レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

「完全版」以上の『Z』。

2011-10-31 15:15:08 | マンガ
『Z 完全版』
 『エロイカ~』の35周年記念ということで、秋田書店から出た。
 私は「完全版」というものを買ったことなくて、本誌掲載時のカラーがそのままカラーになっているということは知っていたけど、それ以外に各種カットなども載っているものなのか? いやー、予告編、懸賞品の絵、ピンナップ、カレンダーの絵、見事な網羅ぶり! ここまでやった「完全版」は珍しいのではないのか、みごとだ。(それらみんな見覚えのある私) 年に一度の登場だったことLaLa、あの雑誌にとっても黄金時代であった。当時私は『エロイカ』系のFCにいろいろ入っていて、「パロディ」(いまは「二次創作」と呼ぶ)を山ほど読んだけど、それらのうちの「ダブルパロ」は、『エロイカ』連載誌である「プリンセス」よりも、年に1度『Z』登場のララのマンガのほうがよく使われていたという事実も、当時のララの高い評価を物語っているというものだ。(おまけに、私の知る限りでは、Zというキャラは必ずしも人気があるわけではなかった。むしろ部下Aのほうが広く好かれていた。)
 Ⅱ、Ⅲ、Ⅴ が好きだ。『ブラックアウト』を読んだあとはなんとも充実感・幸福感が湧きあがった。今は昔。


『聖おにいさん』7巻
 ・天界へ里帰りしようとする際の受付にいた、けっこうイジワルそうな美少年のキューピッド
 ・イエスの「父さん」でも、ヨセフのほうを神扱いする大工さんたち
 ・「家出ではなく出家です!」 「どこが違うんだい?」
 ・ラッコの映画を借りようとしているイエスの表情
 ・「最悪、ノアさんに箱舟を借りてでも・・・・・・!」 「その交通手段をとる事態じゃ レンタルした人全員40日の延滞でしょ?」

 ほかにも買った10月のコミックスはあるけど、まだ読んでいない。


 来月の新刊で購入するのは
『江』4(完結)
『イシュタルの娘』4  同じ講談社で同時発売で同じ時代で登場人物が重なっていて、多少意地悪な気持ちで比べてみたくなる。
『アグリッパ』2  さあ、いよいよ真打ち、カエサル、オクタヴィウス少年の登場だ!・・・ってそれはだいぶ違うか。
 「まんがタイムスペシャル」で駒倉葛尾さんの新連載が始まるので、定期購読誌が増えることになる。ほかにも気に入るマンガがあればいいな。
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10月から11月へ

2011-10-30 05:16:45 | ドイツ
 10月末日がハロウィンだということは、昨今の日本でも普及していて、カボチャのニタニタ顔はあちこちで目につく。ドイツでも、実際に子供たちが近所をまわったりするかどうかは知らないけど、それらしいお菓子や飾りは出ているらしい。
 10月31日は「万霊節」、すべての死者の日なので、ハロウィンと似た意味はある。「宗教改革記念日」、11月1日は「万聖節」、「諸聖人の日」で休み。ただし州で違いがあり、前者は北東部で多く、後者は南西部の州に多い。(このへんの話題はまえにも書いたけどまあいいか) つまり、プロテスタントの多い地域かカトリック地域かという違いであろう。 私がいたのは、90年にライン河畔のボッパルト(ラインラント・プファルツ州)、98年にフライブルクで、両方とも11月1日が休みであった。でも当時、少なくとも90年の時点では、どういう休日なのかは意識していなかったと記憶している。
 10月末の日曜から夏時間が終わって、いよいよ冬が近づいてくるという気分になる。ライン河の観光船も10月下旬までだったし。カフェの路上席がなくなるのもこのあたりの季節だった。
 唐突に、『天を斬る』(『燃えよ剣』姉妹編の幕末時代劇)の『しぐれの町』のラストで、「ひととき、京の町に時雨が降る。暗く、重く、そして冷たい、この町の冬が訪れる」というナレーションがあったことを思い出した。
 夜の長い、寒い重い冬、その中で過ごしていれば春の到来を待ち望むけど、思い出になった状態では、重い秋や冬もまた趣のあるものになっている。 寒さは苦手だけど。

