レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

夏。

2015-07-24 08:08:04 | 雑記
 実はきのうやっとコタツから布団を外した。梅雨時には生乾きの洗濯物を完全に乾かすために必需品なのであるが、梅雨明け宣言も出たし、もう7月も下旬なので。だいぶ見た目がすっきりした。

 今日は今年初めて麦茶を入れた。ひと袋にティーバッグ52も入っている、使い切るだろうか。

 暑中見舞いの季節でもある。1ダースくらいしか出す予定はない。表書きと切手を貼ることはすませてあるのであとは本文を書いて投函するだけである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『あの家に暮らす四人の女』

2015-07-18 13:09:43 | 
三浦しをん『あの家に暮らす四人の女』 中央公論新社

 新刊である。
 古い洋館(「陋屋」である)の牧田家には、家付き娘で箱入り娘の鶴代(70近く)、その娘で刺繍作家の佐知(37)、佐知の友人、会社員の雪乃、雪乃の後輩の多恵美、女4人が暮らしている。『細雪』と名前が重なっていることが作中で指摘されているので、「牧田」は「蒔岡」を意識している。
 離れである「守衛小屋」には、親の代からの使用人である山田一郎(80)がいる。高倉健に憧れているらしい実直な老人。
 語りの視点には、近在のカラス、そして鶴代に離縁された元ムコの霊がごくわずか出てくる。

 小路幸也『東京バンドワゴン』のノリも連想するが、あれが明らかな「一家」であることとは違い、こちらは血縁・婚姻にはほとんどよらない関係である。

 家族というもののありようは様々であること。
 在宅の仕事は趣味の延長のように見られがちなことへの不満。(※)
 「鶴代の祖父は、相手の性別や年齢に関係なく、個人対個人として語らう公正な人間だった。(略)女子が公正さに敏感なのは、公正に取り扱われていないと感じる局面が多々あるからではなかろうか」
 「たいがいの男が一番苦手とするものは、社会的な立場や役割に基づかぬ対話」
 フェミニストのしをんさんらしい指摘が随所に見られる。
 
※ 『細雪』では、四女の妙子が人形作りを趣味としていて、婚約者がそれに対して、人形作りならば趣味として構わないけど、洋裁などされては「職業婦人」のようで世間体が悪いとぼやいていた。時代の差を感じる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

図書館の貸し出しカードの存在

2015-07-12 17:09:21 | 
私が1年通った都立高校では図書館の活動が活発で、利用者を増やすために大いに宣伝もしていた。たくさん借りる生徒の上位者を校内新聞で発表していて、漫研のメンバーたちはその常連だった。
 個人の貸し出しカードには本の題が記入され、いっぱいになって次を使用して、その枚数を重ねていくことがステイタスのようだった。
 そういう活動の盛んな学校でなくても、当時の少女マンガでは、好きな人の借りた本を追っかけて借りて読むなどという設定が少女マンガで見られたものである。それぞれの本にもカードがはさまれていて、借りた人の名前が記入されていた。

 くぼた尚子『探偵日記』で、男主人公と女主人公が調査のために図書館で話をきく場面で、試しに司書のおばさんが女主人公の貸し出し履歴を開いてみせて、「探偵小説ばかり読んでいらっしゃるのね 若い人はもっと古典を読むべきですよ」と説教していた。

 「個人情報」にうるさい現在ではこういうことはできないのだろう。
 しかし、過去に自分がなにを借りたのか、「マイページ」に残せるといいのに、と思う。

 先日、地元図書館の文庫の棚で、『黒のクイーン』byアンドレアス・グルーバー(創元推理文庫)が目に入った。「新着図書」の「よみもの」にドイツ作品があれば点検する。SFは外すが、ほかはたいてい読む。同じ作家の『夏を殺す少女』は確かに読んだのである。しかし、去年出ている『黒のクイーン』はどうだったか?「新着」で発見してすぐに「予約」を入れる場合と、既にけっこう予約者が多くなっているのでメモだけしておいてあとで空いてからにする場合とがあるのだ。ここのブログでも言及がない。まぁ、わざわざ取り寄せるわけでなし、たとえ既読でもいいだろう、借りてしまえ、ーーと借りて読んだ。
 ウィーンで保険会社の調査員をしている独身40男、バロック時代の画家の作品をめぐってプラハに飛んだ女性が失踪したのでそれを調べに送られる。謎めいた古都を舞台に、ユダヤのゴーレム伝説をちらつかせながら展開する謎解き物語。
 面白かったが、読んだのかどうかはやはり思い出せない。読んだ記憶は浮かんでこない。

