レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

姓名の順番

2015-09-27 14:13:37 |   ことばや名前
 市内の図書館のHPで毎日「新着図書」をチェックする。「日本の読み物」「それ以外の読み物」「歴史」。「それ以外」は主として外国文学を対象とする。「著者名順」に並べ替えれば、たとえばこんな具合になる。

H.G.フランシス アーナルデュル・インドリダソン アダム・ブルックス アンデルセン アンドレイ・クルコフ 池澤夏樹 ウィリアム・アレグザンダー エーリヒ・ケストナー ハンス・クナイフェル クルト・マール グレッグ・イーガン パトリシア・コーンウェル マリアンネ・シドウ スタニスワフ・レム (中略) マリアンネ・シドウ

 日本人の名前は姓名の順番で問題ないのだが、西洋人はたいていそれを逆にする。(ただし、電話帳や索引などではやはり姓を先に書いている。例えば Schneider, Anton のように、姓、コンマ、ファーストネームの順に示す。先日、学生のドイツ語検定の合格証を目にする機会があったが、これは(仮名)HASE Takashi という具合の書き方をしていた)
 ・・・ところが、この並べ方を見ると、まるで不統一ではないか!おまけに、同じ作家なのに、ファーストネームの頭文字とファミリーネームの頭文字の両方に分かれている場合もある。どういう基準なんだか。

 しかし、本名もしくはそれに近い名前で書いている人はともかく、ペンネームの作家でどちらが名前が姓かにこだわるのもたいして意味はない気がする。

 日本人は、名前がローマ字表記される時に姓名をひっくり返すことをほぼ当然視している。これまた、PNではむなしい。一般に大人同士では簡単に下の名前で呼ばないので、それは親密さを意味するし、姓を使っておくほうが無難である。しかし、PNだとある意味作品の一種のような感じがあるので(私はそう思っている)、本名の場合よりも気にしなくていいような・・・気がする。

 「田中鈴木」というふざけた名前のBLマンガ家がいる。これをローマ字にしてひっくりかえすなんて実にあほくさい。
 「新子友子」(『ロンリーウルフ』が代表作・・・というよりもこれしか知らん)は、新子&友子 という姉妹なので、これまた意味ない。


 「ことばや名前」を読み返してみて、以下の文章が目についた。

ところで、「ナハト」という名前は、ミュージカル『エリザベート』でセリフでききとれた「ナハト」からつけたという。「夜」と書いてナハト、(兄が)「五月」で「マイ」って、そんな無法な名前、現実に役所で許されるのだろうか?

 引用終わり。これを書いたころにはいまほど「キラキラネーム」「DQNネーム」が話題になっていなかったのか私の目に入っていなかっただけなのか。上記の話は桑田乃梨子『ふたごの妖精りるるとるりり』である。
コメント (2)
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紀行、終わりと始まり

2015-09-21 15:08:22 | 地理
 いま、地元のmewe(これでミウィと読むわけのわからん店名!)の6階は、有隣堂(本と文具)と無印良品だけの状態になっている。楽器の店はほかの階に移って、ほかにいくつかあった雑貨の店は全部閉店してしまい。なにが新しくはいるのかの表示もないまま。確かに、なければないでかまわない、あればちょっと楽しいかも、という類の店ばかりではあった。でもいまの状態は淋しすぎる。

 4階にコナミのあるビルの1階はスーパーとドラッグ、入り口付近にはこれまで輸入菓子・食品の店があったが、閉店して、いまは単にテーブルと椅子の置かれた休憩スペースになっている。


 BSであれこれ見ている紀行番組。私はこのブログで、雑記、マンガ、本以外のカテゴリーは同じ画面に重ならないようにしたい方針だけど、これは近いほうがわかりやすいので敢えて載せる(そうまでして訴える内容かとも思うが)

 BS日テレの「世界温泉遺産」は9月で終わるかも、と書いたけど、10月の放送予定も掲載された。しかし再放送がしばらく続くので、やはりそう遠くないうちに終わるのかもしれない気はする。そもそも今年の4月から「アンコール放送」なんていって全部再放送で固めていたのだ。しかし、まえからしばしば再放送がはさまれていたぞ。2010年10月に始まっていたのに5年で150回ということからしても明らかである。だから悪いと言うつもりは全くないけど。