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『アニメで読む世界史』 等

2011-10-28 14:37:44 | 歴史
『アニメで読む世界史』 山川出版社
 今月、新聞で広告を見てその日のうちに買ってきた。世界史の棚にあるもののようだ。
 アニメといってもいろいろあるのだが、ここでは専ら「世界名作劇場」からとりあげている。原作との違いも紹介しながら、時代背景や作品の意図に触れる。
 私が意外で興味深く思ったのは、『トラップ一家物語』のトラップ家の人々が「イタリア人」であったということ。 ゲオルク・フォン・トラップの一家は元々はトリエステにいて、ここは第1次大戦でイタリアが戦勝国となった結果、オーストリアからイタリアになった(取り戻された?)地域なので、一家はザルツブルクに移ってからも、自意識は別として(大学入学のためにオーストリア市民権を得ていた長男以外は)「イタリア市民」であったという。 そういう人々がアメリカに渡って、やがてオーストリアのためにも尽力するようになるのだから複雑で皮肉で面白いものだ。
 この本でとりあげた物語、原作はほとんど読んでいるけど、アニメはほとんど見ていない。『家なき子』は、この「名作劇場」では主人公を女の子にする等の変更が批判されている。同じ原作のアニメだと、出崎統監督によるもののほうが有名だろう。『ベルばら』では原作破壊で恨まれている監督であるけど、『家なき子』『宝島』は名作であるという評判だけ私も知っている。
 『ハイジ』について、「じつはスイスのテレビ局では、日本のアニメ版のハイジが放送されたことはありません。その理由は、アニメ版が原作の内容を変更し、日本人からみたスイスの典型的なイメージを盛り込んだからだというのです。」 「もっとも、隣国ドイツで放送されいたアニメ版は、スイスでも見ることができたので、スイスの子どもたちはそれを見て楽しんでいたようです」という説明も大いに考えさせられる。ステレオタイプを遺憾に思うことはどこでもあるだろう。『ヘタリア』で、「スイス」のわりにとんがった性格に「日本」が驚きを感じる場面は、けっこう有意義かもしれない。(スパイもの好きだと、スイスのダークな面にもなじみがあるけどね)
 ところで、別の本では、アニメの『ハイジ』の風俗描写は舞台になったドイツやスイスの人が見ても感心するくらい正確だという話も読んだことがある。--正確な考証も充分にしており、そこに、日本人の思い描くイメージも付加したということなのか。

『こんなに変わった歴史教科書』 
 新潮文庫の先月新刊。
・鎌倉時代の始まりは「イイクニ 1192」ではなく「イイハコ 1185」、頼朝が征夷大将軍に任ぜられた年でなく、守護・地頭の設置権限を与えられたことにより、全国の軍事責任者の地位を得た年になっている。
・ 「神風」は、2度目の襲撃のときの暴風雨は確かであるけど、一度目は疑いがある。
・長篠の戦  「三段撃ち」、「武田騎馬隊」の存在が疑われている
ーーなどなど、いまの研究では覆された、または疑問視されているので、記述が変わっていることがいろいろと紹介されている。
 これらは日本史の問題だけど、世界史ではどうなのだろう。
 それにしても、従来説やフィクションによるイメージや俗説、それら さえ も知らない人々もいるからなぁ、と嘆息。「常識」の範囲やレベルはそれぞれなんだとわかってはいるが。

『危険な世界史 血族結婚編』 中野京子
 角川文庫の新刊。3年前に単行本。もともと『ベルばら』関連のHPに載ったものなので、エピソードの時期に「アントワネット○歳」、あるいは誕生前○年、没後○年、という記載もついている。彼女たちの周辺、あるいは遠い国へも視線は飛び、有名人たちの突飛な事件や身近な情景が次々と繰り広げられる。
 単行本よりも手軽に買えるし運べるので、この機会にぜひ。
 それにしても、単行本と同じくカバーに使われているカルロスⅡ世はやはり気味悪い。体だけでなく頭も弱そう。

