レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

外村さん 恋愛ラボ

2012-07-29 06:23:38 | マンガ
このごろ、「まんがタイムスペシャル」の『笑って!外村さん』by水森みなも 、『恋愛ラボ』by宮原るり が妙に好き。
 前者は、笑顔が怖くてスカートが長いので不良と誤解されている高校生外村さんの、誤解を積み重ねつつも(誤解を含めた)支持者と少数の理解者に囲まれた(ほぼ空回りした)努力の日々。すっきりしてかわいい絵が好み。
 後者は女子校もの。才色兼備の生徒会長と思われているけど実はかなりボケたマキと、そんなマキのウラ面を目撃してしまったワイルド系のリコが(かなりの誤解から)恋愛指南役としてふりまわされる。さらに周囲にはどんどんとヘンな連中が登場してくる。
 私は実際のところ、恋愛ものがさほど好きではない、しかし(少なくともファンタジーやSFよりは)学園ラブコメというジャンルは嫌いではない。  この作品の場合、絵の可愛さとキャラの面白さで楽しめる。

 来月は、TONOさんのコミックスが『コーラル』3巻、『カルバニア物語』14巻(やっと!)。
 舞台の重なっている名香さんの『ロココの冠』と、サトケン原作の『かの名はポンパドール』2巻が続けて出るのは面白い偶然だ。
 ヤマザキマリ『アラビア猫のゴルム』2 と『Sweet Home Chicago』1。 

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妙に好きなもの:エコバッグ、トートバッグ

2012-07-24 14:22:25 | 雑記
 エコのなんのと言われる時代のまえから、袋、かばん、手提げの類が好きだった。いま部屋の片隅に、ざっと1ダースはぶらさがっている。郵便局へ行くときの手提げ、美容院か病院へ行くときの手提げ、大学関連の外出のショルダーバッグ、大学へ行くときのトート(ベルリン博物館島展で買った)、地元の図書館やコンビニへ行くときのスイカペンギン等、それぞれに役目というものがあるので、中途半端に替えては間違いのもとである。

 先月、近所のコンビニで、黒い布製のトートバッグをなんとなく買った。別段その店のオリジナルというわけでもない。
 それに続いて、地元駅近くの京王ストア、SATY、東急ストアの買い物エコバッグを購入。こんなにあってどうするんだろうとは思う。
 ミウィにはないのだろうか?と検索してみたら、今年の2月に制作して非売品として買い物客にあげていたということを知った。そういえば去年、専門学校の生徒たちのデザインの人気投票なんてやっていて、私も票を入れたものだった。ーー選ばれたデザインは私にはたいして素敵なものとは思えないけど、ちょっとしたギャラリーみたいで楽しい企画だったかもしれない。

 上記のようなスーパーの安物ではなくてまだまったく使っていない、「タンタン」と柴犬の品も二つあるのだ。「ルートート」の店もあるとついのぞいてしまう。買うことはまずないけど。パリの名物いろいろが描かれたデザインの品があるので、ベルリンだのミュンヘンだのがあればいいな~と思わずにはいられない。

 いらんものがたまってる状態ではエコにならない。 身近に必要な人がいればあげるけど。

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『修道院の第二の殺人』

2012-07-19 12:57:13 | 
アランナ・ナイト『修道院の第二の殺人』  創元推理文庫

ヴィクトリア時代のエジンバラ。40まえの寡夫の刑事ファロは、二人の娘は母(子供たちには祖母)に預け、医者の卵である継息子ヴィンスと暮らしている。
 妻とその同僚の女を殺した罪で死刑になった男は、第二の殺人は否定したままであり、執行のあとで彼の妹もファロに訴えていた。上部に反対されながら、ヴィンスにせっつかれながらファロは個人的に捜査に乗り出す。

 先週、表紙(正確にはカバー)絵に不満だと書いたばかりである。しかしたいへん読みやすく面白かった。今回は重要キャラが女優でシェイクスピアの引用が多く、2巻目は歴史ネタだという。メアリ・スチュアートかもしれない。

 ファロが美男設定で、継子ヴィンスも母親似の美青年ということになっている。ーー絵がそれには追いついていない点はなぁ・・・。 デザインとしてはいいと思う、このカバー絵。