 BSフジでは、『欧州鉄道の旅』『ヨーロッパ空中散歩』『路面電車で行く 世界各街停車の旅』の3本を、木曜22時台の『空と大地の欧州紀行』という枠の中での放映にするという。まえ二つはわかるが、『路面電車~』は欧州だけではないんだが? 『欧鉄』はここ数年日曜18時台で、スポーツその他で半分以上放送を休止されていることにムカムカしていた。それに比べれば木曜18時はだいぶ安定している(これまでここが路面電車だった)ので、3種を交互に放映するとしてもこれまでよりはマシになるのではと期待している。・・・すでに録画済のパートでないことを祈る。
27日に付記。次の放送は1日で#131、・・・13年に放送して、今年も放送したパートである、いいかげんにしてくれ! この2、3年、近いところをやたらと繰り返していることに不満を言うのは理不尽か!?もっと古いところを見たいと叫ぶのはわがままか!?

 BS朝日の『ヨーロッパいちばん旅行記』は去年の10月に始まったのにまだ23回ぶんしか内容がない、しかもうち11回がパリ、2回ずつがミラノ、フィレンツェ、バルセロナ、ロンドン。あとは南仏、ウィーン、ヴェネチア、ローマ、モナコ。国で分ければフランス12回、イタリア6回、ひどい偏り。これからドイツは?せめてベルリン、ミュンヘンくらい出してよ!
 ・・・と思っていたら、今月で終わるんだと! 怒ったのでHPのリンク貼るのをやめた! とうとう一度も見ないままだったな。たしか前の年にはこの枠では各国の料理についての番組『ヨーロッパ食堂』だった。次はなにをするのだろうか。
 27日に付記。どうもこの時間枠はまた紀行番組を放送するのではなさそうである。

 BS日テレの『ホテルの窓から』『トラベリックスⅢ』は9月で終わる。これらも、後番組が紀行というわけではなさそうである。

 BSの旅番組も飽和状態だと書かれていたのは数年前。淘汰の時期なのだろうか。
(正直なところ、どうせならばアレが終わればいいのにと思っているものはあるんだが・・・)


 17年6月7日に付記。
 上記の番組のうち、いまも現役放送中なのはBS-TBSの『世界一周!魅惑の鉄道紀行』(毎回見る)、『世界絶景紀行』(ヨーロッパの時に見る)。BSフジの『空と大地の~』はとっくに終わっているが、『欧州鉄道の旅』はなぜかふたたび再放送中。私にとっては録画済のパートばかりでありがたくもないけど。
「欧州鉄道の旅」
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支配者 ゴールドスティン

2015-09-16 11:04:11 | 
『支配者  チューダー王朝弁護士シャードレイク』

 シリーズその3.去年出た集英社文庫。
 ヘンリー8世の時代。マシュー・シャードレイクは以前はトマス・クロムウェルを上司に持っていたが、いまはもうクロムウェルも故人(王に処刑された)。
 今回、北部への王の巡幸に随行して、謀反人の身柄をロンドン塔まで送り届けることを大司教から言いつかる。行った先で不審な職人の事故死(?)に関わりあったり、王妃(キャサリン・ハワード)の不義密会(?)を目撃してしまったりする。
 リチャード三世を歓迎していたというヨークの地も舞台になり、薔薇戦争の時代も話に上る。そしてエドワード4世の出生もまた大きく絡んでくる。
 ここでもつくづくヘンリー8世は嫌な奴であるが、物語作者にとってはこんな濃い奴使いでがあるに違いない。
 

『ゴールドスティン』上下 フォルカー・クッチャー 創元推理文庫

 去年出たもの。ナチス台頭木期を舞台にしたゲレオン・ラートシリーズの第3弾。
 左と右の紛争がますます物騒になっているベルリンに、アメリカからユダヤ系の殺し屋が潜入してくるので、その監視を命じられたゲレオン。



 来月の文庫新刊リストを見ると、確実に買うのは岩波文庫『椋鳥通信 中』森鴎外。 買うかもしれないのは、マギー・ホープシリーズの4作目『スパイ学校の新任教官』。
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ダ・ヴィンチ系女子高生 カルバニア物語16 その他

2015-09-10 13:06:48 | マンガ
 今日、「太洋社」のHPに来月のコミックスと文庫本の新刊リストが載った。どうも、確実に買う!というコミックスがない。

 先日出たばかりの『ダ・ヴィンチ系女子高生』はアマゾンでレビューを投稿したのでそのリンク。

「ダ・ヴィンチ系女子高生 1」

 芳文社の4コマ月刊誌「まんがタイムファミリー」で連載中。
 ルネサンス三巨頭の次くらいにくるボッティチェリの絵は正直なところあまり好みではないのだけど、これを読むと本人はかわいく思えてくる。
  舞台がスペインに飛んだ際に出会うアナ・デ・メンドーサ(エボリ公妃)は、『サラディナーサ』にはミステリアスな隻眼の美女として登場していた。こちらでは男前キャラ。
 こまさんのキャラデザインだとレオナルドもかわいいけど、史実ではたぶんかわいくないタイプだったと思う、絵が本人に似ているとすれば。
 発売の翌日に買いに行ったところ、3軒のうち1軒にはなく、あと2軒では2冊と1冊しかなかった。それ全部私が買ったけどね。


『カルバニア物語 16』 TONO

 年に1冊のペースなので外部時間(読者にとってのリアル時間)と内部時間(物語中での時間のこと。私の造語)のズレが大きい。エキューのパパのカイルと再婚相手ナタリーの結婚式が今回ようやく実現。そしてタニアと母プラティナの再会。再婚後に肥えていたプラティナは奇跡のダイエットでまたスリムに! 再婚後に生まれた娘テフが、いきなり細くなった母にとまどっているのがかわいい。
 優秀な王子コンラッドが、結婚式に(タニア目当てで)招いてほしいけど言い出せずにいて、屈託のない弟のおかげで叶ったという展開も笑いを誘う。
 カメのようにのろい話の進みだけど、グダグダ感なくそれぞれのエピソード・キャラが面白いと思わせるのが偉い。


『一の食卓 2』 樹なつみ

 白泉社の隔月誌「メロディ」連載。
 例えて言えば『るろうに剣心』+『懐古的洋食事情』。
 今巻は、原田左之助の参入。上野の彰義隊で死んだのが定説だけど、生きていて満州で馬賊になったという説もあるので、生存説を採用したということか。満州に行くかどうか知らんけど。
 明が豚肉のハムを出して「豚肉は大丈夫ですか?」ときいた時、「居候してた寺で豚を飼って食ってたんだ 坊主どもが怒る怒る!」ーーあははは。(残飯処理に使って、いずれは食べる。リサイクル!)


『シネマちっくキネ子さん 2』 オイスター  芳文社

 映画監督のつもりだけど、映画マニアの貧乏青年を助手にしているだけで資金もネタもないキネ子さん、周囲にへんな奴らだけは集まってくる。
 ゾンビもどきが襲撃したとき、クマの着ぐるみに対してゾンビのくせに「死んだふり」してくれたのがたいへんおかしい。
 旧作『男爵校長』のキャラがちらちらと出てきているのが意外な楽しさ。
コメント (5)
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ドイツと音痴

2015-09-03 14:43:00 | ドイツ
 図書館の本を検索していたら偶然発見した、『満員電車は観光名所(クール・ジャパン)!?  世界が驚く日本の「日常」』。原作:サンドラ・ヘフェリン 漫画:流水りんこ KKベストセラーズ 去年出たエッセイマンガ。

 サンドラ・ヘフェリンさんは独日ハーフで、ここで話題にしたこともある。流水さんは、角川の「あすかミステリーDx」で読んだことがある。殿様の幽霊が大暴れするコメディ、本来あまり私の好みではない濃いタイプの絵だけど面白かった。インド人と結婚していてそれを扱ったエッセイマンガが有名になっているけど私は読んだことはない。

 その二人が会話しているという設定で、彼我の違いが紹介される。

 「ドイツ」カテゴリーなので、その点で、驚いたこと、わかるわかる、であることを書いてみる。

 著者のドイツ人の友人が日本で、日傘をさす人見て驚いている。確かに、向こうで見なかった。帽子すら少なかったという印象。「多少の雨でも傘ささない」そうだけど、現地で買った雨傘は丈夫そうだった、多少でない雨用だったのだろうか。雨や雪の時にはたいへん頼もしく、しかしずっしり重いのでさしていないときにはお荷物感の大きいこと。あれを持ってこなかったことは後悔している。

 日光に対する飢えが北の人には強いと言われるけど(洗濯物を外に干すのはダメなのに半裸になって日光浴はする)、異常気象のような酷暑になれば少しは変化があるのだろうか?