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選べない懸賞

2011-10-26 06:04:36 | 雑記
 新潮文庫の夏フェアの景品が「アロハブックカバー」だったとき、色は各種あったけど選ぶことはできなかった。ほか、「エコバッグ」のときも、通常の「YONDA?」のブックカバーも同様。(講談社文庫のブックカバーは選べるぞ)
 しかし、基本的に似たような品なので、その中でどれを送るかおまかせなのはまあわからんではない。

 このまえ、コミックバーズを買ったときのこと。(そこのアンケートハガキにもこれを書いたし、誹謗中傷でもないのだから名前を出してもよかろう。) 懸賞の品の中に図書カードがあった。それは3種類あって、「絵柄は選べません」--同じマンガ家、同じマンガの絵ならばこれでもわかるよ、しかし、ぜーんぜん違うマンガ家なんだぞ! これだと、三つ全部好きな読者でないと応募する気にならないんじゃないのか? (『ヘタリア』ならば私もこれを選択していただろう。) 
 おまけに、「デザインは仮のものです」。  その中の一つは、モロに女の子のハダカの絵なのだ。こんなの恥ずかしくて使えるか!(それが狙いか?) または、ハダカこそ欲しかったのに、実際の品は水着の絵でがっかり、ということだってありうるか。
 二つの点で、いかがなものかと思った。
 バーズでは懸賞があたったこともあるし、悪意の非難ではもちろんない。

 そういえば、あずみさんの連載のために買っている『女性自身』のアンケートの懸賞も、現金「3万円」「2万円」「3千円」のほかに、品物があり、高級な食器や装飾品。これも選べないのだ。現金ならば欲しくない人はまずいないだろうけど、いらない品が当たったら、欲しかった人に申し訳ないじゃないか。
 北村夏さん(川崎苑子)が描いていたソフトレディス誌で、いらんのに「ビール券」(親戚にあげた)、好みでない絵のテレホンカードがあたったことがある。←「北村夏さん応援のために出してるので、テレカはいりません」と書いていたと思うんだけどなあ。

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アー・キン  諸国物語

2011-10-23 05:26:00 | 
『アー・キン』 モーム  ちくま文庫
 たぶんいまはもう出ていない文庫。非欧米を舞台にした中編が6編収録されている。
 『怒りの器』、小うるさい伝道師の妹が、事故でのせいで、ならず者(+二人)の男と一晩過ごすはめに陥りおびえまくるが、男はなんの危害も加えなかった。それで兄妹はすっかり感心して感動して彼を改心させようとする。男のほうでは単に、彼女がさえない女なので邪心がわかなかっただけなのに勝手に感激されて腹をたてていたけどーー。ならず者の改心をちょっと残念に思ってしまう監督官の気持ちも含めて、ユーモラスな話。
 『ニック・マックアダム』  このまえ、『ジョウゼフ・アンドルーズ』の感想で、男の貞操の問題について触れたけど、これもまあそのテーマが含まれるか。ここまできっぱりと男が拒絶していて、それで女のほうに容赦なく罰が下る話は珍しい。


『諸国物語』  森鴎外
 少し古いちくま文庫の巻末で知って、図書館で借りた。上下巻のうち上巻を読んだところ。
 あちこちの国の短篇の翻訳集(ドイツ語作品以外もドイツ語訳から)。
アンリ・ド・レニエエ『復讐』 放蕩者の伯父の悪ふざけにつきあったために女に復讐された若者。これはレディコミになりそうだ。
フランツ・モルナル『破落戸の昇天』(ゴロツキと読む) ごろつきの男が衝動的に自殺して、16年あの世で浄火を浴びてから、自分の死後に生まれた娘に会いに行かせてもらう。 ささやかなほのぼの話。
 同じ作者のもう二つ載っている作品は、男女の対話でその心理の機微を描いたもので、シュニッツラーを連想させる。

