レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

ま~た~伸びたのか『秘身譚』2!

2011-11-29 15:31:17 | ローマ
 ローマ絡みの小ネタをいくつか。

 『テルマエ・ロマエ』の映画のHPもできている。
「映画 テルマエ・ロマエ 公式サイト 」
 ところで、当時は男女ともに脱毛は盛んであったというけど、この映画の出演者も時代考証として脱毛するのだろうか? 男の体毛などに注目したくもないのだけど、ドラマ『ローマ』ではどうだったか。盛んに脱いでいたわりに胸毛など目にした印象がほとんどない。

 『乙女の美術史』が「日本編」「世界編」と出ている。ローマに触れた部分で、なぜかプリマ・ポルタのアウグストゥス像が例に挙がっている、さほど本文との関連は感じられないけど。  

 先月あたり出ていたアンソロジー『歴史彼氏』。B6サイズ。古代の分類に『もしあの美女が女装男子だったら』として、オカマのクレオパトラが出ている。カエサルがおじさんでもハゲでもないあたりがものすごくヘンだけど怒る気はしない。  カエサリオンの出番がないから、このほうがかえってあとの歴史は平和だろう。

 12月のコミックスリストをチェックして、なにか足りないと思ったら。--講談社、『秘身譚』2巻はいつ出すつもりなんだ、いいかげんにしろ! 電話の一つくらいしてやっていいかもしれん。

 今朝、コンビニで立ち読みした、通称「残グリ」こと「まんがグリム童話」(ぶんか社)。レディコミには「残酷童話系」と呼ばれる分類があり、これも、メルヘンや古典や歴史を(しばしばエロ・グロ要素つきで)アレンジする雑誌である。で、今月号には『クレオパトラ・セレネ』というものがあってだな・・・。
 作者に私は心の中で死刑判決を下した。オクタヴィアをブスに描いたばかりか、根性まで悪く描くなど、アレンジの域をこえて誹謗中傷である。クレオパトラものに対してあれこれモンクをつけることはたびたびあるけど、ここまで、ストレートに単純に怒りを感じたことは初めてだ。
 同じ雑誌の『クレオパトラ』のトンデモ作品でも、ネコ耳ロリっ娘のクレオパトラなんてあまりのアホアホっぷりでギャグとして笑えた。シーザーはエジプトで暗殺されたことにしておいて、彼とクレオパトラはカケオチしてローマへは彼女にそっくりの母が行ったという話はあまりのぶっとびぶりで笑い飛ばせた。


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予約したら守るもの

2011-11-27 05:57:58 | 雑記
 大学の講師室の隣にはテレビ・ビデオなどの機材室がある。使用者は予約表に名前を記入して持っていく。
 火曜日の1限に私の授業がある。朝、たいてい一番手前に「1」があるので、これを持っていけば簡単だ、しかし予約表にほかの名前(たぶん外国人)が既に書いてあるので、うしろから別のを持ち出す。ーーしかし、その1番が実際に持っていかれたらしい形跡はこれまでにない。 
 ほかにも、その部屋に残っているぶんと、予約表を比較したら、予約済みのNOが残ってたりその逆だったりする。
「機材のNOと予約表のNOが同じかどうか確認してください」と張り紙がしてあるところを見ると、違うものを持っていく人は少なくないのだろう。別のを持っていくならば、予約表を訂正しておけっつーの!

 地元駅のホームから、近くの美容院の宣伝のネオンが目にはいる。その中の「予約者優先」には、--あたりまえだろうが、と思わずにいられない。予約はする側にとっても負担であり束縛だ、約束した日時に行くのが義務であり、その不自由さとひきかえの確実さではないのか。
 予約というと、腹立たしい過去が3つもある。
 その1. 大学近くのケーキ屋で、クリスマスケーキを予約した。しかしどうも、そのときの受付た男店員は女の子とぺちゃぺちゃしていてあてにならない感じだったと母は言っていた。当日行って、ふつうに買えた。そのあとで、予約してあったことを念のため言うと、はいってなかった。--○月○日の○時○分ごろの予約だよ、そのときの担当者は誰だ!と言ってやりたかった。
 まあこれはたいした問題ではなかったけど。
 その2.
 独文の合宿で河口湖へ行ったとき、新宿から高速バスを使った。電話で予約しておいたけど、当日朝、窓口で、もういっぱいで乗れないと言う。「予約したんですけど」「いっぱいです」  そんなバカなことがあるか、と腹立ったが、急いでいたのでほかの窓口へまわり、すんなりと乗れた。  
 その3.
 大学の卒業式で袴をはくことにして、美容院で予約をしていた。ところが、--どうしてそんなことが許されたのか疑問であるがーー飛びこみが入ったらしく、私のぶんが遅れた。おかげで遅刻した、  これもたいした問題ではなかったのだけど。
 これらのうちで最悪だったのは高速バスの件だ、時間の余裕もなかったし。