 地元で手にできる本ならば、同じものをうっかり借りてしまってもまあいいんだ、わざわざ市外まで広げて借りたのに既読だったりしたらさぞ悔しいだろう。
 フィンランドのレーナ・レヘトライネン『雪の女』はここでも言及している。14年に出た『要塞島の死』は確実に未読。13年の『氷の娘』は? う~~ん? 『雪の女』だけ市内にある、そのあとをタダで読むならば「県内」になる。あることはわかっている。

 こういうことを考えると、感想なしでただ読んだ本の名前をここに書いておくだけでも役にたつかもしれんと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

角川の日本史学習まんがセット購入

2015-07-05 15:55:20 | 歴史
「角川まんが学習シリーズ 日本の歴史」
 先月出たこれ、セットで購入した。
 私が小学生の時に学習まんがで日本史に馴染んだという経験上、弟の息子にも買ってやりたいと思っているということはまえにも言及した。それで下記の学研版から数冊買ってみたのであるが、本を読みなれない子には難しいのではと母が言うので、それよりも易しいかもしれない最新セットを買った。私も読みたいからだけど。


「学研まんがNEW日本の歴史」

 ざっと見た限り、絵は学研版のほうがきれい(な巻が多い)。角川は、指摘通りカバーイラストに妙に豪華なメンバーが混じっている。私の主観では、4巻平安後期の「梅屋敷ミタ」、13巻明治後期「水面カエル」、そして10巻江戸中期の「かのえゆうし」(某書の「カエサル」でオクタをきれいに描いてくれた功績がある)が良し。

 角川版はずいぶん安い。サイズが児童書としては少し小さめ、ソフトカバー、モノクロがメインという理由か。でもページは多い。(※)
 セットについている別冊にあるランキングで、
「絶世の美女」が1、小野小町  2.細川ガラシア  3.額田王  「ほか」が衣通姫、お市、陸奥亮子。
「イケメン」が 1.義経 2.土方歳三 3.在原業平 「その他」が桂小五郎、東郷平八郎。
  義経の1位は気に入らん。その他に東郷なんて入っているのがマニアックで笑える。
「美少年」は1、天草四郎 2.森蘭丸 3、不破万作

(※)
では「まんが旧約聖書」の、あずみ版と里中版はなんなんだ?

「あずみ椋 旧約聖書」

「里中満智子 旧約聖書」
 里中版の、文庫版は別として、単行本のほう。あずみさんのはオールカラーでページも多いのに、こちらのほうが値段が安いのはなんだ?ハードカバーかそうでないかだけの違いか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

早くも夏の文庫フェア

2015-07-01 14:31:43 | 
 6月30日といえば月野うさぎの誕生日および「長いナイフの夜」である。しかしいまはその話ではない。
 
 きのう地元の有隣堂へ行くと、早々と夏の文庫フェアが設けられていた。
「ナツイチ」
「カドフェス」
「新潮文庫の100冊」

 冊子をもらってきて点検してみる。

 新潮は、100冊のうちで既読は37冊。そのうち私が好きでお勧めするとなると『燃えよ剣』『赤毛のアン』『きみはポラリス』だろうか。どうも今回はなにもプレゼントがなさそうだ。けち。読んでみたいと思うのは『楽園のカンヴァス』。『燃えよ剣』が「泣ける」に入れられているのはいかがなものかと思う。
 「ロングセラー」の20冊は全部読んでいる。選ぶならば『あすなろ物語』『点と線』『車輪の下』かな。

 角川では、既読は17冊。お勧めならば『月魚』『怖い絵』。
 紙製(たぶん)ブックカバーが景品。

 集英社では、既読10冊。ベストは『残酷な王と悲しみの王妃』。読んでみたいのは『ジヴェルニーの食卓』。景品はしおり。

 今年も、『こころ』『人間失格』は全部に入っている。集英社文庫の『人間失格』、なんだいこのカバーは!?まえにやっていた小畑絵のほうがはるかにまともだったろう。今年はマンガ家に描かせる企画がないのか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする