸で行われていたことは有名だけど、なぜか戦車競技の絵は服を着ている。連想はどうしてもティベリウス。片手でリンゴ割りのできる体力ならばさぞかし活躍したことだろう。

 近代オリンピックといえば、ピエール・ド・クーベルタン男爵が1892年に提唱して、1896年にアテネで第1回めが開催。
 私の読んだ本では、1870年の普仏戦争でフランスが負けた際、フランス兵の体格の劣ることに注目したと書いてあった。すると、スポーツで体を鍛えることの奨励も、背景にはやはり戦争が意識されていたということなのだろうか。

 『民族の祭典』は、1936年のベルリンオリンピックの記録映画。レニ・リーフェンシュタール監督はナチ協力者としての批判も浴びたが、この映像が優れた作品であるということは多数が認めている。
 開会式の行進、英国メンバーにターバンの人々もいる点が時代を感じさせる。

 2008年の北京にはまったく興味がわかなかった。
 そのまえの2004年アテネは、開会式(?)のパレードが歴史絵巻みたいで面白かった、もっと見たいなと思いながら待ち合わせがあるのでコミケに出かけていった。あの部分が放映される機会はないものだろうか。

 このまえの『教師諸君!』でもタネになっていた「健全な肉体に健全な精神が宿る」、偶然先月岩波文庫で出た『ローマ諷刺詩集』で、ユウェナリスの10章の終わりに出てくる言葉である。歴史上の有名人の例を多々挙げて、金や権力もしまいには虚しい、長生きも美貌も災いになりかねない、神々に祈って望むならば、「健全な身体に健全な精神を与え給えと祈るがいい」、強い心、無欲な心を望め、とそういう文脈である。多くの場合この言葉は、健全な心を宿すために体を鍛えよ、スポーツに励め、という方向性で使われるけど、本来の文脈だと、どちらかといえば精神のほうに重きを置いているように見える。あけすけに言えば、ーー欲ばるなよ、ということか? (まあ、そんな悟った人間ばかりでは息苦しいけどね)
 逆説の名人である三島由紀夫は(この言葉の真意なんてもちろん知っていただろうけど)さらにひっくりかえして、文学にふさわしい不健全な精神は健全な肉体に宿る、と主張しつつボディビルに励んでムキムキになっていたそうである。付き合わされてすぐにへばった作家友達である桂芳久氏(故人)から講義できいた話である。

 先日のニュースで、9月23日の周囲に休日を集めてきて大型連休をつくろう、そのために、7月の「海の日」、9月の「敬老の日」、10月の「体育の日」を休日でなくしようという案が政府で出ていると言っていた。ーーそもそも「体育の日」が10月10日になったのは、東京オリンピックにちなんでのことなのだ。日本の歴史にとって重要ないわれのあるこの日を、「ハッピーマンデー」などというシロモノのためにずらしてしまったことも充分けしからんと私は思っている。それをさらに、休日でさえもなくしようなどと、ーー許さんぞ!
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