 初めに書いたビデオの件、機材は8つあり、全部出払ってしまうことはほとんどない。一応予約をしておくにしても、使わない可能性が高くなったならばいったん取り消してもらいたいものだ。単に名前を書いたり消したりするだけなのだから。

 上記機材の件、先週は「1」が使用されていた。使われるならばなにもモンクはないのである。

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バイロイト、タケダ

2011-11-25 14:41:48 | ドイツ
 11月に訪ねたドイツの町で、まだここで言及していないところはあったろうか?。90年の秋にボッパルトに語学研修でいた際に、11月の初めの週末+アルファにニュルンベルクに3泊して、近くにも足を伸ばしたことは前にも少し書いた、そのときレーゲンスブルクとバイロイトに日帰りで行ったのだった。このブログで「バイロイト」で検索したら2件しか出てこないので、もう少し書いてもよかろう。

 90年の11月3日(土)の朝、ボッパルトを発って昼前にニュルンベルクに到着。その翌日はレーゲンスブルクへ、そして月曜はバイロイトへ。旅行の際には、週末と月曜の行き先に気をつける必要がある。週末は買い物がしにくいし、月曜は博物館の休みが多い。ここを月曜に宛てたのは、見どころである「ヴァーンフリート荘」が月曜も開いているからだった。
 駅からの道の途中に、ドラゴンが口から水を吹いている形の噴水があり、ドイツ兵らしい像が立ち、どうやらこれまでの戦争の相手国の名が書かれていて、その中にはJAPANの名もあった、第1次大戦でのこと。
 ヴァーンフリート荘=ヴァーグナー博物館 では「イラスト、彫刻(?)、人形が楽しい」と当時のメモに書いてある。

 98年9月に行ったときにはここで2泊した。駅に近いGoldener Hirsch(金の鹿)というホテル。
 まず、祝祭劇場へ。「ヴァルキューレ通り」「ニーベルンゲン通り」「マイスタージンガー角」「オランダ人亭」なんて名前が目にはいる。建物を外からながめるだけで、この日はもう外出しなかったようである。部屋にテレビがあったのであれこれ見ていたらしい、当時のメモに依ると。『ラ・セーヌの星』がStern der Seineというタイトルで放映されていた。この題は直訳、でも主人公は「シモーヌ」でなくてなぜかNadineになっている。たいして意味のある変更とも思えないけど。「イルカが出てくる」と書いてあるのは、やはり日本アニメの内容だろう、私は知らない話。
 翌日の午前中はまた「ヴァーンフリート」へ。そのあと「ジャン・パウル博物館」へ。(ジャン・パウルは、19世紀の小説家。ロマン派と写実主義の間に置かれ、本によってはロマン派に収めていることもある) 実を言うと印象がほとんどないのだけど、メモには、「1813年 婦人のための文庫 コッタ社」「小さい・・・」と書いてある。当時はよく読まれていて特に婦人読者が多かったというから、そういうファン用の小さい本が出ていたのだろう。
 午後、「新宮殿」、美術館として使われているのだろう、ギド・レーニ『クレオパトラ』と書いてある、たぶんほかの本で知っている、手にヘビを持ったあの絵だ(ヘビでなく短剣ならばルクレチアになるところだ)。
 3時台の放映である『セーラームーン』を見ているので、この日もやはり、たいして精力的に出歩いたというわけではなかった。
 バイロイトはほかに、リスト関連でなにかあったような気がする。ヴァーンフリートを出たあたりで、道案内標識を見たけど行かなかったような記憶があるけど、自信がない。自信ないといえば、いま手元にあるガイド本には「ジャン・パウル・ハウス」が書いてあるけど、私はこの方角に行った記憶がないのだ、そもそもこの町でのジャン・パウルについて見たものについても怪しい。バンベルクでホフマンハウスに行ったことはきちんと覚えているのに、ジャン・パウルごめんね。
 バイロイトのHPを見ると、やはりリスト博物館は存在する。ほかにも博物館はいろいろとあるようで、また行く機会があれば楽しみ方は多そうだ。