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「白水社の本棚」に『テル・ロマ』の名前

2011-10-21 14:44:09 | ローマ
白水社から、情報ペーパー「白水社の本棚」が送られてくる。このまえの便に、
最近出た本アントニー・エヴァリット『ハドリアヌス』が載っていた。一部引用。

「古代ローマ史のなかで最も謎めいた人物、皇帝ハドリアヌス。いわゆる「ローマ五賢帝」の三人目として、またユルスナールの歴史小説『ハドリアヌス帝の回想』で知られ、近年では人気マンガ『テルマエ・ロマエ』に建築好きな皇帝として登場する。」

 そもそも「ハドやん」は割合知名度が高いけど、ここでも『テル・ロマ』の名前が出てくるとは愉快なので一言報告しておこう。

 カラカラ帝の暗殺から始まる『秘身譚』by伊藤真美 2巻が本来ならば今日発売のはずだったのに、12月22日に延期になってしまった。
 同じローマものの一種である『アグリッパ』の2巻、予定通り来月出てくれますように。・・・なにしろカエサルもオクタヴィウス少年も登場だから。
 『セスタス』は順調に続いているのかな?


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カレンダーと手帳、例年の話題

2011-10-18 15:38:44 | 雑記
 もう10月だから、あちこちの書店でカレンダーがずらっと並んでいる。今回も数種類の柴犬ものがあるので、あれこれ可愛いカワイイと鑑賞してから一つ買った。「しばわんこ」はまた出るのだろうか、白泉社のHPには出ていない。私の部屋にかけるのは、実用オンリーの郁文堂の品(いずれ送られてくるだろう)と、『ヘタリア』だ。卓上式で日めくりはドイツの風景と、たぶんまた出る『ヘタリア』スクールカレンダー、原作絵の品。
  カレンダーはもらいものが例年いくつもあるので、そういうので充分全部の部屋が埋まる。でも、もし自分で選んでもっと種類を買うならば、花や風景のもいいなぁと書店で眺めて思う。ルドゥーテの薔薇の絵の品は各種いろいろなサイズで出ている。安野光雅とか東山魁夷の風景画でドイツが出たらけっこう気乗りする。
 手帳は、『ヘタリア』のを買ってきた。カレンダーのページは、前年の11月からその年の12月までなんだけど、むしろ(12年の品ならば)11年12月から13年1月までのほうがいいなぁ。学年末テストは1月でここまでで一区切りという感じなので。

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ジョウゼフ・アンドルーズ

2011-10-16 05:33:23 | 
『ジョウゼフ・アンドルーズ』 岩波文庫上下巻
 18世紀の英国のヘンリ・フィールディングの小説。新刊というわけでもないけどこれをいま読んだことにたいした理由はない。同じ時代のリチャードソンの名前は、『クラリッサ・ハーロウ』『パミラ』で有名・・・少なくとも私は小説論の講義で引用されていてきいたし、ものの例えで「クラリッサの二の舞」なんて言いまわしは文学作品でも目にしてきた。こちらは読んでいないけど、薬で眠らされててごめにされて自殺する女であるらしい。逆に『パミラ』は、金持ちのドラ息子に誘惑されるけどそれを毅然とはねつけて、ゆくゆくはその男を感化して改心させて玉の輿にのるという話であるらしい。「淑徳の報い」という副題がついていて、これのしめくくり部分、編集者の語りで、小説の目的は教訓を与えること云々と書いていある。これと、本居宣長が述べた、物語とは「もののあはれ」を描くものであり、それに教訓を求めることは、花をめでるべき桜を切って薪に使うようなものだという論と対比させて紹介されていた。
 --フィールディングの『ジョウゼフ・アンドルーズ』は、それへの対抗意識で書かれたということで、主人公はパミラの弟という設定になっている。
 ジョウゼフは、庶民の身だけど心がけの良い青年。おまけに見目形もいいので、奉公する屋敷の奥様にも目をつけられる。夫が死んで寡婦になった奥方が誘いをかけてくるのを拒絶したので、逆恨みでクビになる。(旧約聖書のヨセフは当然重なっている) 彼には故郷に結婚の約束をした娘ファニーがおり、彼女に会いに行くまでのトラブル、再会してからのトラブル。懲りない奥方からの横槍。ファニーが実はジョウゼフの妹?疑惑が生じて、--事実、ファニーはジョウゼフの家から誘拐された子だったけど、その代わりにおいていかれた子がジョウゼフで、さらに彼はいい家からさらわれた身の上であったことが判明して大団円。
 けっこう短い間の出来事のはずだけど、次々事件が起こるし、作者が読者に意見陳述するし(昔の小説にはありがち)、出生の秘密なんてベタな展開まで出てきて、古風な楽しさがけっこうあった。
 ファニーもやたらと男に狙われてトラブルのもとになるけど、小説のキャラとしてはあまり面白みがない。それよりは、ジョウゼフに懸想する奥様や女中のほうが精彩が感じられた。 
 それにしても、男が貞操を守ろうとする状況ってやはりどこか喜劇的になるものだなと再び思った。『ネロの都の物語』では、主人公カエソが継母やネロの毒牙から逃れようとしたことが、本人や周囲の人々の死につながって悲劇だった。あれに対しては、おまえがおとなしく食われていれば誰も死なずにすんだんだろうが!と言いたくなったのだけど。--いや、「据え膳食わぬは~」なんて言葉を主張する気はぜんぜんないし、男が操立てしたり女をふったりすることはれっきとした権利だと思っているけどね。それなのに、退けた男が恨まれるのは当然みたいな描かれ方をするのは不当だろ。

 これより先に『パミラ』を読むほうが正しい順番だったけど、まあしかたあるまい。
 図書館にある『パミラ』は、筑摩の「世界文学大系」の中で、大きい重い本で、別の作品もかなりの比重を占めているようだ。『トリストラム・シャンディ』というのもよく目にするタイトルで、借りたならばこれも読みたいけど時間かかりそう・・・。

 時間かかるといえば、まえに新聞の書評で見て興味を持った『ウルフ・ホール』という小説、ヘンリー8世の時代を扱った長編、図書館に入ったら読もうと思った。それを思い出したので検索したら入ってるので予約した。しかし、上下巻でそれぞれ500ページくらいあるのだ。「セット予約」にしたのだけど、上巻が予約順番が「9人」で下巻が「7人」なのはなぜだろう。いっぺんにまわってきたら読めるかどうか心配なのでまず上巻だけにした人がいるということか? 私も上巻だけにしておいたほうが無難かなぁ・・・。
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少女マンガの思い出の本

2011-10-15 05:56:56 | マンガ
『わたしの少女マンガ史 別マから花ゆめ、LaLaへ』小長井信昌 西田書店
 この本が出ていることを知ったのは、ひでかずさんのブログでだった。のちに書店でみつけたのでもちろん購入。
 元編集長の著書。私の雑誌愛読歴はといえば、小学校5、6年生あたりで「別冊マーガレット」、中学生から長年にわたって「ララ」、「花とゆめ」も重なるという経過をたどってきたので、まさにこの本で書かれることはリアルタイムで知っていることで、懐かしさの嵐である。美内すずえ、和田慎二が二大看板であったころの別マ、そして花ゆめが創刊されて、さらにララ、いま思い出しても百花繚乱、綺羅、星のごとくの時代(鴨長明が新古今時代を思い出して戦慄にも似た感慨を抱いているが、それすら連想する)。それらに大きく寄与していた小長井氏は恩人と言うべきであろう。
 あーそうだったそうだった、という部分と、へーそうだったのか、というウラ事情、花ゆめが月刊から月2回になったのは「フレンド」の2回化に対抗してのことだったとは知らなかった。(講談社系とは私は縁が薄かった。買ったことは数えるほどしかない) 私はもう遠ざかっているけど、花ゆめがいまだに月2回で続いているのはやはり偉いことなのだろう。
 「MOE」にも関わっていたとは。作品例として『しばわんこ』の絵が載っているのは嬉しい。
 「Putao」、買ってた。情報誌として出て、一度休刊して、その後「ぱふ」を少女マンガオンリーにしたような感じで復活したけどまたなくなった。復活後にほとんど買わなかったことがあとで悔やまれた。いまは「ぱふ」もなくなったけど。