 ところで、「歴史ミステリー」という場合の「歴史」はなにを意味しているのだろう。実在の事件や人物がからんでくるのは納得しやすいけど、単に舞台が過去の時代であるだけだと多少の抵抗がある。「歴史小説」の定義づけにも関わってくる問題だ。 架空の人々の話であっても、しっかりした考証で時代の空気を感じさせるように描かれているならば歴史小説と言ってもいい気がするし、しかしだいぶ主観にも左右されそうだし。
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『ヘタリア』のドイツ語訳

2012-07-15 06:24:22 | ドイツ
 これはドイツカテゴリーなのかどうか。

 デュッセルドルフの知人に送って頂いている。
 ほかに、幻冬舎から出ている「旅の会話ブック」でもところどころ本編の訳が載っている。こちらは日本人による訳。
 ドイツで出ているほうは、名前からすると、ドイツ人と結婚してむこうに住んでいる日本人(または親のどちらか日本人)と推察される。こちらのほうがネイティブの感覚には近いだろう。
 この両者を比べてみると、二人称の選び方に違いがある。
 現代のドイツ語では、家族・友人など親しい間柄で使うduと、それ以外での Sieがある。(ほかにもそういう言語は多い) それをどう使い分けているのかを見るのは面白い。(『マリみて』のときにも話題にした。07.1.13の記事をご覧ください) 
 『ヘタリア』の場合、「日本」は常に丁寧語で話すキャラクターであり、ひとを「さん」「君」つけで呼んでいる。
 日本版の訳では、「ドイツさん」「イタリア君」は、英語のMr.に相当するHerrをつけて呼んでおり、Sieを使う。
 しかしドイツ版ではその違いがなく、ほぼすべてのセリフの二人称はduだけになっている。同じ言葉であっても、その他の雰囲気から違った言葉遣いを想像してもらえるのだろうか。 日本語のセリフの中では、人称代名詞の選び方はキャラクター描写にとってものすごく重大なものなんだけど。 某現代小説の邦訳で、機械的にduは「あんた」で Sieは「あなた」とあてているのではと思われるものがあってたいへんに不自然だったーーという話はもう書いただろうか。これについてブログ内検索をしてみて出てこないので、まだだと判断していま書こう。
 くだんの小説では、空軍大佐とその妻と娘、大佐の若い部下が主な登場人物である。大佐が部下に話す際に「あなた」を使っているのは、原文ではSieだと思われる。まったくヘンとまではいかないけど、「君」にしておくほうが自然ではなかろうか。そして、将校の奥様が夫や娘に「あんた」というのはなんとも不似合いだ。原文では duであろう。訳者は、名前からすると日本人ではなさそうだった。

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トスカと喜劇

2012-07-11 13:39:35 | 
『気ままなプリマドンナ』 バーバラ・ポール サンケイ文庫 
 『動物のお医者さん』の『トスカ』の話と同じ元ネタ(実話)を使っているということで存在はまえから知っていた(%)けど、ようやく読むにいたった。
 1919年のNY, 劇場が舞台。ジェラルディン・ファーラー(実在)はオペラのプリマドンナ。かつてドイツで活躍していたこともある。 フランスから新たに来たバリトン歌手がなにかとトラブルを引き起こして恨みをかっていたが、彼の喉スプレーにアンモニアが混入されていて、それで喉をつぶした彼は自殺する。犯人は?

 キャロル・ネルソン・ダグラス『おやすみなさい、ホームズさん  アイリーン・アドラーの冒険』  創元推理文庫
 去年書店で、なかなか可愛いカバーイラスト(マツオヒロミと書いてある)を見て気になっていた。
 失業中の牧師の娘ペネロピーは、女優で歌手の大胆な美女アイリーンに拾われる。ペネロピーはやがてタイピストの仕事を得るが、アイリーンは小国ボヘミアの皇太子の目にとまる。
 かの有名な『ボヘミアの醜聞』に登場してホームズとわたりあって印象深いアイリーン・アドラーを主人公にすえたシリーズの第1弾。オスカー・ワイルドやらブラム・ストーカーやら、実在の有名どころがあれこれ登場するのも楽しい。
 8冊出ているシリーズだそうだ、次からは普通に買いたい。

 上記のアイリーンや、『アレクシア女史』はカバーイラストが魅力的なことも注目する一因である。その逆に、創元から最近出た『修道院の第二の殺人』は題材は興味を引くのにカバー絵で気が萎えていて、目下のところ買っていない。