 まったく関係はないけど、ネットで見かけたので貼っておく。
「ドイツ人が日本に興味を抱くワケ」
 「サムライグループ タケダ」は、私は97年の番組「世界から見たニッポン」とかいうもので最初に見たし、そのあと別の機会にも出てきていた。 そもそもは映画『影武者』にハマったことがきっかけだとそこでは言っていた。では彼らは大河『風林火山』を当然視聴していたのだろうか(デュッセルドルフでは日本の番組もけっこう見られるはず)。道具づくりの凝りようは、さすがドイツ人と言いたくなるものである。


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12月の新刊では

2011-11-23 15:11:38 | マンガ
『きのう何食べた?』 よしながふみ  講談社 B6版
 出ているのは5巻までだけどいまは3巻まで借りて読んだ。
 筧史朗43歳弁護士、ハンサム、ゲイ。同居人(同棲というべきか?)は矢吹賢二41歳美容師。
 シロさんは倹約家で料理にマメで、その料理場面がこのマンガの売り物のうちであるらしい、そう奇抜な高価な材料は出てこないし。青年誌なのでなのか、ゲイ設定とはいっても直接的な場面は皆無。
 お買い得な大きいスイカが大きすぎるので店の前で悩んでいたことから、近所の主婦と分け合いっこ友達になってしまう成り行きがおかしい。(いま、「てんまつ」と書きたいのに、旧漢字が出ないのだ、「顛」になってしまう。なんとも違和感がある字面だ)
 セロリがダメになっていたので落ち込んでしまう気持ちはよーくわかる、私も食べ物をムダにしたらたいへんイヤだ。
 「シロさん」という名で連想するのは、『動物のお医者さん』のゲストキャラ、「薄幸の美少女」のような顔をしていながら食い意地のはったベジタリアン犬。
 事務所の若い女子職員のセリフ、「芸能人でもない43歳の男であの若さと美貌ははっきり言って気持ちが悪い!」には、某初代皇帝を連想する、いや、ほとんど先入観なんだけど、『ウェルギリウスの死』などのせいで。

『木暮荘物語』  山崎童々 祥伝社 A5
 コミックスリストで見たときにはマンガ家名だけだったけど、三浦しをんの小説が原作。
 ボロアパートが舞台で、なにかとヘンな人々がうごめいている。
 花屋の店員の繭のところに、3年前にいなくなったきりの男がいきなり帰ってくる、もう新しい男が暮らしているのにこいつも居座ってしまう。
 そういう様子をのぞいている変態一歩手前の隣人。
 その階下で、のぞかれながら放置している、醒めた女。
 
 三浦しをん作品でマンガ化されたのは3つ(たぶん)、それらは面白く描かれているけど絵としてあまり好みではない。
とは言うものの、私の好きなタイプの正統派少女マンガの絵ではたいてい合わないだろうとは思う。
 「白しおん」(※)に属する『神去なあなあ日常』、『仏果を得ず』などもわりにマンガ向きだろう。『仏~』はカバーが勝田文だった(『ジーヴス』マンガ化中)

※どこかのインタビューで、そのインタビュアーがこの作家の作品の明るいもの・暗いものを「白しおん」「黒しおん」と呼んでいた。


 12月の新刊で購入するものは、
さいとうちほ『子爵ヴァルモン  危険な関係』2
『テルマエ・ロマエ』4
『風光る』31
河村恵利『衣がえしの君ーー秘聞平清盛』『清水鏡ーー異聞源頼朝』は、新刊とは言い切れない再編集本。大河狙いは見え見えだけどかまわん。集英社から文庫で佐久間智代の「歴史ロマンDx」の平家シリーズも出たことだし。

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「世界の偉人」ツッコミ

2011-11-20 15:23:03 | 歴史
 かつて朝日新聞社から、「週刊マンガ日本史」というものが出ていて、「新」を合わせて100冊あった。結局私はまったく買っておらず、いくらか手にしただけで終わった。 やはりというのか、その「世界」編が出るという。しかしどうもその顔ぶれにはおおいに疑問がある。
 少なくとも、龍馬と信長はまえにもやっただろう? 
「世界の偉人 」

「週刊マンガ日本史」

 そもそも「偉人」という言葉からして抵抗がある。「マンガ世界人物伝」あたりにしておいたほうが無難だろう。いわゆる「偉人」だって、業績は別としてどこか一般道徳の点で問題のある人はいくらでもいるものだし、「英雄」だともっとダメなことが多い。それらをいちいち目くじらたててるのもかなり空しいとは思うのだ。 劇的な魅力というものが、善悪という基準よりも劣っていると決めつけるつもりもない。 しかしなぁ~~。
 「偉人たちの感動の物語をお届けします」 
 「偉人の人生がマンガで学べる」
 「世界を動かした偉人が勢ぞろい!」 
 「情熱と信念を持って生き抜き、世界を動かした偉人を厳選しました。困難にめげず、大事を成し遂げた彼らの人生を通して、「人間の力ってこんなにすごい!」という感動を子供に伝え、「自分もこんな人間になりたい!」という気持ちにさせます」
ーーなんて具合に、偉い人!とあまりにも堂々と言いまくっていると、
 天才でもないのにモーツァルトやベートーヴェンみたいな人なんてそのへんにいられちゃ困るだろ、とか、
 アンネ・フランクが世界を動かしてはいないだろ(動かしてたらあんなめにあってない)、とか、
 「情熱と信念を持って生き抜き、世界を動かした」ならばヒトラーだってあてはまるだろ、
などなど、いろいろとツッコミはわいてくる。
 アレクサンドロスがあるのになんでカエサルがなくて、クレオパトラなんだよ、とも。(もちろんこの人たち、現代人にとって道徳的にまずいことは多々あるし、子供のお手本にされるようなもんじゃないのだが)

 確実なことを一つ。
 「グリム兄弟 世界中の子供に愛される童話を作った兄弟」
  「童話集」を作った、ならば間違いでないけどね。

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やっと出した申し込み

2011-11-18 14:41:52 | 雑記
 『ヘタリア』のアニメDVDの5-8の全サ、代金1000円を郵便局で払い込むことはとっくにしてあったのに、応募券を送ることはまだった、今日ようやく投函した。
 締め切りは今月末である、もし、予定があって実行していない方はお急ぎを。

 講談社文庫のムーミンフェア、応募券10枚はとうにたまっていたので、それは手ぬぐいをもらうことにしていた。もう少し買うものがありそうなので、5枚で文庫型ノートと思っていたが、今月のはずだった『皇妃エリザベート』は来月になり(フェア対象は今月新刊まで)、作家の名前からドイツ作品かと思っていた小説はそうでないのでやめて、それならば無理して5枚そろえることもないと気がかわった。だから10枚ぶんだけで送った。 こちらは今年いっぱいが期限。
 (ところでああいうのは、「一枚の応募用紙で一つの申し込みに」という注意書きはあるけど、封書一通につき応募用紙一枚だけにせよとは書いていないのだ。同じ封筒で複数枚の応募用紙をいっぺんに送ることはかまわないのだろうか。)

 ベーカリー「ルパ」の秋のフェア、今回は紅茶セットがあるので2回応募、今日それを応募箱に入れてきた。こちらの期限は20日でじき。
 「ルパ」の買い物ポイントは半年行かずにいるとパーになってしまうもので、いちどその失敗をしたことがある。しかし、景品が欲しいものぜんぜんないので悔しさ半減だった。いまはまた貯めているけど、そのうち、私も欲しい品が出てくれるだろうか。食器はいらんよ。

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わが母の記 迷宮 羊飼いの指輪

2011-11-16 14:49:19 | 
『わが母の記』 井上靖  講談社文芸文庫
 映画化の帯つきで並んでいたので、まえに読んだことはあるけど買った。
 作者の母の晩年(80歳、85歳、89歳の死)を扱った、私小説に分類してもよさそうな連作。記憶の新しい部分から抜け落ちていってだんだんに若いほうへ子供のほうへと逆行していっているかのようなありようを、淡々と、甘さは排しながら透明感をもって描いている。
 併録の『墓地とえび芋』、これも少しは実話がはいっているのだろうか。
 京都の古道具屋からの連絡を受けて、買い物のために出かけて、しかしその主人は急死していて葬儀にたちあい、妻からはえび芋その他野菜の買い物を頼まれ、その傍ら、かつて京都で生まれてすぐに死んだ娘のために墓地を買う。慌ただしいといえば慌ただしい、不幸と喜劇味の混在した小品。

『迷宮』 清水義範  集英社文庫
 新刊というわけではないけど、なぜかまた売り出し中のようで、目立つところに出ていた。図書館で借りて読んだことはあるけど。
 病院に閉じ込められている「私」は、治療と称して、ある猟奇殺人事件の記録を読まされている。医者でもなさそうな男が面会にやってくる。
 えたいのしれない不気味さのある、謎解きとはなにか異質なミステリー。

 --殺人について犯人自身は、父とは無関係だと言ってるけど、やはりこの暴君の父にも息子の心の歪みの原因はあったと思うぞ。

『羊飼いの指輪』 ロダーリ  光文社古典新訳文庫
 メルヘンを下敷きにした物語に、それぞれ三つの結末を用意してあり、最後に作者はどれがいいと思うかの評がついている。
 ピノキオがウソによって伸びた鼻を切り落とし、その木を売ってもうけるけど、ウソを考えるのも疲れてくる。
 人間たちが幽霊を怖がらなくなったので、怖がってくれる星を目指す。
 ミラノの空から大量に帽子が降ってきた、その理由とはなんだったか。
  私は、ピノキオのあんまりな物知らずゆえにご破算になる結末が気にいった。
 はなはだ愉快な一冊。
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和ものコスプレマンガ、木原、大和その他

2011-11-13 06:15:37 | マンガ
『伊勢物語』 木原敏江  集英社 B6
 木原さんは、中学生のころに激しくハマり、いまは、関心のある題材だと読んでいる作家の一人である。代表作の一つである『夢の碑』を私は通しで読んでいないのだな。華やかな絵でも和物が浮かないのはたいしたものだと思う。古典には縁が深いし、たいへん似合う題材である。
 有名な『筒井筒』は、かつて『夢幻花伝』でもモチーフに使ってあったし、感慨深い。あれのクライマックス、思い出の歌を口ずさみながら愛しい人の腕の中で息絶える亜火、「君ならずして たれかあぐべき・・・」 思いだすだに感涙ものである、まさしく少女マンガの花!と言いたい陶酔感。
 さて、その元ネタであるエピソードを扱ったこちらの話では、せっかく結婚した男がほかにも通う相手をつくってしまったことに対して、経済的な面を考えての理解と諦めを付加していること、男がもどってきても、多大な期待はしないようにしていること、結局捨てられた新しい女にもそれなりに愛すべきところを描いている点などがわかりやすい。
 高慢なツンデレ女の話は、原典の記憶がないけど、こういうワガママな女にもいじらしさを与えることはけっこう得意な気がする。(『ユンター・ムアリー』が前例)

『イシュタルの娘』4巻  大和和紀
 戦国の才女・小野於通を主人公に据えているので、周囲の有名人たちもぞろぞろと登場、もちろん秀吉や茶々も。4巻では鶴松が生まれたところなのでまだ先は長いだろう。 ここでもお江は江与の名前で出てくるが、ほとんど男装して、意図的に変わり者としてふるまっている。流される生き方を受け入れてはいるが、そこには淡々とした覚悟が感じられる。
 
 同時に出た同じ講談社の『江』も4巻で、こちらは次がラスト。大河が終わるよりも遅いとは意外だった。うわさにきいている大河の内容よりこちらの少女マンガバージョンのほうがはるかにまともだと思うけど、人物の呼び方にはどうも抵抗を感じる、「秀吉様」なんてほぼありえなかったろうに。せめて「太閤殿下」とくらい使ったらどうなのか。
  
 重なる題材といえば、『華の姫 茶々ものがたり』byわたなべ志穂(小学館)は、先月5、6巻をまとめて出して終わりにした。通常はたぶん軽めの学園ラブコメを描いているマンガ家のようだけど、これは軽くはなく全体としてはオーソドックス少女マンガ歴史ものとしてのセオリーにのっとったもので、きちんとまとまって終わったと思う。天海和尚=光秀という設定はもう少し生かしてよかったのではないか。
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ハヤカワ「強い100冊。」

