レーヌスのさざめき

レーヌスとはライン河のラテン名。ドイツ文化とローマ史の好きな筆者が、マンガや歴史や読書などシュミ語りします。

創元推理文庫の60周年フェア

2019-05-24 15:00:49 | 
 創元推理文庫で「文庫創刊60周年フェア」をやっているようで、とりあえず冊子をもらってきた。「期間限定・人気漫画家によるスペシャルカバー」の中では、久世番子さんの『オリエント急行の殺人』が気乗りする。(ハヤカワ文庫では谷口ジロー氏が描いている)
  種村有菜が『怪盗紳士リュパン』。まえには西炯子の絵で出ていたことがあった(この時には買った)。このごろ本屋で、ルパンのコミカライズと言ってよさそうな『アバンチュリエ』の森田崇によるカバーイラストの文庫を見るが、あれはハヤカワ文庫なのだろうか。さいとうちほさんか岩崎陽子さんならば買うけどね、と思う。(森田氏のマンガも面白かったけど)
 この文庫フェアでは、対象作品の2冊分か1冊分で応募できる抽選プレゼントがある。なにか買うとしたら、デュマの『黒いチューリップ』(アラン・ドロンの映画とは無関係である、よくまちがわれているけど!!)、デュ・モーリア『レイチェル』あたりか。
 創元推理文庫といえば、来月、キャロル・ネルソン・ダグラス『ごきげんいかが、ワトスン博士』上下 が出る。「アイリーン・アドラーの冒険」シリーズはずいぶん久しぶり。カバーイラストがすてきなことも魅力なのであるが、そのマツオヒロミさんもいまけっこう注目の人なので、またあの絵であることを期待する。

 作家の名前にさん付け、「氏」、敬称なしと混じっているけどたいして意味はない。

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図書館は休館中

2019-05-18 08:50:09 | 
 地元図書館では、例年、4月に半月ほど蔵書整理のために休館する。
 しかし今年はそれがなかった。そしておとといから月末まで休み、システムリニューアルのため。
 ふだんは、市内の各館で休みをずらした部分がある。今回は全館一斉。
 ふだんは、HPは動いていた、今回はそれも休み。返却ポストだけは使えるのだが、HPが見られないので、お~返却ぶんがきちんと処理されているぞ~、働いている~!という感心ができない。もっとも、休館にはいる直前に「配送中」になった本があるので、「取り置き済み」の状態で休みになってしまうという忌々しさからは解放されている。
 たっぷりと借りてある。
 借りた本は、
・ハードカバーだったり分厚かったり、重くて家読み向き か、軽くて持ち運び読みに向くか
・長編か、短篇集か(あるいはチビチビ読み向き)
・フィクションかそうでないか(歴史やエッセイ)
・朝出かける時に電車で読むのに向くか=ライトで読みやすい
・本の国籍(?) 違う国いろいろがいい。

――という観点で分類して、順番や組み合わせを考える。数冊並行して読むので、重ならないようにする。
 ふだんは、次の予約者が待っている本を最優先にするのだけど、いまは、たとえポストに返却したところで次の人にまわるのは再開してからなので急ぐ必要はない。『ムーミン全集1』がそれにあたる。
 ハードカバーで重い本も優先するのは、読み終えなくて延長するために持参するのがたいへんだから。
 システムリニューアルされたら、「マイページ」に貸し出し履歴が残せるようになるなどの変更がある、けっこう楽しみにしている。


 
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レディ・エミリーその他

2019-05-11 09:17:26 | 
『「即興詩人」のイタリア』 森まゆみ  講談社 2003
 アンデルセンといえば「童話作家」だというイメージが強いが、「童話」でない小説も紀行もある。小説で最も有名なものが『即興詩人』であろう、たぶん森鴎外の名と共に。鴎外の訳は日本文学史でも言及され、「原典以上」なんて書かれている、私はこれに大いに抵抗を感じるのだ、デンマーク語を読んで批評できる日本人がそんなにいたはずもあるまい!と。実際は、鴎外はドイツ語訳から日本語にしており、その独訳はあまり上手なものではなく、それと比べての評価なのだということを、この本を読んでようやく知った次第である。それにしても、やはり「原典以上」というのは不適切だと相変わらず思う。
 デンマークの作家であるアンデルセンがイタリアの青年詩人を主人公として描いたこの物語には、北欧人の南への憧れという要素がたっぷりと折りこまれているのであろう。私は鴎外版を読んでおらず、かなりまえに大畑末吉版(岩波文庫)で読んだきりで、でもなんとなく好きな世界である。
 この本は、舞台となった地を巡りながら、アンデルセンにも鴎外にも思いをはせる、一粒で二度以上味わえるというお得感がある。
 少女マンガにもしていいのに。


