レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

紀行番組、終わりそうなもの続いてほしいもの

2015-08-31 10:27:07 | 地理
 紀行番組に関しての話題は「地理」カテゴリーにいれているので今回もそうする。

 4月と10月はテレビ番組の改編期。

 私は何本かBSの紀行番組を見ている。BS日テレの、わりに気に入っている『ホテルの窓から』は、ヨーロッパの時だけ見ることにしているが、9月の最後の予定が「総集編」となっているので、もしかするともう終わるのかもしれない。始まったのが12年の10月で、14年4月から曜日・時間が移った。合計3年ということになる。

 始まった時期が同じBS-TBSの『世界一周!魅惑の鉄道紀行』は、まだ終わりそうにない、なんとなく。

 12年4月に始まっているBS日テレ『世界水紀行』、2番目に好きな番組で、まだ続いてもらいたい。ドイツだけでも、ボーデン湖、ネッカー川、モーゼル川、出してもらいたい地域はたっぷりとある。鉄道ものに出てこられないアイスランドをぜひ。

 BSフジ『路面電車で行く 世界各街停車の旅』は、12年12月に初めて放送されたようだけど、再放送が多いのでまだ52回しかない。リクエストしたいのはフライブルク、バーゼル。

 BSフジ『大人のヨーロッパ街歩き』は相当に古いけど、まだまだ終わりそうにない。再放送もたびたび入るけど、それとは別に再放送の枠も設けてあって実にうらやましいーーというのは、フジの『欧州鉄道の旅』と比べているのである。

 私のいちばん好きな『欧州鉄道の旅』は現在はBSフジで日曜夕方6時、しかしスポーツなどでたびたびつぶされる。始まったのは2001年なのでたぶん一番の老舗。しかし年に2回(2回放送ぶんで一組の内容なのでこれは4週)くらい新作でその他は再放送、という状態が続いている。いまは168回まで。今年の2月にあったきり。この、たまには新作があるということが、まだ終わりにはしないだろうと思う根拠なのであるけど、半年それがないのは不安だ。
 168回のうち、なぜか父が録画していた古いのが70本、私が熱心に見るようになったここ3年くらいの新しい録画が46本、全然見ていないのが52本。古い録画はDVD1枚につき4,5回ぶんでCMカットもしていない。新しいのはブルーレイディスク1枚につき22本くらいでCMカットで入れてある。なるべくならば古い録画に入っているぶんだって新しいのに入れたい。しかし、この1年くらい、すでに新しい録画をしてあるぶんをまた繰り返しているので私にはぜんぜんありがたくないのである! (しかもその放送だってたびたび休止するし!) どこを放送するのかどうやって決めているのかもちろんわからんが、どうせならばもっと古いほうをやってくれないか?ドラマと違って順番なんか どうでもいいのだし。

 紀行で、レポーターが現地人と交流してみせるものと、淡々とナレーション説明で進めるものとあり、私はどちらかといえば後者のほうが好きである。『欧鉄』はそういうオーソドックスな流儀で、BGMにその国縁の音楽を多く使うことが特徴になっている。画面の隅に、読めないタイトルの歌など出てくると、この国の歌なのだろうと思ってわからないままに耳を傾けるのが楽しい。

 BS朝日の『ヨーロッパいちばん旅行記』はいまだにドイツは出てこない。

 ついでに言えば、BS-TBSの『地球絶景紀行』は2010年4月から、BS日テレの『世界温泉遺産』は10年10月から、BS-TBSの『地球バス紀行』は11年4月からやっている番組。再放送はほぼない。私はドイツの時だけ見ている。終わりそう?と思うのは温泉。 
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20年以上昔のCBJrの不手際

2015-08-25 14:04:45 | マンガ
 角川から新しく出た日本史学習マンガが、カバーイラストにやたら豪華なメンバーがいて、中身のマンガは別の描き手であるので、宣伝に注意しないとサギ扱いされかねんな、と思った。その際に思い出す過去の事例がある。