 『動物のお医者さん』で、ハムテルの母、絹代(声楽家)が地元のチープな舞台で『トスカ』の主演をするが、手違いにより悲劇が喜劇になってしまった話。「参考資料」として『オペラとっておきの話』と書いてあり、ここで紹介されている実話が取り入れられているとネットで見たので、そちらも確認したいと思っていたが、やっと実行できた。
 『珍談奇談オペラとっておきの話』 ヒュー・ヴィッカーズ  音楽之友社  1982
1961年のサンフランシスコ・オペラでの事件。死刑執行隊の兵士たちは地元の大学生たちを使ったが、彼らは物語をまるで知らず、指示もろくに与えられなかった。

 引用「退場は、主役といっしょにすればいいのさ」(アメリカでは、召使いなどその他大勢の役に与えられる指示は、一般にこんなものである) 引用終わり

 そして、舞台に彼らが出てみたら人が二人おり、どちらを撃つのか迷い、トスカに向けて発泡した、そして倒れたのは男のほう。
 追い詰められたトスカが身を投げ、それに続いて兵士たちも身投げした。

 絹代演じるトスカが、警視総監の遺体のそばにロウソクを立てるが、それが近すぎて燃え移ってアチアチというのは別の上演でのこと。
 本来は好色な警視総監スカルピアをナイフで刺し殺すところが、手違いでナイフがなかったので絞め殺すことにしたーーのは、『カルメン』で起きた事件。

 小説『気ままなプリマドンナ』では、撃つ相手を間違えたことと、退場のしかたのボケっぷりが取り入れられている(ストーリーの本筋には関わらないけど)。 
 こちらでは、「主役と一緒に退場」は、スポレッタ(スカルピアの部下)のつもりで言った、と書かれている。
 『トスカ』の台本では、「将校は兵士たちを整列させ、軍曹は奥にいる歩哨を呼び戻し、それから全員はスポレッタに先導されて階段を下りていく」と書いてある。 う~ん、やはりこれは「主役といっしょに退場」では不適切でズサンすぎではなかろうか。

 
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『夜明けあと』から

2012-07-08 05:57:44 | 歴史
星新一『夜明けあと』 新潮文庫   新刊ではない。BOで購入。現在では出ていないようだ。
 明治の新聞その他の記事からポツポツと抜き出し、たまに編者のコメント(たぶん)。
 その中から私の関心を引いたものを抜粋してみる。 (  )の中は出典で、そのあとの部分はたぶん星氏のコメント。私の感想は「ーー」のあとということにする。

明治10年(1877)
「札幌の学校で教えたクラーク博士「少年よ大志を抱け」と言い残して、帰米。在任中に「ライスカレー」を生徒たちに食べさせた。日本で、この名称をはじめて使った人。」
 ーーいまでは「ライスカレー」という名称がむしろノスタルジックになっている。

明治11年
「この年、米国ダコタ地方で、天然痘が流行。勇敢で若い女性開拓者、マーサ・ジェーンは、男装して奉仕活動。カラミティ(疫病神)・ジェーンの名がひろまる。 疫病と戦ったのだから、いまなら聖母(マリア)ジェーンと呼ぶのが適切。」
 ーー「カラミティ・ジェーン」は、アメリカのマンガLucky Lukeという西部劇(ドイツで買ったしアニメにもなっていた)で知った。威勢のいいおばさんのように描いてあったが。映画でも『カラミティ・ジェーン』ってあったな。 日本のマンガで取り上げても面白そう。

明治12年
「この年、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で、サッカリンが発明された」
 ーーサッカリン、私は直接には知らない。母の話では、たいへん強烈なイヤミのある味の甘味料で、終戦直後、甘いものにとにかく植えていたので使われていたという。 これがアメリカ産だと話したら、あんな豊かな国で?と驚いていた。私は、マズいものを作るのはアメリカか、と納得した。

明治18年(1885)
「華族の女性は、名のあとに子をつけ、省かぬようにと通達(改進新聞)。」
ーーいまこんなこと国民に命令したら暴動になるかもしれん。

明治21年
「福沢諭吉、女優の必要を話し、市川団十郎は、二人の娘にやらせる気になる(東日)」

明治26年
「ニュージーランドで、女性にも投票権。世界で最初の国となる。」
 
 まだ半分しか読んでいないのでここまで。残りも話題にするかどうか未定。



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ローマ話題というには苦しいが

2012-07-04 13:53:45 | ローマ
 岩波現代文庫で『古代ローマとの対話』by本村凌二 が新刊で出て、それを買った勢いで、同じ著者の、新刊ではないけど『古代ポンペイの日常生活』(講談社現代文庫)もこのさい買った。オビのルシウスにつられてということもある。
 発掘の前史として、18世紀に始まった発掘では王侯貴族が美術品を漁ることが目的でやり方が杜撰だった、それを古代美術研究の大御所であるヴィンケルマンが批判して、世間で注目されたと書かれていた。ヴィンケルマンといえば、ドイツ文学史上では欠かせない名前で、ギリシア美術を「高貴な単純と静かな偉大」と讃えた言葉は有名。その名前にここで出くわしたことは(その筋では常識かもしれないけど)私には新鮮だった。
 
 大型書店の岩波文庫のコーナーに置いてあった冊子『古典のすすめ』第1集。 作家・翻訳家の南條竹則氏の『ラテン語学者に憧れて』には『テルマエ・ロマエ』への言及がある。ローマ時代が舞台のマンガとしては『アステリックス』に並ぶ名作だと評している。  いまの日本では『アステリックス』のほうが知る人少ないだろう。このさいだからアニメの放映でもしてくれ。実写映画、第2弾の『ミッション・クレオパトラ』だけは日本でも上映されたけど、第1弾(1998か99年、私は留学中に見た)もやってくれ。
 この流れで言おう。 映画『テルマエ・ロマエ』でハドリアヌスを演じている濃い顔の市村正親氏、なんだか見た顔だと思ったら、ーー『アステリクス』映画第1弾でカエサルを演じていた人にちょっと似ている。マンガにそっくりに鼻は少しこしらえていたようだけど、相当にクセの強い顔には違いない。おかしなことに『ローマン・エンパイア』ではキケロに扮していて(でもカエサルのほうがハマっていた)、あっあの顔だ、と私でさえ覚えていたくらいだし。 Gottfried Johnは、ゴットフリート・「ヨーン」か「ジョン」か?ベルリン生まれだそうだけど。ドイツ映画でも見たけど。

 上記の実写『アステリクス』はフランス映画である、念のため。第1弾と第2弾でカエサルの役は違っている。2作目のほうが監督の自己主張が強くパロディ要素が多い。
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夏の文庫フェア開始

2012-07-01 05:59:49 | 
 去年は7月になってからだったと記憶しているけど、29日に大手書店ではもう並んでいた。

「新潮文庫の100冊 2012 」
「ナツイチ2012 」
「発見!角川文庫 祭2012 」
 
 冊子を比べると、三つすべてにはいっているのは『人間失格』『伊豆の踊り子』『赤毛のアン』『星の王子さま』の4作。
 2社に共通は、
新潮と角川  『坊ちゃん』『こころ』『海と毒薬』『銀河鉄道の夜』『羅生門 鼻 (芋粥)』 『十五少年漂流記』『変身』
新潮と集英社 『不思議の国のアリス』 『シャーロック・ホームズ』

 今年は集英社で古典が減っている印象。 毎年やっている人気マンガ家によるカバーは今回3つ。知ってるのは『るろ剣』の和月だけで、「眠狂四郎」なのは時代劇つながりということで違和感はない。  『踊り子』はまだ荒木絵が続いている。あの絵では濃厚過ぎると思う。
 (敬称略であることに理由はない、なんとなく。悪意もない。)
 景品のハチスタンプをもらいたい気はないけど、三浦しをんと今野緒雪がいるので『いつか。君へ Girls』を購入。

 角川では、これまたストラップいらんけど、ビギナース・クラシックス」の『平家物語』をなんとなく購入した。
 ホラージャンルのはずの「ふるえる」に『怖い絵』がはいっているのは笑える。『人間失格』のカバーの意味不明な子供たちの写真のデザインはまだ残っているのか・・・。

 新潮では、景品が毎年交代する。今年は数年ぶりにブックカバー。「100%オレンジ」のパンダは好みでないけど、この際一つくらい応募したくなる。 星新一と三浦しをんを買った。
 ここのスペシャルカバーは無地の一色カラー。『車輪の下』がオレンジなのはいかがなものか。(私の知る限りでは)去年大不評だった『金閣寺』のキンキンはやめている。
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