『たゆたえども沈まず』 原田マハ 
  西洋絵画に絡む作品がしばしばある作家で、これはゴッホ兄弟と日本人画商たちが主要人物。それぞれ必死なのに、最後にくる悲劇。


 図書館のHPの「新着図書」で「日本の読み物」「その他の文学」「歴史」はたびたびチェックしている。岩波文庫の新刊『色ざんげ』、宇野千代は読んだことがなくて、わりに近代の日本史の女たちを題材にしたアンソロジーのまんが文庫で市川ジュンさんが描いていたこと、なにか化粧品のCMに出ていたこと、――やはり恋愛は美容にいいのだろうかと納得できてしまうような、キレイなお肌に見えた、そんなことが頭に浮かぶ。
 長いことつきあっていた東郷青児がモデルである上記の小説、妻子持ちで洋行帰りの画家が主人公である。ストーカー女、その友人、別れ話の出ている妻、さらに別の女、・・・いいかげんにせんかい、と言いたくなる女関係。
 でも東郷青児の絵はたしかに魅力があると思う。
 『陽の末裔』の九門京也の絵は、多少はこの画家をイメージしていたのだろうか。



ターシャ・アレクサンダー『レディ・エミリーの事件帖』 ハーパーBOOKS
 ヴィクトリア朝、うら若い寡婦エミリーを主人公とするシリーズの2作目、『盗まれた王妃の宝石』を読んで、エミリーのキャラが好ましかったので前後も読もうと思った。
 1作目の『折れたアポロ像の鼻』(2016)は、夫フィリップの死の直後から始まる。フィリップはハンサムでお金持ちだがそれがエミリーの結婚の理由ではなく、母の結婚しなさい攻撃に耐えられなくなっていたところで求婚してきたからだった。狩猟でアフリカに行ってそこで病死したという夫が、教養も高く、エミリーを心から愛していたということをようやく知る。しかし、美術品横領の疑いもまた萌してくるのだった。
 
『円舞曲は死のステップ』(2017)
 夫の親友であったコリンと婚約中のエミリー、予定よりも結婚が遅れてしまったところへ、コリンにまた秘密任務、そして仕事仲間であり元恋人の美貌の伯爵夫人が登場してエミリーはやきもきさせられる。

  前者ではルノワール等、後者ではシシィ、実在人物がちらちらと登場してくることもこのシリーズの魅力。
 原書では10数冊出ているというのに、邦訳は3冊で途切れたままなのは残念である。



中野京子『運命の絵 もう逃れられない』 文芸春秋
      『怖い橋の物語』 河出文庫
中野京子 早川いくを『怖いへんないきものの絵』 幻冬舎
 去年末から今年始めにかけて出た3冊、まとめて言及。
 『運命~』、ドイツ詩のバラード『レノーレ』を題材にした絵の章が特に興味をひく。異界から現れる存在は、西洋だと男性が、日本では女性が多いという指摘。画家オラース・ヴェルネといえば、ホームズの血縁者でもある。
 『怖い橋~』 やはりレマゲン鉄橋に感慨。平和博物館行きたい。
『怖いへんな~』、「人相の悪いオバQみたい」とか「男らしいカニ」とか笑いを誘われる表現。「進化論」が日本では反発もなく受け入れられたというのはたいへん面白い。「地動説」についてもだけど、キリスト教という縛りのなかったことは影響が大きいな。
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きっと愛され~②その他

2019-05-06 09:23:18 | マンガ
瀬戸口みづき『きっと愛され女子になる!』2巻(完結)
 1巻が出た時にもここで紹介した。愛嬌のない惣菜屋のさゆり、そこにやってきてパートしながら料理を習うキャバ嬢の志摩は破壊的な料理ベタ。惚れっぽい志摩になにかとつっかかる店のN01のスミレ、さゆりの従姉でエステ経営者の翔。
 結局、さゆりには店の常連の内気な青年—-「諏訪湖の諏訪です」、下の名前不明のまま――が告白してくる。志摩をなにかと世話していた黒服の伊勢崎はカレー屋に転職するが、こちらもうまくいきそう。ドライなスミレは翔の店の客でもあったようで、それなりにお友達になっている。
 ほのぼのと大団円。


『ガイコツ書店員本田さん』全4巻 角川
 書店員の語る、本屋さん裏話。
 アニメを1回見たことがある。
 お客以外の登場人物は顔の部分が動物だったりお面つけてたりで表現されている。語り手(作者)はそれがガイコツ。
 4巻が新刊棚にあるのを手にし、表紙に描かれていた「後輩シバイヌ」がかわいいので買って、ほかも読んでしまった。
 BLコーナーにやってきた白人美女たちが堂々と熱くBLを語っているのに圧倒される様が面白い。


『だめっこどうぶつ』9巻 桑田乃梨子
 去年出ていたのをいまごろ気づいた。
 新登場の一匹狼「黒ちゃん」(うる野命名)が画面ベタ分を上げた。
 秋のうさ原があっさりと済んだのがなんか惜しい。



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洋画が苦手な理由?