 「ぱふ」というマンガ情報誌があった。類似品のように見られながら出てきた「ComicBox」という雑誌があった。後者はじきに休刊して、「ComicBoxJr」(以下、CBJと記す)として復活した。いずれも、同人誌を募集して紹介もしていた。
 CBJでは、送られてきた同人誌から抜粋して掲載もしていた。ある時ーー私が『間の楔』にハマっていたころなので90年代初頭、『楔』同人誌から、私の好きなTさんのマンガが掲載された。ただし、その本(私は持っていた)の主催はKさんであり半分はKさんのマンガ、Tさんはゲストで本全体の10分の1もない。それならば、その本を紹介する欄(半ページ)では、メインであるKさんのマンガからカットを引用すべきであっただろう、しかし、そのページでまで引用カットはTさんのばかりなのだ、これではTさんの本だと誤解されたに決まっている。申し込みの宛先の名前はどうせPNとは違うのだから、手紙の受取人はKさんであってTさんでないことなどはCBJ読者にわかるはずがない。掲載作を読んで気に入って、ほかのも読みたくなって申し込んだ人たちの手紙を読んで、Kさんはどんなに困惑しただろう。TさんのはCBJに載ったあれだけなのに、このままこの本を送ったらガッカリされるのでは・・・と悩んだのではなかろうか、と私はおせっかいにも心が痛んだ。もちろんKさんのも読みごたえはあるのだ。しかし、Tさんは繊細系、Kさんはワイルド系、まったく作風は違う。例えば、清水玲子と思って買ったらヤマザキマリだったようなもの。

 雑誌名も伏せようかと思ったが、れっきとした商業誌のしたことなので、名指しで批判してもよかろう。もう20年以上まえのことだけど。



 これ、まえに書いていなかったろうか? 検索しても出てこないので、いまさらながら書いておく。

 
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マギー・ホープ、マリア・カッリオ

2015-08-22 16:16:09 | 
皆川博子『海賊女王』

 図書館に入って予約者が多かったので、空いたら読もうと思っていたうちの1冊。

 16世紀ごろのアイルランド。イングランドに圧迫されながらも部族間の対立もあって不穏な中、族長の娘グローニャは父とともに海に出て、やがては壮絶な戦いに乗り出していく。イングランドのエリザベスと同じ年齢という設定で、エリザベス側の描写も並行している。年若い寵臣のエセックスのバカぶりはほかの物語でもおなじみ。

 マンガ家で言うならば、安直なところで昔の河惣さんのイメージか。

 グローニャは、一人称が「おれ」(日本語ならではだろうが)、3人産んだ息子の父親が全部違うし、同衾した男の数はもっと多いし、若い愛人を持ったこともあるし、ヒロインとしてかなり型破りである。



スーザン・イーリア・マクニール『国王陛下の新人スパイ』

 大戦を背景にしたシリーズの3作目。イギリス生まれアメリカ育ち、数学を特技とするマギー・ホープ。チャーチルの秘書、エリザベス王女の護衛、ときてついにスパイとして敵地へ。

 前作で、死んだとされていた母が生きていてしかもドイツの・・・で、うわ~どうなるんだ~~というヒキありまくりの終わり方だったので、ようやく読めてうれしい。

 大戦中のドイツ、普通の戦争のほかに、「生命の泉」だの「夜と霧」だのと重苦しいことに満ちている。序盤で「ヴァンゼー」という名前が出てきたことからしてもう暗い史実が連想されてしまう。

 ところで、マギーの友達のデイヴィッド(ユダヤ系)は同性愛者で、両親から結婚を要求されている。コトがばれて親の怒りをかう。

 当時のドイツで弱者が抹殺されていたが、マイノリティ差別という点では彼らの問題も一脈通じるということも隠れたテーマである。


レーナ・レヘトライネン『氷の娘』『要塞島の死』

 『雪の女』に続く、フィンランドのミステリーシリーズ。刑事のマリア・カッリオ、『氷の娘』の終わりで出産、『要塞島の死』では夫(数学者)が育児休暇をとっている状態で刑事業を続けている。

 仕事しながらの妊娠・出産、人の上に立つ役割についた女の苦労、普遍的なものに違いない。たぶん日本の現状よりはだいぶ開けているのだろうけど、子供のそばにいる時間が短いことに対してマリアにも罪悪感があったり、母親は子供優先であるべきだという考えの人も出てくる。

 美男鑑賞が好きというミーハーなところもあって、親しみの持てるキャラである。
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久々に思いだした歌『鎌倉』

2015-08-17 16:07:51 | 歴史
 中学で鎌倉へ遠足があり、その際に習った歌『鎌倉』。作詞:芳賀八一 文部省唱歌

1.七里ガ浜の磯伝い 稲村ケ崎 名将の つるぎ投ぜし古戦場
2.極楽寺坂越え行けば 長谷観音の堂近く 露坐の大仏おわします
3.油井の浜辺を右に見て 雪の下村過ぎゆけば 八幡宮の御社
4.のぼるや石のきざはしの 左に高き大銀杏 問わばや遠き世々の跡
5.若宮堂の舞の袖 しずのおだまきくりかえし かえせし人をしのびつつ
6.鎌倉宮にもうでては 尽きせぬ親王のみうらみに 悲憤の涙わきぬべし

 当時からいままでこれを全部覚えていたわけではなく、検索して思いだした。でも1番と、「左に高き~問わばや遠き世世の跡」は覚えていた。

 先日、いきなり鎌倉へ日帰りで行くことになったのである。母が言いだして、メインは小学5年生の甥(弟の子)ということで。もっとも、歴史に知識関心の乏しい子供にとって面白いかといえば問題がある。ともかく鶴岡八幡宮と大仏を見て鳩サブレを買って帰った。鎌倉駅のホームに立つ人々のかなり多くが鳩サブレの黄色い袋(ほかのもあるけどあれが代表だろう)を下げているのは笑えるくらいだった。

「かまくら観光」

 私が一人で行く機会があれば、美術館や博物館、お寺をいくつか見て、生しらす丼とソフトクリームを食べたい。長谷駅周辺ならば近代文学館や吉屋信子記念館も行きたい。
 ソフトクリームを売っている店がやたらと多く目についたのはなぜだろうか。今回は柚子ソフトを食べたけど、紫いもソフトとか蜂蜜ソフトとか各種見かけた。

 今でこそ「鎌倉」なんてしっとりした「古都」、洒落たイメージも大きくなっているけど、その昔は、都からすれば、野蛮な田舎であったはず。実際、血なまぐさい事件は山ほどあるし。(市川ジュン作品でも言及されていましたっけね) ・・・もっとも、京の都だって、どろどろした流血沙汰はいくらでもあった。ローマ、パリ、ロンドン等々、多くの血の流されていない都なんてたぶんない。

 遠足で「土牢」は見た。高貴な身分の人がこんな狭いところに!?という衝撃は覚えている。

 鶴岡八幡宮が現在の地に移されたのは1180年、鎌倉の町づくりの中心とした。そのころはまだ平氏との戦も終わっていない。単に戦争に勝つだけでなく、その後の計画もしっかり構想していたということがこれからもうかがえる。

 こんなので「歴史」カテゴリーにしていいのかと気がひけるけど、投下。

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少年・少女

2015-08-11 05:58:41 |   ことばや名前
 神戸のあの事件の犯人の「手記」が悪い意味で話題になっている。幸い、私の行きつけ書店では扱っていないので、現物を目にする機会はない。ただし、図書館の「新着」の中には入っていた。寄贈があり、熟慮した末に1冊置くことにしたのだろうか。
 著者名として「元少年A」というのは卑怯でもあるし、滑稽極まりないとも思う。そもそも、未成年者を報道する際に「少年A」はいつも出る呼び方であり固有名詞でもないだろう、あちこちに「元少年A」はいるはず。せめて酒鬼薔薇のほうがマシだった。

 未成年犯罪者の名前を出せない時に「少年は」「少女は」と連呼されると私ははなはだ不愉快になる。
 瀬戸内寂聴さんが、軽薄・軟弱というニュアンスをこめて「若男」という言葉を使うらしいが、きっと「若者」には、爽やかさや健康などの好ましいイメージが伴うものという前提なのだろう。
 私はそれと似た感じで、「少年」や「少女」には、初々しさ、清潔さなどの、やはりある種のうつくしさをこめて使いたい言葉だという感覚がある。現実には合致していないことが多いとしても。だから、犯罪者にこれらの言葉を乱用されると冒涜のような気がしてしまうのだ。

 ところで、「少年A」とは言うが、「少女」だと「A子」にたいていなる。「少女」と言っているのだから女であることは自明のはず、わざわざ「子」をつけるのはおかしい。ならばつりあいがとれるように「少年A男」くらいにしたらどうだと言いたい。

 ドイツ語の教科書に「彼女は女子学生です」「彼女は女性教師です」という文が載っていると、「彼女と言っているのだから、学生です、教師です、で充分!」とコメントせずにはいられない。

 この、少年、少女、若者についての意見、まえにも書いていなかったろうか。念のため「ことばや名前」カテを全部読み直してみたけど意外にも載ってない。
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『双頭のバビロン』その他

2015-08-06 09:18:59 | 
『ロリータ・クラブでラヴ・ソング』フアン・マルセー 現代企画室 2012  セルバンテス賞コレクション

 数年前に私が「スペインイヤー」としてスペイン文学を読みまくるために図書館を活用した際、市内にはなくて市外・県内ならばある数冊を残していた。そういう本をこのごろ消化しようとしている。