2011-11-09 13:16:05 | 
 文庫フェアとはいっても、景品などはなくて単にセレクトしただけというものもある。このハヤカワ文庫のもそれ。冊子があるだけまだ意欲が見えるというものだ。去年もやっていて、今年も同じ本は当然ある。
 プレゼント品もないのかとブツブツ言いながらも、やはり冊子を書店から持ってきて、何冊読んでいるか数えたり、新たに読むならこれがいい、とか考えることは楽しみがある。
 これらのうちで、私が既に読んでいるのは7冊、最も好きなのは、なんといっても『鷲は舞い降りた』!!!、次いで『女王陛下のユリシーズ号』か。『深夜プラス1』は、どこでも評価の高い古典だけど、どうも私はよくわからん。もっとわからんのはジョン・ル・カレ(今回は意外にも入ってない)。
 読みたいもの10冊を書き出して、図書館のHPで検索。市内の図書館には全部ある。それらを、文庫か単行本か、地元図書館にあるかよそなのか、で分類、いちばん条件の良い「文庫で地元」に『テンプル騎士団の古文書』があるので、そのうち借りよう。
 100冊に『ロング・グッドバイ』がある。村上春樹の新訳ということで宣伝してるが、この題が気に入らん。従来の『ライ麦畑でつかまえて』が村上訳で『キャッチャー・イン・ザ・ライ』だし、最近新聞に広告の出ていた現代小説が『バット・ビューティフル』。村上春樹に敵意を持つ理由など私にはないけど、こういうセンスは大嫌いだ。(「キャッチャー」では野球の話かと思うだろうが) だから、敢えて『長いお別れ』を購入した。両方とも同じハヤカワ文庫から出している状態ってぜいたくかもしれない。そのうち『ライ麦畑~』もまた読んでみるかな。

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犬の連想でいくつか

2011-11-06 05:38:34 | 雑記
 昨日の新聞に、カレンダー特集の1ページがあった。動物ものは定番、犬・猫は特に。ウサギやハムスターはあっても、爬虫類系はやはり見かけない。少数派のシュミであることは間違いない。
 犬は、柴犬、コーギー、レトリーバー、等々さまざまだけど、猫はその点、「猫」「子猫」で、あまり分類していない。
 猫派の人は「猫は猫」なのに対して、犬派は犬種にこだわるという話をだいぶまえにきいたけど、確かにそういう節はありそうだ。

 長いこと渋谷に行っていない。かつて「ハチ公ショップ 渋谷のしっぽ」という店があったが、いまはもうなくなっているそうだ。犬用ではなく犬好きの人間のためのグッズの店で、ここで買ったTシャツを私は3枚持っていた。うち1枚は、あまりに穴あきになったのでもう処分した。あとの2枚も今年で終わりかな。洗濯しまくったので絵などもうほとんど落ちてしまっている。(トレーナーは健在。)
 この店とは関係ないところで、「MOE」の懸賞であたった(だったかな)「しばわんこ」Tシャツもある。私の持ってるTシャツはたいてい犬かドイツだ。

 犬つながりで。2か月まえの新潮文庫『お江戸でござる』の、『旅行』の章。お伊勢参りについての部分から。
「犬もお伊勢参りをします。飼い主の夢に出て、「お伊勢参りがしたい」とお願いされたら、犬の首に賽銭を結びつけて送りだします。お伊勢参りの人々にかわいがられながら、ちゃんと伊勢までたどりつき、大抵は、賽銭を十倍くらいに増やして帰ってきます」
 う~、想像するだに可愛い~~。犬に下げた賽銭、泥棒する人間が、いなかったわけではないにしても、くれる人のほうが多かったということなのか、なんてのどかな話だろう。
 そういえば(?)もう10年以上まえ、TV神奈川の番組に出ていた小田原のある飼い犬。食べたくなると勝手に出かけて行って肉屋さんへ。店では食べ物を与えて、あとで飼い主に請求。地元の名物犬になっていた。ぜんぜん役にはたたないだろうけどラブリーだった。

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