 「演歌」を北ヨーロッパの人に聞かせても理解できず、「寒い港町で帰らない男を待ってセーター編むって生産性ないよね」--は笑える。日本人でもこういうツッコミは出るけどね。(私自身は、男に尽くす、待つ、すがる、耐える、なんて世界はうっとうしいと思う

りんこ「ドイツもビール飲みながら皆で歌ったりしてるし上手そうだよね」
サンドラ「・・・・・・いや ドイツ人は 実は音痴の人種です 学校でも皆で歌を歌うような授業ないし!だからドイツ人は一人で歌わないで酒場でみんなで歌んだと思う~~」

 ・・・そうなのか!?

 合唱団なんて教会でも地域でもよくあるようだし、好きな人や専門教育を受ける人はそれぞれで思いっきり励むけど、その他の人々は歌を学んだりしないということなのか? (専門家をつくりたがるか、多くの人が広く浅く、の差?) では音楽の時間に何をするのだろう。

 名のある作家(H.M.エンツェンスベルガーだったような)が、ドイツの音楽といっても、ビヤホールで歌うようなものと、堂々たるクラシックとの間には大きなレベルの差があると書いていたことがあるけど、関連があるだろうか。

 もう30年以上まえの本に、酒を飲んで放歌高吟するのは日本人とドイツ人だけだと書いてあったけど、あれはどの程度正しいのだろうか。
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かわいい斎藤一

2015-09-01 15:57:03 | 新選組

『新選組 試衛館の青春』松本匡代 2012 サンライズ出版 上下巻

 これは新刊ではなくて、地元図書館の棚でいまごろ目にはいった。

 タイトルのとおり、試衛館時代の物語。主人公は斎藤一。

 あとがきで作者が、「若い頃とはいえ、こんなに可愛らしい斎藤一は見たことないし、土方と山南がこんなに仲がいいのも初めてだろう」と書いているがまさにそのとおり。

 ここでの一くんは、貧乏御家人の末っ子、両親と兄と姉にまともに可愛がられているボンボン。剣術の腕が立ちすぎるので生意気だと道場で冷遇されるのが面白くなくて足が遠のいたところで、知り合った沖田総司に試衛館に誘われる。

 沖田の年齢に関しては、享年27歳説もあるけどここでは25歳説に基づいて、沖田、斎藤、藤堂が同じ歳設定で、文久3年現在だと20歳。

 歳三の3番目の兄は医者の家に養子に行った史実だけど、これまであまり登場することがなかった、その兄が大いに世話焼きで活躍するのが新鮮である。

 ほとんどのキャラたちがあまりにいい人たち過ぎて、ほんの数年後には殺伐となることを思うと辛い。

(『チェーザレ』でミゲルがアンジェロの家で「いごこちが良すぎていごこちが悪い」とつぶやいていたことを連想する)

まあそういう点では、山南の弟が体は男・心は女という架空設定で、恋敵(女)を追い詰める意地悪さが面白かった。

その他、

『土方歳三の小姓』土方洋(ひじかたひろ)文芸社2014、『闘鬼斎藤一』吉川永青(よしかわながはる) NHK出版2015 は新刊の中で目についたもの。トガリンの『土方歳三』もあった。新しい本でなくて書棚でいまさら発見されたものもほかに数冊、なんだか久々に新選組小説をあれこれと読んだこの夏であった。
 サトケンの『ラ・ミッション 軍事顧問官ブリュネ』はもちろんトシが出ている。この作家で初めてではない「赤マフラー」。

 この数年、アニメでもいくつか出ている話はきいているが、私にとっては小説よりもマンガよりもアニメがはるかに手を出しにくい。









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