講談社文庫の新刊、『ああ、懐かしの少女漫画』by姫野カオルコ
 きのう買ったのでまだよく読んでいない。私よりも少し上の世代の著者で、私もほとんど知らない対象だけど、笑えそうな感じである。


 ここで言ってもムダだけど、白泉社文庫はなぜ、『動物のお医者さん』以外の佐々木倫子作品を出さないのだろうか。『ペパミント・スパイ』は2つ、『忘却シリーズ』は一つ、コミックスに未収録があって、それらもまとめたものが出たらファンは嬉しいのに。「大人の事情」とやらだろうけど。 もちろん、出すなら小学館でもいっこうにかまわんが。

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ブーリン ボルジア ジャンヌ

2011-10-09 05:35:45 | 
『ブーリン家の姉妹4 悪しき遺産』 フィリッパ・グレゴリー 集英社文庫

 1はアン・ブーリンとその妹、2はメアリ・テューダーとエリザベス、3はエリザベスとダドリーとその妻エミー。
 4は時代をさかのぼって、ヘンリー8世の4人目の妻と5人目の妻。それに、アン・ブーリンの兄ジョージの妻だったジェーン・ブーリンの3人が代わる代わる語り手となる形式をとっている。
 著者あとがきで書いてあるように、4人目5人目はあまり注目されない。この小説で描かれた、実家で兄の専制に苦しめられていたアン・オブ・クレーヴが、嫁いだイングランドで立派に務めを果たそうとしていてそれが阻まれ、宮廷を追われて、それでも自由を得てそれなりに幸せをつかもうとしている姿はたいへん共感できる。  この兄というヤツも、この息子だけにかまけて娘をないがしろにしている母も、心底嫌いだ!
 アン・ブーリンもキャサリン・ハワードも使い捨てにしているノーフォーク公爵、つかみかかって首しめたいくらい憎々しい。だけど、史実では悪運強いらしい、あー腹立たしい・・・。
 (話それるけど、そもそも野心というものは、権力や金を使ってなにか有意義なことを為したい、という意志があってこそ肯定されるものではなかろうか。単に、地位や富が欲しいだけで邪なことをしたがる連中の気が知れない)
  このテューダー王朝シリーズは7冊出たそうだ。エリザベスとメアリ・スチュアートの戦いに1冊、エリザベスと晩年の寵臣エセックスで1冊といったところだろうか。ヘンリーの最後の妻のキャサリン・パーは出来た人だということだけど、ここは描かれるか?
  あ~、続々と出てくれて羨ましい~~! 

『カンタレラ 禁断ノ愛ハ毒トナル』  ビーズログ文庫
 タイトルで見当がつくとおり、ボルジア。ミュージカルが原作だそうだ。
 ライトノベルの軽さはある程度許容できるけど、セリフ表現の奇妙すぎる点はナンである。枢機卿のはずのジョヴァンニ・ディ・メディチがルクレチアの婚約者になったりするのはムチャすぎるし。
 出来の悪いホアンのキャラにそれなりに取り柄が加えられたのはわりに良し。

『美少女戦士ジャンヌ・ダルク物語』 藤本ひとみ 
 ジュニア向けの「青い鳥文庫」、そうでなければあんまりなタイトルだろう。(でも美少女という史実はないし、この本の中でもことさらにそういう設定というわけでもない)
 彼女をめぐる史実の大筋をつかむにはいいだろう。
 同じレーベルの中の『三銃士』がまた書店に並んでいるのは、近々上映される映画への便乗か。


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