 乱暴なきらいのある刑事ラウルはヤバい一家を敵にまわしてしまい、故郷に戻ってくる。双子の弟で知恵遅れのバレンティンは娼婦マレーナに熱をあげている。ラウルは別れさせようと躍起になるが、純真な二人の気持ちは真剣なものだった。
 やがて、バレンティンはラウルと人違いで殺されてしまう。
 マレーナの店が女将ローラにちなんで「ロリータ・クラブ」であるからこのタイトルというだけで、内容はナボコフと無関係。むしろ連想は『椿姫』だった。


『双頭のバビロン』皆川博子
 最近文庫版が出たので興味を持ち、図書館に単行本があるので借りた。
 ウィーンのユダヤ系貴族の家に生まれたシャム双生児(という名称は出てこないけどそういうことだろう)、幼児のうちに切り離されて、ゲオルクは跡取りとして育てられ、ユリアンは世間から隠される。ゲオルクは士官学校で決闘をしでかし、逆恨みした相手がロートシルトの身内だったので国にいられなくなる。アメリカに渡り、紆余曲折を経て映画界で活躍し始める。
 ウィーン、ハリウッド、上海という様々な「魔都」に広がる物語。戦前の映画に関心があればなお面白い。


岩波文庫の比較的新刊である『冗談』byミラン・クンデラ、思ったほど難解ではなく、『巨匠とマルガリータ』byブルガーコフ、奇怪な物語なりに中々面白かった。
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それはどっちだったか  ソフロニア嬢

2015-08-04 09:17:19 | 
マーク・トウェイン『それはどっちだったか』 彩流社
 南北戦争の少しまえを舞台背景にしているらしい。人格高潔と思われている、そして実際マジメに生きてきたジョージ・ハリソンは、もうろくした父の借金と不始末のせいで、貸し手の名士(「旦那」と呼ばれる)の屋敷に盗みに入るはめに陥る。しかしその際、やはり盗みに入っていた自宅の使用人とはち合わせて成り行き上殺してしまう。そして「旦那」が濡れ衣を着せられてしまう。「旦那」の娘とジョージの息子は恋仲である。
 事件の直後、遠方に住んでいたジョージの叔父が莫大な遺産を残して死亡、あんな犯罪は不要だったのにと悔しがる。ひとに罪を着せたままで名声は高まっている状況に気は咎める。
 しかしその遺産は故人の隠し妻子のものだと探り出す自称哲学者、その手先、多くの人々が欲をかきだす。
 そして、事件現場を見ていた男の出現。
 作者の生前に未発表で未完の長編、ブラックかつコミカルで面白い。

ゲイル・キャリガー『ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る』等 
 ハヤカワ文庫FT。「英国空中学園譚」とシリーズタイトルとして添えられている。同じ作家の『アレクシア女史~』は「英国パラソル奇譚」だった。人狼や吸血鬼が人間と共存しているヴィクトリア朝という設定。ファンタジーというジャンルは好みでないのだが、カバーイラスト、時代物の雰囲気、キャラに魅力があることで読んでいた。その後、姉妹編が出ていたことを知って、既刊をようやく読んだ次第。
 『パラソル~』よりも25年前の時期という設定。おてんば娘ソフロニアは寄宿学校に送られるが、「花嫁学校」ということになっているそこはスパイ養成所だった。ワケありの教授たちや仲間たち、女子校もののノリもあって楽しい。レディだけどワイルドなシドヒーグには『銀のヴァルキュリアス』のネストラ隊長を連想してしまうので、マンガ化するならば、さちみりほさんは似合いそうだと思う。
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月始め投げやり投下

2015-08-01 09:23:01 | 
 月の始めにはなにか投下しておかないとなんとなく落ち着かない。

 図書館の「新着図書」は毎朝チェックしている。今日、ボリス・アクーニンの「ファンドーリンの捜査ファイル」の新刊(日本ではね)『トルコ捨駒スパイ事件』が入っていたので予約を入れた、2人目の待ち順。先月本屋の外国文学の棚で見つけて気になっていたのである。
 この時ほかに気になったうち、『三銃士の息子』は地元にあったので早速読んだ。悪党の結末の付け方は意外性があって面白かった。
 『ボルジア家風雲録』は市内になくて市外・県内ならばあるのでいずれ借りる。『皇帝ネロの密使』も同様?

 待ち順が2番目になっているのは、『マーク・トウェインユーモア傑作選』『悪女は自殺しない』『国王陛下の新人スパイ』『最後の晩餐の暗号』。
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