2019-05-03 08:08:13 | 雑記
 mixiで紹介されていた記事から引用。
 
 『あくあわーく』『びわっこ自転車旅行記』などの作者で、コミケやコミティアなどで活動、『Twitter』ではマンガ指南を発表している大塚志郎さん(@shiro_otsuka)が、「洋画アレルギーの6つの原因」と題したマンガをアップ。さまざまな意見が飛び交っていました。
洋画アレルギーの6つの原因
①顔と名前が覚えられない
②話についていけない
③字幕が苦手
④Hシーンが苦手
⑤長い
⑥「絵」じゃないから
これらが主な原因です 治す方法ももちろんあります

 引用終わり。
 ・・・過半数がおかしい。
①の、外国人の顔・名前は覚えにくいというのは、まあそういう人もいるだろうと思う。しかし彼らの側からすれば、日本人の容姿のほうが区別つけられないと思ってる人もきっといる。
②出てくる物事・名称が実在するものなのか架空なのか、知識がないのでわからなくて難しい――? 少しはわかる、少しは。しかしな、知識を要するものとそうでないものは日本ものでも外国ものでもあるだろ。
③これは吹き替え版を使えば解決すること。
⑥は、マンガ・アニメの愛好者はとにかく「絵」が好き!だと説明している。ならば邦画でも同じことだろ。
④・・・洋画だけじゃないだろ。
⑤洋画でなくても日本映画でも2時間くらいあるのが普通だろ。
つまり、少なくとも4と5と6は、それ日本のでも同じじゃないか!!!洋画だけの問題じゃないだろ!

 もちろん、洋画をだれもが見るべきだというわけではないし、気乗りしない娯楽に無理することはない。それにしても、あまりにヘンすぎる分析だとツッコまずにいられない。

 私は、2番目の「難しい」に抵抗を感じる。私個人は中国もの、東洋史ものが苦手で、ロシア文学(名前がわかりにくいと言われる)を読むのは問題ない。誰しも相性の良し悪しはある。
 しかし、書物やスクリーンや舞台の上で、未知の世界に触れたいという気持ちはないのか?現実に行ってしまうならば積極的で結構ではあるが、間接的な体験を求めないのは淋しいことだと私は思うのである。
 昨今の少女マンガで、外国もの・歴史ものが敬遠される(あるいは作り手がそのように思っている)こととも通じる。外国がかつてほど憧れでないこと、読者も知っていてツッコまれやすいこと等の理由が挙げられるけど。
 私は洋もの好きである。異人さんで日本マンガの影響を受けている作家もいる昨今、彼ら彼女らの国を舞台に描かれた現代学園もの・家庭ものマンガなんて出てきてくれたらぜひ読んでみたい。 
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BS-TBSの平日朝7時台に紀行番組再放送枠

2019-05-01 07:39:51 | 地理
 私がBSの紀行番組をよく見るという話題はここでたびたび書いてきた。
 かつて「飽和状態」と言われたこれらも、数年前からめっきり減ってしまった。外国まで行って撮影するのも割に合わなくなっているのだろうか。再放送でもいいからそういう枠はあってほしい。
 この4月から、BS-TBSで平日朝7時台がそういう枠になった。
「BS-TBSセレクション」
 あのさ~、「BS-TBSセレクション」って、「紀行」のひとことくらいなぜ入れないんだ?どういうジャンルかくらいわかる名前つけたら?
 4月は『地球絶景紀行』をやっていた。 5月は『世界一周!魅惑の鉄道紀行』になっている。6月はまた替わるんだろうか、『地球バス紀行』という番組もあった。
 『魅惑の鉄道紀行』はほとんど見ていたし、あまり有難みを感じない。『絶景~』はほとんどドイツの時しか見ていなかったのだが、ホーエンツォレルン城、エルベ渓谷は、その時うちのデッキが(わけわからんのだが)ディスクへの保存ができない状態で悔しかった、ぜひまた放送してもらいたい。――ノイシュヴァンシュタイン等と違ってめったに紹介されないのだ。

 BS日テレでは、『大人のヨーロッパ街歩き』と『世界水紀行』の再放送が続いている。『水紀行』は、ライン河の時に失敗して見ていないので、放送を期待している。(それが済んだら終わっていいよ)  過去のぶんでは、『ホテルの窓から』『ちょっと贅沢!欧州列車旅行』の再放送があると嬉しい。 

 交互に再放送という枠は、かつてBSフジで『空と大地の欧州紀行』なんて名前で存在した、私の好きな『欧州鉄道の旅』も含まれていたが、(ほとんどが)すでに録画済の新しいパートばかりでありがたくなかった! 「XX年に放送されたものです」とつければすむことなんだから、もっと古い回を見たかった!

 現行番組では、『世界ふれあい街歩き』をヨーロッパの時に見ている。BSフジで多くは深夜に不定期放送の『ワールドツアー完璧MAP』、再放送を繰り返している番組だけどいまは入れている。

 貼っておこう。
「世界一周 魅惑の鉄道紀行」
「地球絶景紀行」

10月5日に付記。
「BS-TBSセレクション」では、5・6月に『~魅惑の鉄道紀行』を、7-8月は全然紀行でない番組(おかげで「セレクション」はやめたかと思ったじゃないか!)9月に『地球バス紀行』を放映し、10月は日本の鉄道になっている。そして近々『新・地球絶景紀行』が始まるという意外な変化。
 BS日テレでは『世界水紀行セレクション』が終わってしまった、狙っていたライン河はないまま。

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